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2011年9月22日 (木)

町内の防災訓練に参加して

「防災訓練」って「炊き出し」?

私たちの自治会では、連休最後の日に防災訓練を実施した。私も友人に誘われて、今年度から自主防災会の委員にもなり、準備を進めてきた。今年は、大震災の直後でもあり、大震災当時、自治会や自主防災会として動けなかった、動かなかった反省を込めて、地域と防災についてじっくり考えようということになった。そのためには、広域避難所の防災倉庫に備蓄している、賞味期限が迫るアルファ米400食の炊き出しは、別の機会にするとの事務局提案に私は賛成だったが、委員会の多数決で、急遽、「炊き出し」実施ということになった。事務局の趣旨は、311の現実を踏まえて、地域の防災について真摯に考えるチャンスが「炊き出し」によって散漫になり、お祭り的になるのを避けたいからだったと思うが、かなわなかった。

市民は何が知りたいか

AEDの講習会はすでに別途済んでいるということで、防災倉庫、防災井戸の見学・説明、起震車体験の前に、市役所の(交通)防災課から話を聞くことになった。数年前にも、市役所職員の話は聞いたことがあるが、役所としての備蓄食品はほんのわずかにすぎないから、水を含めて、数日の家族分はすべて各家庭で備えるべし、直後の「公助」はあると思うな、というのが基調であった。最近では、佐倉市はもともと干拓や造成地が多いのだから何が起こっても不思議はないみたいな話を付け加えているらしい。

 そんな話は、いたずらに危機感をあおるだけで、自治体が責任逃れをしているようにしか思えない。市民が災害に対して、具体的に何をどう備えたらいいのかには、あまり役に立たない。それではということで、自主防災会では、市の担当者と事前の打ち合わせをし、今回の大震災を通じて、市民の関心や現実的な不安はこれまでとは若干変わったのではないか、自治体は、それにどのように対応できるのか、を中心に話してもらうことになる。①私たちの住んでいる町の、今回の大震災による被害状況について ②市民への情報伝達・提供の現況と今後の整備について、などを知った上で、自分たちのできることを明確にしておきたいと思ったからである。

佐倉市の被害は、たとえば、液状化について

 佐倉市は、今回の大震災被害の規模は、千葉県内では、旭市、香取市、浦安市に次いで4番目に被害の多かった市だということを強調するが、実際の被害の全貌が明らかになっていない。今回の話で市が用意した資料でも、私たちの住む地域の住宅被害などは自己申告だといい、学校などの公共施設の被害は、提供されたデータにはカウントされていなかった。現実に、戸建ての屋根瓦崩落、小学校体育館やコミセンホールの天井崩落、モノレールの橋げた損壊、ビルの外壁崩落、マンションの断水などについて見たり、聞いたりしている者にとっては、この地域での被害の全貌、市内の他の地域の状況を知りたいと思ったのだが、今回とて、必ずしも明確ではなかった。

たとえば、市のホームページ上「東日本大震災における液状化等の地盤被害を伴う被害状況図」が、812日になって公開された。ホームページ上では、佐倉市の地図に液状化しやすい個所、液状化の可能性のある個所などが色分けして表示され、実際の被害家屋のあった個所が点で示されている。しかし拡大するとぼやけてしまい、正確な位置がわかりにくい。市役所には、大きな地図が設置されているという。こんな地図の掛け図でも持参の上、説明をしてほしかったのだが、かなわなかった。あるメディアは、千葉県の液状化被害世帯数を第1位の浦安市30985世帯、第24504世帯、第3位香取市2545世帯・・・第10192世帯と報じている(朝日新聞2011913日)。液状化ではないが、50ミリ以上の雨が降ると、冠水して側溝のふたが流されたり、車庫に水が入ったりすることがある交叉路付近の対策を何とかしてほしいという質問もあった。雑木林だった西側高台が土地区画整理事業による開発によって、数百区画の土地が造成された。開発前は、けっして発生しなかった災害だったと、古くからの住民である質問者は嘆く。そういえば、数年前の宅地造成中には、ある豪雨に見舞われた夜中に、その高台の盛り土が崩れ、濁流となって6m道路を下り、沿道の住宅や交叉路周辺のお宅に流れ込み、住民を驚かしたこともあった。質問に応えた市の職員は「開発要綱にのっとって認可された開発のはず。被害が発生したら連絡はしてほしいが、自分は担当でないので、今は何とも答えられない・・・」という。

放射能汚染は、災害ではない?

