« 2012年7月 | トップページ | 2012年9月 »

2012年8月19日 (日)

「<朝日歌壇>、小学生短歌の入選について(2012年4月29日)」への反響

 表題のブログ
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2012/04/post-8723.html
へのアクセスが、じわじわと増えてきている。私のブログのテーマは、歌詠みのブログにしては、無粋なテーマが多い。アクセスの上位といえば、社会福祉協議会や日本赤十字社の実態、集まった募金の使い方、地域の自治会と種々の寄付の関係について書いたいくつかの記事である。これは数年前からの傾向で、アクセス全体の2割以上を占める日が多い。自治会で強制的に徴収される寄付を違憲とする判決が最高裁で確定した以後、全国各地で、自治会と各種寄付の関係を見直す機運が高まっているのだろう。アクセスも増え、コメントも増え、私の記事にたどり着いた複数の人々との情報交換も可能になった。また、いくつかのブログやHPでリンクしてくださっているからでもある。
 
そんな中で、最近、日によって、上記表題「朝日歌壇の小学生短歌」の記事へのアクセスが、トップになる日が多くなったのである。私は、朝日歌壇の40首の入選作のうち、10首以上が小学生などの短歌で占められることに異議を申し立て、短歌の普及のためならば、新聞歌壇や短歌コンクールでは大人とジュニアとの住み分けが必要ではないかとする「時評」を私の参加する結社誌に書いた。それをブログに再掲したのだ。ブログへの検索キーワードは様々で、「朝日歌壇・小学生」「朝日歌壇・小学生短歌」「小学生短歌」などにはじまり、「松田わこ」「松田姉妹」などというのもある。私の周辺にも、作歌の有無にかかわらず「朝日歌壇」に関心を寄せる人は多い。東日本大震災関係の入選作が話題になったこともある。小学生短歌の入選については、作歌をしない人たちには「かわいいよね」「面白いよね」などの感想が多い。今年久しぶりに結社誌の全国大会に参加した折には、初めてお会いする参加者の方々から、くだんの「歌壇時評」には「共感した」「はっきりした主張にすっきりした」「まだ続いていますねえ」など、率直な感想もいただいた。
 
また、歌友の阿木津英さんが「歌会スクランブルはなぶさむら」というブログで、上記記事を紹介してくださったこともあって、そこから飛んでくるアクセスもある。 http://hanabusamura.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=8338359 

新聞社には読者担当の窓口に同趣旨の意見を伝えた。今のところ、状況は変わりそうにもない。

最近、こんな話も聞いた。「朝日歌壇」の東日本大震災関連作品の入選について、歌壇の読者から、大震災関係の入選作が多すぎないか、他のテーマの作品がおろそかにされていないかの声も多かったそうで、「朝日歌壇」としてもある程度のバランスがとられはじめたとも。

 

| | コメント (0)

佐倉市の航空機騒音、その後

 猛暑とともに、航空機騒音がやりきれない夏。佐倉市の上空を通過する航空機の数は基 本的に増加していることがわかる。佐倉市上空と言っても、その着陸便航路から志津地区に限られる。以下<第1表>が、201010月、羽田空港拡張の前と後の6か月単位の佐倉市上空を通過した可能性のある便数の推移及び最近2か月の現況である。 これまでの記事の繰り返しになるが、夏季に多い、南風好天のときは、約4000フィート(1200m)前後の高度で北から南へ千葉市方面に飛ぶ。南風悪天候のときのみ、佐倉市上空の飛行方向は逆の南から北に向かい旋回する。この夏季、4月~9月までの南風天候における低空飛行が、市内、志津地区の住宅街に騒音をもたらす。井野中学校付近の我が家で、夏、戸を開けていると、テレビの音が聞こえなくなる。夏季の半年間、2010年も2011年も約6割が低空飛行で、騒音の元凶であったことがわかる。 

<第1表>佐倉市上空通過航空機(羽田空港着陸)便数
20104月~20123月) 

<第2表>夏季51日の時間帯別便数(20102012年) 

http://dmituko.cocolog-nifty.com/kokukisoon.pdf

 <第2表>は、3年間のデータがある、51日分を一覧表とした。ゴールデンウィーク中ではあるが、時間帯における推移は、2010年、2012年については平均的な数字となっている。201151日は、南南西の風が強かったらしく、欠航便が夜に集中したのではないか。台風や悪天候、強風などによる時間帯によって便数の偏向はたびたび発生するようだ。この日の夜間、1時間に26機が飛ぶということは、2分半に1機だから、夜空を見上げる、その視界に2機は眼に入るか、若干の高度を違えて同時に飛んでいることもありうる。要するに騒音としては、途絶えることがないという状況である。千葉市内は通常でもこの状態に近いのではないか。
 年間を通して、1日で130便前後、便数の多い時間帯は、11時台、15時・16時台で、2ケタになり、1時間に12機とすると、5分に1機になる。そして、夜の9時台、10時台が必ず多くなり、34分に1機ということも稀ではない。この時間帯における住宅街上空の低空飛行による騒音は、かなり深刻ではないか。乳児・高齢者の睡眠時間帯に入る。とくに高齢者には寝入りばなであるだけに、つらいという訴えが多い。
 
