TPP交渉参加をこのまま見過ごしていられない~立ち上がった研究者たち
自民党内でも、賛否両論があるなか、というより、昨年の総選挙の際の公約からいっても安倍政権のTPP参加表明が理解できないでいる。マス・メディアの関係報道を見ていても、政府加担の論調が大きな流れとなってしまった。要するに「例外項目が認められるのであれば、参加もいいではないか」「国益が守れないならば、抜け出せばいい」「日本の農業を守るといったところで、いまのままでいいわけがない」「農業は打撃かもしれないが安い輸入品が入れば助かる」という気軽な賛成論や「守りより攻めへの政策転換が必要だ」「自由貿易から日本だけが取り残されてしまう」「日本がリーダーシップをとって交渉を進める」など何の担保もない、中身のない言葉にすり替えてしまう賛成論が横行している。日米交渉ですら国民への情報公開がないまま、妙な「作文」を都合よく解釈したり、途中参加の日本がルール作りに関与できる余地がないこともわかってきたりした。身近では、食の安全、医療技術・医薬品の安定維持などへの不安が全く解消されない。各産業にどのような影響が出るのかの試算も必要であろう。もっと現実的な、しかも緻密な理論が必要なのではないか。こうした中で、大学の研究者たちが、みずからの専攻の立場から、「TPP交渉参加から即時脱退」の呼びかけがなされている。
今一度、私たちも、その声に耳を傾けたいと思う。また、もし関心のある大学関係者の皆さんには、以下の要望書をご覧の上、ご署名、拡散をお願いしたいと思っている。
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全国の大学教員・名誉教授・元教員の皆様へ
私たちは先日、日本政府が交渉に参加することを表明したTPPの危険な本質を多くの国民に伝えるとともに、この4月上旬に、安倍首相と日本政府に対し、直ちに交渉から脱退することを求める添付のような申し入れをすることにしました。
つきましては、全国の大学教員の皆さまに賛同を呼びかけ、賛同者名簿を添えて安倍首相と政府に申し入れをするとともに、記者会見でこの申し入れを広く国民にアピールしたいと考えています。
■「TPP参加交渉からの即時脱退を求める要望書」
http://dmituko.cocolog-nifty.com/youbousyo.pdf
この申し入れにご賛同いただける方は下記にご記入の上、4月8日(月)までに、以下へ送信下さるよう、お願いいたします.
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お名前
所属と専攻(○○大学教授・△△学専攻)
メール・アドレス
メッセージ(100字以内でお願いします。)
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注:①お名前・所属はそのまま公表させていただきます。
②メッセージも原文のまま公表させていただく場合がありますので、ご了承ください。
③このメールをお知り合いの大学教員・名誉教授・元教員に拡散していただけましたら幸いです。 以上
■ 呼びかけ人(2013年3月29日現在)
磯田 宏(九州大学准教授/農業政策論・アメリカ農業論)
伊藤 誠(東京大学名誉教授/理論経済学)
大西 広(慶応義塾大学教授/理論経済学)
岡田知弘(京都大学教授/地域経済学)
金子 勝(慶応義塾大学教授/財政学・地方財政論)
志水紀代子(追手門学院大学名誉教授/哲学)
鈴木宣弘(東京大学教授/農業国際)
醍醐 聰(東京大学名誉教授/財務会計論)
萩原伸次郎(横浜国立大学教授/アメリカ経済論)
日野秀逸(東北大学名誉教授/福祉経済論・医療政策論)
渡辺 治(一橋大学名誉教授/政治学・憲法学)
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