副市長辞任と航空機騒音と~佐倉市6月定例市議会傍聴記~
市議会の一般質問は4日間続く。市議会ウオッチの市民グループの方々は、すべての傍聴を続けている。私にはその体力も気力もなく、申し訳ないけれど、時折出かける程度だ。今議会における私の関心事は次の2件。
1.副市長辞任の真相
どうしても気になったのは、あまりにも突然だった鎌田副市長の辞任の経過であった。5月30日の本ブログ記事にも書いたとおりである。蕨市長は、自らの提案で、条例を改正してまで市長二人制を成立させた直後に、任期3年を残しながら「一身上の理由」での辞職願をあっさり受理した件である。それだけでも理解しがたいのに、辞職願提出の5月1日前後に、そういえば、一市民の私にもいろいろな情報が入ってきた。これは噂ではなく、鎌田前副市長と市民グループとの懇談の席では「辞任は私の本意ではない」と発言している(私はこの会には出ていないが、レポートが届いている)。直接話した複数の市議会議員たちの発言からは、副市長二人制の市長提案自体に、鎌田副市長は反対し、2期目に入った蕨市長からは疎まれるようになったという事実が明らかになった。
一般質問の初日には、3人の議員がこの辞任経過について質問している。私は、二人の少数会派の議員の質疑を聴いた。市長は、すでに全員協議会で「一身上の理由での辞職願が出されたとき、慰留に努めたが、辞意は固かった」という説明をしたという。O議員は、今年の4月1日から、文書決裁の内規の変更により、従来からあった副市長決裁を不要としていた事実を通知文書により指摘した。また、5月1日 の辞職願提出の記事が5月3日の朝日新聞だけが報じた経緯についても質問した。前者への答弁は、結局明確ではなく、辞職願提出前の「副市長排除」が明らかになった。新聞報道については、新聞社はニュースソースを明らかにしないので、市としてもどこから漏れたか調査中である、という総務部長の答弁だった。受理は5月9日なのだから、「辞職願」が出た段階で知りうる人間が朝日新聞にリークした構図は明らかで、辞職の既成事実を固めたかったのだろう。しかも連休中に。
もう一人のK議員は「鎌田副市長は5月末日辞職、二人目のはずの国交省の天下り副市長は7月就任予定で、6月は副市長ゼロの空白である。それでも市役所は十分回っているではないか、副市長はそもそも不要でスリム化できるのでは」と切り出した。また、「一身上の理由」とは「都合のいい、わけありの理由で、いろいろな噂も飛び交っているが、真実はいずれ判明するだろう」ということで、おそらく、市議のほとんどは承知している、市職員の多くは知っている事実を明らかにしないままだった。どうしてそうした事実をもって、市長や部長たちを質さないのだろう。「行儀のよい質問」ではあるが、それが私にはもどかしかった。
ある多数会派の市議は、自らのブログで「男と男の別れ方はむずかしい?」との疑問を投げかけているが、茶化すような問題なのか見識を疑う。鎌田副市長の行政マンとしての評価とは別の問題で、市役所というところは、一人の人間を明確な理由なしで辞任に追い込むことができるおそろしい組織だということが分かった。
2.佐倉市上空の航空機騒音について
これも、一昨年、2010年10月21日の羽田空港の国際化に伴い、佐倉市上空を通過する航空機騒音が増幅した問題である。佐倉市上空を通過する航空機は、北陸・東北・北海道からの着陸便で、とくにうるさいのは、4000フィート(約1300m)での通過である。ルートは、風向きと天候によって異なり、春から秋にかけて、南風の時は、この低空で飛ぶ。さらに、悪天候のときは、南・西方面からの着陸便が加わり、朝の6時から夜の11時まで200機以上が通過する。少ないときでも120機前後が通過する。昨年同様、今年も節電を余儀なくされ、夏の夜の10時~11時まで、窓を開けて就寝という人も多いだろう。20機近く飛ぶということは、3分に1機、騒音の絶える時がない。真上に来たときは相当の轟音になり、テレビの音が聞こえなくなることもある。これは羽田空港事務所の調査と私自身の目視調査・体験によるものなのだ。なお、北風の時は、高度が8000フィートだから、屋外ではかなり聞こえるが、家の中だと気にならない程度である。だから、高度を上げることと、コースの分散化が急務と言えるのだ。
一人会派のT議員は、議長の指名に元気よく「ハイ」とまるで小学校1年生みたいに手を上げて答えるには閉口した。そう、彼は1年生議員だったのだが。「私も調べさせていただいたところでは」と妙なところで丁寧なのだが、その調べがまだ甘い。おそらく、他の議員や関心のない傍聴者には分かりにくい。前述のような実態を踏まえて、市民の安全と生活を守るべきだとの主張が弱い。T議員は、とりあえず佐倉市独自の騒音実態調査を迫るのだが、「そのつもりはありません」とにべもない。年2回の周辺市町村による協議会で佐倉市は国交省に何を主張してきたか。市の担当者と話したこともあったが、まるで他人ごとであった。これらの構図は、佐倉市の放射能対策にも共通するものではないか。
佐倉市は、いまは、成田空港の飛行ルートからは外れているが、新聞報道によれば、成田空港周辺の航空機部品の落下が増加しているという。また、佐倉市(志津地区)上空には、自衛隊の下総航空基地からの訓練機数機が週末以外は毎日房総沖への往復で、さらに低空の500mで通過する。多くの市民と多くの議員にも関心を持ってもらって、佐倉市に目を覚ましてもらいたい!
6月14日写す。数年前、鉢でいただいたアマリリス二株を地植えにしたところ、
毎年、美しい花を見せてくれます。
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コメント
消費税導入決定で、低所得化層の生活はどうなるのか、まるで、旧式の放送で毎日がなりつづけるオリンピックの放送が、その現実を忘れさせるようです。女性宮家問題もこの間に一定の結論が出たようです。「細りゆく皇室をまもるまもらねばと系図を背にして行き交うことば」に共感、どうして女性たちは、女性宮家の問題に反旗を翻さないのでしょう。それとも、原発問題同様、抗議の言葉はかき消されているのでしょうか。いつも、エネルギッシュなご活躍に敬服しています。
投稿: 片野真佐子 | 2012年8月10日 (金) 08時21分