美容院の閉店と街づくり
近くの美容室が閉店になった
3ヶ月ぶりにカットに出かけた美容室が、4月末日で閉店になるという。平成元年にオープンという。我が家が当地に転居したのが1988年、昭和63年だから、この町の移り変わりをほぼ一緒に眺めてきたことになる。家にいちばん近いこととスタッフのおしゃべりが過ぎないのが気に入っていた。私がまだ働いていた頃、休日に行くと必ず2・3人の客が待っていた。予約制ではなかったものの「すぐできますよ」と言われて1時間以上待たされて、いらだつこともあった。当初、美容師はオーナーをふくめて3人だったが、ここ数年は、オーナーとその姪にあたる人との2人になり、どの時間帯に出かけても待たずにできた。この間、近隣に美容室が増えたことも確かではある。
そして、1年前、この店から2・3分ほど歩いた近くにマンションとスーパーができて、それに付随する商業施設として格安料金の美容院がオープンしたのだ。新しい店はカット1700円で割引券もバラ撒かれ、1400円になるという。これまでの店は、カット3500円で、値下げすることはなかった。私自身は面倒くささが先に立って、店を変えることはしなかったのだが、客足は落ちていたのだろう。閉店の理由として、オーナーは、世にいう定年還暦を迎えたし、店の賃貸契約も更新の時期となったからと語っていたが、やはり、格安店のオープンが大きな影を落としていたことは間違いないだろう。
「都市計画」の杜撰さと不正経理と
近頃、どこにでもある話ではあるが、20年以上通った店がなくなるのは、ことのほかさびしい。格安でなくてもいい、便利で気持ちよく利用できる店には続いてほしかった。隣接の土地区画整理事業区域内の地元開発業者によるマンションは300戸以上の大型で、招いたスーパーも中規模で24時間営業をうたってオープンした。が、そのマンションはまだ3分の2は売れ残り、窓の明かりもまばらな状況だし、スーパーもすでに営業時間は24時間から9時~夜中12時までに短縮し、つい先月、薬品部とパン屋が撤退している。商業施設の空き室も多く、テナントも長続きしない中、先の格安の美容院のみが健在なのだ。「長引く景気の低迷」のなせるワザだけなのか。近接の井野東土地区画整理事業による開発がごとごとく裏目に出ているのはなぜだろうか。私たち近隣住民有志が、あるいは、隣接自治会が、みずからの住環境保全のため、この開発事業の見直しや縮小を、行政や土地区画整理組合、業務代行の開発業者に要望してきたのは、決して間違ってはいなかったのだ、とつくづく思う。身の丈に合った、適正規模の開発ならば、環境保全と便利さのバランスの中で、もう少し住みやすい街づくりが進められたのではなかったか。
この土地区画整理組合による開発事業を認可したのは、千葉県だ。その千葉県・佐倉市の「都市計画」の「無計画さ」と杜撰さは、本ブログでも何度か書いてはいるが、このたび発覚した千葉県の不正経理のあくどさと共通している。その根ぐされの原因は、業者との癒着、職員のやる気の無さ、モラルの低下ではなかったか。そんな場面に私も何度か遭遇したのだった。
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