「婚活事業」で石田純一が講演!議決前に広報?~「議会基本条例」ができたばかりの佐倉市で
文教福祉常任委員会を傍聴
やや、前後するが、6月下旬、文教福祉常任委員会を傍聴した。議事に先立って、選挙後初めての委員会だからだろうか、職員紹介というのがあるらしい。その間、傍聴人の列はどんどん増えて、最後の人は14番の札を持っていた。中には退職議員もいる。また、委員会メンバー7人ではない現職議員も11人傍聴に来ていた。議員定数28名中、あわせて18人が参加していることになる。連日の傍聴人もいるらしく、昨日の総務常任委員会も多かったですよ、とのこと。
審議会の傍聴には何回か通ったことがあるが、委員会は初めてか。議会ウオッチも本議会だけでなく、委員会の方が重要かもしれない。本会議から付託された「議案審査」の場では、実質的な討議をという意味合いがあると思うが、この日は、議員の行政側への質疑や要望に時間が費やされていた。ここでの採決と議論の報告が議会最終日の本会議でなされ、議決される。かつて、この最終日の本会議を傍聴したとき、各委員会報告、議員の質疑、採決という流れとなるが、傍聴していると実にめまぐるしいのだ。
この日の文教福祉委員会は、議案6件、請願3件、陳情1件であった。いずれにしても私がいつも腑に落ちないのは、審議会でも委員会でも傍聴者に資料を配らないことだ。この日は市民傍聴者が14人いるのに、補正予算書は3部しか用意しておらず、回覧せよということらしい。しかも持ち帰り禁止なので、いま手元にはない。21億5000万の補正予算に当初予算を合わせると、425億8000万の規模である。記憶やメモによるのみで、はなはだ心もとないのだが、気になったいくつかを。
・3億円2000万近い「保健福祉振興基金」への積立金242万が問題になっていた。この基金は毎年利子の範囲でしか運用していないというのだが、いったいどういうことなのか。各種の「基金」なるものは、この自治体にも多い。要調査か。
・補正であらたに療育支援コーディネーター1人がついたという。これまで、障害児の就学時支援は職員が対応していたが、保護者からの相談や就学先に同行して説明したりする専門家ということだが、いずれにしても、本気でやり通すにはかなりの業務量になろう。職員もコーディネーターもおざなりならないよう願うばかりだ。佐倉市の障害者手帳を持つ障害者は、平成22年(2010年)で身体障害者3853、知的障害者695、精神障害者586、合計5134名、前年度比で7%増えているという現状である。
・学童保育所を待たなかった最後の和田小学校で本年12月開設することになった。指導員募集、その待遇を見ると、週3日、1日6時間、4日で1日4時間、5日で1日3時間という勤務体系でしか選べないので、人材が獲得しにくいのではないか。指導員本来の役割から、学童と毎日、顔を合わせて指導するという教育的な観点からも、そうした働き方が望ましいのではないかという意見・要望が出されていた。小学校の「おまけ」としての学童保育ではない、放課後保育の位置づけを大切にしてほしいと思った。結局、臨時やパートでの雇用を続けると宣言していた。それでいて、少子化対策もないものだと思う。
・道徳教育に力を入れるといって、社会人活用で、プロの落語家を4名起用するとか、「佐倉学」の講師として市内の現役教諭や有識者、元職を謝礼付きで招く計画についても疑問が出た。はっきりした答弁はなかったが、やっぱり、おかしくない?
傍聴だけでは分かりにくいのだが、これは、市民の側でも相当勉強しないと市の無駄遣いは食い止められない、という感じである。 今回の委員会には、7人の委員のほかに11人の議員が傍聴している。それならば、現在は法的な根拠がないという「全員協議会」だが、本会議はもちろん委員会を全議員参加の方式で、議員も行政も傍聴の市民もフラットな会場で、議員同士の討議や議員と行政との質疑を市民がウオッチできたらいいな、と思った。とくに中小の市町村においては、すべての委員会を議員全員参加にして、公開・記録を前提に透明化をはかることが可能なのではないか。市民にはその方がわかりやすいし、議員にはもっと、勉強して、働いてもらいたい。
信じられないような「ミス」、佐倉市は何を焦っているのだろう
この日の議案ではなく、前日の総務委員会で議論されたというが、補正で佐倉市の地域振興費で実施する「婚活事業」673万というのもかなりおかしいのではないか。年6回、男女を登録制で集めてパーティーをやる費用だという。自治体が若年層を地元に引き留めるために婚活事業を実施するといったニュースを聞いたことがある。人口激減の郡部の話かと思ったら、この佐倉市が!?(東京の品川区でも同様の事業を実施したそうだが、1年かけて1カップルが生まれたそうだ)
この怪しげな予算については、次の一件でさらに倍加した。7月1日の「こうほう佐倉」の3面トピックス欄に「佐倉で婚活!生涯のパートナーを」の記事の真ん中で石田純一がほほ杖をついて笑っているではないか。7月31日、某ホテルでのパーティー前に特別ゲストで「講演」するらしい。登録の対象は「本気で結婚を考えている25~45歳の人」だそうだ。こともあろうに、どういう人選なんだろう、ワイドショウではあるまいに(ちなみに講師謝礼は94万余?)。さらに、さらに、佐倉市は大変なミスを犯していたことが発覚。というのは、この婚活事業は、前述のように、補正予算で付いたものだったのだが、その補正予算が可決したのは7月4日の6月市議会最終日だったのだ。市議会の議決前に、広報紙で発表してしまったわけである。この議会軽視に怒った議員は7人(28人中)、抗議をしたそうだが・・・。「議会基本条例」が泣いてはいまいか。
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