こうした実態を、佐倉市はどれほど把握しているのだろうか。佐倉の志津地区は、羽田空港拡張、翌年2011年の春、南風仕様の低空飛行に突如見舞われ、住民にとっては、かなりの衝撃であった。市役所の「市民の声」にも、ある自治会からの質問が寄せられた。その後も問合わせや苦情が続いたと思われるが、市の反応は、他の自治体に比べきわめて鈍い。というより、国も県もそして佐倉市も、情報を意図的に操作していることが考えられる。以下の年表で例証したい。 

<第3表>羽田空港着陸便騒音問題関係年表(国・千葉県・佐倉市の対応)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/kokukisoon.pdf

  2000年には、国土交通省の東京近郊の第3空港建設構想は消え、羽田空港の再拡張へと方針は転換し、佐倉の騒音問題もここに端を発する。2003年から、国と周辺関係自治体との協議会が発足するが、20042月からは、国は、千葉県と県下14市(千葉・市川・船橋・木更津・松戸・習志野・市原・流山・鎌ヶ谷・君津・富津・浦安・袖ヶ浦・白井)に再拡張後の飛行ルート案を示し、意見書の提出を受け、回答し、その修正案を525日に県と14市は了承する。629日にその全容が明示されたというが、この修正案が千葉県下の上記14市以外の周辺関係12市町村(佐倉・茂原・柏・八千代・我孫子・四街道・印西の各市及び沼南・大網白里・長柄・長南の各町、印旛村。現在は、町村合併により11市町)の助役に説明されたのは713日だった。 

要するに、国と千葉県は、先の14市に限って、飛行ルート案を示し、その意見により修正した飛行ルート案を決定したものとして、同年7月になって、他の12市町村の助役・担当者への説明会を実施していることになる。そして、その直後に、今度は、県下の141226市町村の協議会を発足させている。「飛行ルート」の大部分は既定の事実として、その後の年に2回ほどの協議会により、高度引き上げによる調整や深夜早朝などのルート調整に限った協議に終始し、内陸部における飛行ルートの分散化などは検討事項として掲げるにとどめている。 

当初の協議にあずかった14市以外の12市町村は、まるで、だまし討ちに遭ったようなものではないか。国や県は、周辺関係市町村を分断することにより、市町村の意見の噴出を抑えているとしか思えない。よく使う官僚の手段である。佐倉市も唯々諾々として、素直に従うのみであったらしい。 こんな時、国交省などから、部長や副市長を送り込んで置けば、なおさらことは進めやすいだろう。

さらに、佐倉市は、こうした経過や20101021日以降、佐倉市上空の飛行状況については、一切市民に伝えようとしなかった。市民からの問い合わせや自治会からの問い合わせについての回答は、以下のようにそっけない。すべて、上記「協議会」を通じてのみ意見を伝え、佐倉市内の騒音調査はせず、似たような高度での他市の調査で十分だというものであった。
http://www.city.sakura.lg.jp/0000001870.html 

また、昨年の夏の騒音に市への問い合わせも多かったからか、8月になって、それまでの経過を「航空機について」と題してHPに掲載した。少なくとも「航空機騒音について」と題すべき情報ではなかったのか。こんなところにも佐倉市の姿勢がよくあらわれる。 

さらに、驚いたことに、昨年8月、「市民の声」に寄せられた意見への回答は同年9月になされているのだが、なんとHP上に掲載されたのは9か月後の今年の6月であったのだ。これとて、上記の回答と同様、「協議会」を通じてのみ対処し、佐倉市内の騒音調査は類推できデータがあるから不要で、予定もない、というものであった。 

http://www.city.sakura.lg.jp/0000001868.html

 

この回答がHPに掲載された624日は、国による騒音調査が、ともかくすでに佐倉市内志津浄水場で実施されていたのだ。その情報を付記するでもなく、9か月前の回答をそのまま載せている神経も理解しがたい。もっとも、この測定場所について、近くの知人が「国交省が佐倉市市内で騒音調査をすることになったそうだが、どこですか」と市の担当者に聞いたところ、教えられないとの一点張りだったそうだ。なぜかと言えば「教えたらそこへ市民が押し掛けて混乱するから」とのこと。まさに噴飯ものの珍解答だろう。私も、後になって国交省に聞いたところ「佐倉市とよく相談して決めた場所です」とのことだった。 