また、佐倉市の放射能汚染被害については、「防災課ではよく分からない」というのが打ち合わせの時の返事だったらしい。しかし、市はすでに6月以来6回も、空間放射線量や地表の放射線量を測定している。東葛の各市と同様のホットスポットである佐倉市は、8月下旬の国の基準値の変更に伴い、9月に入ってようやく除染の方針を明らかにした。その手立ても決まったというのに、防災担当が「わからない」で済むのだろうか。

防災井戸について

防災井戸については、今回の防災訓練で初めて、丁寧に説明された。というのも311以降、水道水のセシウム検出をきっかけに、放射能の影響を受けにくい防災井戸の存在がクローズアップされた。佐倉市も基準内ではあるが「念のため、乳児には、水道水の使用を控えるように」という広報をした。しかし、すぐに使用できなかった防災井戸が続出したが、現在は19か所が稼働、今年度中に7か所、近年中に広域避難所のある39か所すべてに設置されることが決まった。一つ掘るのに350万円もかかるが、この件については市長が熱心?なので、来年度中にはすべての設置が可能かもしれない、と、この日の担当職員は説明していた。一年に1回の水質検査のほか、3月下旬以降は、塩素消毒、たまり水の放水、常時給水などの体制が整ったという。多くの参加者が、冷たい井戸水にのどを潤していた。

 防災訓練の帰り際、ある参加者が、「きょうの市役所の話は、知らないことも多かったし、聞いてよかった」「ホームページなんかでは、なかなか探し当てられないもの、そんな情報をもっと知りたい」などと、感想は様々であった。

またまた、「タダの水」を配るというのだが・・・

 私たちの町内の防災訓練の日は、この街のデベロッパーである山万が、駅前のホテルで「防災・防犯フェア」を開催していた。懇親会もあって、その席には、この地区全体の自治会の会長たちが招待されているという。自主防災会の折に、自治会長がふともらしていた。「山万から2リットルの飲用水を2本全戸に配布したいので自治会に贈呈する」といってきているがどうしたものか、と。防災訓練の時に配ればとか、餅つき大会の時はどうなのとか、ボトル引き換え券だったらねとか、という意見も出ていたが、山万はあくまでも全世帯に配布するのが目的だといっているそうだ。どういうこと?自治会に持ち込み、班長さんに配布させた、あの地震直後の「お米2キロ配布」の再来である。今度は1世帯2リットルボトル2本である。そんなものを配布できないと、すでに断っている自治会もあるという。私たちの自治会でいえば、650世帯だから1300本のボトル、班長さんの負担はお米の比ではない。この時期に、いったいどういうつもりなのだろう、企業の趣旨が不明である。自治会が民間の寄付を受けていいものなのだろうか。どうしてもというなら、社員が全戸に配るべきだろう。

 山万が地域に配布したチラシによれば、「住民皆様への災害時備蓄水の贈呈」となっており、914日の山万のホームページの「お知らせ」によれば、災害対策などの考え方を同じくする利根コカ・コーラボトリングとの提携により「ユーカリが丘自治会協議会に加盟する全自治会(27自治会、約8000世帯)を通じて」「対象地区全世帯に防災備蓄水を提供することになりましたのでお知らせします」とある。「自治会を通じて」なのである。また、プレスリリースによると「ユーカリが丘地区、約8000世帯に、防災備蓄水の無償・常時提供の開始」と銘打って、「年1回」「2ℓぺットボトル2本」と明記している。続けて「東日本大震災における山万グループ災害対策本部の活動状況」の一つとして「食糧不足不安へのお米の提供」と表示されているが、その実態は、自治会の班長さんを通じて、「お米2キロを配布」させた一件だった。こういうのをメデイア戦略というのであろうか。

 「デベロッパーと住民は家族も同然、社長の気持ちからお米を配布させていただいた」と社員が答える山万が、今年から毎年、自治会を通じて住民に配るという水は、タダの「水」なのだろうか。

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2011年9月18日 (日)

