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2018年2月20日 (火)

「普通じゃない」って誰のこと?もの言う市民を、バカにすると!

   この2月、麻生財務大臣の在任期間は、戦後最長となったそうだが、219日の衆院予算委員会で、また、妙な答弁をやらかし、訂正するという一幕があった。委員会の閣僚席の安倍首相は、野党の質問が続いている間、いつも落ち着かない、浮かぬ不健康そうな表情を見せるが、その隣の麻生財務大臣は、体を斜めにそらし、いつもニヤニヤといかにも余裕があるかのようでもある。しかし、きょうは、少々違っていて、額にしわを寄せ集め、相変わらずの苦しいダミ声で答弁した後、顔を歪めて席に着いた。立憲や希望の党の議員に、216日の国税庁前の佐川長官罷免などを求める抗議活動とデモについて質問されて、  

「街宣車を持っている市民団体はめずらしい、少々普通じゃない」  

「御党(立憲)の主導で街宣車が財務省前でやっておられた事実は知っている」  

と答弁したのだ。「見てただけで主催か主導か判断できない。自分たちで主導していないと言うのであれば、それは訂正させて頂く」と訂正した。

   麻生さん、あなたはいったい何年、大臣をやってきたの!かつて、安倍首相が秋葉原駅頭の演説会場で、抗議する聴衆の一団を指さして、「あの人たちに負けるわけにはいかない」と叫んで、物議をかもしたこともあったけれど、「情けない」の一言だ。国会では野党のヤジにうろたえ、市民の声、巷の暮らしぶりを知ろうともしないで、お友だちとホテルや老舗のグルメ三昧の日々を送る政治家に首相の資格はない。内外のメディアから、ギャングだのカポネなどと呼ばれる、あのファッションとマンガ好きの財務大臣、そろいもそろって・・・。市民の抗議活動を、普通じゃないとしか受け取れない人たちなのだ。  

 「街宣車」云々も、笑える話。「市民団体」は、街宣車を使えないかのような、口ぶりで、右翼の街宣車は大歓迎なのかしら。街宣車くらいレンタルできるでしょ。それに、「御党の主導で」と名指しされた立憲民主党が、「参加はしたけれど主導はしてない」とかわしていたけれど、「市民による市民の活動」だったことを、その大切さを強調して欲しいものだ。

 いずれにしても、216デモのコールの一つ「麻生はニヤケた答弁ヤメロ」という参加者の声は届いていただろう、と思える答弁だった。 

 市民活動への認識のなさは、街やネット上の右翼がよくいう、動員かけてるとか、日当はいくらとか、の虚偽・中傷しか言えないレベルの大臣たちなのかもしれない。 

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この二人の関係も微妙な・・・

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2017年2月23日衆院予算委員会、野党の質問に答える冒頭に放った・・・ 

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2018年2月18日 (日)

2・16、納税者の怒り爆発!

                逃げるな!佐川、昭恵出て来い、麻生・安倍ヤメロ!

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プラカード満開、レイバーネットから

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日比谷西幸門、出発午後2時30分、鍛冶橋へ

 2月16日、午後130分、財務省を囲む人々の声が霞が関の官庁街に響いた。国税庁の通用門からびっしりと財務省前には千人以上の人々が、さまざまなプラカードやゼッケン、横断幕をもって、抗議の声を上げた。「逃げるな佐川」「ウソつき佐川」「昭恵出て来い」「麻生、安倍ヤメロ」など、もっと過激な言葉も飛び交う。主催の「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聰呼びかけ人のスピーチに始まり、要請に応えた各野党から1名のスピーチが続いた。飛び入りで街宣車の壇上に控えている議員もあらわれた。京都から駆け付けた、湯山さんの力強いコール、杉浦ひとみ弁護士からの、次回33日のデモに繫げようとの挨拶が終わると、日比谷公園西幸門からデモの出発である。隊列の前と後には、車が配され、コールが繰り返され、銀座を経て、鍛冶橋で流れ解散となった。 

 札幌、さいたま、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、福岡などでも、各地の国税局前で抗議行動が同時進行しているはずである。 

 西幸門では、地元の佐倉の知り合いの方々、知人のご夫妻での参加も多く、声を掛けていただいた。友人を誘って参加してくださった昔の同僚、甲府から参加された方、久しぶりにお目にかかれた方もいらしたのもうれしいことだった。 

