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2014年3月11日 (火)

首相記者会見の気持ち悪さ

   310日、311を明日に控え、首相記者会見を行っていた。

首相記者会見を中継で見ていて、毎回思うのは、あの無機質な会見場の雰囲気と記者との質疑のヤラセっぽい行儀のよさである。シナリオ通りのやり取りに終始し、一件落着。そして、その直後に、NHKテレビでは、首都圏ニュースの時間を割いて、首相の発言のポイントなどが記者とアナウンサーの間で語られるのも、いつものことである。マス・メディアの一部が、政府に乗っ取られているかのような静かさでもある。

  今回の記者会見での首相の発言は、被災地への月一回ほどの視察を踏まえて、各地の被災者の声を聴き、個別の要望にも対応しているかのような語り口での美辞麗句が続く。この日の、注目発言といえば、常磐道の全面開通を来年の連休までに前倒しする、というものであった。言うに事欠いて、ハード面の復興のみならず「心の復興に力を入れる」と言い、具体的には、(1)仮設住宅で暮らす子育て世帯への保健師らによる巡回訪問を実施する(2)仮設住宅の空き部屋を遊び場や学習スペースとして活用し、子どもの心のケアに努める、と説明した。また、震災が発生した2011年に被災地で生まれた子どもを中心に、「できるだけ多くの子どもたちを(20年東京)五輪に招待したい」といった内容であった。

ハード面、仕事・住居・医療・教育など根本的な復旧・復興なくして、心の復興などという言葉が躍る。基本的な環境が整わないからこそ、インフラの確保が一向に進まないからこそ、精神的な負担が長期化しているという状況を無視しての発言ではないか。 東京オリンピックに被災地の子供を招待するとか、聖火リレーでは東北3県を走らすとか、そんな一過性の「お祭り」で何が変わるのかと思う。

復興予算を被災地と無関係なところに使い、あるいは積み残している現状、原発再稼働のための、世界一厳しい安全基準と胸を張りながら、汚染水がまったくコントロールできていない状況についての国会答弁は苦しい状況が続いてもいる。

記者会見直前の310日午後の参議院予算委員会での首相答弁は回答になっていなかった。再稼働の安全性についてはだれが判断するのかの質問に、田中原子力規制委員長は、規制基準の適否は判断するが再稼働の安全性についての判断は否定、その判断は、地元、事業者、政府の判断であるとした。一方、首相は、「規制基準を越えれば安全だという判断がなされ、最も厳しいレベルでの審査に適合する原発の再稼働は進めていく」というのだ。責任をもって安全性の判断をする者がいないまま、再稼働だけは進めると答えていることになる。さらに、質問者の井上哲士議員は 原発事故の検証ができないまま、また各原発近隣自治体の避難計画の策定がないままの再稼働は無責任だと指摘していた。

その直後の首相記者会見場は、まるで段取り通り進むお通夜ののような雰囲気でもあった。

 

 

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