中秋の名月を仰ぎ、機影を数える~航空機騒音のその後

9月に入っても、残暑が厳しいが、夜のウォーキングを再開した。これまで一緒だった友人は、お連れ合いの単身赴任先にしばらく滞在である。一人で歩くときは、近くの中学校のグランドや田圃の上の陸橋の端まで往復したりする。体育祭が終わったばかりの中学校のグランドは、草刈りなどが行き届き、トラックも歩きやすい。遅い仕事を終えて、昇降口から出てきた先生に声をかけられた。「こんばんわ」と近づいてくる。「こんばんわ」と返しても近づいてくる。「ジョギングですかあ~、教頭の○○です」「はい、いけなかったですか」と、こちらもつられて思わず名乗ると「どうぞ、どうぞ、お気をつけて」と離れて行った。どうも「怪しそうな者には声をかけろ」を実行されたのかもしれない。気を取り直して、歩き始めた夜もあった。

200mトラックの10周がひとまずの目標だ。ひたすら歩いていて、やはり気になるのが、低空で赤や黄の灯りを煌めかせながら、北の空から南にむかう航空機の騒音である。いずれも羽田空港へ着陸態勢に入る航空機なのだ。そして、遠くの南の空には、多分千葉市上空辺りなのだろう、いつも24機の灯りが西側に向かって漂っているのがわかる。この佐倉の上空から千葉市に向かう東日本からの着陸便と西日本からの着陸便が、千葉市上空で、直角に曲がって羽田に向かうのだから、千葉市住民の航空機騒音は、佐倉上空の2倍以上ではないか。18日には、その千葉市方面の上空に3機が高度を違えて、縦に並んでいた。1時間に35便を上限とする、という話を聞いたことがある。また、西の空、遠くには、南から北へ高度を上げて行く機影が絶え間ない。これは離陸便なのであろう。

トラックを歩きながら、上空通過の航空機を数え始めた。メモによれば、以下のようになった。

96日(火)

830分~9

8

911日(日)

820分~50

3

+高空2機)

912日(月)

815分~45

7

914日(水)

530分~6

7

916日(金)

1005分~35

9

917日(土)

815分~45

8

918日(日)

820分~50

9機

+高空3機)

この航空機騒音の話をすると、佐倉の人でも、成田空港の発着便とよく間違える。成田空港への発着は、佐倉市の東、房総半島のもう少し中央部を飛ぶ。その機影も、雲がなければ、東のやや高めの上空によく見える。たった10日間ほどのデータだが、11日の日曜が極端少なかっただけで、全体的に、この時間帯の羽田への低空着陸航空機の数はかなり多い。この着陸コースは、夜の11時までで、あとは海上コースになるというから、16日は、時間いっぱい、目いっぱいの飛行である。ご近所の年配男性は、夜の寝入りばながやかましくてやりきれないとも嘆いていらした。それにしても、県や市から情報提供してもらったデータ(51日と520日、上記727日の本ブログ記事参照)の数字をかなり上回るのはどうしたことか。佐倉市は独自の調査をする気はないとの回答が届いている。

912日、せっかくの中秋の名月も風情のないことだった。17日、東南から昇る大きな真朱っかな月も、ただ不気味に見えてしまった。

佐倉の先崎に住む市長に申し上げたい。一度はじっくり、「見上げてごらん、夜の機影を」

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「市民の声」のその後~地方自治の基本も情報公開から~

 ごく当たり前のことなのだが、地方自治の根幹は「情報公開」だとつくづく思う。原発事故を語るにも「情報公開、じょうほうコウカイ」と念仏のように唱えるが、「原子力村」の隠ぺい体質や情報操作が今回の被害を大きくしたともいえる。身近であるはずの自治体の情報公開も進んでいない。

 佐倉市における情報公開の不備の一端が「市民の声」の公開方法に如実に表れていることは、すでに報告した(201195http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2011/09/post-ddc0.html)。

「市民の声」として、どんな意見や提案が、どれくらい届いているのかがまったく見えなかった。

佐倉市ホームページの右側「市民の声」 ⇒ 「今までに寄せられたご意見ご提案」 ⇒ 

「市民の方から寄せられた主なご意見・ご提案と回答の概要」 ⇒ 「分野別の件数」

ここでは、平成18年度(2006年)からの以下のように分野別の件数が記載され、

⇒ さらに「道路・交通」をはじめとする「分野」 ⇒意見・提案の表題と回答年月のリスト

⇒ 表題の意見提案と回答、にたどり着く。

最終更新日914日となっており、現在54件が見られる。それ以前は、52件であり、平成23年度に入って、すなわち、20114月以降、公開されたのは、827日更新の「航空機騒音について」1件(20114月回答)しかなかった。914日の更新で2件増えたことになる。半年たって3件追加といったペースなのである。こうした状況について、2010年、「『今まで寄せられたご意見ご提案』の即時公開」が「市民の声」に届き、同年9月に回答されている(受理日とホームページへの掲載の公開日は不明)。その回答は、次の通りであった。

