8月市議会傍聴、航空機騒音について
8月市議会と言っても、一般質問は、9月3日からであった。6月議会では一人会派民主党のT議員が質問したことは、このブログでも記事にした。http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2012/08/post-bd02-1.html
今回は、T議員と最大会派のH議員も質問するという。質問通告を知って、その後どのくらい調査を進め、対策は進んでいるだろうか。ともかく私のこれまでの資料を2議員には送付しておいた。
今回は、H議員の質疑しか傍聴できなかったが、私が資料の中で強調したかったことは、いくつかあった。
①佐倉市も議員も積極的には調べようとしない、羽田空港拡張後2010年10月21日以来の風向き天候別による「佐倉市上空を飛行する可能性のあった羽田着陸便数」調査を国交省 東京航空局に依頼、その調査結果をともかく入手したので、それ自体を行政も議員も認識すること。
②その上で、佐倉市における騒音の実態を国交省に測定させ、それを補完する佐倉市独自の測定を強く要望すること。季節、時間を問わず、場所も1か所と言わず通年の調査を目指すこと。今回、志津浄水場の国交省による1週間の臨時測定に甘んずることなく、測定結果の広報はもちろん、独自測定に取り組むこと。
③千葉市や浦安市は、早くより航空機騒音についての情報を市民に広報し、その軽減策を、市長が市民と共に取り組んでいる姿勢が見える。千葉市は、試験的とはいえ、8月から千葉市上空の飛行高度を一部4000ftからともかくひきあげることを取り付けた。佐倉市の現地視察・調査はいまだ皆無である。佐倉市における関係情報は、まるで隠ぺいするかのような対応で、ホームページ上での検索は分かりにくい。関係の「市民の声」の件数もわからないし、おざなりの回答、その公表も恣意的、9か月遅れの公表もある。すべてが航空機騒音対策の市政の表れである。今後は、市民にも航空機騒音の実態を知らせ、その対策を市民と共に考える流れを作ること。飛行便数が確実に増えることは分かっているのだから。
④羽田空港の滑走路拡充にあたっての経過説明が佐倉市HP「航空機について」においてなされているが、これを読む限りでも、沿岸部の千葉市、浦安市、船橋市など14市は、少なくとも飛行ルート決定の相談にあずかったが、影響が出る、佐倉市を含む他の12市町村については、決定後の26市町協議会に参加を呼びかけられたことになる。年に2回しか開かれないこの協議会を唯一の窓口としてしか、佐倉市は動いていないこと。
⑤これは佐倉市の問題というより、国レベルの話になる。なぜ千葉県内陸に羽田空港発着便の低空飛行が増加したのか、の根源は、横田基地の存在にあるからだ。すなわち羽田空港の西側の東京湾、神奈川県上空が米軍の制空権下にあり、日本の航空機が飛行できないとする条約があるからである。日米安保条約に基づくもので、日本の空であって、日本の空ではないという実態からくる。だから、日本の航空機の飛行が千葉県上空に集中し、羽田空港、成田空港の拡大・拡充の途上にあるなか、根本の問題を解決しない限り、千葉県上空の飛行状況、騒音その他のリスクは深刻になるばかりである。この点を、佐倉市、議員、市民も認識すること。
H議員の質問は淡々として行儀はいいものの迫力に欠けていたのが、残念だった。しかし、低空飛行の1200~1300メートル を実感するための東京スカイツリーの2倍ほどの高さでしかないという例えなど、私など思いつかないことだった。また、ユーカリが丘駅前の高さ100mのマンションの住人の恐怖感などは実感がこもっていた。また、横田基地の件、26市町村(現在は25市町)協議会の欺瞞性などについても若干触れていたが、経過を知らない議員、現在の行政担当者にどのくらい届いたか。答弁は、その重要事項については一切触れなかったし、多数会派からの質問と見てか、緊張感のないおざなりの答弁しかしていなかった。
<お詫びと訂正>上記低空1200~1300フィートは、メートルの間違いでした。お詫びして訂正いたします。コメントの「くう」さん、ご指摘ありがとうございます。
<追補> この夏、犬の散歩や夜のウオーキングの際に、飛行便数の目視調査を実施しています。その中で、国交省羽田事務所から聞いている羽田空港着陸便の飛行ルートとは異なる東から西へ、比較的高い高度で飛び航空機があることがわかりました。羽田事務所に問い合わせると、成田空港の離陸便ではないか、とのことでした。成田空港の発着便は佐倉市の東側を飛行しているものとばかり思っていましたので、成田空港に問い合わせました。さっそく佐倉市上空の飛行便数のデータをお願いしましたところ、羽田空港のようなシステムをとっていないので、簡単には出ないということでしたが、概数は出るかもしれないとのこと。届きましたらお知らせします。高度は高いとはいえ、成田を発って中国などに向かう離陸機が一度太平洋側に南下した後、再び北上するときに佐倉上空を飛行するとのことでした。(9月7日記)
<追補2>成田空港事務所から依頼した調査の回答が届きました。それによると1日約60便ですから、羽田空港着陸便の約半数近い便が飛んでいるわけです。多いときは1時間に8機ぐらい飛んでいます。調査では約2万フィート、約6000メートルの高度とのことですが、かなり気になる騒音でもっと低いようにも感じられます。(9月17日記)
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コメント
墜落寸前の状態にでもならない限り、定期便は佐倉付近を1200フィートなどという低い高度では飛びません。このような高度は滑走路から9kmくらいの位置に相当します。ちなみにスカイツリーは634メートルなので、フィートにすると2000フィート以上の高さがあります。
投稿: くう | 2012年9月 6日 (木) 23時18分