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2009年10月19日 (月)

佐倉市補正予算の否決、その後―地方へのバラマキをどう受け止めるのか

                                                                                                                        

930日、佐倉市議会には、麻生政権のバラマキの一つだった「地域活性化・経済危機対策臨時交付金(09529日成立、総額1兆円)」の41600万円(予定)を主たる財源とする補正予算が提出された。40項目中の市議会議長公用車購入費692万円、ふるさと広場駐車場用地購入費7260万円、佐倉くさぶえの丘整備費5539万円などの必要性をめぐって紛糾の上、178000万円規模の補正予算自体が市長擁護派の賛成しか得られず否決された。議長車、駐車場用地購入など不要不急な事業まで計上され、そのムダ遣いや優先順位について指摘する新聞の投書や報道がなされていた。

1014日の臨時市議会でその補正予算が執行部より再提案されるというので、近所の友人と傍聴に出かけた。他に3人いらした。930日には20人以上の傍聴人がいたということなので、その割には少ないな、という感じだ。傍聴席に陣取ったものの市議会では開会宣言と会期(1日のみ)などの了承後、数分で会場を移して「全員協議会」に移行するという。

新たな手続きで全員協議会を傍聴するのだが、「全員協議会」の位置づけが今一つ分からない。議会規則などによれば、人事や臨時議会の折に開かれるらしく、大きな会議室にロの字型に議員が着席、その議長と相対する側に何十人という執行部、市長はじめ部長・課長らがずらりとすわり、壇上というものがない。傍聴人は入り口近くの壁際、数人の議員の背後に並ぶ格好だ。

なるほどこの方が、議員の顔(背中)も、執行部の顔もよく見える。はじめの数十分は、財政課長による分厚い補正予算書を繰っての説明だった。私たちは、後で回収されるというその書類の頁を繰るのに忙しいばかりで、メモも取れない。どのくらいの意味があるのかな、と思っていると、ある議員から、今の説明は既に聞いているので、今回の変更点と理由を述べるだけでよい、との意見が出たが、これから申し上げます、と続行。議会にはよくあるパターンで、どうでもよい説明や答弁で時間を稼ぎ、質疑時間を短くする魂胆かと思いたくもなるほどだ。ようやく終わって、今回の提出案で何が変わったかといえば、投書にあった議長車購入費と坪単価が極端に市価を上回っていたという 駐車場用地購入費が削除されただけのものであった。削除の理由も「前回の市議会での議論を踏まえ」と曖昧だし、ほかの項目でも反対意見はあったのだから明確な理由とはならず、「この辺で手を打ってほしい」という感じだ。議員からは、2項目削除だけというのでは十分精査した結果とは思われない、削除分はどうするのか、返還するのか、他の項目で充当しないのか、項目の差し替え・入れ替えは今からでもできるはずだ、といった意見が出された。市の執行部は、2項目削除のほかは変更せず、成行きを見たいと固執した。しかし、ある議員の確認によれば県庁も内閣府も新政権下でのこの予算の締め切りは確定していないので変更は可能という。議長職権で県庁・内閣府に電話をして確認せよということになり休憩に入ったら、1時間に及んだ。電話だけなら数分で済むというのに。変更できることは確認したが、その先どうするか、会期を延ばして審議せよとか、全員協議会再開後、またすぐ休憩に入ってしまった。1時から始まった会議は4時になっていた。私はもうこれ以上傍聴する時間もないので、ここで退室。

結局再開後、議決が終わったのは午後7時頃だったらしい。結果、次回臨時市議会までに、削除分については他の事業を精査して有効な使い方を提案するという条件を付して、賛成多数で可決した。前回反対に回った保守の最大会派と公明党とあらたに共産党・新社会党が賛成したという。

可決された38項目を眺めてみると、18項目に、学校はじめ、各公共施設での地デジ対応機器の整備・購入費などが含まれていた。地デジ対応自体が、私には、なぜこの時期に一斉に実施ということへの疑問があり、不要不急の余分のことに思える。もっと大事な命にかかわる予算を本予算に組み込んでほしいくらいなのだ。消防署の耐震補強工事、排水路改修、グランド改修、新型インフルエンザ対策用資材、幼稚園の空調設備、保育園の改修・防犯カメラ、というのもあるが本当に市民生活に密着した、緊急を要するものなのかは文字面だけではわかりにくいのが正直なところだ。どの項目にも多大の人件費が伴う。

高額な項目には、小学校のデジタルテレビ・電子黒板・教務用パソコン購入などに6579万円、くさぶえの丘の整備費5539万円などがあるのだが、ウーン、どうなんだろうと考えてしまう。くさぶえの丘に関しては、この春に訪ねた折も、本ブログで書いたことなのだが、事業内容をみると疑問も残る。「バラ園の電線地中化、休憩施設の整備、ばら資料館の改装、地上デジタル放送設備工事等」となっている。くさぶえの丘全体の指定管理者は山万グループになっている。400円の入園料の割には施設が整備されていない。たしかに休憩施設は自動販売機だけであった。目玉のバラ園もマニアはいざ知らず、楽しめるという雰囲気ではなかった。ここの管理はさらにNPO法人バラ文化研究所に投げられている。今回の予算で資料館を土足で出入りできるようにし、電柱を地中化するという。どれほどの意味があるのかなあ。昼間のみ1時間に1本という循環バス、400円の入場料についても、またこうした野外施設の利用に市民がどれほど魅力を感じているのかなどについて再検討をした後でも遅くはないのではないか。所詮バラマキのつかみどり競争みたいな様相ではある。

さらに、執行部側に並んだ管理職の面々、この10数年来、イベントの実行委員、審議会委員としてずいぶんと対立もした担当者たち、自治会役員としてけんか腰の交渉をした担当者たち、開発にかかわる情報公開制度で何度か顔を合わせた担当者たち、みなさん出世されているようだった。なんと、となりの部屋でおびただしい数の職員が待機しているのにも驚いた。そんな暇があったら他の仕事をしてよ、と言いたいくらいだった。佐倉市2007年度統計によれば、普通会計決算のみで職員982人、平均給与年額686万(月額57万)というし、別に800人以上の臨時職員がいるというのだ。虚しさばかりがよぎる議会傍聴の半日だった。

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