<地域福祉計画・地域福祉活動計画・タウンミーティング>に参加しました~社会福祉協議会は「官」なのか「民」なのか~
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地域福祉計画・地域福祉活動計画
タウンミーティングへ行こう~福祉について話合いましょう~
佐倉市と佐倉市社会福祉協議会は、それぞれ「地域福祉計画」「佐倉市地域
福祉活動計画」の策定を進めておりますが、 このたび、計画の骨子案がま
とまりました。
そこで、市内3カ所でタウンミーティングを開催いたします。たくさんの
みなさまのご参加をお待ちしております。
第1会場 10月17日(日) 佐倉市民音楽ホール
第2会場 11月 7日(日) 和田ふるさと館
第3会場 11月14日(日) 志津コミュニティセンター
時間は各会場共通
開場12:30 開会13:00 閉会16:00
ご来場の際は、公共の交通機関をご利用ください。
○参加費 無料
○申込み 不要(保育をご希望の場合は、事前にご連絡ください。)
○その他 手話通訳、要約筆記、保育、車いすのご用意があります。
概 要
◇計画骨子案の説明
◇地域福祉シンポジウム
〔パネリスト〕
○蕨 和雄 (佐倉市長)
○谷田部 満 (佐倉市社会福祉協議会会長)
その他、地域福祉計画推進委員・ 地域福祉活動計画策定委員
〔コーディネーター〕
○松山 毅 (順天堂大学准教授)
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上記のような、チラシやポスター、市の広報などでも何度か見ていたので、住まいに近い第3会場のタウンミーティイングに参加してみた。
なぜ、二つの地域福祉計画ができるの?
どうもややこしいのだ。地域福祉計画を佐倉市と佐倉市社会福祉協議会が双方別々に作成していて、その骨子案がまとまり、市民の意見を聞くためにタウンミーティングを開いているらしい。なぜ市と社協が別々に同じ計画を二つの委員会を立ち上げ検討するのだろう。上記、プログラムの「計画骨子案の説明」には、次の3人が各20分、次のようなテーマで話した。
① 計画の概要: 石渡佐倉市社会福祉課長
② 地域福祉計画の骨子案: 瀬尾委員地域福祉計画推進委員会
③ 地域福祉活動計画の骨子案:橋本地域福祉活動計画策定委員会委員
福祉計画課長は、二つの計画の関係、二つの委員会の関係を配布資料のパワーポイントのコピーを棒読みするだけで、なぜ二つ必要なのかが伝わらない。②③も自分たちの作成した骨子案の将来像・基本目標・重点目標・取り組みの方法というのを、パワーポイントそのままの配布資料を読み上げるだけなのだ。聞く方はつらい、いいことづくめのお題目を聞いているのと一緒で、何が問題点なのかがわからない。基本目標は共通に設定し、基本理念が違うのも腑に落ちないし、まるで「ことば遊び」のようで、何が違うの?という感じだ。
地域福祉計画(A) |
福祉課題 |
地域福祉活動計画(B) |
地域福祉計画 推進委員会 |
基本目標 |
地域福祉活動計画 策定委員会 |
(基本理念) 一人ひとりが 自分らしく安心して 暮らせる 地域社会 |
安心・安全なまちづくり |
(基本理念) 私もあなたも いっしょにつくる いきいきと暮らせるまち 佐倉 |
協働のしくみづくり | ||
交流と支え合いの地域づくり | ||
分かりやすい情報の仕組みづくり |
両者の違いは「官」と「民」?
