<ストップ詐欺被害!私はだまされない>だって?!そっくり政府とNHKにもお返ししたい
NHK(首都圏)で<ストップ詐欺被害!私はだまされない>が始まる
NHK総合テレビ夕方6時からの全国ニュースのあと、「首都圏ネットワーク」で、3月31日から「詐欺被害!私はだまされない」のコーナーが新設され、いまでも続いている。「オレオレ詐欺」の類の被害事件が頻発し、その勢いが止まらないらしい。だます手法は日に日に進化し、多くの高齢者たちが被害に遇っている。私の住む佐倉市でも、防災放送は、毎日のように、「不審な電話に注意せよ」との呼び掛けが続いている。被害額は全国で年間500億に上るという。事件の内容をテレビや新聞で知るかぎり、なぜ、そんな言葉に騙されてしまうのだろうと思うし、なぜ何百万円も、ときには何千万の大金をも手放してしまうのだろう、と不思議に思うことが多い。それだけ、言葉巧みに危機感をあおることに長けているのだろうと思う。
番組では、初回「携帯電話の番号が変わった」に始まり、毎回「カバンをなくした」「同僚が行くから渡してほしい」「あなたの口座が犯罪に使われている」「お金が返ってくる」「レターパック」などのフレーズが混じる電話が来たら、まず怪しいから、通報せよ、と直近に起こった実際の事件を例に解説するものだ。このキャンペーンでは、キーワードは繰り返されつつも、実際の事件は、より最近のものに変えられているので、臨場感はある。
その合間には、犯人サイドが悪用する「電話帳」「名簿」「個人情報」「親切心」「劇場型」などへの注意喚起もなされている。それは、それで、被害防止の一助にはなっているのだと思うが、効果はどれほどか。
「シッカリと」「テイネイに」と言ってだますのは誰?
私はといえば、毎回「私はだまされない」のコーナーでアナウンサーが丁寧に説明すればするほど、別の思いが頭をよぎる。政府、とくに安倍首相の記者会見や国会答弁を聞いていると、よくもまあ、次から次へと、国民をだまし続けているな、と思うからである。それ以前ももちろんなのだが、ともかく、一昨年の選挙公約から始まって、少なくとも国民との約束を次から次へと破っているではないか。そして、それを伝えるNHKの報道は、先に報道したこととの矛盾点は何のその、政府の広報に徹するばかりで、公共放送の役割を放棄しているに等しい。
首相が「国会ではシッカリと審議いただき、国民にはテイネイに説明していく」と答えるならば、それはもう「短期間の審議でしのぎ、審議打ち切りや強行採決に持ち込み、国民の疑問を押し切る」と同義といってよい。一度決まったことや国民にとって不都合なことを進めるには、手続きにのっとって「シュクシュク(粛々)と進める」というのも常套手段である。「シッカリと」「テイネイに」「シュクシュクと」がキーワードと言える。昨年の特定秘密保護法の折も衆参合わせて68時間の審議で打ち切り、12月6日の可決に持ち込んだ。先の7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定については、7月14・15日の衆参予算委の集中審議で済ませ、関連法案の改正は、来年の4月以降の一括提案、安保担当大臣新設で一気に片付けようという目論見である。なぜ、来年なのかと言えば、今年の11月沖縄知事選、年末消費税10%への引き上げ判断と日米ガイドライン改訂、来年春の統一総選挙を控えているので、本来ならば、その前に審議が必要なのだが、あえて先延ばしにするのは、公明党や選挙民への刺激をしたくないという策略にも近い。「シッカリと」「テイネイに」は、当たり前のように、どんどん遠のいていく。
そのとき、NHKは
一方、それを報道するメディアは、とくにNHKでは、昨年の特定秘密保護法成立に向けての与野党協議、今回の集団的自衛権行使容認の閣議決定に向けての自公協議の経緯についてのみ、それこそ「シッカリと」「テイネイに」報道したとしか言いようがない。肝心の「特定秘密保護法の問題点は何なのか」「憲法は集団的自衛権を認めるのか」をあっさりとスルーして、検証をしないまま、「客観報道」=「政府広報」を貫く。しかも、この間の中国、北朝鮮、韓国の不穏な政情や領土・領海問題での摩擦などを何回となく詳細に、「シッカリと」「テイネイに」報道することが顕著になり、日本を取り巻く環境への危機感を募らせるのに熱心であった。とくに、政府によるNHK人事への露骨な介入、新経営委員、新NHK会長の就任後の発言は、ことごとく、公共放送の中立・公平の理念を真っ向から崩す内容のものであり、同時に、現に、ニュースにおける報道内容や番組内容の政府広報化への偏向が顕著になっていった。まだ、一部の新聞やテレビ番組がかろうじてジャーナリズムの視点を失わずに健闘するのを目の当たりすると、NHKの堕落ぶりは明らかだろう。
