« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »

2011年5月24日 (火)

「幸せの経済学」上映会へ

近くのカフェで、ドキュメンタリー映画「幸せの経済学」を見てきた。観客は30人近くか、こじんまりした上映会だった。522日は「生物多様性の日」ということで、全国100か所以上で上映されたという。東京の上映会で見ると言っていた娘の推薦でもあった。

 毎日新聞(521日夕刊)、朝日新聞(朝刊522日)でも紹介されていた。監督の一人、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさん(65歳)は、スウェーデン生まれの言語学者で、1970年代からインドの高地ラダックに住み、急速な近代化、グローバル化によって人々が決して豊かにはならなかった現実を目の当たりにした。彼女は、住民と伝統文化や環境の保全活動を始めるとともに、「グローバルからローカル」をテーマに各国の研究者や環境活動家と連携して地域に根ざした循環型社会を目指しているという。

 映画は1時間10分ほどだが、ラダックの人々が開発やそれに伴う消費文化に翻弄されていく姿を追い、世界各地で引き起こされているグローバリゼーションによる人々の不幸の連鎖を告発する。自然破壊、資源の浪費、失業、貧困、伝統文化の消滅などがどんな仕組みで進行し、それにはどんな手立てや覚悟が必要なのかを、各国の映像と研究者・活動家らのコメントで綴る。その解決の糸口は、経済成長や不必要な輸出入を排除し、地域経済を人々の手に取り戻すことにあるという。生物の多様性、コミュニティの復活など、世界各地での実践例が紹介される。

 映画の製作意図は十分理解できるのだが、短時間に盛りだくさんの内容が詰め込まれた感じで、見ていてめまぐるしい。研究者や活動家のコメントも、実践例ごとに、入れ替わり立ちかわりで、字幕を追うだけでもいささか疲れたのは年のせい?だろうか。自動車工業都市だったデトロイトの自給菜園、トランジション・タウン運動の実態、日本の埼玉県小川町の有機農業の現況なども説明不足で分かりづらかった。

 短いドキュメンタリーなので、総論的になるのはやむを得ないかもしれない。各論的な実践記録をもっと知りたいと思った。できるところからの実践と発信・情報交換は今後の課題ではないかと思う。

| | コメント (1)

2011年5月14日 (土)

原子力安全・保安院の情報公開はほんとうか~間違った情報を流しながら、名乗ることもしない係員たち

311日、帰宅困難者となった私は、翌日までテレビを見られなかったので、当時の原子力安全・保安院の記者会見の様子を知りたく、保安院の地震関連情報のサイトに行き着いた。保安院のその後のメディアへの対応についてもたどってみたかった。記者会見がいつ開かれ、何を発表し、どんな質疑がなされたかを知りたかったが、通商産業省のホームページからは分からなかった。保安院の広報課に尋ねてみると「記者会見での配布資料はホームページ上でも見られるが、会見の記録はネット上にはない」という。議事録は文書となって残っているが「それはお見せできないことになっている」と女性係員は譲らず、その理由を明らかにしなかった。「会見内容を知りたければユーチューブやニコニコ動画を見たらどうか」という返答には、こちらが仰天した。どうも、気になったので、名前を尋ねたところ、組織の一員として答えているので、名乗れないという。従来、広報課ならずとも省庁の担当者に問い合わせたときなど、必ず応対者の名前は聞かせてもらっていた。いったいいつから「名乗れない」ことになったのだろう。

記者会見の議事録は、情報公開法の趣旨からも、また、実務上からも、公開にはなんら支障がないはずの情報である。どうも腑に落ちないので、翌日同じ広報課に電話してみると、男性係員は、議事録は、通常の閲覧手続きを取ってもらえれば閲覧はできると答えた。ならば、昨日の女性係員の無知と横柄な対応は何であったのか。情報公開制度への理解がまるでないことが分かった。日付と文書名ないし内容が特定できれば、郵送でもできるはずである。

いまやインターネットの時代、総理官邸の記者会見の模様は、記者会見時の読み上げ原稿と質疑を含めた動画が配信されている。総理や官房長官がいつ防災服を脱いだのかは、その動画配信を見ればたちどころにわかる。ところが今注目を浴びている保安院の記者会見時の記録は一切ネット上登載されていない。読み上げた原稿と会見時の動画を配信はしてないのだ。記者との質疑によって明らかになる事実もある。また、当然のことながら、メディアは中継の途中で打ち切ったり、録画や紙面では自在に編集をした結果を報道する。少なくとも省庁の記者会見は、必ず国民がアクセスできる手立てを整備するのが、情報公開、知る権利を保障することになるはずだ。「ニコニコ動画があるじゃないですか」との言に「役所が責任をもって発信した情報ではないでしょう」の質問には答えてもらえなかった。

保安院のサイトを見ていると、日本各地のこれまでの原発事故や安全性についての住民説明会の議事録も動画もネット上登載されているのだから、国民的関心の高い現在の記者会見の記録が辿れないのは、そのこと自体、情報の隠ぺいにもつながる。さらに、発表された内容の信憑性の検証もできないことになり、不信感は募るばかりである。

