はじめての花の美術館、野外で歌会
千葉県に住んでいながら、まだ出かけたことがなかった、稲毛にある「花の美術館」、1995年にオープンしたという。前夜の8・45のNHKニュースで、花いっぱいのクリスマスの飾り付けが放映されていた。短歌ハーモニーの会員の美多賀鼻さんの盆石教室(細川流)の展示会が開催中ということで、今月の定例歌会をここで開催することになった。
JR稲毛駅から歩くと30分もかからないらしいが、駅前のバスターミナル②番から乗って10分足らずで到着。エントラス前の庭も広々としているし、11月13日から始まったばかりの「フローラルクリスマス」が華やかで、エントランスはなかなかのにぎわいだった。300円のチケットを買ったのは、千葉市外住民の私だけだった。他の方はフリーパス。
多目的室で開催の「盆石展」は、すでににぎわっていて、会場の中央には、体験コーナーも設えてあった。今回のテーマは「千葉の自然」で、安藤広重が歩いたという房総の各地の浮世絵をモチーフに、お盆の上に砂で絵を描くのだ。講師の美多賀鼻さんは写真のような「房州保田海岸」だった。保田といえば、石原純と原阿佐緒の逃避行先ではなかったか。江戸幕府の軍馬育成の放牧場「下総小金原」(船橋市薬円台)も描かれ、置かれた動物の小物がかわいい。盆石は、展示用には砂に糊を混ぜて固定させるが、通常はまさに「砂の絵」で、拳ほどの石と8種類の粒の大きさの白い砂(備後砂)を篩や匙のような砂とりでお盆に落として、白鳥の羽根を絵筆のように、使いこなして絵として仕上げる。 私も勧められて、傍らの広重の浮世絵集から「印旛沼風景」(佐倉市)を手本に、石を置き、砂を落とし始めたが、沼の水面、手前の田圃、右手近景の松の木の疎林、対岸の風景・・・、結局、美多賀鼻さんに席を替わって仕上げてもらった。
房州保田海岸
下総小金原
お道具
その後は、各自持参のお弁当を野外の休憩所わきのテーブルに広げ、一休み。ピクニック気分で、持ち寄りの漬物やおやつがまわされた。私は、サツマイモの茶巾しぼり、最近新しくしたオーブンで焼いてきた。午後からは、まさに小春日和の野っぱらでの歌会というわけだ。吟行会も兼ねたわけだが、即詠ではなく、作品1首は来月歌会の宿題ということで、いつものとおり用意された作品での歌会となった。提出作品から・・・。
亡き友よ雲ノ平の草原よなつかしきものふえて老いの日
青森の父の生まれしあの家を訪ねてみた来ネムの咲く頃
花の美術館には何度も来ているという会員の方も、楽しく過ごされたようだ。もう少し歩けば、落日の稲毛海岸、残念ながら次回の楽しみとすることにした。周辺に続く美浜区の団地は、すべて埋立地、小学校の遠足で、潮干狩りに来たあたりだろうか。先の東日本大震災では、場所によっては液状化の被害も出たそうだ。花の美術館も、そういえばしばらく休館していたいうニュースを聞いたことがある。。
その晩、美多賀鼻さんから、印旛沼の盆石の絵は、あれからまた手を加え、しばらく展示しました、とのメールが入っていた。
体験コーナー、私が手本にした上段「印旛沼_」、先生になおしていただいている。
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