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2011年10月25日 (火)

『青葉の森へ』第2集が出来上がりました

 2002年にスタートしたサークル「短歌ハーモニー」は、今年6月に100回目の歌会を迎え、それを機に、2回目の作品集を出すことになりました。活動の根拠地でもある青葉の森公園前のハーモニープラザ「千葉市女性センター」が「千葉市男女共同参画センター」と名前を変えた年でもあります。最初の作品集『青葉の森へ』を刊行したのは2006年、双方に出詠している6名に2名が加わりました。第1集については、下記をご参照ください。サークルの由来や作品集の作成過程、作品の一部を掲載しています。

http://dmituko.cocolog-nifty.com/tankahanonikasyuudekiagarimasita.pdf

 今回は、サーモン色の表紙の第2集が出来上がりました。各人50首前後とし、各表題紙には、お気に入りのカットや自分で描いたカットを配しました。苦労はしましたが、作品の推敲や編集を楽しんでいる様子がうかがえました。ほんの一部を掲載しますが、千葉市、佐倉市の図書館をはじめ、県下の幾つかの図書館にお送りしていますので、ご覧いただければ幸いです。

『青葉の森へ(二)』(短歌ハーモニー編刊 201110月)から

大堀静江「夕茜雲」

 武蔵野のハケの小径をたどりきて水琴窟の音色涼しき

 検閲印おされし軍事郵便の束みつかりぬ姑の遺品に

 確かなる信仰心はなけれども束の間写経の静けさにいる

岡村儔子「道の辺のほたる草」

 はじめての誕生日の孫テーブルに指一本の支えに立れり

 母となる喜びもあり病める日々病院への道の辺ほたる草咲く

 襲いくる驟雨に煙る永平寺屋根を走れり一連の滝

海保秀子「日照雨そばへ」

 砂山の陰にうす紅ひるがほのはにかみてをりはつなつの道

『大漢和』親しみ来たる日常をいとほしみつつデジタル排す

 部屋内に紐を渡して衣掛けひと日かかりてたたみて納む

加藤海ミヨ子「ふる里」

 延々として進まぬ原発対応に苛立ち覚ゆ福島の里

 おはようの声かけすると涙する語れぬ母は聞こえて居るか

 淡雪に消え入る様に咲いている小さき鉢の白梅の花

藤村栄美子「伝える」

 味覚・視角・聴覚を研ぎいざ君は桜前線北上を待つ(四カ月)

 手つき良くドングリシチュウーかき混ぜる森は優しく時はゆるりと

(一歳九か月)

 風を切り急な斜面を駆け降りるその目は真っすぐ我に向かいて

(一歳一一か月)

美多賀鼻千世「シンフォニー」

 道端をよろよろ歩く老犬を連れてゆく人もまた老いている

 話したい 言葉を忘れた母がいて返事を待って口もと見つめる

ひたすらに手元みつめてハープ弾く迷える心音色にうつす

武村裕子「連珠」

 嵐すぎし午後を少年とバスで来てプラネタリウムの椅子を倒せり

 気を張りて声の明るき母が立つ睦月の午後の父の枕辺

 ジキタリス梅雨入りの雨に打たれおり「ガッシュ医師像」頬杖浮かぶ

内野光子「街、揺らぐ」
 病む犬に添い寝をしつつ年を越し遠き寺鐘のはつかに届く
「敗戦後の日本は」の声に振りむけばテレビのサッカー終盤に入る
 残りたる雑木林に鳥発てばニセアカシアの花房揺らす

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なお、千葉市の「男女共同参画まつり」が12月10日(土)~11日(日)に開催されます。

私たちの「短歌ハーモニー」は、例年のように展示室では短歌作品展示をします。また、昨年と同様1211日(日)午後1時より公開歌会を開催します。メンバーの方々で下のようなチラシを作りました。

http://dmituko.cocolog-nifty.com/ha-monitirasi.pdf

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