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2008年1月31日 (木)

マイリスト「短歌の森」に「ふたたび<社会詠>論議の行方」を登載しました。

『ポトナム』2月号には、1月号に続けて、「社会詠」論議について書いてます。
社会詠、時事詠はいつ生まれたのか。時局詠、戦争詠と呼ばれる時代もあり、詩の世界では「機会詩」と呼ばれることもあります。歌人は社会といかに対峙してきたのかをとりあえず近年の文献からたどってみました。

来月からは「短歌の朗読」について考えてみたいと思っています。

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2008年1月28日 (月)

地域で何ができるのか~ブログを開設してみると

 『新日本歌人』連載エッセイ「憲法とわたし」に寄せたものです。これまでの記事と若干重なる部分がありますが、ご覧ください。
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 私が「内野光子のブログ―短歌と地域の可能性を探る」を開設したのが20062月だった。1982年以降参加していた『風景』が終刊になり、短歌に関する発信の場が欲しくなっていたこともある。たしかに、短歌に関するエッセイは、『ポトナム』などに発表したものも含めて、細々ながら綴ったものを登載してきた。若干の反響もあるので、それはそれで楽しみでもあった。ブログ大先輩の大津留公彦さんのリンク先としてのご案内、青磁社の掲示板に一回だけの書き込み以降、若干アクセスが増えたような気がする。

 ところが、20078月下旬、このブログへのアクセスに異変が起きた。824日に、大阪高裁から「赤い羽根共同募金などの寄付を自治会費に上乗せするのは、事実上の強制で、思想・信条の自由を侵害する」という判決が出た。数年前、私の住む町内の自治会でも似たような問題が持ち上がったときの経験を踏まえて、高裁判決の正当性に触れた文章を掲載したのが、831日だった。以降、日を追って、この文章へのアクセスが増え続け、一週間後には、一日で100件を超えた。私のブログ史上?初めてのことで、二か月経た現在でもアクセスは続き、従来から増えた分のほとんどがこのテーマでの検索であった。アクセス分析によれば北海道から沖縄にまで及ぶ。検索ワードも、実にさまざまで、自治会・自治会費・町内会・寄付金・赤い羽根・共同募金・無効判決・違憲訴訟・強制徴収・滋賀県甲賀市・希望が丘自治会・自治会費値上げ・上乗せ・増額など種々の関係用語の組合せによるもので、検索者の思いが伝わってくるようだ。ということは、全国的に自治会や住民が直面する疑問であり、悩みの一つであったからではなかったか。

 私たちの自治会でも、かつて日赤の社員、赤い羽根募金、社会福祉協議会員募集にあたって、班長は一口500円の領収書持参で各戸を回って集金していた。当時、まるで強制では、ご近所の手前断れない、募金の使い道がはっきりしない、などとする声も聞き、すこぶる評判が悪かったのだが誰も言い出せない雰囲気があった。私が役員になったとき、メンバーに家計を担う主婦が多かったこともあって、役員会・班長会で改善策が話し合われ、いずれも本来、個人・家庭の自由であって、現在の集金方式は「おかしい」、ということになった。自由意思が尊重されるよう、募金袋の回覧・手渡し方式になった。個人的には、自治会がこれらの募金の仲介をすること自体に異を唱えたいくらいだ。ともかく半端ながら、こんな方式が定着しかけたところ、会員数が伸びないという社会福祉協議会から、お宅の自治会は会員が少ないから、敬老会への招待ができなくなる、などの圧力がかかったらしい。事情を知らない新役員は危うくその手に乗りそうになった。ほぼ、時を同じくして、この街の開発業者がオーナーになっているマンションのすべてが管理費に自治会費を上乗せして自治会への強制加入をはかったのだが、入居者から表立った動きが見られない。福祉を看板にした会費や募金の強制徴収、自治会への強制加入、これらいずれも思想・信条の自由を侵す。身近な憲法問題を見て見ぬふりをしてはいないか。

憲法九条改悪や「君が代」強制は、もちろんだが、短歌と天皇制の問題にしても、今の憲法下で獲得してきたもの、失ってきたものを検証していきたい。

近年、短歌と天皇制についての拙著や発言に触れて、「怖いことはないですか」というナイーブな質問をされることが多い。「怖いから」控えていると、もっと「おそろしい」ことに加担してしまうだろう。

小さな主題から大きなものまで、ブログは有効なメディアの一つとして期待できそうだ。

(『新日本歌人』20082月号所収)

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2008年1月11日 (金)

マイリスト「すてきなあなたへ」に53号を登載しました

(目次)
「クリスマス&忘年会」参加して―ある特別養護老人ホームにて―
成田に近代文学館分館が完成、ご存知でしたか
菅沼正子の映画招待席25 潜水服は蝶の夢を見る―左目のまばたきだけで自伝を書き上げたすごい人―
あなたの思い出の喫茶店は―昭和は遠くなりにけり(1)

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2008年1月 1日 (火)

新しい年、いかがお迎えでしょうか

2008年、新年のご挨拶申しあげます。

皆さまの健康とご活躍を祈ります。

今年は、ブログ3年目、皆さまからのアクセスを励みに、更新の間をもう少し縮めたいと思っています。

昨年8月下旬、私の住む町での出来ごとも踏まえて大阪高裁判決についての記事「『自治会費からの寄付・募金は無効』の判決を読んで―自治会費の上乗せ徴収・自治会強制加入はやっぱりおかしい」へのアクセス数が、飛躍的に伸びて、自分でも驚いているところです。北海道から沖縄まで、文字通り全国からの反響でした。いま、地域の自治会が抱えている問題を象徴的に表していると思いました。いまだ、アクセス数のトップを保っています。次に多かったのが、一つの記事ではないのですが、都市計画関係、とくに土地区画整理事業に関連する記事でした。そして3番目が、歌会始関係でした。昨年3月、当地の上映が公開直後だった『日本の青空』へのアクセスも多く、憲法改正の危機を実感しました。楽しく書いた、シャガール、ユトリロ、中原中也などへの関心も高く、愛好家たちの視線を熱く受け止めています。また、マイリスト『短歌の森』『ミニコミ誌・すてきなあなたへ』もよろしくお願いいたします。

また、リンクをしてくださっている方々にも、お礼申しあげます。

これからも、広い視野で、ときには深く掘り下げ、ときには、楽しみながら発信できればと思っています。

報告をかねて、お礼とさせていただきました。本年もよろしくお願いいたします。

                200811

                           内野光子

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