初めての国立国会図書館関西館へ~小展示「日本の詩歌」
最近は、OPACの機能も一段と拡充したので、東京の国立国会図書館へ出かけることもめっきり減った。その代り、ネットで複写申し込みをし、関西館からの複写送付も多くなった。東京本館への交通費もバカにならないからとても助かっている。といっても、出かけて調べたり、資料を実際に閲覧したりすることによって、情報がいっそう確かに、いっそう広がることを思うと、便利さを喜んでばかりいられない。
私の参加しているポトナム短歌会の全国大会が神戸で開催されたので、約30年ぶりに参加、いろいろと感じるところもあったが、感想などはまた別の機会に譲ることにして、今回は、その帰りに京都近郊の精華町にある国立国会図書館関西館に寄ったときのレポートとしたい。図書館のHPで小展示「日本の詩歌」が始まったばかりなのを知った(6月21日~7月17日)。展示のイメージ、展示のコンセプトがわかりにくかったので、思い切って京都駅で途中下車、近鉄奈良線急行で約30分余。途中、桃山御陵前という駅があり、30年も前に連れ合いが単身赴任で3年間ほど住まっていた団地があった場所、私も娘と一緒に名古屋から何度か通ったのでなつかしい。宇治川と木津川を渡り、新祝園(「しんほうその」と読むらしい)で下車、バスの便があるというが、まずは車で980円。あたりに広がる田園風景の中に延びる広い道路、街路樹や緑地帯の樹木はまだみな若い。左右には点々と研究所や会社名を付した建物が車窓をよぎる。
銀色の全面がガラスのように見える細長い建物、アプローチの左右には、片側に芝を張り付けた窓が大きな波を打つ。オープンして今年で10年ということだ。カウンターでは、利用者カードの形式が今年の1月変更になったので、更新をとのことだった。分かりやすいパスワードを自分で自由に指定できるのがありがたい。従来は、検索や複写のたび、図書館から与えられた数字とアルファベットのパスワードを覚えられずに閉口していたから。
目当ての展示「日本の詩歌」、チラシやポスターには、例の正岡子規のあの横顔の写真が大きく配され、右側に「古今集はくだらぬ集に有之候」、左側に「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」とある。展示は、1階の窓側にガラスケースとテーブルに並べられていて、細長い。リストによれば展示資料は101点、すでにデジタル化した資料はガラスケースに、新しい資料は、手にとってみられる展示になっている。大きく短歌・俳句・漢詩・近現代詩というジャンル別になっているが、デジタル化された古い資料はケースの中だから、ジャンルでつながるわけでもないし、展示の順序がわかりにくい。資料の刊行年でもないし、初版、復刻版、全集などが入り乱れている。ジャンルの通史に沿うものでもない。
現代短歌では、中城ふみ子、塚本邦雄、寺山修司、岡井隆、馬場あき子、奥村晃作、永田和宏、河野裕子、俵万智の歌集などが登場、筑摩の『現代短歌全集』、『昭和萬葉集』『角川現代短歌集成』、『アララギ』の終刊号、短歌総合誌『短歌』『短歌研究』『歌壇』が並ぶ。これをどう受け取るべきか。
「詩歌」で括るより、やはり、ジャンル別の方がわかりやすい。また資料に付された、刊行年が、西暦と元号表示が入り混じっているのはどうしたわけだろう。
時間があれば、最上階のカテフェリアなどでゆっくりしたかったのだが。
「日本の詩歌」については以下を参考に。 http://www.ndl.go.jp/jp/event/exhibitions/1194813_1376.html
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