神田の古本まつり、行ってきました
今年は、50回目になるという。10月29日、ちょうど東京での用事が午前中に済んだので、「九段下」での途中下車となった。数年前の青空市は、透明なビニールシートをすっぽりかぶった本棚、こちらも傘をさしての渉猟は、やや苦しかったが、きょうは暑いくらいの快晴、人出も多い。何がなんでもという目当てはなかったのだが、かつて図書館で利用していた『入江相政日記』全6巻が5000円だった。これからも少し使いたいので、地元の図書館への往復、コピーの手間を思って、買うことにした。5000円以上買えば宅急便が無料というので、帰りの荷物の心配なく気軽に数冊選ぶことができた。本の回廊に沿いながら、途中の店にも入りながら楽しい時間を過ごすことができた。行きそびれた、買いそびれた、あるいは近頃はめったに買うこともない美術展のカタログは、ほぼ1000円を出せば入手できる。東京の図書館勤めの若いころ、神保町には、1・2か月に1回は寄り道していた気がする。欲しい画集がある店に何度か訪ねては、買わずに帰った思い出もある。新刊本が思いがけず安く手に入って得した気分になったこともある。どうしても確かめたかった図書館での欠本、雑誌の端本を見つけたこともあった。
ちなみに、上記のほか購入したのは以下の通りだが、できれば期間中にもう一度などと考えている。
①詩と歌謡の作り方 佐藤惣之助 新潮社 1938年(500円)
②わが文学体験 窪田空穂 岩浪文庫 1999年(300円)
③カフカの恋人ミレナ M.ブーバー・ノイマン著 田中昌子訳 平凡社ライブラリー 1993年(900円)
④現代のエスプリ・天皇制 至文堂 1970年(500円)
⑤昭和史片鱗 横溝光暉 経済往来社 1974年(?円)
⑥戦艦武蔵の最期 渡辺清 朝日選書 1982年(400円)
⑦戦争とテレビ ブルース・カミングス著 渡辺将人訳 みすず書房 2004年(1800円)
⑧芸術新潮・特集画家たちの「戦争」 1995年8月号(525円)
⑨別冊太陽・子どもの昭和史昭和十年~二十年 1986年8月 平凡社(840円)
佐藤惣之助は、白樺派の影響を受けた詩人としてスタートしたが、いわゆる戦時歌謡の作詞家として名を馳せた。横溝光暉は、戦前の内務官僚で、情報局部長、県知事、京城日報社長などに就いている。
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