佐倉市議会6月定例会始まる、市長は何を考えているのか
佐倉市議会2月定例会は、個人的な仕事もあって、傍聴も少し遠ざかっていた。6月の定例会に先立って開かれた、5月29日9時からの会派代表者会議と10時30分からの議会運営委員会を傍聴した。不勉強な市民だったが、会派代表者会議を傍聴出来ることは、今回初めて知った。6月定例会での私の関心事は、とりあえず次の2件であるが、この先、何が起こるかわからない。
副市長二人制は、どうなるの?
蕨市長は、24年度から産業振興を図るべく?国交省から人を招いて、副市長二人制を提案して、多数決で成立させたばかりだった。ところが、4月下旬、私たち市民にも、その市長が現在一人の鎌田副市長に辞任を迫っているというニュースが流れてきた。 前市長時代から、11年間務めてきた鎌田副市長は昨年再任されたばかりだったが、邪魔になってきたというのだ。市長は、副市長の言いなりと噂された時代もあった。昨年からの原発事故、佐倉市の放射能ホットスポット対策の遅れは、副市長がネックになっていることも聞いていた。しかし、その評価は別にして、条例まで改正して、二人副市長の役割分担までことごとしく喧伝していた市長は、副市長に辞任を迫ったという。この6月は、副市長ゼロ、その先も天下りの副市長一人になるという事態になることに、どう責任をとるのか。副市長一人分の経費が節約できるのを市民は可としたいところだが、国交省から下ってきて数年で本省に戻るという若手キャリアの副市長に何ができるのか。そもそも当市の事情も分からない、そんな副市長が役に立つのかも疑問だ。企業誘致の暁の皮算用に気を吐いていた市長だが、撤退の自治体が続出する中、佐倉市だけは奇跡が起こるとでも、思っているのだろうか。
現副市長の「一身上の都合」という理由で辞職願が提出されたというニュースが出たのが、5月3日の朝日新聞のみ。5月10日には、辞職願は受理され、5月末日で3年の任期を残して辞めることになった旨、何紙かが報じた。5月3日の「朝日」で知って驚いたという議員も、多かったようだ。連休中を狙って、市長は、一紙にリークしたとのうわさも飛び交う。
質問通告によれば、この点を市長に迫る議員もいるようなので、ぜひ傍聴したいものだ。
「答弁が長引かないような質問をせよ」とや・・・
少数会派や一人会派の何人かの議員から情報が入った。4月下旬の会派代表者会議で、多数会派のさくら会から、一般質問の質疑で「申し合わせの、代表質問120分、個人質問60分の目途を超える議員がいるので、質疑時間をあらためて厳守する申し合わせをしたい」との提案がされ、第2多数会派の公明党が賛成したという。質問には、力を入れ、工夫を凝らしている市民派の少数会派や一人会派への名指しに近い攻撃もあったというのだ。議員たちの質問時間は、3年前、一問一答式の項目別方式が実施され、代表質問60分、個人質問30分以内という申し合わせは、議会事務局のタイムキーパーにより、再質問も含め、きっかりと計られ、守られているはずだ。かつての一括質問方式では、質疑込みの120分、60分で、執行部の答弁の引き延ばし作戦が“功を奏し”、議会質問は形骸化を余儀なくされていた。だから、一問一答式により、市民にもだいぶわかりやすくなったはずである。ともかく、定着しかけた今、なぜ、時間制限をするのだろう。質疑時間が長引くというのであれば、市長はじめ執行部の答弁の繰り返し、重複、要領の悪さが要因ではないか。
この頃、よく話し合うことの多くなった市民有志が集まって、ともかく議員たち自身が、この多数2派の提案をどう理解しているのかを、各会派に面会を申し入れ、手分けして事情を聴取することになった。私たちも、議会事務局に問い合わせたり、過去の会派代表者会議の議事録などで調べたりした。さくら会の幹事長はじめ、3年前から始まった質問方式の変更、1年前の質問時間の確認、質疑時間の申し合わせなど、正確に理解されていないことが分かった。また、新人議員などは、「申し合わせ」自体を把握しておらず、「先輩の見よう見まね」「慣例」程度の認識しかなく、「引き継ぎ」や「研修」が危ぶまれた。私個人としては、「申し合わせ」によって、議員の活動が制限されること自体、疑問に思われることも多々あるのだが。今回の提案も、答弁の苦手な市長が多数会派に頼み込んだという噂も聞こえてくるのだ。ともかく5つほどの市民グループが連携して、5月16日、従来の申し合わせ事項を維持しながら一般質問の充実をはかる議会運営をはかること、執行部の答弁をより的確で効率の良いものとするような努力を促すこと、の2点を会派代表者と議員全員に申し入れた。