「佐倉市では、市にお寄せいただいたご意見等のうち、市民の皆さまの関心が特に高いと思われるものについて、個人情報の保護を妨げない範囲内において、市のホームページ等においてその概要を公表するよう努めております。

市に寄せられるご意見等については、電子メールのほか、お手紙によるものも多いことから、内容の確認や編集作業が必要となり、即時あるいは短期間での公開は難しい状況です。

 これまで、寄せられたご意見については、年度末に一括して編集作業等を行い、ホームページ上に公開しておりました。現在、市民の皆さまとの情報共有をさらに推進するため、更新期間の短縮も含め、情報提供のあり方について検討しているところです。」

 「市民の皆さまの関心が特に高いと思われるものについて」とは、だれがそう判断するのかが問題であることは、先のブログ記事でも指摘した。今年の4月~7月に54件も寄せられたという「放射能問題」はいまだに1件も掲載公表されていないのは、「回答しにくい」から?か。9月の市議会で、国の基準も引き下げられ、いやおうなしに除染を迫られたので、その除染の補正予算が通ったところで、「回答」するのだろうか。

ただ、今回の更新で、新たなデータが公開された。最下段の「ご意見の処理状況一覧(平成237月末現在)」で、今年度に入って3件が公開と上述したが、この一覧によれば、47月の間に、合計282件受理したことになる。分野別の件数だから、味もそっけもない。どうして、こんな意見や提案が多かったと具体的に公表しないのだろう。「市民の声」に限っても、まだまだ、情報公開への道は遠い。しかし、以下の点が少なくとも改善された。いずれも、7月以来、市民の声担当者と秘書課長にしつこく要請していたことだった。

①一覧での内訳は、従来より細かい事項での分類となって、201147月の月別の件数のみが、公開された。

⇒受理総数は初めて公開されたが、従来の分野別と比べられないし、まだ、年間単位のデータを遡及して公表していない。

②従来は回答年月だけの記載が、回答の月日も記載された。

⇒一歩前進か、受理の月日、公開の月日の記述がない。

**********

今までに寄せられたご意見、ご提案

道路・交通 5件)

公園・緑地 6件)

防犯・防災 3件)

子育て・福祉・健康 10件)

教育・文化 2件) 

環境・ごみ 14件)

827日更新1件「航空機騒音について」(4月回答)

914日更新1件「自然エネルギーについて」(628日回答

観光・産業 2件)

税・届出 3件)

その他 9件)

914日更新1件「市民課にキッズコーナーを」(616日回答

ご意見の処理状況一覧(平成237月末現在)

 914日追加更新      (イタリックは、筆者の追記)

***********

上述のように、「市民の声」のホームページ上の公開の仕方に若干の改善が見られたほかに、「市民の声」の効用というか影響により、ホームページ上の情報公開が少し進んだ例がある。私は、7月以来、「航空機騒音」について、担当の企画政策課に問い合わせて、佐倉市上空を飛ぶ時間帯別機数など、いくつかの情報提供してもらい、727日、本ブログに「この夏、航空機騒音気になりませんか、佐倉市の上空は51機の低空着陸飛行」を掲載した。85日には、ご近所の友人たち3人で担当課に立ち寄り、騒音の現状と改善策を訴えた。816日には「市長への手紙」を提出した。状況は一つも変わらないけれど、次のような情報が、ホームページ上に公開されたのである。

① 7月27日、「市民の声」の「環境・ごみ」の欄に「航空機騒音について」という、ある自治会からの意見と20114月回答として掲載された。その回答の中身は、国と関係市町との協議会で改善の意見を述べていきます、というおざなりの回答と県や国交省の関係機関へのリンクであった。

② 822日、ホームページ左側「お知らせ」欄に「航空機について」が掲載され、現在の飛行ルート、問い合わせ先を掲載、「羽田再拡張事業の経緯」が平成12年(2000年)から現在に至るまでの経緯が年表風に記載された。現在の航空機騒音被害対策の遅れの弁解のようにも受け取れるが、それはそれで、市民にとっては重要な情報ではあった。こうした情報が、当初から関係自治体に流され、市民の関心を喚起すべきものではなかったか、と今にして思う。

