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2010年11月17日 (水)

<地域福祉計画・地域福祉活動計画・タウンミーティング>に参加しました(続き)

二つの委員会の委員は入り乱れて・・・

タウンミーティングの帰りがけに、佐倉市側の担当者である、社会福祉課に、二つの委員会の名簿のファックス送信を依頼しておいたら、翌日に届いた。

(第2次)

佐倉市地域福祉計画推進委員会名簿(平成21527日~23331日)(行政

選出区分

氏名

備考(筆者記入)

   

社会福祉事業者

恵下均

現委員長

   

ともに歩むふくしプラン推進委員会

徳嵩陽子

民生・児童委員、元教育委員、

前第3次活動計画策定委員長

   

社会福祉協議会

瀧嵜博

   

民生・児童委員

高岡良子

   

ボランテイア団体

松崎裕美子

現副委員長

兼 活動計画策定委員

   

地域団体

高石惣一郎

社協職員

兼 活動計画策定委員

   

公募市民

住吉アキ子

   

公募市民

藤谷良弘

   

公募市民

瀬尾潔

   

学識経験者

松山毅

順天堂大学準教授

兼 活動計画策定委員

 上記名簿といわゆる「民」を標榜している「第4次地域福祉活動計画策定委員会名簿(民間)」とを比較して気付いたことを列記してみよう。

・第4次地域福祉活動計画策定委員会(民間)は、合計26人。「第2次地域福祉計画推進委員会名簿(行政)」と重なる、兼任者は⑤⑥⑩の3名である。

・第4次地域福祉活動計画策定委員会(民間)の選出区分による内訳は、学識経験者1、市議1、市1、教育委員会1、公募4、商工会議所1、民生・児童委員2、保健医療関係1、社協関係5、福祉団体連合体代表6、地区代表3である。

・上記、推進委員②は同推進委員会(行政)の前身にあたる「(第1次)佐倉市地域福祉計画策定懇話会名簿」(行政)の区分では「男女平等参画関係者」とあり、備考に記したように、第3次佐倉市地域福祉活動計画策定委員長時代(平成183月~196月)(民間)の所属・職名は「ボランテイア」となっていて、いろいろ使い分けていることが分かった。

・また、推進委員⑥も選出区分が「地域団体」となっているが、一方の「第4次地域福祉活動計画策定委員会名簿(民間)」の選出区分では「市社会福祉協議会」となっているではないか。第2次地域福祉計画推進委員会(行政)には③と合わせて二人が社協関係者ということになる。

・佐倉市地域福祉計画策定懇話会名簿(第1次)(行政)を見ると、①②⑤⑥⑧⑩の6名が引き続き現在も地域福祉計画推進委員会委員(第2次)(行政)を務めていることになる。

・なお、行政による推進委員会10名には、16人の担当部課長ら、いわば「あて職」による庁内委員会が付置されている。

・ここでは書きれないが、双方委員を個別でみると、大部分の委員が、この両委員会の委員のほかに他の佐倉市の審議会、委員会、懇話会などの委員を兼務したり、他の委員会から「わたり」で選任されたりしている事実に直面する。

以上のことからも、二つの「計画」を作成する二つの委員会は、単純に3名が兼任しているだけではなく、次のような事態を引き起こしていることになる。

・時系列においても入れ替わったり、再任が多数を占めたりしているので、委員は固定化し、限定的になる。

・結局、行政側の選任で決まる委員人事なので、おのずから行政との親密性が高く、癒着の弊害を生みやすい。公募委員といえども、12回の選任期間が試用期間となり、行政にとって「安全安心な」委員か否かの「踏み絵」の役割を果たし、公募委員を経て、行政推薦・選任の委員になるケースも多く見受けられる。

・公募委員の定員の割合は、「行政」委員会で10分の3、「民間」委員会で264にすぎない。しかもその選任については、応募期間を延ばしたり、応募人数を明確にしなかったり、その選任過程・基準は不透明で、新人が選任されにくく、多分に行政の恣意が垣間見える。

・今回のタウンミーティング時の配布冊子に双方の現計画の成果と中間評価がレポートされているが、これも限りなく、たんなる自己評価にすぎず、適正かつ公平な評価は期待できない。

・今回の参加者からの意見にもあったが、現在進行中の計画の問題点を明確にしないまま、甘い自己評価を前提に次の計画を策定していることになる。

  このような事実と事情を背景にした委員人事となると、なるほど委員名簿は「個人情報保護」により、計画素案が出来上がるまでは、公表するのが憚れるのであろう。しかし、他の委員会の名簿は、大方ホームページなどで公表されていることが多いので、どうしたわけだろう。「福祉」という「聖域」だから許されることなのか。疑問は大きい。

計画実施の財政的な裏付けはあるの?

