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2014年4月11日 (金)

「ユーカリタウンネットワーク」って、いったい何をしたいの?

地域の連携、各種団体を束ねたい?

 前回「地域まちづくり協議会」の記事でも資料で示したが、2011327日、従来からあったユーカリが丘地区自治会協議会が中心になって「ユーカリが丘地域まちづくり協議会」なるものが設立された。東日本大震災の直後だったので、防災のためには広域の住民組織の連携が必至のような雰囲気の中での発足だった。要するに、ユーカリが丘自治会協議会のエリアの自治会のみならず、商業団体、社協、PTA、ボランテイア団体などを束ねた、まったくの任意団体だったのである。佐倉市が推進している「地域まちづくり協議会」のスタートにも思えるネーミングであるが、各自治会の役員のみならず各自治会の会員はどれほど認識していたのだろうか。それまでも、自治会の回覧物を通じて、そんな動きがあるのを知っていたが、防災対策のためならば、各自治会や自主防災会との活動との関係が不明だし、どうもその目的の目玉は別のところにあるらしかった。地域の活性化というが、とくに商店・商業施設の活性化、開発業者山万との連携、京成電車のユーカリが丘駅特急停車推進にあるらしいことが分かった。

 

佐倉市推進の「地域まちづくり協議会」としては不認証、NPOへの動き

 その広域的な「協議会」は発足後、先にも述べたように、以下の当ブログ記事でも明らかのように、「地域まちづくり協議会」の一つとして佐倉市に申請した。市の「地域まちづくり協議会」「まち協」のコンセプトはあくまで一つの小学校区、“顔の見えるエリア”の自治会を中心とする各種団体の連携であったから、数校の小学校校区をまたぎ、30近い自治会を擁し、当時ですら8000世帯を越えるエリアでの「まち協」は、どうしても認められず、その審議会でも不認証の結果となった。* 質問書の提出や地元の市議の一人H議員の「広域のまち協のどこがイケないのか」と市議会でのやり取りがあったりした。紛らわしい「地域まちづくり協議会」という名称、市が進める「まち協」活動との混乱を懸念した佐倉市からクレームがついたらしい。そして20136月「ユーカリタウンネットワーク」に変更、その名前で市民公益活動団体登録申請に及んだが、登録も成らなかった。そこで、NPO法人資格取得の準備に入る方針が決まったらしい。今年の28日に設立総会開催されたばかりである。NPO法人資格取得のための千葉県への申請は2月27日になされている。

* なぜ、ユーカリが丘地域まちづくり協議会は不認証になったのか

(1)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2011/12/post-673d.html

 ( )

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2012/02/post-a456.html

 

そして、自治会の対応は・・・

 そして、当自治会は、班長や会員に何の前触れもなく、「ユーカリタウンネットワーク設立総会議案書」なるものが回覧され、3月の班長会議で加盟の採決をする、というお知らせ。このあまりの拙速さとそれを提案する役員会の姿勢にも驚き、ともかく、期せずして複数会員の「加盟見送り」の要望書により「待った」を掛けたことになる。 

 これからも、他の自治会や多方面からの加盟のお誘いの声がかかるだろう。自治会の自律性が問われることになろう。

 

懲りない面々たち・・・

 前述の2月下旬に当自治会で回覧された「ユーカリタウンネットワーク」臨時総会議案書、「(NPO法人)ユーカリタウンネットワーク」設立総会議案書(201428)の二つの文書を読んでいくと、さらにいろいろなことが分かった。繰り返しになるが、2番目の議案書の「(NPO法人)」というのは、NPO法人になったわけではなく、「“これから申請するはずの”NPO法人」ということで、いかにも紛らわしい。

 NPOをめざすならば、定款も必要だし、事務所・役員名簿・財産目録なども必要である。目的は、地域のまちづくり、保健医療福祉、環境保全、災害救援、地域安全、情報化社会、経済活動の増進・発展を掲げる。ここからは、地域の課題の総花的な列挙で、当たり前すぎて、何も見えてこない。しかし、事務所・役員名簿によれば、事務所は、地元開発業者山万の施設内であり、役員には、各自治会役員OB、社協OB、山万グループ役員で大方が占められる。「参考資料」として付された「『ユーカリタウンネットワーク』の生い立ちと経過概要について」をみてさらに驚く。20115月の「ユーカリが丘自治会協議会」で「自治会協議会の事業をユーカリが丘地域まちづくり協議会に移管」とあるではないか。それに続いて、以下の記述が続く。

 1.「ユーカリが丘地域まちづくり協議会」が設立されたことを契機として、特急停車推進運動および防災フォーラムなど街ぐるみの活動は「ユーカリが丘地域まちづくり協議会」で実施してほしい旨要請を受けた。

 2.自治会協議会は市長との懇談会以外の活動は行わないことが決定された。

 

 こんな話は聞いたことがない。この時期の当自治会でそんなことが議論されたり、決定したりしたことの報告を受けていただろうか。あの大震災の年である。あわてて、平成23年度の班長会議の議事報告を出してみた。2011523日に会長が「ユーカリが丘自治会協議会」に出席して、予算案は議決されたが、役員案は議決されなかったことのみが記されていた。5月と言えば、新年度の多くははじめて会長になった人たちは何がなんだかわからない時期での議決である。こんな時期を見計らっての決定だったわけである。少なくとも、地域の「自治会協議会」は、各自治会を束ねた団体として、市から補助金も受けている。いやはや、自治会協議会の事業を取り込んでまでの「ユーカリが丘地域まちづくり協議会」のスタートだったのである。おそらく、開発業者主導の中で、タウンネットワークに流れ込んだ自治会協議会のOBたちの考えたことではなかったか。

 

私は、自治体からは独立した、多様で、自由な活動をめざすNPO法人を否定するものではない。市の「地域まちづくり協議会」もダメ、「市民公益活動団体」もダメということで、どうしても所期の目的を達成したいならば、さまざまな構成団体の一員として、あるいは一住民としてNPO法人に参加すればいいと思う。様々な考えを持つ住民を擁する自治会を構成団体にしようとすること自体が間違っているのではないか。

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コメント

「日本国民として義務を果たす。その代わりに
権利を主張する」

私たちに必要なのは義務を果たす事ですが、
自治会に加入する事はそもそも義務でも何でも
ありません。

町内会や隣組が国策推進機関として機能していた
昭和初期ならともかく、現行憲法下で自治会
(地域によって名称は様々)はただの任意団体。

それはいくら地方公共団体が自治会を「行政区」
と呼んでみたり、「協働」などと言って補助金を
餌に取り込もうとしたり、「自治基本条例」で
自治会を組み込もうとしても変わりません。

日本の最高法規は誰が何と言おうと
「日本国憲法」です。

現行憲法に改正の余地があるのかないのかは
別の問題として。

投稿: 小市民 | 2014年4月17日 (木) 02時11分

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