マイナンバー通知、到着、どうしますか、「ニューデンシャ」って、何?!
マイナンバー制度の基本的な欠陥
友人たちの中には、簡易書留のマイナンバー通知の受け取りを拒否したという人も多い。我が家では、確認の意味もあって受理はしたのだが、もちろんカード交付申請をするつもりはない。いずれにしても、もう、住民票にはマイナンバーが付記されてしまっているのだから、いずれの場合も実質的な効果にさして変わりがない。しかし、受領拒否が「未達」としてカウントされ、増大すれば、これから先、制度運営に何らかの影響を与えるだろう。
そもそも、私は、住民の意思に関係なく、個人番号を付与し、社会保障・税・災害などに使用すること自体、プライバシーの侵害により憲法に違反していると考えている。
しかし、マイナンバー通知を受領して、開封してみて、あらためて明確になったことがある。マイナンバーは、決して「個人番号」ではなく、「世帯番号」であるということである。カードの個人番号部分を隠して、その利用の拡大を狙っているようだが、そんなことはあまり意味がない。個人番号や個人情報が守れる保証は、もはやない。私は、そこが疑問であった。「世帯」の概念も曖昧だ。
マイナンバーの無料問い合わせ番号は、いまだに通じないことが分かったので、「内閣官房社会保障改革担当室・内閣府大臣官房番号制度担当」(03-6441-3457直通)に問い合わせてみた。「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」という長たらしい法律は、とりあえず「マイナンバー法」と呼ぶ。その法律自体より、内閣官房HPの逐条解説の方が日本語としてまだ通じやすい。それを見ながら、以下の問い合わせをした。12月3日のことである。
ナンバーの削除は、市役所に申し出ることができる!
私の問い合わせに対して、内閣官房の担当者がたしかに答えたのである。
私:第5条で、地方公共団体は、可能な限りマイナンバーの利用推進をする、独自的、主体的な取り組みを求めているが、マイナンバーの利用を市民に義務付けてはいないので、私は利用してほしくないということで、住民票からの個人番号を削除してほしい。
担当(Uさん):自治体などが利用するまでには、個別の法律や条例や改正が必要なので、自治体に住民票からの削除を申し出ることできる。
そういうことだったのである。いろいろなやりとりはあったが、結論的には、意外とあっさりとした回答だった。逆に、判断を自治体に振ったという無責任さも垣間見られる。各地でマイナンバー法の違憲性に伴う損害賠償請求の民事裁判が提訴されている。それはそれとして大事だが、とりあえず、今すぐ、市民たちができることは、住民票に付与されている個人番号の削除を申し出ることではないか。カードを受け取った人も受け取ってない人も、自治体に個人番号を使用させないための手立てとして、他にどんなアイデアがあるか、知恵を絞ることが大事だろう。
「世帯」って、「家族」って、何?
内閣官房の担当に、もう一点確かめたことがある。
私:マイナンバーの通知は、「世帯」ごとに届けられている。簡易書留を開いてみて驚いた のは、家族分の個人番号が明示されているカードがむき出しのまま入っていて、家族間では、個人番号は、お見通しというかオープンの中で、一生変わらないという個人番号の情報は守られるのか。
担当(Uさん):いえ、家族には、信頼関係がありますから。
私: 家族の間、一世帯住人の間の信頼関係の有無など、法律が介入することではないと思うが。現に家族間のトラブルや不祥事、殺人までが多発しているではないか。「世帯」となると、もっと拡大されるのではないか。
担当:住民票の「世帯」は、あくまで「生計を一にする」同居人から構成されている。住民票は、世帯主の申請により作成されるものだから、問題がない。
たしかに、家族一人一人に、それぞれに乱数まがいの12ケタの個人番号ではあるが、赤ちゃんのとき付せられた個人番号が一生ついて回ることになるのに、世帯内だからと言って、こんなにも無防備でいいものだろうか。使用目的によって、個人情報は分散管理され、個人番号だけで個人情報全てが漏れないシステムといい、委託、再委託先からの情報漏れは、適正な管理、第三者機関の保護委員会のチェックもあるというが、これまでの個人情報管理すら機能していないのにと、不安は募るばかりである。
「ニューデンシャ」って、何?
内閣官房の担当と話し合っていて、何度も発せられる「ニューデンシャ」なることば、新しい電車?がどうしたの?と、さえぎって尋ねてみた。皆さん分かりますか?私は初めて聞くことばだったが、聞いてびっくり、役所言葉にもほどがあり、笑い話にもならない。そのときの一問一答・・・。
私:「ニューデンシャ」って、何なのですか。
担当(Uさん):「入電者」と書いて、電話をいただいているお客様のことを言います。
私:? 私は、内閣府のお客様ではありません。一度聞いてもわからないような、日常使われていない「入電者」なんて、通じませんよ。
担当:「お客様」と呼んで、何度も叱られたことがあります。
私:「あなた」でいいではないですか。
担当:役所に「あなた」と呼ばれたくないという人もいて、「俺・お前」「あなた」の関係ではないとおっしゃる方もいまして・・・。
「入電者」なんて、いったい、だれが考えたのだろう。「あなた」でも、「そちら様」でも何でもいいではない か。 ほかに、もっと考えることがあるでしょうに。
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