小学校の「ふれあいコンサート」に招かれて
ここ4年ほど、地元の小学校の通学路で、交通見守りのボランティアに参加している。そのためか、合唱発表会に招かれた。遠い昔の娘の合唱祭以来である。NHKの合唱コンクールの中継などを聞いても、各地区の代表校だけに、その歌声があまり整い過ぎていたり、過酷な練習風景が紹介されたりすると、興味を失いかけることもある。
きょうのコンサートは、ボランティアであいさつを交わすようになった児童やご近所のお子さんの顔が見えるので、親しみやすい。通学路では、いつもおしゃべりに余念のない女の子がきりりと指揮をとっていたり、また、休日は、バットを背に自転車で走り去っていく野球少年が鍵盤ハーモニカに懸命に取り組んでいたりする姿などは、微笑ましく、頼もしい。
幕開けは、合唱部の「くじら」(谷川俊太郎作詞 松下耕作曲)「学校へ行きたい」(里乃塚玲央作詞 大田桜子作曲)だった。「くじら」はアカペラで苦労の跡が見えた。後者は、昨年のNHK合唱コンクールで歌った曲ということで、「きのうテレビのニュースで どこかの国の難民キャンプを見た 救援物資に並ぶ子供たちが カメラをまっすぐ見つめていた」の歌詞に引き込まれ、確かに力強い。各学年がそれぞれ合唱曲と合奏曲を演ずる。合唱曲の3年生「すてきな友だち」(梶賀千鶴子作詞 鈴木邦彦作曲)、5年生「夢を抱いて」(富岡博志作詞作曲)、4年生「未来へのステップ」(松井孝夫作詞作曲)、6年生「未来への賛歌」(?)は、いずれも私など初めて聴く曲だった。それらの詩を帰宅後検索して、あらためて眺めてみると、どれにも、未来・夢・明日・仲間などの言葉が頻繁に登場し、抽象的で優等生的なのが気になりだした。2年生「黄色いリボン」、5年生「カルメン前奏曲」などの合奏にはなぜかホッとしたのだった。 最後に、全校生徒が歌ったのは「地球星歌」(ミマス作詞作曲)であった。
私の池袋第五小学校時代、なんのコンクールだったのだろう、豊島区の代表として日比谷公会堂で「花」を歌ったのを思い出す。いまでも口をついて出る「花」はアルトの部分である。指導にあたったO先生、怖い先生だった。お住まいがずーっと私の実家の近くで、義姉によれば、亡くなる直前まで、煙草を買いに来られていたそうだ。それも数年前の話になってしまったが。
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