毛利正道弁護士、力いっぱい、時間いっぱい語る・・・
~「戦争はダメ!イラク派兵は憲法違反」学習会に参加して~
昨2008年11月17日(月)、臼井公民館(佐倉市9条の会連絡会)での学習会に参加した。佐倉市内5つの9条の会が連携しての開催であった。
2008年4月17日、名古屋高裁は、自衛隊のイラク派遣を違憲とする画期的、歴史的判決を下した。弁護団の一人、毛利弁護士は、その意味をじっくりと説く。聞いているうちに、その判決の重さが少しずつわかってくるような気がした。2004年名古屋の市民を中心とした3268人は、①自衛隊のイラクへの派兵を差し止めてほしい ②イラク特措法、派兵が憲法9条に違反する ③平和に暮らす権利=平和的生存権の侵害による慰謝料を請求する、という裁判を起こした。毛利さんは、別の同様の裁判での原告であり、名古屋の裁判の114人の弁護団の一人でもある。ネット上の「非戦つうしん」の発行者でもある。
地裁判決を含め4年を経た今回の判決では、控訴人の差止請求並びに損害賠償請求は認められない敗訴でありながら、その理由の中で、詳細かつ具体的な事実認定のもとで、「航空自衛隊によるバグダット空港への多国籍軍兵士の輸送は、<戦闘地域>への輸送であり、<武力行使>にあたり、憲法9条1項、イラク特措法2条2項・3項違反」であることが明白になったのだ。国は勝訴であるから上告はできない、原告は、この高裁判決を確定するために上告しなかった。この判決報道では、福田首相の「傍論でしょ」、田母神幕僚長の「そんなの関係ねえ」との捨てゼリフが残された。
砂川事件(1959年)、長沼訴訟(1973年)での地裁判決はいずれも上級審で覆されているので、この高裁判決が確定したことは意義深い。派兵の違憲性と「平和的生存権」を憲法前文・9条からも複合的な具体的な権利として認めたのである。
私たち家族が名古屋に住んでいたころ、娘の保育園父母会で一緒だった友人から「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」の事務局を手伝っているという便りや資料をもらっていたこともあって、裁判の行方は気になっていた。ほんとうによかった。この会は、2009年2月の解散総会をもって閉じるというが、その成果をどう活かして行くのかは、これからの私たちにかかっている。いま、私たちの暮らしは、国の制度や政策によって日に日に窮屈になってきている。自らの生命の危険や他人の痛みに気付いたときから、どんな小さなことからでも行動に移さねばと思う。
毛利さんは、休憩時間も惜しんで質問に答え、岡谷へと帰られた。講師のエネルギッシュな行動力に圧倒されつつ、会場を後にするのだった。
(佐倉・志津憲法9条まもりたい会ニュース第12号、2009年2月発行、所収)
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コメント
岡谷の隣町諏訪市に住むものです。
「諏訪地方憲法集会を成功させる会」などで毛利正道さんと懇意にさせていただいてます。
2月1日には「まるで子どもを狙い撃ち!ガザからの動画・写真展ーイスラエルによるジェノサイド(大量抹殺)を問うー」という集会でご一緒しました。
毛利さんが事務局長を務めている「諏訪地方憲法集会を成功させる会」では5月3日の憲法集会で前岩国市長の井原勝介さんの講演などを執り行います。
井原さんの講演は僕の発案です。
犬ばかりうろつく国で籠壊し翔け上がれ市長井原勝介
毛利さん素敵な方です。
投稿: 宮坂亨 | 2009年2月 9日 (月) 17時17分