「社会福祉協議会」はほんとうに必要なのか~地区社協から垣間見る
私たちの住んでいる町の地区社会福祉協議会では、何をやっているのかといえば、2009年度決算書によれば、以下の通りだ。現在地区社協は26の自治会・町内会、7600世帯を4つのブロックに分け、活動を行っている。
収入 佐倉市社協支出金 433万 (運営費補助金198万) (敬老事業配分金233万) 事業収入 59万 地元負担金 41万 その他 合計 634万 |
支出 運営費 108万 事業費 347万 (敬老事業費 164万) (広報事業費 53万) 返還金 110万 その他 合計 566万 |
昨年度はインフルエンザのため地区中学校を会場とする「敬老の集い」は取り止めになり、記念品のみの配布がされた。市社協からの敬老事業(敬老の集い)配分金233万の内一部110万が返還金となった。この集いには自治会からも負担金とともに、準備や当日のための手伝いが課せられる。「集い」が実施されても、招待される75歳以上の高齢者は増加するが、参加者は年々減少し、今年10月の当ブロックのの「集い」には当自治会(660世帯)からの参加者は対象者145名中50名ということであった。
例年は、市社協からの配分金の50%以上(433万中233万)と地元負担金とを合わせて年間総予算の40%以上をたった1日の「敬老の集い」に費やしているという地区社協の仕事って、なんなのだろう。年4回発行される上質紙の広報はイベントの写真と案内、人事のお知らせばかりが目につき、読むべき内容がない。
事業内容と予算決算を明確に伝達し、地域の高齢者、障がい者、児童たちが何を望んでいるのかを捉え、それに応えることができる元気な住民たちが、行政を補完する形で気軽に手伝いができるような仕組みは、会社退職者や子育てを終えた人たち自身の「サロン」からは生まれない。「まちづくり協議会」をつくるのがはやりのようだが、行政の仕事をますます曖昧にし、自分たちの居場所づくりのような会や団体はこれ以上要らない。
社会福祉協議会は、ほんとうに必要なのかは、先に見たように、その実態から見る限り、行政との特別な関係を切った時に初めて、その役割が問われよう。人件費を行政が丸がかえしている社会福祉法人が、指定管理者制度導入により、他の社会福祉法人やNPOと横並びで参入するのは、規制緩和や競争原理にも反するのではないか。
さきに、石原都政を検証するシンポジウムが開かれたとき、石原都政の福祉政策を批判していた研究者に、「社会福祉協議会」の実態と必要性を質問したところ、「そこまで手が回らない。情報不足ながら、地方では社会福祉協議会の果たす役割があるのではないか」と、曖昧な回答だった。
こんなことを考えていると夜も眠れなくなってしまう!
| 固定リンク
コメント
ここは北海道の登別市
ここの社協では こんな事をやっています
年に二回 町会の手により、募金活動があります
そのうちの一回は、市内に還元が趣旨
町会では月に1度程度町内会館に集まり リクリエーション等を楽しむ
敬老会をなくし、名前を変えて再開って感じです
活動は市内の全ての町会でやっている
その中心が社協でやっている
一見ほのかなムードで良い活動に思うのですが、疑問(不満)に思う事があります
この活動に、募金のお金が配布されているのです
参加者は1割弱
そうなると 町会の一部の人達のリクリエーションの為に募金している事になります
募金する人は こんな形が本意とは思っていないはずです。
どう考えても 社協の存在感のアピールとか 市民に対する社協の位置関係を無理やり作っているだけとしか思えません。
市内では ケアマネの所得より社協の職員の方が高い
と 不満の声が出ています。
ここらで 全国的に 社協の在り方について考える運動を起こすと良いのではないでしょうか
貴重な市の税金も入っている事ですので
投稿: 知恵 カモメ | 2016年2月26日 (金) 19時52分
市町村の福祉で手が回らない、つまり盥回し先に、「福祉協議会に相談してみて」と逃げ口上のような感じでしょうか?
でも、最近は、中央分権で福祉協議会から身を引く役所も多いいです。
しかも、住民税が欲しいから
役所も必死に助けてくれます。
昨日、入院の頭金を借りに福祉協議会に行きました。手術を受けずに死ねと言われました。
たった5万円で闇金さえ言わないだろうに・・
投稿: 太田 薫 | 2014年7月 5日 (土) 11時24分
私も疑問を感じていました。参考になりました。
ありがとうございます。
投稿: | 2014年4月29日 (火) 12時31分
同感です。
投稿: | 2012年12月13日 (木) 18時03分