 デモから帰宅して、夕方のテレビをみていると、オリンピックの話題で持ち切りだったが、6時台のTBS、NHKの7時のニュースで、抗議行動やデモの報道をみることができた。主催者発表参加者1100人ということであった。会場で配られたシュプレヒコール集のチラシの裏には、次回33日(土)ひなまつり抗議行動の予告があった。

 

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  翌朝の朝刊の報道は様々であった。参加者1500人という報道もあるが、少なすぎるんじゃない?という、地元の方の声もあった。野鳥の会の人に来てもらって、正確なところを知りたいところでもある。以下はネット上で確認できた報道や動画である。すでにリンク切れがあるかもしれないけれど、一つ二つ、一度、訪ねてみて欲しい。 

2・16行動の報道(ネット閲覧に限る)

*「『納税者をバカにしている』国税庁・佐川長官に抗議デモ」
TBS, NEWS 232018216日)554
https://www.youtube.com/watch?v=WWViQSuSkFk
 (札幌、大阪の抗議行動も紹介されています)
*「確定申告デモ」(東京新聞チャンネル、2018216日公開動画、252秒)https://www.youtube.com/watch?v=toML3r7fZ3A

20180216 UPLAN モリ・カケ追及!緊急デモ 悪代官安倍・麻生・佐川を追放しよう!検察は財務省を強制捜査せよ!安倍昭恵さんは証人喚問に応じなさい 納税者一揆の爆発だ! - YouTube]  
https://www.youtube.com/watch?v=ECxGAC0yAWs
(1時間3321秒 包囲行動+デモ行進) 

*「佐川国税庁長官の罷免求め抗議 確定申告の人からも不満」
 
 (NHK 2018216日、ニュース7) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180216/k10011332011000.html

 *「『納税者の怒り知れ』国税庁長官に罷免デモ (東京都)」
 
 (日本テレビ、NEWS24216日、1942 ) http://www.news24.jp/nnn/news890167291.html

*「国税トップ・佐川長官を追及 国税庁前でデモ」 

  (FNNニュース、2018216日、1857
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00385066.html

*「怒る納税者 国税庁長官罷免求め、街頭行動」
 (毎日新聞、映像ニュース、2分、2018216日、最終更新1845) https://mainichi.jp/articles/20180217/k00/00m/040/039000c 

 

「確定申告開始も国税庁・佐川長官に抗議デモ」 (TBS http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3294295.html

 

*「確定申告開始で納税者が佐川長官に怒りのデモ 籠池家は競売『あまりに不公平だ』」(AERA dot、西岡千史 018.2.16 )
 https://dot.asahi.com/dot/2018021600106.html?page=1

「『納税者一揆』確定申告初日に佐川国税庁長官を批判」

(『日刊スポーツ』[201821619時15分)  https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201802160000699.html

*「納税者一揆、国税庁を包囲 佐川長官は税務署回りで不在」
 (田中龍作、20180216 2027) http://blogos.com/article/278276/

*「『佐川はやめろ!』?財務省・国税庁前で怒りの納税者一揆」
 (レイバーネットTV,2018216日、7分間動画)

 http://www.labornetjp.org/news/2018/0216kokuzei

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2018年2月12日 (月)

『九州大学生体解剖事件』を読む~スガモ・プリズンの歌会にも触れて

 

 

126日の森友学園問題を考える会主催の「院内集会」の折、出会った森友学園の地元豊中市市議の熊野さんから著書『九州大学生体解剖事件 七〇年目の真実』(熊野以素著 岩波書店 20154月)をいただいた。 

そこで展開される事実は、不勉強で、知らなかったことも多く、胸の痛む思いで読み進めた。19455月、九州大学医学部が「実験手術」の名のもとに、米軍の捕虜8人が、生体解剖の犠牲になった事件で、それにかかわった医師、鳥巣太郎についてのドキュメントである。戦後に行われた「横浜法廷」で、その首謀者の一人として死刑判決を受けたのだが、4回行われた「実験」に2回かかわったことで、極刑を言い渡された鳥巣が、その「実験」に抵抗し、回避をしてきたことを知っている妻が、判決の理不尽と戦った記録である。膨大な裁判記録や再審査資料、関係者の証言を駆使しての労作であった。 