私にも、6月定例議会に先立つ議会運営委員会で、多数2派による提案がなされ、多数決で決められてしまうという危機感があって、議会運営委員会の傍聴となったわけである。傍聴は、市民、議員も10人ほどだったろうか。副市長2人制が議題となったかつての常任総務委員会のときの市民の傍聴は、30人近かったことを思うと、やや少ない感じ。
一般質問の質疑時間の件は最後の議題。まず、さくら会の長老のM議運委員長は、冒頭に、前回の議運に引き続き、きょうはしっかり議論してほしい。議運に先立って、執行部には、答弁の重複や繰り返しのない充実した内容となるよう申し入れてきたという。一議員として、一問一答式は市民にもわかりやすいという評価を受けているが、やはり、質疑時間の長時間化を検証してみるとその要因には、矢継ぎ早の、箇条書き的な質問、重複があり簡潔でない答弁など、質問者・答弁者の双方にある旨の発言があった。
さくら会代表でもあるN委員が提案理由を何度かにわたって述べた。 質疑の充実を目指すもので時間制限やチェックが趣旨ではなく、昨年の統一地方選挙後の議会で、目に余る質疑時間の超過があるから、質疑を含めて120分、60分を守ってほしいからだ。質問項目の数や再質問の数も答弁を長くしている要因ではないか、と。
市民ネットワークのI委員は、質疑時間が延びるのは、執行部の答弁の重複や繰り返しが要因で、議員の質問時間は全員守っているのであえて制限する必要はない。市民オンブズマンのW委員も、長時間化は、答弁の重複・反復、的外れが原因、委員長の執行部への申し入れもあったことだし、議員も心がけることで、時間を制限したりする必要はない。ともに、これまで議会と市民で進めてきた議会改革に逆行する提案であるから反対との表明があった。
みんなの党のI委員は、議員の質問の仕方など能力の向上を図り、その上節度を持つことが重要ではないか。前回、提案に賛成した公明党のO委員、K副委員長は、質問時間・内容とも個人の良識に左右されるものではないか、とのことで、当初は、提案への賛成・反対かの明白な意思表示はなかった。
提案理由が何度か確かめられる過程で、さくら会のN委員は、質問の仕方に問題があり、議員は執行部とのヒヤリングの中で答弁内容の事前チェックの要にまで及んだり、ともかく提案を「お試し期間」と思って改善がなければ再考すればよいとか、最後にはもう議論は出尽くしたから多数決だと胸をそらしたりで、その内容の薄っぺらさにへきへきとした。案の定、さくら会のM委員は、意見を求められて、新人でよくわからないと頭を抱える場面もあったり、やはり新人のH委員は、事前に答弁書を渡されれば、引き伸ばし部分をチェックできるし・・・みたいなことをいう。 会派の中でも提案理由が浸透していないのだ。理由が明確でないこと、ベテランたちが先行して決めて行ったのだろうことがよくわかった。
暫時休憩を取ったのが12時過ぎ、いよいよ決を採る段かと思われたが、微妙な態度だった公明党の委員が、執行部への申し入れもしたことだし、6月議会で様子を見たらどうであろうかとの発言があり、委員長の議員・執行部双方の良識ある対応を見守ることでという提案がなされ、採決するに至らなかった。提案が否決されるのを避けたのだろう。この結果自体には、ひとまず安堵はした。私たち市民の全議員への「申し入れ」や提案に反対の議員たちが駅頭でチラシを撒いたことなどが成果として現れたのだろうか。しかし、議会改革の道は険しい。
それにしても、傍聴席で黙って聴いているのはつらいなあ。ときどき、やや“大声”でつぶやいたりすると、議会局の職員にキッとにらまれたり、委員に振り返えられたりするが、きょうの限りでは、そのつぶやきを拾っている委員もあった。会派代表者会議では、「多数会派としては、市民に対して・・・」の発言に、思わず発した「選挙で会派を選んでない!」には、「いま傍聴からの声にあったように、会派は、確かに選挙後に組んだものですが・・・」との発言。「ヒヤリングの折に答弁とよくすり合わせて・・・」の発言には、「シナリオがあるんですか?」とつぶやけば、「まるでシナリオじゃないですか、どんな答弁か事前に分かっているのですか、そういうことを普段からなさっているのですか」の反対委員の質問に、提案者はあわてて弁解していた。
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