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2014年1月14日 (火)

年末年始のマス・メディア雑感

「雑感」とせざるを得ないのが残念なのだが、やはりどうしても記事として残しておきたいと思った。

  年末年始、テレビや新聞をそれほど熱心に見たわけでもなく、大みそかなどは、急きょ東京に出かける用事ができて、結局一日中、テレビを見ずに終わった。元旦号の新聞はたださえ嵩高いが、5紙購読していると、ずしりと重く、もう別刷りの付録?特集?などはほとんど読まなかった。昔はもったいないような気がして頁だけは繰ったものだがいまはその気力もない。

  年末年始の新聞を少しまとめて読み、テレビのニュース番組はチラチラと見ていた。そんな状況での感想なのだが、思いついたまま・・・。しかし、同じような感想を持つ人たちもいて、少し心強くなった。

  『東京新聞』「反響」欄などに注目

私がいつも目を通すのが「東京新聞」の放送&芸能欄のなかの一段にも満たない「反響」という欄である。読者からの放送番組への感想投稿欄である。14日・5日の「反響」は、「新春特集・報道番組に一言」上下で、あわせても2段弱のスペースに9人の感想が載せられていた。その中6人は、直接「特定秘密保護法」に触れて、報道の自由への懸念や不安を指摘し、今後ともメデイアが結束して頑張ってほしいとエールを送るものだった。他の一つは、ニュースは量より中身の濃さが問題であるとする意見、もう一つは、テレビよりラジオの魅力、その自由さを伝えるものだった。私には、日常的にラジオを聴く習慣はないが、なるほどと思った。ただ、投稿者の7人が6070代で、57歳、43歳と、かなり高い年齢構成であったのが、気になるところであった。
 
また、『東京新聞』で、見開きのスペースをとった「こちら特報部」では、読み応えのある調査報道に出会える(最近では「原発・武器輸出 これが成長戦略?」110日)。『毎日新聞』の「オピニオン―メディア」欄の特集や「記者の目」、「メディア時評」には、切り抜きたくなる記事も多い。テレビでは、「モーニングバード」の「そもそも総研たまペディア」が面白い。

NHKがおかしい、視聴者は知っている

当ブログでも、昨年、「特定秘密保護法」の法案の閣議決定直後と、参議院の強行採決で成立した前後の新聞などのマス・メディアの対応について、3回にわたって書いて来た。その折も、他のマス・メディアとの比較で、NHKの対応の異様さを指摘してきた。つまり、①報道機関としての「特定秘密保護法」への危機感が感じられず、その報道量が極端に少なかったこと。②その報道のスタンスも、法律の内容や争点を明らかにすることを意図的に避けて、政権与党と野党との修正協議・駆け引きなどに焦点を当てるものだったこと。その2点に集約された。以下をご参照ください。

「特定秘密保護法」強行採決、嵐は去ったのか(2013129日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/12/post-2479.html

「特定秘密保護法案閣議決定、そのとき、新聞は」(2013111日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/11/post-6bc1.html

「特定秘密保護法案閣議決定、そのとき、NHKは」(2013111日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/11/post-9c02.html

   年末年始におけるNHKの報道姿勢や内容については、上記の傾向をさらに増幅するものとなっていた。こうした思いは、私だけでなく、多くの視聴者が感じているようなのだ。私はニュース7だけは、NHK報道番組のバロメーターとして、視聴するようにしているが、見逃すこともママあった。

  その1.(天皇誕生日)天皇記者会見「ニュース7」(20131223日)

  誕生日を前に行った記者会見の模様を放映したのだが、代表質問の最初が「80年を振り返って印象に残っている出来事や傘寿を迎えた感想、そしてこれからの人生について」であり、それに応えた部分で「特に印象に残っている出来事という質問ですが、やはり最も印象に残っているのは先の戦争のことです。」で始まる。宮内庁のホームページに拠れば、つぎのように述べたはずなのだが、ニュースでは、赤字太字部分がカットされていたことが後でわかった。  

「この戦争による日本人の犠牲者は約310万人と言われています。前途に様々な夢を持って生きていた多くの人々が、若くして命を失ったことを思うと、本当に痛ましい限りです。

 戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います。戦後60年を超す歳月を経、今日、日本には東日本大震災のような大きな災害に対しても、人と人とのきずな絆を大切にし、冷静に事に対処し、復興に向かって尽力する人々が育っていることを、本当に心強く思っています。」   

 なお、以下の皇后について述べている部分はカットされずに放映されていたと思う。

 「天皇という立場にあることは、孤独とも思えるものですが、私は結婚により、私が大切にしたいと思うものを共に大切に思ってくれる伴侶を得ました。皇后が常に私の立場を尊重しつつ寄り添ってくれたことに安らぎを覚え、これまで天皇の役割を果たそうと努力できたことを幸せだったと思っています。」 

  記者会見全文は、文字にすると2900字近いものだが、もちろん、限られたニュースの時間帯ですべてを放映するわけにはいかないだろう。もちろん編集は必要であるが、上記のカットの仕方は、いかにも不自然である。一部の新聞、NHKのwebニュースでも全文は読めたが、ニュースで、あえて、日本国憲法の由来部分を省略した意図は、改憲や解釈改憲を急ぐ現在の安倍政権への配慮ではなかったか。「編集」という「情報操作」が露骨に表れた例と言えるだろう。

この件につき、上記『東京新聞』の「反響」欄(20131229日)には、どこの局とは特定していなかったが、つぎのような投稿が寄せられていた。 

 

「戦後の復興に関するお言葉で、『平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り・・・』という部分は放送されていなかった。陛下ご自身が一番印象に残っていることとして、戦争の惨禍を挙げられてことから考えると、負に落ちない編集である」(川越市・男性・62歳)

 

その2.仲井真沖縄県知事「普天間移設、辺野古埋め立て申請承認」についての県議会質疑及び辞任を求める決議に関する「ニュース7」(201419日、10日)

 

 昨年12月半ば、仲井真知事が都内の病院に入院とのニュースが流れ、安倍首相との会談日程が取りざたされる頃から、ほぼ会談の結論は予想できた。しかし、1225日の会談を経て、27日の知事の記者会見で、安倍首相の対応にあれほどの賛辞を送り、「いい正月が迎えられる」?との発言にはいささか戸惑った。その内容は、普天間県外移設の選挙公約に大きく外れるものだったからである。

  年明けの19日には、沖縄県臨時県議会で、6時間にも及ぶ質疑で、知事の追及がなされ、翌10日には、野党4会派と公明党が知事の辞任要求決議が可決した。県議会の質疑はいっさい報じられなかったし、辞任決議については、「フラッシュニュース」で短く報じただけであった。9日は、午後に横浜地検の川崎支部から逃走した男が横浜で逮捕され、四日市の化学工場の爆発事故で5人の死者を出した事故が発生していた。たしかに、災害・事故・事件の報道も重要であるが、沖縄の基地の問題は、地方ニュースではないはずである。その扱いがあまりにも軽く、黙殺にも近いものだったのである。その一方で、スポーツや緊急性を要しない話題、いわば<ヒマネタ>で、時間を占めてしまうことが多々ある。たとえば、「インフルエンザ、全国的流行」(9日)「ビール各社、冬に“高級路線”強化」「XP打ち切りで、偽ソフト急増」(10)などであり、日常的には、執拗なほどの「領海接近・侵入船舶」の頻出には、そのバランス感覚に疑問を持たざるを得ない。というより非常に意図的なものを感じてしまうのは私だけだろうか。

  以上のようなNHKの報道番組の「偏向」の一方、エンターテイメント番組について、最近目に余るのは、自局の番組宣伝である。スポット的な予告ならいざ知らず、新年5日から始まった大河ドラマ「軍師官兵衛」の関連番組というのが目白押しである。たしか、初回1月5日の午後には、「官兵衛が始まるまであと何時間何分」などと、はしゃいでカウントダウンまで始める番組に出くわし、あきれてしまった。また、「あさイチ」のオープニングは、司会のふたりが直前の番組「ごちそうさん」の感想をなにやら言いあうのがどうも慣例になっているらしい?それほどまでにして「視聴率」をあげて受信料制度を守りたいのか、と思うほどである。

 

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