著者の伯父鳥巣太郎・蕗子夫妻、鳥巣の苦悩、蕗子夫人の奮闘の軌跡がたどられる。夫人が苦労して書いた嘆願書が検察側の資料となる経緯、西部軍、九大側の隠蔽工作、サイデル弁護士の証言工作などが明らかになる過程、時には裏切られながらも、協力者を得てゆく過程が克明に描かれる。再審査の結果、死刑は10年に減刑されたのだった。 

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    そして私が何よりも思いがけなかったのは、鳥巣太郎が短歌を詠んでいたことであり、それが、<戦犯歌集>と呼ばれた『巣鴨』(第二書房 19539月)に収録されていたことだった。
 この歌集の「序」を鹿児島寿蔵と並んで書いていたのが阿部静枝であった。静枝は、私の母と私が師事した『ポトナム』の歌人だった。1960年代、『ポトナム』の東京歌会に参加していた頃、歌集『巣鴨』については、聞くともなく聞いていた。阿部静枝は、『女人短歌』、『潮汐』、『ポトナム』の同人たちとともに、巣鴨拘置所内での巣鴨短歌会に出向いて短歌の指導に当たっていて、その成果の一つが、この歌集であった。時を経て、知人から譲り受けた『巣鴨』を通読はしていたが、鳥巣太郎が九州大学生体解剖事件に関係する医師だったとは知らなかった。静枝は、戦前から池袋の西口、二丁目に住み、我が家も大正時代から一丁目で店を営んでいて、巣鴨拘置所へは、東口ながら歩いて行ける距離であった。1970年まで拘置所だった、その跡地には、1978年にサンシャインビル60が竣工、当時は、その高さはアジアで一番を誇っていたのだった。巣鴨拘置所は、私の生活圏のなかにあった。  

 阿部静枝は、その「序」において、「有刺鉄線の境界、アメリカの旗がひらめくその上の空、敗戦国を見下している監視塔があるスガモ・プリズンは、戦争の抽象として、人間不幸の具象として、私の感情を締め上げる場所であった。・・・」と書き起こし、講和条約締結後は、面会の制限が幾分緩やかになり、集団面会の形で歌会が持たれたという。さらに、当初は、戦争への憎悪、悲運への忿怒、孤独などが主に歌われていたが、次第に、透徹した祈りが底流となった、とも述べている。

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鳥巣太郎の「孤心」と題する50首の中から10首を選んでみた。 

・郷愁のひたにせまれば少年の頃のわが村地圖に描きをり(愁翳)
・つぎつぎに売り細りゆくわが家のせまれる生活(くらし)今日は告げ来し
・何事も死が解決するといふことを我はうべなはず生きゆかむとす
・死に就きし友の監房に入りゆけば鉛筆書きの暦のこれり(訣別)
・口數の少きままにひたぶるの眸はわれに向けをりし子よ(面会)
・永らへし命思ひぬ秋づきて朝はすがしき窓に佇ちつつ(蟋蟀)
・咳をするも一人とよみし山頭火おもひ出でつつ臥床をのぶる
・秋の陽の寂かに照れる廣庭にわが出でしとき眼(まなこ)眩みぬ(命生きて)
・ある時はわれのみを人らが目守りゐる心地覚えて護送車にゐる
・講和調印終りし今朝も平凡に護送車の中にうづくまり居り

 鳥巣には、『ヒマラヤ杉』(1972年)という歌集もあるという。また後年、上坂冬子とのインタビューでは、事件当時の九大医学部の医局員は一体どうすればよかったのかを尋ねられて、「どんなことでも自分さえしっかりしとれば阻止できるのです。・・・ともかくどんな事情があろうと、仕方なかったなどというてはいかんのです」と答えたそうだ。著者の熊野さんは、「最終章」で書かれている(189190頁)。

 

 

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2018年2月 8日 (木)

納税者は、怒っている! 2・16国税庁デモがあるという

 

2月16日(金)13時30分、混雑が予想されますので、お早めに。 

日比谷公園西幸門集合(丸の内線、千代田線、日比谷線「霞が関」B2出口

国税庁包囲行動後, 丸の内を経て鍛冶橋までデモ実施

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国有財産が、異例づくめで、森友学園に払い下げられた問題で、安倍首相・昭恵夫人が関与したのではないかとの国会質疑もだいぶ遠のいた感じであった。しかし、通常国会が始まると、いま再び、報道でも熱を帯びてきた。というのは、昨年来、昭恵夫人が公の場で自分の関与の有無を証言しないまま、首相と外遊したり、あちこちと出没して、しゃべったり飲んだりしている様子が伝えられると、その太々しさに、国民は、不信感を募らせているからである。安倍首相が、妻に尋ねた、昭恵に確かめたといって、関与を否定すればするほど、疑惑を呼ぶ。夫妻と言えども別人格なのだから、国会の証人喚問に応えるのが、一番の弁明になるはずである。ウソを言えば、偽証罪を問われる。それをさせない首相や政府筋には、何か後ろめたいことがあるからではないかというのが、大方の国民の心情であろう。

