「幸せの経済学」上映会へ
近くのカフェで、ドキュメンタリー映画「幸せの経済学」を見てきた。観客は30人近くか、こじんまりした上映会だった。5月22日は「生物多様性の日」ということで、全国100か所以上で上映されたという。東京の上映会で見ると言っていた娘の推薦でもあった。 毎日新聞(5月21日夕刊)、朝日新聞(朝刊5月22日)でも紹介されていた。監督の一人、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさん(65歳)は、スウェーデン生まれの言語学者で、1970年代からインドの高地ラダックに住み、急速な近代化、グローバル化によって人々が決して豊かにはならなかった現実を目の当たりにした。彼女は、住民と伝統文化や環境の保全活動を始めるとともに、「グローバルからローカル」をテーマに各国の研究者や環境活動家と連携して地域に根ざした循環型社会を目指しているという。 映画は1時間10分ほどだが、ラダックの人々が開発やそれに伴う消費文化に翻弄されていく姿を追い、世界各地で引き起こされているグローバリゼーションによる人々の不幸の連鎖を告発する。自然破壊、資源の浪費、失業、貧困、伝統文化の消滅などがどんな仕組みで進行し、それにはどんな手立てや覚悟が必要なのかを、各国の映像と研究者・活動家らのコメントで綴る。その解決の糸口は、経済成長や不必要な輸出入を排除し、地域経済を人々の手に取り戻すことにあるという。生物の多様性、コミュニティの復活など、世界各地での実践例が紹介される。 映画の製作意図は十分理解できるのだが、短時間に盛りだくさんの内容が詰め込まれた感じで、見ていてめまぐるしい。研究者や活動家のコメントも、実践例ごとに、入れ替わり立ちかわりで、字幕を追うだけでもいささか疲れたのは年のせい?だろうか。自動車工業都市だったデトロイトの自給菜園、トランジション・タウン運動の実態、日本の埼玉県小川町の有機農業の現況なども説明不足で分かりづらかった。 短いドキュメンタリーなので、総論的になるのはやむを得ないかもしれない。各論的な実践記録をもっと知りたいと思った。できるところからの実践と発信・情報交換は今後の課題ではないかと思う。
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コメント
内野さん、先日は上映会にお越し下さりありがとうございました!
内野さんのお感じになった通り、英語で字幕を追うのが大変で、
かなり駆け足ですし、脳が疲れるフィルムだと行ったところが私の試写会での印象でした(お嬢様も薦めていらっしゃったのですね?今度是非お嬢様にお会いしたいです!)。
これは佐倉で上映しても、集まって20人くらいかな・・・
赤字覚悟でやりたい気持ちのほうが強く決めた上映でしたが、当日はあの小さなスタジオに40名の方がきてくださりうれしかったです。終了後も(だいたいは若い人たちでしたが)ディスカッションが10時過ぎまで続きました。
モノが溢れていて、なんでも便利な今。
なのになぜ、こんなに苦しいんだろう、
悩ましいんだろう。
こう感じている人が少しづつ集まって来ています。
行きたい道へ、楽しい道へ、歩き出したいと思っている人たちが集い、動き出すきっかけを探しています。
次回は若者が作った「海をみる夢」、それから、7月の「祝の島」、お日にちが合いましたら是非是非また観に来てくださいね!お待ちしております。
また、内山さんの発信に耳を傾けて情報交換したい若い世代がいると思います。よろしかったらなにか集いをしていただけませんか?
声かけします!お待ちしております!
投稿: フィンドレィ麻紀 | 2011年5月27日 (金) 08時18分