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2012年1月12日 (木)

放射能汚染物質の「仮置き場」がない?佐倉市は“困ったさん”か(1)

放射線量、「測定納め」と「測定初め」で見えてきたもの
 
 いつにない、奇妙な年末年始だった。年内に年賀状は一枚も書かなかった、いや書けなかった。
 
今では、国民のだれもが不安を抱いている放射能汚染の問題、ホットスポットである佐倉市民は格別だろう。しかし、千葉県定点観測の市原市の0.020.04マイクロシーベルト/時間の数値のみ報じられているので、案外安心しきっている人も多い。さすがに乳幼児や小中学校生の母親は、関心はあるもののなかなか声を上げないのが現状である。一方で、すでに佐倉を離れている人たちの話も聞くようになった。新しいマンションに越してきたばかりのAさんは、夫を残して2歳になるお子さんと兵庫の自分の実家に避難、月の半分以上をそちらで過ごすという。Bさんは、お孫さんとお嫁さんを実家に避難させ、息子さんが行ったり来たりしているとのことだ。 

いま、佐倉市の放射能汚染対策は、教育施設、公園などの除染工事はとにもかくにも除去物を自施設内の埋立て保管の方針で進められているが、原発事故以来、早くより指摘されているのが、通学路、道路側溝の放射線量の高い数値だった。周辺よりどこでも高い側溝の除染が手付かずなのだ。今回、私たちも、これまでの活動を踏まえ、側溝の除染を早くせよ、と佐倉市に申し入することになった。7月、8月に続く3回目である。私個人としても、文書による要望、電話でも何度か問い合わせ、要望をし、回答も得ているのだが。


12
29日、臼井地区を測ってみたら 

 1229日、私たちの市民グループでは、知人の松戸のMさんにお越しいただいて、放射線量測定会を実施した。7月にもお願いしているので、2度目になる。Mさんは、高性能の測定器をもう一台購入したということで、30秒間の平均値が自動的に表示されるスグレモノだった。1地点5回測定でも3分ほどで済む。環境省の上空からのモニタリングでも高い数値を示す臼井地区を回ることにした。この地域一帯の高い数値が、佐倉市を「汚染状況重点調査地域」指定に踏み切らせたらしい。
 
 前回に引き続き、5㎝と100㎝の高さで測定した。印旛沼ボート乗り場付近の測定値は、安定していて0.0980.170μ㏜/h、間野台公園は、佐倉市の除染基準0.223μ㏜を超え、除染対象となっているが、まだ実施されていない。除染済みの2公園とも、広場は表土を削り取った形跡が見られたが、草地や樹木の下は、清掃をした程度なのだろうか、佐倉市の基準値0.223μ㏜を超えていた。最も驚いたのが、住宅街の真ん中にある、市営住宅跡の更地をめぐる側溝での数値だった。グレーチングの上でも極端に高かったのだが、グレーチングのない、汚泥がむき出しの箇所は34μ㏜を示した。単位が一ケタ違う。市役所に通報しなければならないだろう。さらに、西部自然公園は広いのだが、佐倉西高校グランドネット裏の向かいの台地を上ったところ、なんと木材チップの山がいくつもいくつも広がる。中にはゴミや土砂が混じるところもあって、これが軒並み0.5を超えるのだ。ここはゴミ捨て場?放射能汚染物仮置き場?状態なのである。鳴り物入りで、市が西部自然公園として、整備しようという公園なのである。

2011
1229日(晴れ)
 
数値は、測定地点数か所、高さ5㎝・100㎝を含めての最低・最高値とした。
 
(この数値の採り方は佐倉市の除染状況の結果報告に倣った)
 
単位はμ㏜/h
臼井地区測定結果の一部
(詳細データから作成)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/miyanodaisokuteikekka.pdf

20111231_036

西部自然公園、木材チップの山、途方に暮れる



 

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