さらに、佐川理財局長の国会答弁のウソが、その後の新しい文書開示や音声データによって明らかになった以上、やはり国会での証人喚問によって、真相が解明されるべきではないか。なのに、局長本人は国税庁長官に栄転し、まるで身を隠すように、恒例の長官会見もしないまま、税金徴収の陣頭指揮を執るというのだ。文書は自動消去された、破棄した、記憶にないが、適切に処理したなどと役所の荒唐無稽ぶりを演じ続けた人間を長官にしたのは「他の人事と同じく適材適所」だった、と安倍首相は、衆参の本会議答弁で言い切った。これを聞いた納税者は、納得できるはずもない。直接の任命権者の麻生財務大臣も、安倍首相の隣の閣僚席で、いつも身を斜に構え、ニヤニヤ笑っている神経も許せない。

納税者の気持ちを、意思を、態度で示すしかない。

<2月9日付記> 

2月3日、朝日新聞、毎日新聞ほか、国税庁包囲行動・デモの実施計画が報道されました。以下は、本日の東京新聞の報道です。

 

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最高裁は「受信料が義務」とは言ってはいない~あやまった広報とNHKニュースの偏向ぶりが見ていられない

 昨年の126日、最高裁は、テレビを持った時点でNHKとの受信契約を義務付けている放送法が合憲との判決を出した。しかし、それが即、受信料の支払い義務を生じる、ということにはならない点に、注意しなければならない。判決は、NHKが国民の知る権利応える放送をしていることが前提になっているのである。受信料制度は「国民の知る権利を実質的に充足する、合理的な仕組み」であるかどうかが問われたことになる。

衆参の本会議中継や予算委員会の中継を見た後で、7時のニュースを見ると、実に見事に安倍首相へのエールのストーリーが出来上がっているのである。都合の悪いテーマの質疑は最初からすべてスルー、どうしても伝えなければならないと思う質疑では、首相や閣僚の、どうでもいいような読み上げ答弁のみを“しっかりと”と取り上げて、“自由自在に”編集する。野党議員の質問部分はカットして、何を質問しているかがわからいときもあるし、アナウンサーのナレーションで質問の要旨のみが読み上げられる形をとるのが常套手段だ。

  さらに安倍首相の議会内外の行動に密着している記者もいて、要所、要所では必ず登場し、これまた、“ていねい”に解説がほどこされる。いま政府は、世論操作に必死で、NHKに限らず、メディア戦略に力を入れ、安倍首相は、しきりにメディアの幹部やタレントやアスリート、学者などを取り込むために「会食」などを続けている。

第一に、政治のニュースそのものが、努めて短縮されるのだ。国会中継も視聴者の関心の度合いなどと言いながら恣意的である。このところの雪の気象情報などは、末尾の「気象情報」以外にも別枠を取る。北朝鮮のミサイル情報ほか、日本の危機を煽るような動向も丁寧な報道がなされる。相撲協会のスキャンダル、オリンピック、スター選手の動向などに長い時間を割く。火山噴火災害など大きな災害事故はもちろんだが、地方の災害・事件・事故もこと細かく報道して、30分の大半を占めることもある。加えて、緊急とは言えない、先端医療、IT・ロボット、宇宙、自然の生態などのテーマを好んでニュース項目として取り上げ、それが自局の特集番組の番宣の役割を果たすこともある。

そして、受信料を取って流す番組かと思うような番組もある。タレントやお笑い芸人を使った旅番組、まるでファッションを誇示するような女優を登場させる語学番組、民放で人気を得たタレントを起用する医学や科学番組だったりすると、もうそれだけで、見る気もしなくなる。もし、そんなことで、視聴率が取れると思っているのだったら、大きな間違いである。TV視聴者の大半は、いまや高齢者で、私の周辺にも、芸人が並んで、ガハハと笑いころげたり、安倍首相の顔がクローズアップされたりすると、見たくもないと、テレビを切る、という人が多い。また同時に、「いい番組もあるんだよね」という人もいるのだが、それだからと言って、帳消しにはならないのである。いわゆる、歴史の検証番組やドキュメンタリーで、丹念な“独自取材”を強調するものだとわかっても、現代の課題に直接切り込むスタンスが見られない。NHK幹部の高給取りの実態や番組の捏造、職員や記者、アナウンサーらの不祥事が後を絶たず、自局職員の過労死についての報道が遅れたことなどを知ると、まずもって受信料は払いたくないという思いに駆られるのである。

