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2011年9月 8日 (木)

佐倉市、放射線対策、ようやく除染に踏み切るか~その基準0.223マイクロシーベルト/時間

かなり高い放射線量の数値が出ているのにもかかわらず、佐倉市は放射線量を計るばかりで、その対策が全く進んでいなかった。私が参加している市民グループで、放射線量対策、数値が高い施設・個所、高いと思われる施設・個所内の草刈り、側溝の落ち葉や汚泥の除去、土や砂の入れ替えを市長・教育長あてに要請してきた。会独自の放射線量測定結果をも踏まえて、市長への「要望書」も提出した。その顛末も本ブログに報告してきたのだが、延期されながらも、97日に「回答」が届いた。826日の文科省通知は、これまでの暫定措置としていた基準の放射線量を低くしたので、佐倉市もこれまでの対応を変えざるを得ないだろうと想定はしていた。[専決者:環境保全課長名]、[問い合わせ先:教育委員会指導課]という2通の文書なのだが、前者は以下の通りであった。

「これまでは、平成23年4月19日付け、文部科学省の「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的な考え方」で定める空間線量率3.8マイクロシーベルトに準じて佐倉市では対応をしてまいりました。

 原子力災害対策本部より平成23年8月26日付け「除染に関する緊急実施基本方針」により今後2年間に目指すべき当面の目標、作業方針について取りまとめられたところです。 基本方針では、推定年間被ばく線量が20ミリシーベルトを下回っている地域においては、住民の協力を得つつ、効果的な除染を実施し、推定年間被ばく線量が1ミリシーベルトに近づくことを目指し、とりわけ、子どもの生活圏(学校、公園等)の徹底的な除染を優先し、子どもの推定年間被ばく線量が一日も早く1ミリシーベルトに近づき、さらにそれを下回ることを目指すことになりました。

 佐倉市では、市民の皆さまが安心できるよう除染計画策定の準備を進めておりますが、今後、同計画により除染を積極的にしてまいります。」

ああ、ようやくの思いであった。これに先立って、96日の市議会文教福祉常任委員会、97日午前中の経済環境常任委員会では、それぞれ指導課課長、環境保全課長からはさらに具体的な除染方針が示されていたのを傍聴者から聞いていた。私は、7日の午後、議会運営委員会の傍聴に出かけたので、終了後、廊下で出遭った二人の議員に尋ねてみた。

子どもの生活圏優先は、上記の文書にもあるが、他に除染の基準は、年間1ミリシーベルトから逆算、0.19マイクロシーベルト/時間に千葉県の原発事故前の通常の数値の0.033マイクロシーベルト/時間を加算した「0.223マイクロシーベルト/時間」以上の施設、直近の測定では19施設(91施設中)が該当し、除染を実施することになったという。また、除染物の汚泥などは、自らの施設内で管理させる方針らしい。他の自治体の独自方針に比べると、いろいろ不満も多いが、ようやく一歩を踏み出したという思いだが、なにせ遅き失した感が強い。従前の文科省通知の基準においても、国際放射線防護委員会の基準においても、年間1ミリシーベルトは、目指すべき数値であったのにもかかわらず、耳を傾けなかった佐倉市の責任は重大であろう。

今後は、上記方針の実施を見守り、さらに放射線量の低減を求めて、私たちも何ができるか考えねばならない。

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