ちなみに、地震発生、津波発生、原発事故発生直後の保安院記者会見の日時・主な報告者・その内容は、テレビ、新聞、ネット上の関係情報からまとめてみた。いずれ会見議事録という原資料にあたってみるつもりである。

311日午後330分頃(中村幸一郎審議官)

福島第1原発123号機冷却機能維持、456号機停止中 

312日朝6時過ぎ(寺坂信昭院長)

 中央制御室から通常値の1000倍、1号機からは微量の放射能が漏れている

住民の健康に直ちに影響はないことから落ち着くように。

312日午後2時過ぎ(中村審議官)

 1号機炉心溶融が進んでいる可能性があり、セシウム確認。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g%3D96958A9C93819595E3E0E2E39C8DE3E0E2E1E0E2E3E3958AE3E2E2E2

312日夕6時頃(中村審議官)

 1536分、1号機で爆発音、原子炉の心臓部が損なわれ、炉心溶融が進む可能性あり。

 http://www.youtube.com/watch?v=kjRiMvwpabw

 ・313日深夜130分(八木原子力事故対策防災広報室長、中村審議官)

  水位計測器がダウンスケールの現状、負傷者4名。会見動画によれば、不明部分多し。

http://www.youtube.com/user/zannengenpatsu#p/a/u/0/QJ1FkZ4M2mA

313日朝530分(根井寿規審議官)

  スポークスマン交代の経緯。

自動停止中の原子炉は海水注水が継続すれば事象の悪化はない。

http://www.youtube.com/watch?v=cyTBf4fgAL0&feature=related

 ・313日午前10時(スポークスマン不明)

  福島県原発10基の現況、第1原発123号機の事故について。

http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20110313/1235_s_hoanin.html

313日夕440分(西山英彦審議官)

 20キロ圏内避難を開始した。    

 http://shunkashuto.osakazine.net/e355443.html

311日から13日までの震災関係のプレスリリースは、21回であった。なお、513日現在、137回に及んでいる)

それにしても、記者会見の記録の非公開、閉鎖性は、原子力安全・保安院の情報開示の低度、隠ぺい体質の象徴ではないか。電話での係員の理不尽な、閉鎖的な対応を腹立たしく思う一方、この事故収束への行方を思うと、非常に不安に思うのだった。係員になぜ名乗らなくなったのかを尋ねると、ようやく返ってきた答えは? 「最近、係員を怒鳴ったり脅迫まがいの電話が多いもので・・・」ということだった。それが名乗らない理由?そんなことで名乗れない組織なのか。しっかり名乗って責任ある公僕として働いてほしいが、無責任な風潮は改まりそうにもない。

もっとも、保安院の記者会見中の画面で、NHKは4月中旬までの長い間、「西山審議官」の名前を出さなかった。ようやく一時肩書とフルネームが映し出されたと思ったら、また消えた。どうしてなのだろう。

ユーチューブなどの会見動画はどんどん消され、NHKで放送された部分も著作権により消去されていく。保安院自らの会見時の文字による記録・動画のネット登載は、情報公開の基本ではないか。

| | コメント (0)

2011年5月11日 (水)

震災報道と「NHKニュース7」(2)「NHKニュース7」の記録 <2011年2月13日~4月12日>

前回に引き続き、大震災発生の311日以降の1か月間の「NHKニュース7」の記録の一部を表にまとめた。検証という作業には至っていないが、断片的な感想になってしまった感は否めない。録画をとることも考えたが、かえって時間と作業量が増すので、リアルタイムのメモに拠った。ニュース項目や読み上げ原稿の一部と思われる記事を検索できるサイトもあるので、参考にした。NHKでは、全面的な大震災特別報道番組が前掲のように約8日間で解かれた後も、種々の大震災関係の特別番組が数多く組まれている。「ニュース7」も拡大版が続いていた中での検証である。

(5)震災報道
①地震発生の311日は午前中から東京に出ていて、帰宅困難者となった私は、残念ながら、翌日の午後までテレビのニュースは、ほとんど見ていない。記録は13日以降となった。ただ、地震直後の報道については調べているので、別の機会に譲りたい。