そしてさらに、A・Bの両者が基本目標ごとに掲げる重点目標もその違いが分かりにくい。まるで言い換え、類語辞典に見るような違いだ。「取り組みの方法」も重なる文言が多いし、やや項目も多いし具体性がある表現をとるのがAの「地域福祉計画」の方だ。ますます分ける意味が分からず、なぜ一体化して進めなかったのだろう。
つぎに、シンポジウムに入るのだが、パネリストが、市長、各委員会の委員長・副委員長に、コーディネーターの計7人が壇上に座る。その7人の「ごあいさつ」にだいぶ時間がとられ、いつ質疑に入るのだろうかと心配になる。時間はすでに2時間近く経過。そして、アンケートでの質問から入るのだが、やはり「なぜ二つの計画があるのか、両者の関係はどうなのか」の質問が複数あったらしい。両委員長の回答では、Aの推進委員長は個人的には一体化した方がいいと思っている由、合同作業部会も設置し、いずれ計画は一体化されるだろうとのこと。一方のBの活動計画策定委員会委員長は社会福祉協議会会長なのだが、「民にしかできないことがある」旨の説明があった。コーディネーター(順天堂大学準教授)は、両委員会とどういう関係か不明だが、よくしゃべる人で、会場の参加者から一度ならずそのしゃべり過ぎを注意をされていたのだが、彼は、はからずも、Aは「行政計画」、Bは「民間計画」といい直し、委員には兼任する者がいるという発言もした。
なぜ、委員名簿を公開できないの?
私は、今日の配布資料に、二つの計画骨子案の策定にかかわった委員の名簿がついていないのに気が付いた。受付の市の職員のところに、今からでもいいから委員の名簿を配布してください、と依頼しに行った。相談しているようだったが、席まで来て、「名簿は手元にないし、今日は担当者が全員会場に来ているので、名簿は手渡せない」とのこと。しばらくして「よかったら、委員のことを質問してくれれば、読み上げるか、構成などを回答してくれると思う」とも伝えに来た。今日は、質問する気はなかったのだが~。
「名簿を公表してください、会場で間に合わないようであったら、インターネット上でもよいので、分かるようにしてください」と質問すると、なんと、市の福祉部長が会場の最前列から「個人情報なので公表できない」と言い切った。そういえば関係の市役所の部課長が最前列にずらりと並んでいたのにようやく気が付いた。各種審議会、委員会、懇談会など市の委員名簿はほとんどホームページで公表されている。住所や電話番号まで発表せよというわけではない、「公務」で手当ても出ているはずなのだから、氏名と所属などは市民がアクセスできて当然だと思う。そういえば、最近「個人情報保護」をタテに、他の委員名簿が氏名のみに簡略化されている場面にも出遭った。委員会の議事録の発言委員氏名を記録しなかったりで、情報公開が後退しているのだ。情報公開は行政改革の柱ではなかったのか。
「社会福祉協議会」は「民」なのか
今回のBの地域活動計画は「民間」の社会福祉協議会の地域活動計画策定委員会が策定していることが明確になった以上、どうしても質問しておきたいことがあった。「佐倉の社会福祉協議会は、2億数千万の財政規模の中、佐倉市から1億近い人件費への補助金が出ているが、それでも社協は『民』といえるのか」という年来の疑問である。コーディネーターはすかさず、「その件は今日の議題ではない」と答えたのだ。こんな露骨な「逃げ」を演ずると思わなかった。
そして、壇上のパネリストでもある社協の会長と最前列の事務局長は会場に向かって、社協の会費、募金、寄付への協力要請を始めた。さらに「松江市では、香典返しの代わりに社協に寄付をさせて4000万くらい集めた」実例まで「羨ましそうに」語り出した。一昨年の最高裁判決以来、会費や募金を自治会を通して集めることすら疑問視されているのに、これ以上香典返しまでに踏み込むの?お金の入口には必死になるが、その使い道の杜撰さ、不透明さには頬かむりするような、今日の質疑だった。
社協が『民』の顔をして、行政と並行して作成する「地域福祉計画」ってどんな意味があるのだろう。社協の存在価値をアピールするパフォーマンスのような気がしてならない。来年に計画素案が発表され、パブリックコメントの募集があるという。まだまだ茶番は続くのだろう。それでもあきらめてはいけないと、自らに言い聞かすのだった。
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