 数年前から航空機騒音について意見や質問が細々寄せられ、羽田空港が拡張された昨年10月からは徐々に増え、この春からの南風仕様の着陸に変更され、低空着陸飛行となってからぐんと増えている。 いくつかの「市民の声」が「市民の声」の情報公開への扉を少しでも押し開けたのではないかと思っている。

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2011年9月 8日 (木)

佐倉市、放射線対策、ようやく除染に踏み切るか~その基準0.223マイクロシーベルト/時間

かなり高い放射線量の数値が出ているのにもかかわらず、佐倉市は放射線量を計るばかりで、その対策が全く進んでいなかった。私が参加している市民グループで、放射線量対策、数値が高い施設・個所、高いと思われる施設・個所内の草刈り、側溝の落ち葉や汚泥の除去、土や砂の入れ替えを市長・教育長あてに要請してきた。会独自の放射線量測定結果をも踏まえて、市長への「要望書」も提出した。その顛末も本ブログに報告してきたのだが、延期されながらも、97日に「回答」が届いた。826日の文科省通知は、これまでの暫定措置としていた基準の放射線量を低くしたので、佐倉市もこれまでの対応を変えざるを得ないだろうと想定はしていた。[専決者:環境保全課長名]、[問い合わせ先:教育委員会指導課]という2通の文書なのだが、前者は以下の通りであった。

「これまでは、平成23年4月19日付け、文部科学省の「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的な考え方」で定める空間線量率3.8マイクロシーベルトに準じて佐倉市では対応をしてまいりました。

 原子力災害対策本部より平成23年8月26日付け「除染に関する緊急実施基本方針」により今後2年間に目指すべき当面の目標、作業方針について取りまとめられたところです。 基本方針では、推定年間被ばく線量が20ミリシーベルトを下回っている地域においては、住民の協力を得つつ、効果的な除染を実施し、推定年間被ばく線量が1ミリシーベルトに近づくことを目指し、とりわけ、子どもの生活圏(学校、公園等)の徹底的な除染を優先し、子どもの推定年間被ばく線量が一日も早く1ミリシーベルトに近づき、さらにそれを下回ることを目指すことになりました。

 佐倉市では、市民の皆さまが安心できるよう除染計画策定の準備を進めておりますが、今後、同計画により除染を積極的にしてまいります。」

ああ、ようやくの思いであった。これに先立って、96日の市議会文教福祉常任委員会、97日午前中の経済環境常任委員会では、それぞれ指導課課長、環境保全課長からはさらに具体的な除染方針が示されていたのを傍聴者から聞いていた。私は、7日の午後、議会運営委員会の傍聴に出かけたので、終了後、廊下で出遭った二人の議員に尋ねてみた。

子どもの生活圏優先は、上記の文書にもあるが、他に除染の基準は、年間1ミリシーベルトから逆算、0.19マイクロシーベルト/時間に千葉県の原発事故前の通常の数値の0.033マイクロシーベルト/時間を加算した「0.223マイクロシーベルト/時間」以上の施設、直近の測定では19施設(91施設中)が該当し、除染を実施することになったという。また、除染物の汚泥などは、自らの施設内で管理させる方針らしい。他の自治体の独自方針に比べると、いろいろ不満も多いが、ようやく一歩を踏み出したという思いだが、なにせ遅き失した感が強い。従前の文科省通知の基準においても、国際放射線防護委員会の基準においても、年間1ミリシーベルトは、目指すべき数値であったのにもかかわらず、耳を傾けなかった佐倉市の責任は重大であろう。

今後は、上記方針の実施を見守り、さらに放射線量の低減を求めて、私たちも何ができるか考えねばならない。

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2011年9月 5日 (月)

佐倉市に「市民の声」は届くのか~「とてもいい質問」しか公表しない?

放射線量がいわゆるホットスポットとよばれている千葉県東葛地域と同様に高い数値を示している佐倉市について何度か本ブログにも書いた。佐倉市の航空機騒音についても中間報告をしている。最近、やむにやまれず、この2件について、「市民の声」に電話をしたり、文書で質問や提案をしたりして、いろいろなことが分かった。その2件自体の佐倉市の対応のお粗末さは、上記ブログでも触れたとおりであるが、今回は、佐倉市の「市民の声」の仕組みについてだ。 http://www.city.sakura.lg.jp/hisyo/shiminno_koe/shiminno_koe.htm

市役所の一階の入り口付近に、そのコーナーはある。私も、ここには自治会役員時代には何度か通って、自治会からの要望書を提出したことがある。最近では、個人でも電話やメールで質問や要望をするようになった。いつも「木で鼻をくくった」ような内容の回答に腹をたてることが多いのだが、今回は、重ねて、その処理の仕方、公開の仕方が、あまりにも恣意的、ご都合主義的なのに驚いたのである。 

1.