313日夜、突然の翌日朝からの計画停電実施の予告は具体的実施計画が伴わないまま報じられたので、我が家も大いにあわてた。グループ分け報道は10時過ぎの「報道ステーション」が一番早いようだった。佐倉市が第13グループにわたって属していることが分かるだけで、我が家がどのグループに属するのか、県・市に問い合わせても不明。東電の電話は通じなく、計画停電を了承したという政府の無責任、無計画ぶりが明らかになった。メデイアも菅・枝野の発表を伝えるだけでなく、国民の立場からの疑問を質すことをしないし、首都圏での混乱の責任を質すこともあえてしなかったのではないか。後から思えば、「計画停電」の実施は、東京電力の原発が必要欠くべからざるものとするためのパフォーマンスと政府の今後の原発政策を維持するための方便ではなかったかと思う。「節電」で十分対応できる、原発なしでも賄える需要量であったことが、いま証明されようとしているのではないか。
③前半の災害報道においては、ライフラインの復旧、救助・救援物資の搬送がなぜできないのか、を冷静に取材し、報道する姿勢がみられなかった。被災地市町村の首長の悲痛な声、被災者・避難者の物不足の声に応えきれない現実、何がネックになっているかなどを取材する視点が見えず、閣僚の暢気な無内容なコメントなどは不要であった。
④福島原発事故の危険性について
 東電・保安院・政府・専門家の説明の中で、危険性の尺度があいまいなまま、「ただちに人体に影響がない」としながらも、放射能対策を詳細に述べる矛盾をはらんだまま報道していた。少なくとも先行研究の正確な情報を把握した上で、一時的な危険の可能性の有無だけでなく、放射能が累積した場合の健康被害についても率直に認め、海外の事故の教訓に学ぶ視点で報道すべきではなかったか。「冷静に対応せよ」という、NHKは、会見主催者の発表を「伝聞で」「繰り返し」報道していた。一方で、鎮静化というメッセージを発信しても、逆にパニックをあおることになるだろう。政府(枝野ほか)、保安院、東電は、原発事故の現況を断片的に発表するが、その断片的事実が事故の推移の中でどういう意味を持つのか、時系列でいえばどういう結果や可能性をもたらすかの解説がない。各記者会見、発表資料は相変わらず続いているが、微妙にずれていることがあって、真相は別のところにあるのではないかとなおさら不安にかられる。それぞれの会見報道において、速報性・同時性が問われ、中継することが大事な場合もあるが、だらだら流すだけでなく、一方で、きちんとまとめて、問題点を整理して伝える機会を設定することもメデイアの重要な任務ではないかと思う。
 もちろん、網羅的に知る権利もあるわけで、その手立ての担保は重要で、各会見の文章起こしや動画記録は、後に重要な資料として欠かせないことにある。総理官邸のホームページには、発表の読み上げ原稿と質疑を含めた動画配信があるので、あとからの検証が可能である。しかし、保安院は記者への配布資料がその都度ホームページに登載されるが、会見での発表や質疑の記録は一切発信してないことが分かった。
 17日の『ニュース7』でも、枝野会見で、対策本部の人事強化をながながコメントしているのを流していた(約7分)が、中身は数十秒で事足りる内容で、速報性もないから中継の必要もなく、済んだ後で簡略に報じればよい内容だった。人事や組織・会議を「整備」するよりも、先にやるべきことがあるはずで、現在の組織でも十分対応できることは多い。会議や組織立ち上げをいかにも重要な仕事のように、右から左へ報じる姿勢に問題がありそうだ。
⑤「報道」の形式と繰り返しによる偏向の危険性

福島原発のつぎつぎ発生する事故について、東電・保安院・政府の記者会見について、中継や録画で流した後、記者や解説委員にアナウンサーが質問するかたちで進められる方式が多く、さらに専門家のコメントを挿入する構成が多い。詳細なほどかえってわかりづらくなることもある。ここで繰り返される、相乗効果としての「事故の安定化」と「軽微な健康被害」は、視聴者にとってはどういう意味を持つのだろうか。
 その点、NHKではないが、17日『報道ステーション』での福島原発できょう何がなされたのかをテロップなどでまとめた形で報道したのは分かりやすかった。ただ、一方、古館アナの「被災地で苦労されている人たちが大勢いる中で、私たち国民が心を一つにしてこの難局を乗り切りましょう」みたいなことを毎夜繰り返すのには閉口している。
⑥明るいトピックスについて
 救助された人、再会を喜ぶ人など明るいトピックスはさておき、とくに、NHK『ニュース7』拡大版では、必ず明るい話題として、救助された人、家族に巡り合えた人などに焦点をあてたり、避難所やご近所での助け合いやボランテイアの人々が「美談」のように報じられたりする。しかし、今回の大災害における対策は、そうした奇跡的な出来事や個人的な努力や協力では解決しがたい、政府や自治体、企業が基本的に主体的に取り組むべき難事業のはずである。心温まる出来事がいつか伝わり、癒されることも大切だが、かたや現に、遺体がなかなか収容できない現実、避難の途上であるいは避難先で亡くなられる人々がいて、飢えと寒さで震えている人々がいる中で、ことさら明るいトピックスを取り上げることがメディアの仕事なのだろうか、と考えさせられるのだ。
⑦取材姿勢について
 震災発生当初、民放も含め、競うようにヘリを飛ばし、レポーターが被災地・避難所に立ち入り、ぶしつけなワンパターンの質問を繰り返すより、その分、救援のエネルギーに差し向けてほしい。共同取材や輪番放送で節電、節ガソリンなど省エネができるのではないか。
⑧民放のCM復活は意外と早かった。しかし、大量に、繰り返されるACジャパン(旧公共広告機構)の押しつけがましい公徳心PRには辟易とした一人だ。その後のバージョンも、送り手や出演者の自己満足的なメッセージで、実際に被災者や一般視聴者が見て何を感じたろうか。これは一企業のCMだということだが「 上を向いて歩こう」の著名人たちの「輪唱」にも、無責任な「励ましメッセージ」に終わってはいなかったか、きちんとした検証が欲しい。