なぜ「志津浄水場」だったのかと、市の担当者にたずねたところ「学校のチャイムが聞こえない、道路を走る自動車の音が聞こえない、飛行機騒音が採取しやすい、公の施設」だからということであったが・・・。9月には、その結果を市のHPに掲載するとのことだが、季節や場所を変えて、継続的に実施してほしい。それと同時に、騒音を訴えているし市民の住居に、市長や担当者がまず実態調査に出向くべきではないのか。少なくとも、千葉市市長は、騒音で眠れないという住宅街の市民の住まいを夜間に、視察に出かけている。また、浦安市の対応は、年表に見るように、早くより「広報うらやす」で何度も特集を組み、航空機騒音の重大性を市民に訴え、状況説明やアンケート調査を実施したりして、行政と市民が一体となって、取組んできた様子がわかる。 

これまで、佐倉市の放射能汚染対策に見てきた構図が、ここでも繰り返されているようだ。こうした役所にしたのは市民も悪い、と言わざるを得ないのでは。

 

 

 

 

| | コメント (8)

2012年8月 7日 (火)

消費税率引き上げ法案は、廃案に~中央公聴会、公述人随行記

 消費税率引き上げ法案をなぜ急ぐ? 

87日の午後になっても、参議院での消費税率値上げ法案(以下消費税法案)採決と内閣不信任案提出の行方が見えない。ネット上のニュースサイトを時系列で追ってみても、情報が入り乱れている。自民党が採決の日付にこだわって、お盆の後では遅い、810日だ、8日だ、と言えば、野田首相は、まるで、バナナのたたき売りみたいに、その日付をのんで行く。そして採決後に、自民党は、内閣の不信任案を提出するというのだから、わけがわからない。さらに、自民党は、「遅きに失した」からと解散の確約を迫る。それに先立ち、自公を除く7野党が共同で内閣不信任案を採決直前に提出するといい、小泉ジュニアは、3党合意を破棄せよと自民党執行部に迫っている。 

国民生活を直撃する大事な消費税法案の基本的な部分の論議をなおざりにして、不透明部分をあちこちに抱えながら、3党合意したという法案を1日早く通したからどうなのか。迷惑するのは国民だ。 

テレビや新聞が、オリンピックにうつつを抜かしている間に、ことはどう進んでいくのか。3つの全国紙、87日の社説は揃いもそろって、「合意の破棄は許されない」(毎日)「改革つぶしは許されない」(朝日)「一体改革法案 党首会談で事態を打開せよ」(読売)と、大合唱である。参院の公聴会がまだ終わってもいないのに。

 

きびしい日程の公聴会

 

消費税法案の採決をお盆過ぎの820日頃にしたい民主党、それでは遅いなどという自民党の政局がらみのニュースが飛び交うなか、7月末日になって、採決の前提となる「参議院での公聴会」が867日になるらしいとのニュースも聞いた。「採決前のセレモニーだもの、むなしいね」などと話していた矢先、82日、連れ合いに参院の事務局から電話があって、その「社会保障と税の一体改革に関する特別委員会」の公聴会の公述人にという話が舞い込んだ。先月『消費増税の大罪~会計学者が明かす財源の対案』(柏書房)を出版したばかりだったこともあって、「消費増税反対」の立場での公述をということらしい。最初は迷っているようだったが、「この際言わねばならないことは言っておこう」と腰を上げた。当日まで4日しかない、それからが大変。 

もちろん、本を出したばかりだし、公述の骨子はもちろんできていると思われるが、公述時間15分とタイトだし、資料は83日の夜まで提出ということであった。その直前だったか、A4の関連資料が積み上げて30㎝ほどが段ボールで届く。連れ合いは、15分で話せる内容のまとめと資料作りに没頭、蒸し暑い夜は一層苦しくなった。傍聴できるの?の私の声に、問い合わせたところ公述人の「随行者」としてなら可能とのこと。ただし、委員会室の出入りが自由というわけにはいかないらしい。この間、老犬だけの留守番になるので、なるべく早く帰りたいのだが、公述・質疑が終わるのが5時近くなるはずだ。 

私は、指定の集合時間1時、参議院面会所に向かう。国会議事堂前下車、金曜日ではない官邸前や議事堂周辺はいたって静かである。それでも、悪名高い「過剰警備」の警官たちが立ち並ぶ。面会所で手続きを済ませ、リボンの記章をつけ、公述人控室へ。 議事堂の内部は、天井も高く、古色蒼然とした階段やエレベーター、どんなホテルよりも格調が高く、私は好きだ。しかし、そこを行き来する政治家たち、その中身が問われるのだ。控室では、すでに公述人たちが、静かに資料を繰っていた。 

