この夏、航空機騒音、気になりませんか~佐倉市上空は、5分に1機の低空着陸飛行!
私は、冷房があまり好きではない。居間の窓もよく開け放っておくことが多い。はじめは、そのためかと思っていたのだが、今年は、飛行機の爆音がやたら大きく聞こえるのだ。それに、5分いや3分おきくらいに上空を北から南に飛んでいくのがわかる。熱中症だったのか定かではないが、数日間、昼寝をこまめにしたり、夜早めにやすんだりしていた。ベッドから見える空を飛行機が横切っていくのだ。いまは、夜間一緒に、ウォーキングする友人も「あんまりの騒音なので市役所に聞いてみたけど、風向きによって航路が変わるとか・・・」といい、近くに住む友人も「ひどい騒音に、通過の度にメモを取ってみて、沖縄の人の気持ちが少しだけ分かる気がする」とも嘆いていた。
私も、佐倉市と千葉県に問い合わせてみたところ、まず担当者が電話口に出るまでが手間取る。一通りの問答では、「わかりません」と市は県に、県は国の窓口に振ろうとする。ここは執拗にねばる。市役所担当者には、佐倉市の上空に何便、何機くらいの飛行機が飛んで、どんな騒音をもたらしているか知らないでいていいのかと、調査を依頼した。その結果が次の表のとおりである。まだ疑問や不備があるが、とりあえずお伝えしたい。
昨2010年10月21日から、羽田空港の滑走路が増え、発着陸の便数が増加した。佐倉市上空の通過は、羽田空港への着陸がほとんどで、成田空港の発着は、佐倉より東側の上空で完了している。そもそも、どのくらいの便数が増えたのか。県の担当者は「思ったより増えていません、昨年10月までは110便、以降120便ぐらいになりました」という。これは北からのルートで、羽田に着陸する便に限った数字らしい。たまたま、特定したある日の便実績しかわからないというので、聞いてみると、トータルで123便、127便という数字が出た。12~15%の増便ということになり、かなりの数字である。朝の8時から夜の11時までが、内陸を通過する航路で、11時から翌朝8時までが東京湾海上航路であるとう。それならば、なぜ海上ルートの時間帯を拡大しないのか、それに、海上のみならず、房総半島に集中させずに、分散する意味でも、神奈川上空のルートはとれないのか、との質問には、県下の連絡協議会でも、海上ルートの拡大、海上ルートの時間帯の拡大を国に要請しているが、なかなか調整が難しいというのが現在の対応らしい。また、後者の質問には、羽田の西部は、横田基地や厚木基地があって、神奈川上空の制空権は「米軍にある?!」というのだ。やたらに入れないことになっていて、これは国と国との問題で難しい。県としても、近隣の知事らと「日本の空」の返還を国に要請しているというのだ。ここにも基地の問題が、日米安保が厳然と横たわっていたのである。
騒音については、ルートもさることながら、高度も問題である。冬の北風時の高度は8000フィートというから、もちろん爆音は地上に届くが、夏の4000フィートと違っていたのだろう。あまり気にならず、むしろ民間のヘリコプターや自衛隊機の方が気になっていた。環境基本法の環境基準によれば「うるささ指数」というのがあって、佐倉市では測定していないが千葉市の数値では、60前半で、法律はクリアしているということであったが、この騒音の大きさと途切れることの少ない煩さに、佐倉の志津地区~青菅、宮ノ台、ユーカリが丘、志津・・・の住民はいったいどうしたらよいのだろう。本気で考えなければならない夏になってしまった。
羽田空港再拡張後(2010年10月21日~)
羽田着陸航路(佐倉市上空)
通過便数時間帯分布
時間帯 |
千葉県庁からの報告 2011.5.20実績 |
佐倉市からの 報告 2011.5.1実績 |
夏・南風航路 佐倉市上空 4000feet 運用率40% | ||
8時~ |
4 |
3 |
9~ |
6 |
5 |
10~ |
9 |
7 |
11~ |
11 |
10 |
12~ |
7 |
10 |