 この疑問は、会場の参加者から複数出ていた。市長は、あります、と大見得を切っていた。この先10年で福祉関係予算は120億から190億円まで増加するのに十分対応していきたい、という。だが、その根拠が明確ではなかった。

 その一方で、「民」の計画をリードした社協の谷田部会長・立嵜事務局長は、社協会員の拡充、募金・寄付の増額のため自治会・町内会の協力を訴えるが、私が質問したように平成21年度で見れば、総収入27100万円の内、佐倉市からの人件費補助が9588万で35.4%を占め、人件費はさらに上乗せし、13668万円を支出、総支出27100万円の50.4%を占める。人件費の70%を佐倉市に依存し、元の市職員、前職員も働く社協はほんとうに「民」と言えるのか、事業といえば、会費・共同募金・寄付などの配分とボランテイア活動支援を主とするが、在宅サービス支援とて、地区社協の福祉委員・ボランテイアで支えているのが実態だ。指定管理者制度による委託事業も福祉の現場ではなく、机上での支援・調整にこれだけの税金や募金をつぎ込んでいいものか。別会計での介護保険制度による介護事業は、行政や他の福祉社会法人でも十分なしうる。

 社協が、人件費をかすめ取るダミーのような役割を果たしているように見える。現在社協がしている仕事は、行政の福祉部門で十分完結できる仕事で、その方が効率がよいはずである。

 さらに、「民」を標榜するのだが、財政的な意味でも、もはや「民」ではあり得ない上に、前述のように、「民」と称して参加している委員のほとんどの委員は社会福祉法人、福祉事業者、NPOなどの代表者として、何らかの形で社協の会費や募金からの配分を受ける側の人間である。ということは、計画の策定過程で行政や社協からの提案に、基本的には賛成せざるを得ないだろう。些細な提案や思い付きは採用されたとしても、基本的な流れに異議を申し立てることができるのだろうか。行政すなわち佐倉市からの地区社協への敬老事業費にしても、その実施態様は、高齢者の実態に即していない。また、社協から共同募金の配分の仕方にしても、「はねっと」の報告によれば、機械的で、実績というより、バラマキに近い。

では、どうしたらいいの?

 上記のような視点で、「社会福祉協議会」に切り込む研究者も見当たらず、福祉行政担当者、福祉事業者・従事者からの声も、政治家たちの声も聞こえてこない。問題認識がないのか、恩恵にあずかっているからか、あきらめなのか、とても不幸な状況にたち至っていると思う。そんな中で、今回、私は、神奈川県伊勢原市の浜田順子市議会議員(神奈川ネットワーク)が自らのホームページで2009116日の「市社会福祉協議会に対する市の補助金は、適切か」と、こんな風に言っているのを見つけた。

「戦後の復興期には、戦災孤児、身体障害者援護などの大きな役割を果たしたが、時代とともにボランテイア活動援護とその役割が大きく変わっている。市の社協を財政面から分析してみると、市から7000万円の補助金を得ており、経常活動支出の70%を占める。人件費と事務所管理費に充てられ、繰越金4550万円、特定預金1750万円ある。介護保険制度による居宅介護支援事業などはでは社協というネームヴァリューもあり、公的資金も入り、優遇されており、他のNPOなど市民事業などの展開を妨げていないか。市の補助金制度の抜本的に見直すべきではないか。介護保険や自立支援事業は経理面を明確にするため特別会計として分離独立した会計処理を行うべきだ」(要旨)

http://jhamada.kgnet.gr.jp/index.php?case=6&action=1&cate=all&id=1232119338

  佐倉市の場合も、2億円以上の福祉資金を持ち、1億数千万円の有価証券投資を行っている一方で、自治会・町内会を通して、会費・募金の増額に必死なのは、どこか逆立ちしているようにみえる。社協が生き残る道は、公的資金は受けてはならず、他の社会福祉法人と全く横並びの一社会福祉法人として、適正な競争原理のもとで事業を行うべきである。それが規制緩和というものだろう。

タウンミーティングの参加者からの指摘にもあったが、社協は、半官半民を使い分けているのではないか。ある時は、今回の計画策定のように「民」の立場を強調し、自治会や町内会には「官」の顔をして会費や募金を実施しているように思う。

国政においても「審議会行政」の弊害がわかっていながら、その改革に手をくださないのは、学識経験者、実務の専門家やジャーナリストなどの顔を一見立てながら、官僚の意のままに動かせるからだろう。登用される委員たちも持ちつ持たれつで、その「地位」や「名誉」を利用して、世間を渡り、実を得ているのだろう。国民は「蚊帳の外」である。今はやりの「仕分け」とて、仕分けする者とされる者との関係が不明確だ。どこの誰ともわからない「仕分け人」が登場し、切ってみせるが、切っても切っても実効性が低い。その対象が些末的ではないか。もっと基本的に予算管理をチェックすることに、議会や国民のエネルギーを使いたいものだ。

住んでいる町で、一度社協関係の委員会の委員名簿を手にしてみるといい。そして役所のどこか関心のある審議会委員名簿を覗いてみるといい。その重なり具合で、ほんの一握りの、行政にとって「安心安全な市民」による「市民参加」が大手を振っているに違いない。

当日の参加者は、かなりの数の市役所、社協、福祉委員などのスタッフがどれほどか正確にはわからないが、あわせて百数十人というところか。過日、スタッフらによる大々的なリハーサルもなされたという。当日の午前中、私は別の会議で会場ホール近くにいたのだが、10時にはすでにスタッフは駆り出されていた。ご苦労様なことだが、このタウンミーティングにかかわる経費とエネルギーを福祉の実に振り向けてほしい。

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