ふれあいセンターなどに集まる視聴者の声を自らは「録音を取ります」などとけん制しながら、その声を、どう反映させているのか、反映するつもりがないのか、知らせようとしないのが、≪皆さまのNHK≫の視聴者対応なのである。しかし、新聞の投書欄には、NHKの受信料についての意見と提案が多く寄せられている。たまたま、1月~2月にかけて東京新聞「発言」欄には、いくつかの投書が続いた。

123日「NHK映らぬ テレビ開発を」(男性無職 67歳)「勝手に送り付けられた商品に対して、受け取りを拒否する権利が私たちにはあるはずです。NHKが写らないテレビがあればいいと思います。特定の周波は受信できないテレビを作ることは可能なはず」

23日「督促より番組の充実を」(主婦 42歳):「放送内容の捏造や度重なる不祥事、私事的中立を欠く番組構成など、公共放送とは程遠いNHKの在り方に疑問」を抱き受信料支払い手続きをしていない。「NHKはストーカーまがいの執拗な督促をを続けるのではなく、視聴者に進んで契約をしたいと思わせる番組作りにまい進するか、(受信量未払いだと見られない)スクランブル(暗号)放送への切り替えを進めてほしい」

23日「NHK受信は選択希望制に」(パート女性 69歳):「ニュースやドラマは他局で十分、若者にこびているとしか思えない番組や出演者が楽しんでいるとしか思えないバラエティー番組が目につきます」「今の技術があれば、スクランブル(暗号)放送が可能なはずです。機器(テレビやスマホ)を購入したからと言って有料にするのではなく、NHKの受信は選択希望にすべきだと思います」

私も「公共放送の中立公正」、「公共性」を標榜するならば、他の水道・電気・ガス料金などと同様に、「見た分だけの料金を支払う」という受信料制度を取り入れるべきだと思っている。NHKは、これらの意見にどう応えるのか。

最高裁判決で「NHKの受信料が義務」となった、などという誤報に、惑わされてはならない。


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毎週火曜日のNHKの短歌番組の第4週目の「短歌de胸キュン」。若者をターゲットにした番組で、お笑い芸人とタレントをゲストに競詠させる番組で、出演者同士は実に楽しそうではある。上記写真の左下が選者の佐伯裕子、今年の4月からは栗木京子だそうだ。栗木は再度の登場か。一年に数回見る程度だが、歌人のお二人の奮闘がどこか痛々しいような・・・。2012年4月から始まっているが、同じころ始まったTBS系でのプレバト「俳句コーナー」の方が、娯楽に徹した感がある。この違いって何だろう。
他の3週は3人の選者が登場、それぞれゲストを迎えるが、どうも、そのゲストが選者の交友や好みが反映されているようなのだ。

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2018年2月 5日 (月)

皇室とハンセン病と―名護市屋我地島の「御歌碑」

 

 

  昨年2月の沖縄行のレポートとも一部重なりますが、『ポトナム』2月号には「歌壇時評」として、書きました。

◇冬の沖縄、二つの目的をもって~難しいと逃げてはいけないこと(1)屋我地島、愛楽園を訪ねる(2017214日)

 http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/02/post-eeb9.html

   文中にある、沖縄愛楽園は、名護市の屋我地島の済井出(すむいで)にあります。沖縄本島とは屋我地大橋で結ばれ、さらに古宇利大橋で今帰仁村に属する古宇利島と結ばれ、また今帰仁村運天側の本島との間はワルミ大橋で結ばれていて、屋我地島と古宇利島は、いまや美しいビーチが自慢のリゾート地として人気があるそうです。 

 