NHKニュース7」上位項目と所要時間(2<2011311日~412>

日付・主な出来事

日付・「NHKニュース7の主な項目

3

11日:1446分東日本地震、観測史上最大M9.0岩手・宮城・福島大津波・火災などにより壊滅的な被害
福島第1原発①②号機冷却システム不能、放射の漏れ可能性、2キロ圏内大熊町・双葉町に避難指示、直後の夜9時半3キロ、3~10キロ屋内退避指示
被災地・首都圏交通ストップ、大混乱

12日:原発①弁開放、圧力放出、午後水素爆発 、海水注水開始指示

13日:夜、菅総理記者会見、首都圏計画停電発表、翌日から日交通など混乱
8時、東京電力清水社長会見、謝罪

14日:原発③水素爆発、夕方から東電計画停電実施

15日:原発②高濃度放射能検出、20~30キロ屋内退避 

16日:円7616年ぶり高値
 原発③付近高濃度放射能、④火災

 発生、陸上自衛隊③へ散水

17日:警視庁機動隊、原発③に放水

開始
 みずほ銀行ATM全面停止

18日:大災害による統一選挙延期法

成立

 死者6911人、阪神大災害上回る

 原発①②③の事態をレベル5に引上
円高阻止協調介入、G7合意

19日:福島県内、牛乳・ホウレンソウに規制値を超える放射性ヨウ素検出

20日:石巻市倒壊家屋より男女2
 救出

21日:政府ホウレンソウ等出荷停止

22日:福島県知事、東電社長の面談・謝罪拒否

23日:最高裁、09年衆院選挙「1票の格差」違憲状態との判決

 東京金町浄水場でヨウ素131規制値2倍検出、乳児摂取制限指示

 政府、ホウレンソウ他12品目摂取制限指示

24日:統一地方選挙、12都道県知事告示

秋葉原無差別殺傷事件、東京地裁で、加藤智大被告に死刑判決

25日:多国籍軍、リビア軍へ猛攻

 東電計画停電グループ細分化発表

26日:原発②高濃度放射線量水流出

28日:原発敷地内土壌よりプルトニウム微量検出

29日:来年度予算924116億円成立

30日:東電勝俣会長、原発①~④廃炉

31日:原発南側海水、放射性ヨウ素基準値の4385倍検出

11

日:地震発生直後の1448分~   3191245分まで特別報道番組(7日間22時間弱連続)

13日(~2030分)①大震災各地の被害状況(44分)

福島第1原発関連123号機トラブル、避難対象7~8万人、海外の反応(6分)

菅総理会見、被災者見舞、原発憂慮、計画停電明日より実施了承(10分)
枝野会見・質疑(15分)
計画停電(15分)

15日(~2055分)①福島第1原発事態深刻、4号機水素爆発(34分、水野解説委員)

被害状況、死亡3079、不明15000、避難所2457、避難民442875、各地の死者不明者数、救出2件(約16分)

各地の避難所生活(25分)

株価暴落、計画停電情報不備批判など

18日(~2055分)①原発事故、4機とも深刻な事態、その時原発内では(24分)

被害、被害地の状況(50分)

菅総理1週間後の会見、国民に敬意と感謝、日本の危機を乗り越えて(11分)

家族再開、被災者支援、卒業式、復旧・再開の喜びなどのトピックス多くなる

25日(~2010分)①原発234号機の現況、3人被爆、外部通電、放水海水から真水へ、汚染水の流出原因不明(15分)

被災地現況(19分)

29日(~20時)①原発23号機復水器の水はどこから。冷却放水と水たまりのジレンマ、燃料棒溶融によるプルトニウム放出(10分)

原発周辺自治体の現況(11分)

被災地各地の動向、自治体への職員支援、復興の兆し(32分)
放送中の1954分福島県沖M6.4の余震

4

1日:日本相撲協会、八百長関係力士処分発表、7日夏場所中止決定

2日:原発②取水口付近放射能汚染

水流出確認

4日:原発放射能汚染水海に放出開始

7日:宮城県沖余震M7.1 震度6

最大か

11日:1716分、強い余震

12日:福島第1原発事故25年前のチェルノブイリと同じレベル7に引上げ

 政府、復興構想会議立ち上げ発表

プロ野球開幕

証拠改ざん元主任検事に懲役16か月判決   

6日(~20時)①原発2号機汚染水流出止、漁業への影響、原発1号機爆発防止策、高濃度汚染水の処理(24分)

長期にわたる避難生活(11分)

相撲八百長問題、夏場所見送り、技量審査場所で無料公開

12日(~2055分)①原発事故レベル7引上げ深刻な評価(15.5) 

活発な余震、広範囲に及ぶ(8.5分)

計画避難区域の新設(4.5分)

菅総理1か月会見(7.5分)、15歳未満脳死判定による初の臓器移植(6.5分)、証拠改ざん元検事に懲役16か月判決、NHK経営委員長決定

(注1 423日現在「ニュース7」は20時までの拡大版が続いていた。

(

2)  「ニュース7」の概要欄には、通常10前後のニュース項目の内、トップの

2

項目及び場合によってはそれ以降も所要時間とともに記した。*は、他の特徴的な

ニュースとして、参考のため付記した。

(

3) 項目など確認のため、「NHKオンライン」「NHKかぶんブログ」「TVでた蔵」な

どのサイトを参考にした。

| | コメント (0)

