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2013年5月12日 (日)

ことしの憲法記念日は~原発事故から憲法を考える

   ことしのゴールデンウィークは、体調もあって、少しおとなしくしていた。地元の9条の会「さくら・志津憲法9条をまもりたい会」の「ニュース23号」は4月下旬発行、連休中には配り終えたいね、と話していたが、私の分担はまだ残っている。しかし、この連休中、安倍政権は、96条改憲、原発輸出、TPP参加交渉などを、大きく進めている。いずれの問題においても、「日本ほど改憲のハードルが高い国はない、時代に即応した憲法が必要だ」「過酷な原発事故を体験した日本への原発技術への評価は高い」「グローバル化の趨勢の中で、日本だけが取り残される」というキャンペーンを張る政府や経済界だが、果たして、ほんとうだろうか。いずれの政策でも潤うものは誰なのかを考えれば、「国益」などでないことは確かなのではないか。安倍首相は、経済人を引き連れての、今回の外遊でトルコへの原発輸出まで取り付けてきてしまった。
 
 私たちの「さくら・志津憲法9条をまもりたい会」では、当地にに引っ越されてきたAさんが福島県伊達市の出身とお聞きしたので、メンバー4人で、お話を伺うことになった。 以下が、私がまとめたレポートなので、「ニュース23号」に掲載したものを、転載させていただくことにした。末尾で、懸念していた「原発輸出」が、こんな形で、こんなにも早く進行したのには、驚くと共に「死の商人」を思い起こす恐ろしさに身震いするのだった。  

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伊達市出身のAさんをお訪ねして~原発事故から憲法を考える 

 

   3月下旬、宮ノ台にお住まいで、伊達市ご出身のAさんのお話を4人でお聞きしました。  

  一昨年の311当時、伊達市には、Aさんのご両親、お姉様夫婦、お弟様夫婦と子供2人が住んでいました。福島第一原発の事故を知って、Aさんは、当時住んでいた船橋に、お子さんもいる親族をともかく呼び寄せよう考えたそうです。が、ガソリンもなくて行けるような状態ではないと断られたそうです。ご自身も、まだ仕事をされていたので、すぐに駆けつけるわけにもいかなかったそうです。  

 伊達市は、福島第1原発から50~60キロ離れていますが、飯館村と川俣町の北西に位置します。放射線量は高く、2011630日には、1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えると推定される市内南部の一部が「特定避難勧奨地点」となりました(原子力災害現地対策本部)。要するに、放射線量が「生活圏全体に広がっているわけではないので、1年で20ミリシーベルトに達する恐れは小さく、この地点に継続して居住しても差し支えないので」(原子力被災者生活支援チーム)避難してもしなくてもいい、ということでした。Aさんの実家の周辺の側溝は10マイクロシーベルトを超えることもあり、半年後の除染後でも0.4マイクロシーベルトより下がることはなかったそうです。  

 町では、原発事故直後、ふだん使っていた湧き水で赤ちゃんのミルクを作っていたお母さんたちが大勢いたけれど、今では、水道は風呂や洗い物に使うだけでだけで、赤ちゃんのために水は買っているとのこと。地元の野菜は、測定されて基準内のもののみ売られているけれど、スーパーでは、福島より西の産地のものを買っている人が多いそうです。また、釣り上げた魚から、指輪や人間の髪の毛が出てきたという話も聞いているそうです。  

弟さんの話によれば、町の除染作業がなされているさなか、共同浴場へいくと、刺青の人たちが大勢来ていたそうです。また、将来息子さんたちが結婚する頃、県外の人との結婚は無理だろうとまで、心配されているとのことでした。さらに、東電からの見舞金として大人8万円、子ども・妊婦40万円が出たものの(原子力損害賠償紛争審査会「自主避難等に係る損害について」2011126日)、除染後もいまだ家の中で0.3マイクロシーベルトという放射線量の中での不安な生活が続いているそうです。  

伊達市における「特定避難勧奨地点」は、昨年1224日に「1年間の積算線量が20ミリシーベルト以下になることが確実であることを確認できたため」解除されました。しかし、除染しても、除染しても、放射線量の数値は事故前の数値に戻ることはなく、Aさんは、昨年帰省した時、収穫したトマトが例年になく巨大だったことを思うと、不安は募るばかりだと語っていました。  

 被災地に住んでいる人たちの不安や恐怖、避難生活を余儀なくされている人たちの悲痛にも近い不安を逆なでするように、政府は、被災者の仕事や住いの確保すらできないまま、公共事業ばかりを先行させ、原発の再稼働や輸出までを言い出しました。 実の伴わない経済政策は物価上昇だけを助長し、日米同盟強化のためのTPP参加、軍拡を進める政府は、みずからが守るべき憲法をつぎつぎと破り、被災地の方々の基本的人権、生命・自由及び幸福追求権、居住・移転職業選択の自由、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利は、脅かされたままです。福島原発から200キロ離れている佐倉ですが、ホットスポットの不安も去りません。被災地の方々の恐怖は、想像を絶するものがあります。(文責内野光子) 
「憲法9条をまもりたい会ニュース」23号(20134月)所収

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*なお、「憲法9条をまもりたい会ニュース」は、下記の会のブログからバックナンバーを読むことが出来ます。ぜひお立ち寄りください。 

http://sakurasizu9jo.cocolog-nifty.com/blog/

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2013年5月2日 ことしも大輪の花をつけたテッセン

 

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