「佐倉市高額公用車の無駄遣い予算否決」から見えてくるもの
9月29日朝一番、メル友から朝日新聞投書欄に「高額の議長専用車 無駄遣い」が掲載されていることを教えられた。投書された方は友人の友人ということだった。地方へのバラマキと悪名高かった「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」(2009年5月29日成立)を財源に佐倉市は市議会議長専用車を692万で買うことが9月の補正予算に組まれていて、緊縮財政の折、その無駄遣いを警告したものだった。9月30日の補正予算審議の市議会を傍聴したメル友からは、補正予算案自体が先送りになったとの知らせが入った。翌朝の毎日新聞には、「佐倉市議会補正予算案を否決事業の優先順位巡り紛糾」という記事があってひとまずほっとしたのである。その記事には蕨市長の「市民にとって緊急性がある大事な予算。内輪もめしている場合ではない」という趣旨の談話が付されていた。投書によれば、昨年も市長公用車が661万円の高額車に買い替えられたというから、市長の発言もあまり説得力がない。
ちなみに上記5月29日成立の国の第1次補正予算における「経済危機対策関係経費」は総額14兆7000億円で、昨年来の麻生政権バラマキ政策の延長線上にあるものだ。さらにその内の「地方公共団体への配慮」と題して2兆3800億円が計上され、さらにまるで帳尻合わせのような1兆円が、問題の「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」となっている。なお、14兆7000億の内、10兆8000億、約4分の3が公債、借金で賄われるというものだった。
この補正予算自体、鳩山政権による見直しが進むなか不透明であるが、佐倉市には、4億1600万円が交付されるという皮算用で、これを含む17億8000万円規模の補正予算案が提出された。4億1600万円の事業計画のなかに、議長公用車買い替え予算約700万円が入っていたというわけである。実にわかりやすい、無駄遣いの一端が垣間見える。この交付金は、原則1年で事業が完了し、次年度まで2年間で使い切れという制約があるというから、よほどしっかりした実績と基準でもって予算を投入しなければならないはずだが、思いつきのような半端な事業が多く、実施計画までこぎつけているものが40事業中6事業ともいわれている。佐倉市の補正予算自体は、近く臨時市議会で再提案されるという。先の否決は、麻生政権と連立を組んだ与党が市議会で反対するという自己矛盾に陥ったり、同じ保守党ながら反市長で結束した会派が反対にまわったりしたことが「内輪もめ」ということらしいが、市議会は中身のある議論をしてもらいたいものだ。
大方の借金で、なぜバラマキなのか。厳正な見直しを望むとともに、それを受ける地方自治体の自覚ある、自律した予算の執行がされるよう、市民は監視を怠ってはならないだろう。
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