2011年5月 7日 (土)

緊急シンポジウム「原発事故とメディア」に出かけました

     緊急シンポジウム「原発事故とメディア」

日時:2011430日(土)午後130分~430

場所:新宿歴史博物館

プログラム

基調講演:「福島第一原発事故に関するメディア報道の検証」

講師:広河隆一(フォトジャーナリスト)

ディスカッション「原発事故とメディア」:

     パネリスト:後藤政志( 元東芝原子炉設計技術者)

           渡辺実(防災・危機管理ジャーナリスト)

           寺尾克彦(福島放送労働組合)

     コーディネーター:砂川浩慶(立教大学准教授)      

主催:メディア総合研究所・開かれたNHKをめざす全国連絡会

             **

左より講演中の広河氏、パネリストの渡辺氏、後藤氏、寺尾氏

Gedc1265

 会場には、40分以上も前に着いたのに、あたりは大変な混雑で、行列ができていた。講堂には椅子だけが並べられていて、100席はあるように思えたが、壁際や通路、入り口付近にも人が一杯になった。

 広河さんは、トレードマークらしい野球帽をかぶったまま、最初に話し始めたのは、312日午後336分の1号機の水素爆発を受けた、夕方からの原子力安全・保安院の会見後、「直ちに住民の健康に影響を与えるものではない」という文言が、NHKのアナウンサーと記者の言葉として語られたことの重大性だった。アナの「危険が高まったという段階ではないですね」の質問に、記者は「(原発事故の状況は)すぐさま、人体に影響を与えるものではない」と、メディアが原発の安全性をオーソライズ、追認する形が出来上がったと、指摘した。また、事故後25年になるチェルノブイリには50回以上通っているということで、原発施設の労働者や周辺住民、研究者など、個人に寄り添った取材が伝わってきた。当然、次に取材に行ったときは亡くなられていたというケースもある。報道管制下の当時のソ連の事故対策と福島の場合を比べていく中で、日本の政府や企業の事故の重大性をチェルノブイリの「10分の1にすぎないからまだ安全」という過小評価をつねにマス・メディアが追認している構造を告発していた。分かりやすくいえば、10分の1ということは、広島の原爆の50個分を意味し、大気中に流れた空間線量のみを問題にしているにすぎないという。ともかく、原発はいったん停止して、考えよう、というのが締めくくりだった。

 後藤さんは、1989年来、10数年間、東芝で原子プラント設計に携わってこられた技術者である。今回の事故では悔しさと怒りで、やむにやまれず警告を発している一人である。津波で非常用のディーゼルが止まったことに端を発する事故であるが、「止める・冷やす・閉じ込める」という原則が、核反応制御の失敗、炉心損傷、圧力容器損傷、格納容器損傷というシビアな事故に成果が上がらず、水素爆発・水蒸気爆発・再臨界を防げなかったという。その原因は、地震・津波がきっかけではあるが、機器のトラブルと人為的ミスが重なり、そもそも自然環境条件の設計ミスとプラントの原子炉の集中立地に問題があった、という。まだ、収束していない福島原発の事故では、炉心の冷却、使用済燃料プールの冷却、格納容器の損傷確認と注水など重要である、ということが分かった。

 寺尾さんは、現在は福島放送の営業部であるが、大震災の取材の応援に駆り出されたアナウンサーでもあった。地元メディアの、被災地・被災者と東京のキー局とのはざまでの苦悩もあったという。福島原発事故報道では、かなりの報道陣が決死の思いで取材にあたっていたかのような印象受けていた。しかし、寺尾さんの話によれば、放送局と社員、放送局と労組の間では、局によりその範囲はまちまちであったが、10キロ範囲には絶対入るな、なかには40キロ範囲に社員は入れるな、という取材制限がかなり厳密に実施されているという。そして「直ちに健康に影響を与えるものではない」という政府広報を繰り返していたメディアの実態をどうとらえるべきか。あえて危険を冒せとは言わないが、危ない取材は、ここでもフリーランスのジャーナリストたちなのだろうか。

 渡辺さんの話は、地震直後日本テレビ局で缶詰めになったこと、原発事故の行方が分からずシナリオが描けない・・・など、だいぶ緩いコメンテーター振りで、会場からのブーイングもあった。

 

 311日、山手線車内で地震に遭遇、帰宅困難者となったこともあって、東京へ出るのが億劫になっている昨今、広河さんや後藤さんの話が聞けてよかったと思っている。ただ、参加者との質疑の時間が取れなかったのは残念だった。同じ佐倉から参加していた友人は、「あれでおしまい?もっと先が聞きたい」との感想を漏らしていた。

 「震災報道とNHKニュース7」の後半をまとめるつもりが、取り急いでの報告と相成った次第である。

 

| | コメント (0)

2011年5月 4日 (水)

震災報道と「NHKニュース7」(1)「NHKニュース7」の記録 <2011年2月13日~4月12日>

 

