8・25 NHK 包囲行動に参加しました~視聴者の怒りは収まらない
私の怒りは爆発寸前だ
多くの視聴者の怒りが形になったのが、8月25日、渋谷のNHK包囲行動による抗議集会だった。東京は、台風15号の影響で、いつ雨になってもおかしくない雲行きだった夕方6時半、西門、正門、代々木公園側のNHKホール前、3か所の抗議集会が始まり、NHKを包囲した。その数、掛け値なしで1000人はゆうに超えた。コール担当者は、6時過ぎから詰めかけている人たちと、「私たちは怒っているぞ」「籾井はやめろ」「アベチャンネルにするな」「政府広報はやめろ」「権力に屈するな」…12パターンのコールを”練習”した。
西門前に、参加者も増えてゆく
西門前集会、6時30分開会
主催者挨拶に続いて、西門のトークの一番手、NHKの元プロデューサー永田浩三さんは開口一番、「元職員としてこうして叫ばなければならないのは不幸でもあり、恥ずかしい」と。永田さんのツイッターによれば、「もう、死ぬような思いで臨む集会」だったらしい。駆けつけたJAL乗務員の方々のコールも素晴らしかった。NHK問題を考えるとして、各地で立ち上がった会からの報告も身につまされ、元民放プロデユーサーの仲築間卓三さん、元NHK経営委員の小林緑さんたち放送人の体験に基づく話には説得力があった。「NHKよ、恥を知れ」というのがリレートークの共通した呼び掛けだったように思う。私は聴き損なったのだが、「憲法9条を世界遺産に」発起人の方もホール前の集会で話されたそうだ。
リレートークのラストは小林緑さんでした
佐倉からも10人近くの方が参加されたらしいが、私は、2人にしかお目に掛かれなかった。ほかにも、多くの知り合いの方々に会うことができた。それから、噂の火炎瓶テツさんのコールもトークもなかなか迫力のあるものだった。 途中、西門では、ご近所の住民から騒音についてのクレームもあった。その気持ちも十分理解できるけれど、今日集まった人々のNHKへのさまざまな思いと抗議、マイクはNHKに向けているなどへの理解もいただきたい旨、主催者の一人が伝えると、その方は、プラスターの籾井会長の似顔絵を指して「この人には、私もやめてもらいたい」と去って行ったのを、たまたま私は見ていた。
「戦争法案に加担するな」「事実を隠すな」「皆様のNHKを忘れたか」「公共放送をわすれたか」「国民の声を伝えよ」「自主自立を取り戻せ」とコールは続いた。 西門は、職員やタレントが出入りする門でもある。職員、そして下請けや非正規の方も多いのだろう、皆さん一様に表情も硬い。タレントは、車での出入りが多いのかもしれない。それでも、楽器を抱えた人や顔を知っているタレントもそそくさと通り過ぎて行った。籾井会長は、いまだに自分のタクシー代について、外部に漏らしたのは誰かを探っているという。内部告発や上司に逆らえない風土からの脱却がなければ、東芝のようになるかもしれない。コンプライアンスで守られることを実践してほしい。
正門前集会、解散後の火炎瓶テツさんたちのグループ
私の、この日の自前のプラカードには、「NHK、ふたたび国民をダマしてはイケない」と書いた。 この包囲行動の夕方にも、参加者の中には、その日の国会中継で、山本太郎議員の質問が時間だからと途中でぷっつり切られたと怒っている人がいた。
8月の猛暑のさなか、回を重ねた実行委員会、チラシの作成、プラスターの作成、そのチラシを、手分けして、国会周辺の集会、各地のさまざまな集会・イベントで連日配りに配って、その反応の良さに機運が高まったのも確かであった。その合間に、NHK会長はじめ役職者への申入れはもちろん、NHK周辺の下見、警察や代々木公園事務所との 話し合いも必要となった。団体や個人での参加、その人の輪がさらに広がり、準備に勤しんだ実行委員の皆様、お疲れ様でした。私も、体調との相談で、わずかな手伝いしかできなかったが。短い準備期間にもかかわらず、同日同時刻に広島、大阪、京都、名古屋、札幌などなどでもNHKへの抗議行動をしようという広がりを見せたことも、大きな成果だったのではなかったか。
全国の視聴者は怒っているぞ!
