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2015年7月 2日 (木)

NHKの報道の劣化をとめるには!

欠陥商品を受け取るしかないの ? 視聴者は
   7月1日は、昨年のこの日に、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した日である。午前中には、衆議院の特別委員会で、安保法制法案の参考人質疑が行われたはずである。関連の報道を見ようと、NHKの12時、夜7時、9時のニュースを見た。そして驚いた。ああ、こんなことなら 放送項目と内容、時間をメモしておくのだったと思う。

お昼のNHKニュース
   12時のニュースでは、たしかに、国会の特別委の参考人の意見陳述の一部がコンパクトに流された。伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院教授、国連PKO活動の経験)鳥越俊太郎(ジャーナリスト) 柳澤協二(国際地政学研究室理事長、防衛省OB)の3人が野党推薦、 小川和久(静岡県立大学特任教授、軍事評論家) 折木良一(元第三代統合幕僚長)の2人が与党推薦。伊勢崎氏はPKO活動における現実なリスク、柳沢氏は集団的自衛権と個別的自衛権の切り分けが困難さ、鳥越氏は政府のマスコミへ圧力の強化を強調、折木・小川氏は、法案の意義を強調し、小川氏は米国との軍事同盟に頼らず、独自で防衛するには、いまの5兆円が23兆円にものぼる、などと述べた。

NHKニュース7では
  
しかし、もう少し詳しくは、7時のニュースでと思ったら、なんと関連法案報道は皆無であった。新幹線の事件や箱根の小噴火に続いて、路線価と日銀短観の発表報道では、いかに景気が上向いているかの声を、それも外国資本頼みの実態を伝えていた。 オープニングに使われた「なでしこジャパン」は、さすがに、後半に回されたが、イングランド戦を控えたなでしこジャパンの練習風景や監督や選手の決意、元選手の解説まで流す熱心さである。それに、なにやら大きな階段の模型?が登場し(何度目?)、アナウンサーは、語調を強め興奮気味に試合の行方を語るのだ。これって、実に聞き苦しいし、感情をあらわにせず、淡々と伝えるというアナウンサーの基本中の基本に反するのでは?北朝鮮の女性アナを笑えない状況に、NHKは立ち至っている。 安保法制関連のニュースは、完全に無視し、封じ込めたのである。

NHKニュースウォッチ9では  
   新聞のテレビ欄の予告では、トップに「安保法制関連をめぐる参考人質疑」とあったのに、まず「今入ったニュース」として、ウィンブルドンの錦織選手が足のけがで2回戦棄権が伝えられた後、待てど暮らせど、安保法制関連のニュースは現れず、9時35分過ぎた頃、ようやく、自衛隊の国旗掲揚の ”おごそか“な風の映像が流れたと思ったら、画面の右肩に「安保法案 衆院採決時期 与野党駆け引き活発化」というタイトルが現れた。「与野党駆け引き活発化」!これまた、いつもの法案成立最終段階でのNHKの常とう手段たる「与党内駆け引き」「与野党駆け引き」報道である。日常的にも、たださえ、法案の中身についての報道が希薄で、「駆け引き」視点で集約する意図が露骨で、報道の原点ともいえる「論点提示」がなく、政府の解説のリピートに過ぎないのである。  
   この日の安保法制関連報道 も、その典型的なもので、最初に、衆議院での安保法制特別委員会の参考人陳述では、折木氏と柳沢氏の陳述を紹介したのみであった。そして次が、安倍首相が公明党の山口代表との会談で、首相が自民党の議員が勉強会発言で迷惑をかけたことに陳謝、両党「心を合わせて」いまの国会での成立を確認・合意したというのである。陳謝するなら、国民やメディアに対してでしょ、相手が違うのでは。しかも、NHKは、自民党の勉強会での議員の発言内容に具体的に触れる報道はほとんどしてこなかったし、まして、NHK経営委員を3月まで務めていた百田発言については、触れずに避けていた。どんな発言だったのかは「民放で聴け」とでも言うのだろうか。与党同士の仲良しぶりだけが浮き彫りにされた内容であった。
  そして次が、党内の7月半ばの衆院採決を目指す動き、民主党の反論、特別委理事会のやり取り、維新の党の対案最終案協議・・・、「採決時期をめぐる駆け引き活発化」を強調するが、国会や国民の間で、いま何が問題になっているのかを伝えようとしない、いわば、NHKは、政局報道、政府広報に力を入れているとしか見えない。

視聴者ふれあいセンターは、担当者に伝えるだけ? 
  
7月1日の3回のニュースを見た感想を伝えようと、まだ、「ニュース9」放映中の9時40分過ぎに電話を掛けること数回、「ただいま込み合っています」のテープを聞かされること数分、電話代を取られていることにも腹を立てつつ・・・。ようやく繋がった電話で、7時のニュースでの安保法制関連ゼロ、9時での「駆け引き活発化」でまとめ、国会での議論の内容をほとんど伝えないことへの抗議をした。さらに、視聴者がいくら意見を言っても「担当者に伝える」というだけで、「担当者がどんな方針で、こうした編成になるのか、視聴者は知る機会はありませんよね、受信料を払っているのに、なぜその説明が聞けないのか」と問う。上司が出てきていうことには「放送を見ていただくしかない」という。その放送がますます劣化しているからこそ、何度も伝えているのだが、お客に欠陥商品を届けて受信料を取るという「商売」がそもそも成り立つのか、疑問は晴れない。
  「お客様の言っていることは、<感じ>じゃないですか、いろいろなご意見が来ています、もう視聴者センターの業務時間の10時ですから」と役人よろしく電話を切ろうとする。「感じ」ではなく「事実」でしょ!混んでいて待たされた時間は!ああ、今夜も寝つきが悪くなりそう!  
  この夜のテレ朝「報道ステーション」でも、TBS「ニュース23」でも、参考人質疑についてと一連の勉強会発言について、私としては、解説などを含め若干疑問は残るものの、報道機関としての姿勢をきちんと示す報道になっていたことを申し添えたいと思う。

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