震災報道と「NHKニュース7」(1)

NHKニュース7」の記録 <2011213日~412日>

 私たちは、どうかすると、情報の海に身を任せがちになり、ときには心地よく揺られていたのではなかったか。しかし、マス・メデイアの発信する情報が、どこまで本当なの?何か隠されてやしない?と思うことに度々出遭うことになった。また、どうでもよい情報を次々と流され、うんざりすることも多くなった。今回の震災報道を目の当たりにして一層その感を強くした。私たちが、ふだん、何気なく接しているNHKテレビのニュース番組、なかでも視聴率が高い「ニュース7」*について、何が、どんな順序で、どれほどの時間で報じられたかを検証することにした。

2月中旬から、地元の憲法9条の会のメンバー6人で記録を取り始めていたところ、311日からの震災報道に遭遇した。その後を含め、2か月間の内、私は14日分を記録していた。合わせて28日分の記録が集まったところで、友人たちの14日分も含め、次のような表にまとめてみた。生の資料は膨大になるので、今回は、とりあえず、各日の最初から2番目までの項目とその放送時間を記した。また、日によっては、2項目以下でも、長時間かけていた項目などは続けて記した。さらに、NHKの特色を表している項目などは順序にかかわらず*印以降に項目と時間を示した。感想には、一覧表に表示していない元データから引用する事項もあるのはご容赦願いたい。

2011213日から記録を取り始めた当初は、大きな事件がないだけに、時々入る「調査報道」あるいは事件性・緊急性のない事項が気になる程度だった(215日児童虐待と親権6.5分、13日理科離れ8分、20日外国人看護師の国家試験4.5分、外見、白髪・アザなどへの偏見3.5分、310日全国検事の意識調査3.5分など)。ところが311日を境に、報道は一変した。震災後の総合テレビ「NHKニュース7」は拡大し、その他の番組もすべて特別報道番組の一環として組まれるようになり、8日間近く続いた。19日の昼、朝のドラマ「でっぱん」の再放送時刻から、特別番組は通常の流れに戻り始めた。しかし、注NHKニュース7」も拡大版が続き、4月下旬に至っても19時から30分という枠を超えることがあった。なお、震災直後の312日、15日の「ニュース7」に限った記録のすべてと感想は、すでに本ブログに登載しているので、合わせてお読みいただきたい。↓

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2011/03/post-0ed3.html

注①たとえば、産経ニュース「週間視聴率30」(228~36)によれば、日曜日36日を除く228()から35日(土)の6日間、視聴率20.815.0%を占め、すべて30位までに入っている。「ビデオリサーチ関東地区日報データ」を基に作成しているというが、他の週も30位内に3~4日の「ニュース7」が入っていることが多い。

注②ちなみに、テレビの東大震災特別報道番組の放送時間としては311日午後地震発生以降、いつまで続いたか、関東圏のテレビ放送でいえば、以下のような調査がある。

NHK総合:  111448分~3191245分(7日間21時間57分)

日本テレビ系:111501分~31719時(6日間4時間)

朝日系:    111457分~3142130分(3日間6時間33分)  

 TBS系:   111608分~3141230分(2日間20時間22分)

 フジテレビ系:111607分~314035分(2日間8時間28分)

 テレビ東京: 111454分~3122355分(1日間9時間1分)

 BSジャパン:111957分~313020分(1日間4時間23分)

 

作業の当初、小沢一郎をめぐる「政局あって政治なし」の閉塞感に苛まれながら、中東での反政府運動で、体制を変えようとしている人々の動きを知ることになった。ワイド番組をにぎわせていた海老蔵騒動もやや下火になったと思ったら、22日、相撲のメール八百長問題が浮上し、そこに、ニュージーランド地震で、語学学校に留学中の日本人が多数犠牲となったというニュースが飛び込んだ。さらに227日からは、京大入試問題がネット上に流出し、回答を求めていたという不正が大々的にしかも詳細に報道されるようになった。が、そこに待ち受けていたのが、311日の東日本大震災であった。記録的な津波の高さと威力は沿岸部に壊滅的な被害をもたらし、福島第一原発稼働中の1~3号機は地震により自動停止し、送電線の損壊、外部電源の断絶により非常用発電機が稼働したものの1時間後の津波で水没、原子炉の水による冷却がストップした。夜703分、政府は福島第一原発の「原子力緊急事態宣言」を発令、923分には3キロ以内避難指示、10キロ以内屋内退避の指示がなされている。原発事故の発生による思いもよらぬ展開に、私たちは情報の重要性と報道の役割について身をもって体験することになった。振り返って、国民は正確な情報を共有していたのか、メディアは、何を伝え、何を伝えなかったのか。「ニュース7」の調査結果から検証してみたい。

便宜的ではあるが、3.11を区切りとして、2回に分けて、記録と検証の一端を記しておきたい。

NHKニュース7」上位項目と所要時間

(1)<2011213~310日>

                

