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2009年12月 9日 (水)

赤い羽根共同募金の行方~使い道を知らずに納めていませんか、その情報操作のテクニック(3)

④社会福祉協議会とは

 

 それでは、その「社会福祉協議会」とは、募金や会費を配分している「社会福祉法人」なのだが、佐倉市のケースで見てみよう。用語解説的なことはここでは割愛する。数年前の本ブログ「社会福祉協議会の<移送サービス>は誰のため?」(2006418日)でも平成16年度の財政状況を通じて、その実態に触れたことがある。当時、社協の「移動サービス」を受けるには、年間500円の会費を納入した会員であることを要件とするので、自治会全世帯が会費を納めるようにとの要請がわが自治会にも届いた。それが発端で、その移動サービスが有料なのはわかるが、会員が要件というのはおかしいので調べてみたら、県内でも全国的にも皆無に等しかった。私は社協に出向いて意見を述べた。後、その不合理な要件は外されたが、運転や介助のボランティアが集まらない、利用者が少ない?とかでその事業自体が沙汰やみになっているらしい。

佐倉市社会福祉協議会は、事業として、①社会福祉事業 ②委託・介護保険業務などの公益事業 ③佐倉斎場の業務など収益事業を行っている。以下は、3事業合わせての収支計算書から作成した表である。数字は万以下を切り捨てている。

この作業を通じて、『社協さくら』149号の平成19年度「事業別収支計算書」自体の記入にあきらかな間違いがあるのが分かった。その後、広報誌での訂正もなく、ホームページ上の訂正も見つからなかった。社協に問い合わせたところ「ホームページ上訂正してあります」というのだ。この号には二つの訂正があったが、一つは寄付者名の訂正、もう一つは訂正とお詫び」の文言のみで1行の説明もなくクリックの誘導があるだけである。だから私も見落としていた。せめて「計算書に記入の間違いがありました」くらいのリードを付すべきだろう。不都合なことはできればなかったことにないしなるべく目立たぬように?という体質がここまでしみ込んでいるとは。

ともかく、計算書の内容に入ろう。収入の「経常経費補助金」とは、何のことはない、佐倉市からの補助金である。また、この2年間の特殊事情として次の2点は見落とせない。収入「寄付金」は、例年は、400500万円ほどだが、ちょうどこの2年間は、ある個人からの年5000万円ずつの寄付が含まれているので、この科目の数字は突出しているといっていい。さらに、この数年間、計算書を見た限り初めて出会った勘定科目が平成20年度の収入「投資有価証券売却」、支出「投資有価証券取得」である。ほぼ同額となっているのだが、何をしたのか。このご時世、4000万以上の有価証券売買でどれほどの売却益があったのだろうか。損を出しているのではないか。この書類上は不明だ。また、「貸借対照表」を見てわかるのだが、投資有価証券として13974万円を持っていること自体不思議である。投資するほどの余剰金があるということは、どうしても「社会福祉法人」にはなじまないはずである。

           

 事業別資金収支(平成1920年度)

 単位万円      (平成19年度)     (平成20年度)          

勘定科目

社会福祉事業

事業合計

社会福祉事業

事業合計

会費

2243 (8%)

2243

2235(7%)

2235

寄付金

5513

5513

5385

5385

経常経費補助金

10215(37%)

10215

10229(31%)

10229

委託金

3195

  5872

3735

6395

事業

1737

  5872

1913

4905

貸付業務など

 378

378

393

393

介護保険

5365

5340

共同募金配分金

3246(12%)

3246

2956(9%)

2956

投資有価証券売却

4320

4320

以下略

収入合計

27545

43927

32796

40023

           

人件費

12341(45%)

20703(52)

12750(38%)

20410(46)

事務費

  679

1455

  848

1805

事業費

5661(20%)

6786

6127(18%)

6991

貸付業務など

  446

446 

537

537

助成金

1795

1795

1913

1913

積立預金積立

5127(18%)

5127

5132(15%)

5132

投資有価証券取得

4315

4315

退職共済預け金

715(3%)

715

732(2)

732(2%)