 さきほど、昨夜11時前には、きのうの名護市市長選の結果が分かり、稲嶺進前市長の落選が報じられています。どうしてこうなってしまうのでしょうか。新人支援の小泉進次郎が「みなさん、なかよくやりましょうよ」みたいな応援演説をしている映像が流れていたのは知っていますが、こんな言葉に惑わされてしまうのでしょうか。残念です。日本の空でありながら米軍機が危険な飛行を繰り返すのに物が言えない政府、新基地建設に反対しながら、遠く離れた私に何ができるのかを考えると、とても情けない気持ちになってしまうのですが、なんとか、気を取り直して・・・。 

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同じ名護市の屋我地島と辺野古

 

~~~~~~~『ポトナム』歌壇時評から~~~~~~~~~

・つれづれの友となりても慰めよ 行くことかたきわれにかはりて 

    短歌と皇室・沖縄・ハンセン病―これらのキーワードが一直線で結びついているのではと考え始めたのはここ数年のことである。これまでも、現代短歌と天皇制との接点で、何が起こっているかに着目してきた。平成の天皇夫妻の短歌は、歌われる内容と発表の時期、タイミングを検証することによって、その政治的メッセージ性が高いことを指摘してきた。天皇は、皇太子時代を含め、沖縄には一〇回訪問し、多くの短歌と「おことば」を残した。同行の美智子皇后とともに、沖縄の伝統や文化、戦没者慰霊に深く触れ、平和への祈りとしての短歌を詠んでいる。日本政府の沖縄への姿勢や米軍とのかかわりにほとんど触れることもないのは当然のことだった。沖縄の人々の心に響くことはあっても、沖縄が抱える切実な問題の解決にはつながらず、その結果、政府の沖縄政策の補完の役割を果たしていることにも言及した(「沖縄における天皇の短歌は何を語るのか」(『社会文学』44号二〇一六年八月)。

   冒頭の短歌は、大正天皇の節子皇太后(以下、貞明皇太后)が、一九三二年一一月大宮御所での歌会で「癩患者を慰めて」と題して詠んだ一首である。その前年の「癩予防法」の成立を受けて、内務省は、光田健輔医師らを中心に癩予防協会を設立、貞明皇太后の下賜金を受けた。以降、全国の国立療養所を中心に「無癩県運動」をスローガンに「絶対隔離政策」が展開される。上記短歌は、その療養所に下賜され、施設内には「御歌碑(みうたひ)」が建立され、貞明皇太后=皇室の「恩」としての役割を果たした。一方では、患者の強制収容、家族との離別、断種や堕胎など過酷な悲劇が繰り返され、家族への差別・偏見も助長された。一般国民に対しても「絶対隔離政策」の徹底は、差別、優生思想、民族浄化を増幅させることになった。敗戦後、新薬の普及、治療法も確立し、感染力も低く、不治の病ではないことが明らかになった後も、この政策は続いた。

「癩予防法」が廃止されたのは一九九六年であり、ハンセン病患者への差別が違憲とされたのは、二〇〇一年、熊本地裁判決であった。二〇〇五年、小泉政権下の報告書では、ハンセン病対策に皇室がかかわったことによって差別が助長されたという記述がなされている(『ハンセン病問題に関する検証会議最終報告書』)。

 平成の天皇夫妻は、全国の一三の国立ハンセン病療養所すべての入所者を見舞っている。一九七五年、海洋博のため初めて沖縄を訪問した時に沖縄愛楽園(屋我地島)を訪ねている。明仁皇太子は、歓談後、見送ってくれた入所者たちを「だんじよかれよしの歌声の響 見送る笑顔目にど残る」と「琉歌」に詠んだ。二〇〇四年、沖縄のもう一つの療養所、南静園(宮古島)を訪問した折に、美智子皇后は「時じくのゆうなの蕾活けられて南静園の昼の穏(おだ)しさ」と詠んだ。その後も短歌や琉歌を通じて、療養所入所者と天皇夫妻との交流もいくつかの「物語」として語り継がれている。 

 しかし、私は、二〇一七年二月、愛楽園を訪れたときの光景を忘れることができない。敗戦時、一度は海底に投げ込まれ、一九七〇年代に再建されたという貞明皇太后の「御歌碑」が、敷地内の広場の片隅に、青いシートに覆われ、横倒しになっていた。その現実に戸惑いながら、資料館で知った療養所の人々の苦難の歴史を思った。 

 天皇の退位が迫った現在、天皇夫妻の短歌もメディアへの露出度が増すだろう。その短歌自体とその短歌を読み解いて見せる歌人や史家たちの政治的メッセージ性にも注視しなければ、と思う。(『ポトナム』20182月、所収)

 

 

 

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