日付・主な出来事

日付・NHKニュース7の概要

1

27日:新燃岳、52年ぶりに爆発的噴火

31日:小沢一郎強制起訴 

2

2日:日本相撲協会八百長メール問題

発覚  

6日:名古屋市長・愛知県知事選挙

11日:エジプト、ムバラク大統領辞任、

中東各国に拡大

20日:リビア反政府デモ100人以上の死

21日:上野動物園にパンダ到着

22日:ニュージーランド地震M6.3

日本人学生行方不明者多数、後、28

と判明

 小沢一郎党員資格停止処分決定

26日:京大入試問題ネット流出発覚

28日:11年度予算案衆議院可決

13日(日)①エジプト情勢(11)

新燃岳関連(2分)

理科離れ(8分)

17日①民主議員16人会派離脱(8分)

若田光一宇宙船長任命(5.5分)

18日①民主党会派離脱の波紋、予算案巡る攻防(6分)日本調査捕鯨、妨害で中止(5分)

武富士相続人の課税取消訴訟で国の還付最高裁判決(4分)海老蔵殴打事件初公判(3分)

22日(~2000)①NZ地震、日本人学生行方不明者多数(35分)リビア軍に離反者続出(5分)

最後に再びNZ地震、日本人7名救出ほか(約10分)

27日(日)①京大入試問題流出事件、他大学でも(16分)NZ地震、身元確認作業、救出活動続く(4分)

東京マラソン(4分)中東情勢波及、北京でも厳重警備(2.5分)

3月

1日:スカイツリー600m超え世界一に

2日:リビア、カダフィ政権、反勢力に攻勢

3日:入試投稿の予備校生逮捕、単独犯

4日:熊本スーパー女児遺棄大学生逮捕

5日:東北新幹線「はやぶさ」運転開始

中国成長率平均5%、全人代開幕

6日:前原外相外国人献金で引責辞任

10日:沖縄「ユスリ名人」発言で米国務省メア部長更迭

1日①各大学入試携帯電話対策(7分)

NZ地震から1週間、ビルの耐震性調査も(7分)

スカイツリー601mに(1分)日航ジャンボ機最終フライト(1分)

4日(~19時32分)①熊本市三歳女児遺棄で大学再逮捕(15分)京大入試問題流出事件、予備校生取調べ、監督態勢に問題?(3.5分)

*⑥中国国防費2ケタ伸び、約7兆5000億円(4分)

5日①熊本女児殺害事件犯人逮捕までの経緯(4.5分)②前原外相外国人献金問題と民主党内事情(4分)

東北新幹線はやぶさ試運転(4分)中国全人代、社会の安定確保、不満解消を強調(4分)

9日①三陸沖地震M7、養殖網など被害、都庁舎でも揺れる(7分)NZ地震、新たに3人死亡確認(3分)

10日①沖縄「ユスリ名人」発言のメア日本部長更迭(9分)連続リンチ殺人事件最高裁判決、元少年3人全員死刑、NHK実名報道(5分)NHK全国検事に意識調査アンケート、任意性のある供述困難、多数の結果(3.5分)

(1)国内政治関係

日常的に「ニュース7」は国会会期中でも、日曜日には政治関係の項目が少なく、あっても「政局」の動きに終わることが多い。2月中旬までは、小沢一郎の処分問題と予算案をめぐる民主党内外の動向を中心に時間をかけて報じていた。たとえば214日①番目7分、17日①番目8分、18日①番目5分、20日①番目3.5分、21日②番目4(+)22日④番目5.5分、24日②番目3.5分とトップあるいはかなり高い順位で報じられたが、小沢の党内処分が決定した22日以降からは、もっぱら民主党内外の予算案をめぐる駆け引きとなった(225日②番目5分、31日④番目4分)。前原外相の外国人からの献金問題が浮上すると、前原外相辞任、年金主婦優遇問題による細川厚労相辞任要求などとの関連で予算案が報じられるようになった(4日③番目5分、5日②番目4分、9日⑤番目5分、10日④番目6.5分)。国内政治といっても、もっぱら小沢処分をめぐる与野党の党内事情、閣僚の不祥事による辞任騒動についてであった。来年度予算案の問題はどこにあるのか、予算案の内容に立ち入る審議もなく、報道にあってもその中身についての問題点の指摘や解説は皆無に等しかった。

(2)外交・国際関係

 1月のチュニジア政変を受けて、エジプト、リビア、バーレーン、マナマなどに波及した反政府運動関係項目では、調査を開始した213()、中東情勢について高橋和夫放送大教授の解説もあって、時宜を得たものと思われた(11)。同じく18日には、バーレーン情勢と石油価格について4分、20()にも中東・北アフリカ・中国にまで波及した反政府運動の現況を各地から伝えていたが、5.5分はやや短く感じるほどだった。海外情勢は、たださえ分かりにくいので、丁寧に伝えるべきだろう。その日の他のニュース徳島の遍路道の清掃活動3分、大リーグでのイチローの練習風景2分などを削ってもう少し時間をかけてもよかったのではないか。公共放送の重要な役目でもあろうかと思う。翌21日、多くの市民の犠牲死を機に、トップでリビアの歴史に10分、さらに、後半で国営テレビでは報じない反政府運動におけるネット情報の重要性についても触れていた。222日ニュージーランド地震、227日京大入試問題流出不正事件、32日八百長相撲事件などが発生・発覚すると、中東情勢を中心とする海外ニュースの順位、放送時間は低減していったが(227日⑤番目2.5分、28日④番目4.5分、31日⑤番目4.5分、39日⑥番目1分であった。