以下略

支出合計

27374

39750

33335

44389

「事業別資金収支計算書」(『社協さくら』149号、154号)より作成

この表から何が読み取れるだろうか。専門家ではないものの、公益・収益事業の特別会計では、人件費を含めて、ほぼ独立採算の数字が出ていることがわる。社会福祉事業の欄で、注目すべきは、市からの補助金が1億円を超えるが、それは主として人件費補助にあてられ、わずか数百万円が各事業の「行政からの補助」として申し分け程度にバラまかれているのが実態である。もう一つ着目するのは、収入のうち、社協の会費78%と共同募金からの配分額912%の「分配作業」を、支出で見ると3845%の人件費をかけてしていることにならないか。収入の1620%、支出のほぼ事業費にもあたる1820%を「動かして」しているということだろう。さらに大きな割合を占めるのが、1518%の積立預金積立である。この中身はここではわからないが、「貸借対照表」に拠れば平成20年度において、積立には各種あるが、主たる行き先は、すでに24175万円プールしている「福祉基金」11849万円を確保している「退職給与引当金」などではないか。佐倉市社会福祉協議会には、正職員14名の正職員、15名の嘱託職員が勤務する。事業別にみると25名が社会福祉事業であり、公益事業3名、収益事業1名ということだ。

たったこれだけの数字からでも、見えてくるものがある。広報誌は、毎号、収入全体の20%弱程度の会費や募金の「集金」促進に必死であるが、その使い道や決算には紙面を割かない。正確な情報を伝えない。佐倉市からの補助金の大部分が人件費に消える「社会福祉法人」。そこでなされている事業といっても上記会費や募金の振り分けに過ぎない。これではまるで30名弱の人員を雇うための「社会福祉法人」ではないのか、とさえ思えてくる。私の知る限りでも市職員の退職者が社協には当り前のように天下りしている時代があった。今はどうなのか。嘱託とはどういう人たちなのか。職員の採用は公募されているのか。他の社協ではよく公表している組織図や定員、理事や関係委員リストなどの記載は一切ない。

まだまだ、疑問は尽きないが、ひとまずこのレポートを終わりたい。

なお、20024月(平成14年度)から、佐倉市社会福祉協議会は、いっそうの地域福祉の充実をはかるためと称して、逐次14の地区社会福祉協議会から構成されることになった。まったくのボランテイアな組織の地区社会福祉協議会に若干の予算を付して仕事を投げている構図ではないか。そして、投げられた地区社協はどんな仕事をしているのか・・・。その成立の経過と実態についてはあらためてレポートしたい。

                                                                                                         

私は、今回ひよんなことから、共同募金の流れやそれにかかわる中央共同募金会、都道府県共同募金会、市町村社会福祉協議会の在りように関心を持ち調べ始め、多くを知ることができました。皆様もご自分の地域の社協に一度目を向けてみてはいかがでしょう。(終わり)

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コメント

コメントありがとうございます。ボランテイア活動やNPO活動に不慣れなながら、今回の被災者支援の気持ちをどう伝え、実現するかに戸惑っています。私も仲間と佐倉市と社会福祉協議会、千葉県の防災担当者と接触した限り、本気で支援する気があるのかどうか、とても信じられなくなりました。これは後程このブログでレポートしたいと思っています。義援金の募金主体である日赤と中央共同募金会の日常的な活動と募金の使い道にも大きな疑問を持っているのですが、別枠会計ということだけに配分委員会に対してもあわせて、数字の透明化に期待している次第ですが。

投稿: 内野 | 2011年4月11日 (月) 09時24分

批判その他を含めて実態を多くの人に知って頂くためあえて実名投稿致します。去年、2011年度、秋田県で中央募金会の委員会メンバーでした。遠藤善衛です。その時の実態一つ報告させて頂きます。まず、不明な点はものすごいあります。募金活動した報告書の疑問。経費の使い使いすぎ。私たち委員会メンバーも指摘して少しの改善はしましたが10万円集めるのに100万円の会場費。分配金のその後の追及。その事をふまえ、北秋田市のメンバーは去年から素晴らしい取り組みをし始めました。その他、不明のまま。私もいいのかなぁと思いながら受け取ってしまった交通費(耐えれなくて今回震災の活動資金に回しました)などさまざまな問題点があります。役人のやることを信じてはいけません。今回の震災で多くの義援金が集まります。皆さんで大いにチェックする必要があると思います。私は政府お墨付きの団体へはあえて寄付せず、現地のボランティアセンターは作業進まず困るという情報が入りましたので、必要なスコップ、一輪車のタイヤ、ゴム手袋、ヤッケを寄付しました。また、現地にも4月16日からいきます。

投稿: 遠藤 | 2011年4月 9日 (土) 07時11分

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