「市民の声」に寄せられた件数が公開されていない上記サイトには、平成18年~23年3月の5年間で52件しか載っていない。それ以前の平成13年~17年の4年間で53件であった。もちろん網羅的でないことは、「ご意見によっては」公開するというのだから、その全貌は市民には知らされていないことになる。私自身が「市民の声」として発信した、例えば放射能汚染、航空機騒音についての疑問や要望は、他の多くの市民にも共通し、予想としては、かなりの数に上るのではないかと思うのだが、そういう数値が全く分からないので、情報提供を申し出た。すったもんだはあり、時間はかかったが、少なくとも、その件数だけは、以下の通りであった。

①航空機騒音について質問・要望(2011年8月24日現在)

2007年度:0件、2008年度:2件、2009年度:2件、2010年度:1件、2011年度:7件

②放射能問題についての質問・要望(2011年7月31日現在)

秘書課市民の声に寄せられたご意見  

(放射能関連)月別内容別一覧(平成23年3月~7月)(平成23年8月31日作成)

(受付件数と内容別の件数が異なるのは、1件で多岐にわたる内容があるため)

3

4

5

6

7

合計

受付件数

9

4

17

16

8

54

測定に関する要望

4

14

13

2

33

除染

4

5

3

12

飲料水

6

1

1

8

学校活動での被ばく不安

2

1

1

4

その他

2

1

1

1

8

ご覧のように、やはりかなりの数に上っていた。しかし、これらの「市民の声」は、「市民の声」窓口を通したものであって、他の担当課に直接届いた質問や要望はカウントされてないことである。近くの友人も、交換台で「騒音について」ということで環境保全課の騒音担当に回され、さらに企画政策課に回されている。放射能に関しては、担当部課が、なんとその測定場所の施設ごとに異なるのである。保育園は子育て支援課、幼稚園・小学校・中学校は指導課、公園は公園緑地課、調整池などは下水道課、障害福祉課・・・というわけだ。縦割り行政の最たるもので、私は、窓口の一本化をそれこそ「市長への手紙」として要望したが、その回答は以下を参照してほしい。

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2011/07/post-cb95.html

2.

意見や回答の内容が公開されるのは、ほんの一部であって、その基準がわからない 意見や回答の内容を公開しているのを見ても、載せる、載せないの基準が明確でないので、尋ねると、最初は、全部は載せられない、公開を望まない市民がいる、といった回答が返ってくる。放射能関連の問題について、3月以降4か月で54件もあったのに、なぜ公開しないのかとたずねたところ、「放射能問題は、流動的な問題で状況が変わっているし、市としての対応も非常に困難なので、回答が難しい」からだという。いや、「木で鼻をくくったような」回答はすでに多くの市民にとどけているはずだ。「回答の通り公開したらいいのではないですか、現実なのですから」といえば、はっきりしない。「それでは一般的に何を基準に公開しているのですか」と聞けば「回答が明確で、分かりやすいもの」にしているという。「だれが判断しているのか」と言えば、秘書課長は「3人の担当者(二人の職員と一人の非常勤職員らしい)が選んでくるものを」というのだ。 私は、何かの基準で選ぶ、窓口が評価や選択してはいけないと思う。「いい質問ですねえ」のセリフではないが、どうも市役所に都合のいい質問やそれこそ、回答しやすいものを選んでいるのではないかと思う。網羅的公開が望ましいが、同類の意見をまとめて、以下何件とでもできるではないか。

3.

公開が回答の日から数か月後というのはどうしたわけか 過去に公開されているものは、直近の「航空機騒音について」で4月回答が7月27日に公開というありさまである。受理はさらにさかのぼるわけだから、即時公開してもいいわけではないか。月ごとの内容別件数くらいは、すぐに出るはずである。 どれもこれも、実施にそれほどの手間がかかるわけではない。要するに、市民の声をほんとに聞く気があるのか、と疑いたくなる対応である。以上の件を含めて、私の意見と要望をメールで提出したので、いずれ回答が届くはずである。関心のある方は、また、本ブログをお訪ねください。

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