ディベロッパーの責任~宣伝がすぎると
地元のディベロッパーとは、友好的でありたいものだ。20年以上この街に暮らしてきてつくづく思う。しかし、最近出遭った二つの出来事がさらに業者への不信感を深めてしまった。
音もなくあらわれる電気バス
4月24日、近くのモノレールの駅に接して24時間営業のスーパーが出店開業した。開店後数時間は入店に行列ができるほどの賑わいだったそうだ。落ち着いた後の買い物客の動向が今後の営業方針を左右するのだろう。
スーパーの家主でもある地元のディベロッパー山万は、かねてよりスーパーへの集客アクセスの一つとして、電気バス運行の計画をほのめかしていた。スーパーの開店日が決まり、どんなルートでいつから走行するのか、さっぱり情報が入らず、地元でも心配していた。そんな折、突然のプレス発表があったらしく、全国紙の地方版や地元紙で、「ユーカリが丘電気バス導入」の記事が次々に載った。記事によれば、電気バスは排気ガスもなく、騒音もなく、環境にやさしく、住民の高齢化に対応する。4月24日から1か月間の実験運行ということで、その間は無料ということだった。
それにしてもどこを走るのか、停留所は決まったのかなど私たち住民は不安もあったが少しばかりの期待もあった。数日後、電気バスのルートと時刻表のチラシがポスティングされていた。そして、その直後、我が家の生垣の下の縁石に黄色のガムテープが貼ってあるのを発見。犬の散歩の折、ご近所を回ってみると、あちらの角にも、公園の角にもあちこち色違いのテープが貼ってあるではないか。ともかく市役所の交通防災課に電話を入れると、現地確認にあらわれた職員は、同じような通報が何か所からかあって調べたところ、電気バスルートの目印であることがわかったという。地元に説明がないばかりか、住民の家の縁石にことわりもなく目印を貼ってゆくなんて。縁石がいくら市有であったとしても断りのない目印はおかしいし、6mの生活道路に了解もなくバスを走らせるなんて・・・。いいことづくめのプレス発表優先、住民無視もはなはだしい。自治会にも説明はなかったという。事前の地元への説明は何かと面倒なことにもなるので、抜き打ち的にチラシを全戸配布してしまおう、というつもりだったのか。あとで、山万の責任者に尋ねると、実験運行の実施が製作会社や大学と共同であったため調整が遅れて行き届かなかった、住民にはなるべくチラシを手渡して了解いただいた、自治会連合会会長には了解いただいている、という返答であった。面談した住民の多くは喜んでくださっているのにと不満が返ってきた。ここには、少なくとも住民に周知の上、了解を得ようとする姿勢が感じられない。音の小さい電気バスの危険性や住民の安全安心への配慮に欠けていたのではないか。オルゴールを鳴らすはずの電気バスは、まだ、音もなく住宅地の角からぬっと姿をあらわすのだ。
スーパーのオープンに合わせて、地元の政治家、役人、商工関係者、福祉や自治会関係者、それにメディアなどを招待して大々的に開催した電気バスの出発式、それを報道する新聞、テレビ局・・・。これには後日談があって、実験運行の5日目4月28日には、電気バス2台のうちの1台が故障し、一日8回の運行は4回の運休で半減し、復旧しそうにもない。
モノレールの駅名変更中止
京成のユーカリが丘駅からニュータウンを15分ほどで1周する新交通システム・モノレールは、車を持たない私は週に1・2度利用する。昨年の今頃、山万の鉄道部は開通25周年を記念して、新駅名を公募すると盛んに宣伝していた。車内放送、チラシはもとより新聞やミニコミ誌でも伝えられた。このモノレールの駅名は、ユーカリが丘、地区センター、公園、女子大、中学校、井野の6つあり、鉄道マニアの間では、とくに「公園」「女子大」「中学校」などの駅名のユニークさ、そっけなさ、不思議さが結構話題になっていたらしい。ザックとカメラを背負ったマニアがモノレールの車体や駅をカメラに収めているのをよく見かけてもいた。マニアでなくとも、新しい駅名って、どうなるのだろうと若干の関心もあったが、いっこうに変わる風でもないし、不思議に思っていた。山万のホームページでは、「応募が多かったのでしばらくお待ちください」みたいなお知らせを読んだことがある。ところが、応募した知り合いによると、今年の4月になって「変更しない方がよいとする意見が多かったので変更はしないことになった」というお知らせが届いたという。詳しい事情はわからないが、いったいあの物々しい新駅名公募の宣伝は何だったの?たんなる話題作り? それにしても無責任というか、人騒がせなことだった。
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