特定秘密保護法が可決されたときも、今回の集団的自衛権が閣議決定されたときも、その後に及んで、たとえば「ニュース7」では、大きなパネルを作製して、武田アナウンサーが、大股で行き来をしながら、ややたかぶった調子で、その問題点を解説し始めるのである。そして担当記者との質疑、これもよく目にするNHKのニュースの光景なのである。与野党協議、与党協議の攻防戦・駆け引きがあたかも問題の焦点であるかのようなすり替えを行うのもいつものことだ。
その駆け引きが「やらせ」であり、国会での「質疑」に至っては
7月1日午前中までのギリギリの与党協議というパフォーマンスを見せた「駆け引き」は、筋書き通りの茶番だったことは、ほぼ信じていいのだろう。というのは、6月20日の『西日本新聞』(「集団的自衛権を追う」)によれば、いわゆる集団的自衛権行使容認の新3要件は、6月13日の与党協議の会合で、高村自民党副総裁が私案として提出されたことになっているが、実は、その下書きは、北側公明党副代表が、内閣法制局に作成させたものであった、というのである。あとは、お互いの譲歩を示すために小出しにして7月1日に至ったということである。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/96159
同様の「事実」は、今日7月16日の『読売新聞』(「憲法考9」)でも関係者の取材をもとに「北側案は法制局との<合作>」と報じられているのだから、その信憑性は高いとみてよい。とすると、5月20日から11回の密室の与党協議とは、何であったのか。それを、ことさらに集団的自衛権の焦点であるかのように報じる「ノー天気さ」加減にあきれる。
さらに、7月14日・15日の衆・参予算委での集中審議における高村議員、北側議員が質問に立ち、首相や横畠内閣法制局長官が答弁するという、その内容の空しさがいっそう際立つのであった。首相は「国民の命と暮らしを守るため」を繰り返すばかりながら、その一方で、新3要件などさえすっ飛ばして、他国の戦闘で石油の供給がストップして、国民の経済生活に支障をきたせば、自衛隊による機雷掃海も可能だといい、後方支援による武器使用も可能だという風に、拡大の一途をたどっている。
それでも、憲法の基本的な理念を変更していないと言い続けるのである。
「政治の現実ってそんなもんだよ」と納得するのが大人の対応?なのだろうか。
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コメント
1.安倍首相について
私は必ずしも安倍首相のやる事に反対の立場では
ありません。
少なくとも何も決められない政治よりはマシでは
ないかと思います。
もちろん何かやるにしてもその内容が問われる
のは言うまでもありません。
安倍首相に注文があるとすれば
「説得力のある答弁をしてほしい」
「立憲主義に則った政権運営をしてほしい」
ということです。
安倍首相が答弁するとどんなに良い政策だったと
しても、聴いていて賛成しにくくなります。
2.NHKについて
NHKのことを「国営放送」と言うと、NHKの人は
「公共放送です」と即座に否定しますが、最近の
NHKは「おや?ここは国の御用放送局かな?」と
思う事がしばしばありますね。
また町内会や自治会は任意団体に過ぎないのに、
町内会長や自治会長を相変わらず地域の代表の
ような扱いをする事に違和感があります。
これには地方公共団体が町内会や自治会に肩書を与えて権威づけしたり、条例で権威づけしたり、
補助金漬けにすることにご執心だったりという
問題もあるとは思いますが。
投稿: 小市民 | 2014年7月22日 (火) 02時17分