130分直前、テレビなどで見慣れた様相の委員会室、議長席側に委員たちと相対しての公述人席、その後方の席に案内される。5人の公述人が着席するや否や、議員たちが近づいてきての名刺交換が始まる。こんな光景は想定外だった。記者席やカメラは委員長席に向かって左側の中二階である。 

公述人意見の概要は、下記の NHK NEWS Webでご覧いただける。全国紙では、朝日新聞、毎日新聞の87日(朝刊)に関係記事が掲載されている。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120806/k10014111131000.html(注1) 

全容は、下記「参議院インターネット審議中継」で録画を見ることができる。 

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

 

公述始まる

 

 経団連の中村氏は、財政健全化のために消費増税の必要性と法人税引き下げを強調した。長谷川中央大学教授は、消費税率引き上げにあたってはEUなどにならった軽減税率の必要性を繰り返した。飯田駒沢大学準教授は、デフレ下の消費税率引き上げは、財政再建には寄与しないので反対、金融緩和策により税収を増やすべきだという。植草氏は、民主党の明らかな公約違反、世代間格差の増長・構造的な不景気・財政的な危機に直面していると国民を煽るばかりで、とりやすいところから取る消費税には反対。議長の高橋千秋委員長、もっぱらタイムキーパーだ。公述最後の連れ合いは、増税を逆進性の強い、転嫁の困難な消費税に依拠するのでなく、先送りされた所得税・相続税などの見直しの必要性と税以外による増収を強調した。今回の法案の附則で社会保障の財源の確保を目的とする消費税引き上げ増収分が防災・減災など他の財源にもなる文言を付している矛盾を突いた。

 

学級崩壊?

 

公述人の随行者というのは、公述人の補佐人的な役回りらしく、経団連の中村氏には二人の随行者が座席の後方からメモを渡したり、公述人が手招きしてひそひそ話をしたりと忙しそうだった。 

 それにしても、この特別委員会の公聴会は、怒号が飛ぶわけではないが、委員会室の出入りがはげしく、隣席同士の私語や席を立っての後方での情報交換は当たり前、中には、机の下の携帯電話を見続ける委員もいる。委員長が咎めるでもなく、議事は進んでいくのだ。 

公聴会終了後、出がけに降り出した雨も止んでいた。連れ合いの随行はここまでと、私は、老犬の待つ家へ急いだ。ともかくビールでお疲れさまの、遅めの夕食が終わって、テレビをつけても、ニュース番組はなく「たけしのTVタックル」にぶつかった。公聴会で途中議長席にも着いた桜井議員の顔も見えた。自民党、民主党議員の出演者は、みなバラバラなことを言っていて、どこが3党合意かとあきれるほどの無責任さだけが印象に残るのだった。

 

(注1)中央公聴会 消費税などで意見 (86 1832分) 

社会保障と税の一体改革を巡る参議院の特別委員会は、6日、午前に引き続いて午後も中央公聴会を開き、消費税率の引き上げを巡って、各党が推薦した5人の公述人が意見を述べました。 

このうち、経団連・税制委員会の中村豊明企画部会長は、「社会保障と税の一体改革は、持続可能な社会保障制度の確立と、中長期的な財政健全化の実現、それに、わが国の成長基盤の創出に極めて重要だ。速やかに成立することを強く期待している」と述べました。駒澤大学の飯田泰之准教授は、「デフレのなかで増税すると、中小企業が価格転嫁できず、地域経済にとって大きな負担となることが予想される。雇用情勢の悪化に直結し、社会保障負担の増大を招くので、消費増税による財政再建は難しい」と述べました。
 
中央大学の長谷川聰哲教授は、「これまでの消費税導入や引き上げにあたっての弱者への救済策は、いささか臨時的な措置に頼りがちだった。食料品などの消費税率を低くする『軽減税率』を適用し、低所得者層の負担軽減を長期の税制改革の柱に取り込むべきだ」と述べました。
 
株式会社のスリーネーションズリサーチの植草一秀代表取締役は、「政府は財政再建待ったなしと言うが、日本経済は債務だけでなく資産の規模も大きく、ヨーロッパのような債務危機が起こる可能性は極めて低い。現時点で巨大増税を決めるべきではない」と述べました。
 
東京大学の醍醐聰名誉教授は、「3党合意を経た修正案で、所得税や相続税の極めて僅かな改革すら、すべてが削除されてしまった。税の再分配機能などを劣化させており、消費税オンリーの増税を図るということは、税制の正義にもとるものだ」と述べました

 

| | コメント (1)

« 2012年7月 | トップページ | 2012年9月 »