« 「順天堂大学誘致」はどうなったか、佐倉市議会の質疑から見えるもの | トップページ | 春の六本木~白日会展とルーヴル美術展へ »

2015年3月24日 (火)

<法治国家>が聞いてあきれる~政府の沖縄知事への対応

   なんとまあ、どこから「我が国は法治国家ですから」なんて言うセリフが飛び出してくるのだろう。 これも「表現の自由」?とでもいうのだろうか。  

   近頃の安倍首相や閣僚たちの「日本語」が間違っているのではないか。いや、言うに事欠いて、自らの道理が通らず、不都合なことになると、「法治国家」や「粛々」「遺憾」が登場してくるのだ。自分たちの違法や脱法行為が指摘されると、無視か「真摯に受け止める」程度のことなのだ。  

   きのう3月23日、翁長沖縄知事の沖縄防衛局への「辺野古作業停止指示」を受けて、菅官房長官は記者会見で「この期に及んで、報道されているようなことが検討されているなら、防衛省と沖縄県が事前に十分な調整を行った上で許可を得ているので、甚だ遺憾だ」と述べ、「現時点で中止する理由は認められない。環境に万全を期して粛々と進めたい」と明言した。また、中谷防衛大臣も記者会見で「手続きについては法令に従って、適正に行った上で、現在作業を進めているところであって、引き続き、粛々と進めていく」と述べた。そして、両者とも「日本は法治国家ですから・・・」と投げやりとも思える風情で発言していたのを私も聞いている。
    これらの発言と政府の対応に、地元の新聞は、その「社説」で次のように述べている。

  「見たくない現実  から目を背け、都合のよい事情だけ取り入れて強がり、恫喝(どうかつ)する。仲井真前知事による埋め立て承認にすがりつき、沖縄の民意を問答無用で組み敷くことしか打つ手がないことの表れだ。子どもじみた心性が際立つ。民主主義の価値を損なう政権の低劣な品格が映し出されている。」(「琉球新報」2015年3月24日社説)  

  なお、ちなみに、国会議事録による安倍首相、菅官房長官になってからの2012年12月以降の発言を以下のキーワードで検索すると、つぎのような結果となった。これは、議会内の発言であるが、記者会見やぶら下がり取材での発言では、また異なる傾向を示すかもしれない。「遺憾」「万全を期す」は、窮地や危機的状況にあっての常套句となっているのではないか。「シッカリ、テイネイ」と発するのは、まず、「しっかりと、丁寧な」説明や取り組みがなされなかったことを意味し、これからもその気がないことを示しているときの合言葉でもある。

「国会議事録」にみるキーワード収拾

2012年12月~   安倍首相           菅 官房長官  

法治国家         2件               7件
粛々            2                 4
遺憾             32                   5
万全を期す        31                             5        
真摯に受け止め    15                  4
しっかり         171                84
丁寧           100                10
しっかり 丁寧        67                 3

期間中の国会で
の全発言件数     180件              146件

|

« 「順天堂大学誘致」はどうなったか、佐倉市議会の質疑から見えるもの | トップページ | 春の六本木~白日会展とルーヴル美術展へ »

コメント

自治会募金問題でこのブログを読み始めた者です。興味のあるところから、最近のものから、読んでいこうと思います。
「粛々」は、その後すぐに阿部首相が使い、普通ならもっと怒りの声が上がってもいいのに、大した問題になりませんでしたね。おかしいですよね。
普通なら官房長官が使わないと発言したら、首相が使わないのはあたりまえです。そのくらいのこともわからない、あるいは頭に入らないほど、阿部首相はバカなのか、と思いました。あとになって「私も使わない」と言ったようですが、どんな神経なんでしょうか?
マスコミもあまり騒がなかったですし、ヤフーのコメントを見ていても、揚げ足をとるな的な意見が目立っていました。おかしいですよね。

投稿: きしずえ | 2015年4月11日 (土) 21時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 「順天堂大学誘致」はどうなったか、佐倉市議会の質疑から見えるもの | トップページ | 春の六本木~白日会展とルーヴル美術展へ »