「歌会始」、あらためて思う
歌会始報道について、どこも同じようにも思えるのは、宮内庁発表の下記資料によるからだろう。テレビでは映像が必要になるが、公式(?)映像と独自の入選者取材などが添えられる。地方新聞、全国紙地方版、地方局では、その出身の入選者のエピソードが大きく報じられる。
「平成27年御製御歌及び詠進歌」
http://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-h27.pdf
しかし、ここで共通しているのは、いわゆる歌会始欠席者情報は皆無に等しいことである。雅子皇太子妃に関しては、健康上の理由での欠席が報じられて久しいが、その件に触れることはあっても、他の皇族については皆無といっていい。まるで後ろめたいことのように。NHKのテレビ中継では、皇太子妃の短歌が朗読されている間のコメントで伝えてはいるが、その日のお昼の「NHKニュース」の読み上げでは、その歌の紹介もなかった。オンラインのニュースweb(2014年1月14日12時10分)には記されている次の部分がすっぽり省略されていた。
続いて、皇族方の歌が披露され、療養中のため欠席した皇太子妃の雅子さまは、イギリスの大学院に留学していた時の恩師から著書をもらった際、学生生活を懐かしく思い出したことを、「恩師より贈られし本ひもとけば若き学びの日々のなつかし」と詠んだ歌を寄せられました。
その他の欠席者は、短歌も見当たらない三笠宮夫妻と常陸宮、三笠宮次女瑶子さん、高円宮三女絢子さんで、留学中の秋篠宮長女眞子さんは、短歌はあるが欠席のようだった。秋篠宮佳子さんが初参加で話題をさらったようだが、三笠宮信子さんが久しぶりに復帰されたようだった。「歌会始」を皇室と国民との懸け橋的な役割を果たす皇室行事と標榜するならば、やはり開放的であってこそ、と思う。さらに、学校あげての応募とか「苦節何十年」の末の入選とか、短歌本来の楽しみ方を歪めてしまわないだろうか。
元旦に発表される天皇の短歌が今年から2首減って3首となったのは、体調を配慮してとのことであったが、歌一首に費やされるエネルギーがかなりの負担になっていたのだろうか。そして思うのは、皇室の伝統文化は、国民を巻き込むことなく純粋に皇室の中で守り、楽しまれるものではなかったか、と。
12月31日、1月14日の記事も合わせてご覧いただければと思う。
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