13~ |
3 |
7 |
14~ |
9 |
7 |
15~ |
12 |
13 |
16~ |
11 |
10 |
17~ |
6 |
7 |
18~ |
12 |
8 |
19~ |
7 |
9 |
20~ |
8 |
7 |
21~ |
11 |
11 |
22~ |
7 |
13 |
合計 |
123便 |
127便 |
23~7時 |
22便 東京湾 海上航路 |
?便 東京湾 海上航路 |
冬北風空路 佐倉市上空8000feet 運用率60% | ||
担当部署 |
総合企画部空港地域振興課 043-223-2283 |
総務部企画政策課 043-484-3374 |
・2010年10月以前の便数のトータルは、1日
110便程度であったという。
・上記の数値ほかは、県・市の担当者の電話回答による。
・国土交通省・東京空港事務所:03-5757-3000
次の図の見方
・朱色の北からのルートは、北海道、」東北、北陸方面からの着陸ルート。
・朱色の南からの房総半島側からのルートは、西、関西方面からの着陸ルート。
・青色は、離陸ルートの範囲を示す。
・黄色は、「羽田再拡張事業に関する県・市町村連絡協議会」に参加の25市町村を示す。
・冬・南風航路ほか、詳細については、千葉県ホームページの「羽田再拡張後の飛行ルート」をご覧ください。
下図、「南風好天時」:
北からの着陸ルート(朱色の地帯)の西に航路を曲げる直前、九州のような形をしているのが佐倉市で、印西市の中央部を通過して佐倉市北西部志津地区上空を経て、四街道市から、千葉市に入り、西へ羽田に直進しているのがわかります。千葉市上空では、西からの着陸ルートと高度を変えて交差しています。
飛行ルートの図は、下記のURLをクリックしてください。
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コメント
実家が佐倉市志津地区で、この夏はよく帰っていたのですが、飛行機の通過状況に驚きました。羽田の滑走路が増えた影響とは予測がつきましたが、ホントに4~5分に1機はゴーっと轟音を鳴らしながら過ぎて行きます。
志津地区は高齢化が進んでいますが、この騒音では、私自身戻ってくるのはやだなと思ってしまいます。深夜に通過しないのでまだマシですが、郊外の住宅地でこの騒音はないと思います。何とかしてほしいですね。千葉市での騒音もひどいですよね。
投稿: マイノール | 2011年9月10日 (土) 20時16分
記事にもありますように、大まかに南風の季節と北風の季節により高度が変わるようです。現在は、南風の季節で、高度は4000フィートと言われています。1年の約半分は少なくとも今のような状況が続くはずで、佐倉市上空を通過する便数と高さを佐倉市企画政策課、千葉県地域振興課、国交省羽田空港事務所等に調べさせ、報告させるといいと思います。
投稿: 内野 | 2011年8月17日 (水) 14時21分
こんにちは。ユーカリが丘に良い物件が見つかり、周辺環境をcheckしていました。昼と夜の2回に分けて当該物件(宮の台)周辺を散策したところ、飛行機の絶え間ない騒音に驚き、どうしたものかと考えてしまいました。正直このままこちらに引越すことに躊躇してしまいます。この騒音は当分続くのでしょうか?
投稿: | 2011年8月15日 (月) 20時32分
私は千葉市中央区の住人ですが、佐倉市同様、羽田空港再拡張後、航空機騒音の被害を受けております。佐倉市では北日本方面からの着陸機の騒音被害を受けている様ですが、千葉市はこれに加えて西日本方面からの飛行機も合流して、場所によっては1時間当たり30機前後が通過し、大変な騒音被害を現在受けております。この状況はブログでも紹介しています。参考になればと思い投稿させてもらいました。
http://ameblo.jp/sogacalculatorkun/
投稿: ティーキャス | 2011年7月30日 (土) 00時29分