(追記) 以下の記事・ 動画でも、当日の模様がわかります。
① アベチャンネルにするな!~NHK包囲行動に1000人集まる
(Labornet)
http://www.labornetjp.org/news/2015/0825shasin
② 2015/08/25 「政府の声でなく、国民の声を報道しろ!」国会中継をしないNHKに市民が怒り――NHK包囲抗議行動
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/259507
NHKのニュース番組を見るたびに、ふれあいセンターに電話するたびに
安保法案審議の国会中継は、国民の関心をよそに、したりしなかったり、災害や殺人事件については全国どこで発生しても詳しく伝え、スポーツ・オリンピック関連では、話題の選手を追い、オリンピックの進捗状況を必要以上に報じ、ムリムリに盛り上げるかのようだ。さらに、いつ放映してもいいような、金星だ、こうのとりだ、という宇宙開発や科学・医療・自然ネタが幅を利かす。中国・韓国・北朝鮮の政情不安や反政府運動は必ず伝えるが、国内の政権批判の動向は極力伝えないのが、NHKのニュースなのだ。 NHKテレビの「ニュース7」を真面目に見ている視聴者の疑問や要望について、NHKの対応は、実に不誠実だし、不可解なのだ。視聴者をなめきっているか、開き直っていると言ってもいい。NHKのニュースを見ているだけでは、世界や時代の動きから必ず取り残され、時の政府に従順な国民にしかなりえない。いやそれを目的にしているとしか思えない。まさに、政府の世論操作の道具にしかなっていないと断言してもいい。
8月26日の「ニュース7」にも驚いた。昨年7月1日の閣議決定の際、安倍首相は、集団的自衛権の行使の具体例として、米艦船に乗っている日本人母子を救助するために艦船を防護できるとして、子を抱いた母親のイラスト入りのパネルを掲げ、憲法は、この邦人の命を守る責任を放棄せよというのかとヒステリックに訴えたことは記憶に新しい。26日の参院特別委員会で、民主党の大野元裕議員が、日本人が米艦船で朝鮮半島から退避するだけでは存立危機事態には当たらないのでないか、中谷防衛相に質した。防衛相は、臆面もなく「邦人米艦船に乗っているか否かは判断要素の一つであって絶対的なものではない」として、「総合的な判断」の答弁を繰り返した。それでは、安倍首相の具体例の説明との整合性はなくなる。まさに法的安定性が大きく崩れた局面であったが、これらの質疑はもちろん、この日の他の大事な質疑を一切報じなかったのだ。それに引き替え、オリンピック関連では競技場総工費抑制、選手の強化費用増額に5分30秒、アフリカ象の密猟、象牙の違法取引に3分27秒を費やしているのだ。
2014年7月1日首相記者会見の、このパネルを思い出してほしい
8月27日の「ニュース7」では、維新の党の内紛、自民党の総裁選、暴力団山口組の内紛がそれぞれ、5分20秒、2分35秒、3分03秒という、念の入れようである。さらに、寝屋川の殺人事件報道がないと思ったら、突如、膝痛に新しい手術の試みというニュースに3分22秒が割かれた。
視聴率に関係なく、知らせるべきは知らせる中立・公正な報道番組のはずが、これでいいのだろうか。民放の報道番組の方がよほど視聴者の関心に沿うている場合が多いとは情けない。安保法な審議の陰で、この日も見切り発車のマイナンバー法改正案が参院内閣委員会を通過している。このニュースとて、一切報じられなかったが、テレ朝の報道ステーションでは、報じられていたのだ。ニュース項目、順序、時間配分には、視聴者の関心や要望を真摯に受け止めた上で、メデイアとしての役割を果たさなければならないはずである。「皆さまの声」を聴くふれあいセンターが、サービス向上のため?として電話の録音はするけれども、NHKから返ってくる答えは、いつも一緒で、「総合的な判断」での編成であり、視聴者の声の反映は番組で答えている?という、まさにテープレコーダーのように係員は繰り返すのみ。視聴者の声は聴かずに、政府の声には、忖度してまで応えるというのが、いまのNHKの姿勢なのである。
NHKは、「誤報」もそっとなかったことに!
この8月、ノルウェーから、「平和学の父」とも呼ばれているヨハン・ガルトゥング氏が、来日して、いくつかの講演をした。氏が提唱してきたのは、貧困や差別のない「消極的平和」を前提とする軍事同盟を必要としない「積極的平和」(Positive Peace)であった。安倍政権のいう「積極的平和主義」(Proactive Contribution to Peace)とは、およそかけ離れた内容であったにもかかわらず、「”平和学の父“<本当の積極的平和主義を>」の見出しのニュース(NHK web news 2015年8月19日20時34分)を流した。そこで、ヨハン・ガルトゥング氏をつぎのように紹介したのである。その間違いにいつ気づいたのか、「まずい」と思ったのか、上書き修正されたものの、明らかな誤報を訂正した文言はどこにも見当たらない。
「戦後70年にあたっての総理大臣談話にも盛り込まれた『積極的平和主義』を提唱したことで知られています」
⇒「『積極的平和』を提唱したことで知られています」
NHKは、事実を伝えないばかりか、ねつ造も誤報も人権侵害も、訴えられなければ頬かぶりなのだろうか。
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