中東情勢項目の順位と所要時間の推移

日付

2月13日

2月17日

2月20日

2月21日

2月27日

2月28日

3月1日

3月9日

順位時間

①11分

④4分

②5.5分

①10分+

⑤2.5分

④4.5分

⑤4.5分

⑥1分

(3)事件報道と他の報道とのバランス

 上記(2)でも見たように、事件の発生が他の重要項目報道に与える影響を見てみたが、

「事件」の持つ社会的・歴史的な意味・影響を十分に見極めながら、報道していくことが重要ではないかと思った。最近、NHK番組の民放化が各所から指摘されているが、民放のニュース番組やワイド・ショウ番組とNHKのニュース番組とがかなり接近していることも確かであった。ニュージーランド地震による日本人犠牲者関連のニュースでは、日本人の犠牲者が多く、なかなか身元確認ができなかったこともあって、犠牲者一人一人のエピソード報道や物語性が強調されることが多く、本来の災害報道、地震の規模や範囲、なぜ語学学校が入っていたビルに犠牲者が集中していたのかなどの状況や背景に言及することが少なく、災害の全貌を伝えきれていなかったように思う。

 また、京大入試問題流出不正事件については、 京大入試当日の夜には、すでに発覚していたようだが、翌日227日から、33日予備校生逮捕、310日の京大合格者発表までの「ニュース7」での流れを追ってみたが、227日から3日間連続トップで、しかも、7分~8分かけて、流出状況・実態、インターネットを利用しての入試不正事件として、厳しく、熱心に追及していることにやや異様さを感じざるを得なかった。というのは、個人的には、当初、インターネットを悪用しての一種の「愉快犯」を想定していたし、大学の教員生活が長かった連れ合いは、日常的に大学入試の監督態勢や学期試験・レポート評価の甘さを憂慮していたので、むしろ、受験生よりも大学側の問題を指摘していたのだった。この報道の後半、予備校生の単独犯行と分かった後、ようやく監督態勢への批判や大学の安易な捜査依頼などに若干言及することもあったが、311日を境に、まったく報じられなくなってしまった。あのトップニュースでの時間をかけての物々しい報道は何であったのか、の疑問は去らない。

京大入試問題流出不正事件の報道経過

2月27日

①番目 入試問題流出状況詳報                    7.5分

2月28日

①番目 ネット上からの流出実態詳報、犯人特定方法、事件性      8分    

3月1日

①番目 大学からの被害届、捜査開始                 7分 

3月4日

②番目 ケータイでの入試問題・解答の送・着信方法、監督態勢の問題点 3.5分

3月5日

⑤番目 予備校生の犯行動機など                   2分

3月10日

⑦番目 京大合格者発表、予備校生不合格               1分

 また、今回の調査対象期間の前ではあったが、22日になって、野球賭博捜査過程で力士たちのケータイメールから発覚したという八百長相撲事件について、なぜこの時期に発表に至ったのかも疑問だった。NHKは、「相撲」のこととなると「国技」であること、独占的な場所の中継局であることを前面に押し立てて、必要以上に報道もするし、かばい立てをしているような報道になることは否めなかったようだ。現在は、春場所・夏場所を中止し、NHKの中継もないことが、相撲協会の反省の証となっているようだが、その後の相撲協会の動向を見ていても一向に改まった風はない。

(4)スポーツ関係 

日曜日の「ニュース7」に共通していることは、夜の950分から「サンデースポーツ」という番組があるにもかかわらず、スポーツニュースの占める時間が多いことであった。上記213()では、女子カーリングの準決勝・決勝戦での本橋に、プロ野球キャンプでの斎藤祐樹に焦点を合わせた、ラグビーの帝京大対東芝戦が合わせて5分間以上報じられた。227()においても、ラグビーのサントリー9年ぶりの優勝及び東京マラソンでは一般参加の川内優輝の日本人最高位などが5分間報じられている。かつてはゴルフの宮崎藍、大リーグのイチローの「ニュース7」への登場頻度は突出していたと思うが、今は、石川遼あたりなのだろうが、「ニュース7」の製作者は、何か勘違いをしてはいないか。

スポーツネタを「ニュース7」の頭出しとして使い、視聴者のチャンネルを何とか替えさせまいとする意図が見え見えで、むしろ見苦しい。視聴率、接触率向上自体が、NHKの事業の最終目標ではないはずで、受信料に見合う、良質で、公正な番組を、ニュースを送り届けてほしい。

ついでながら、全国放送で、電波塔たるスカイツリーの高さを逐一報道するのは、どうしたわけか。地デジ対応の促進のコマーシャルなのかとも思えてくる。(続く)

 

表などは、以下のpdfの方が見やすいかと思います。 http://dmituko.cocolog-nifty.com/nhksinsaihodo1.pdf

| | コメント (0)

« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »