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2019年10月29日 (火)

それでも「饗宴」は続くのか

 即位礼の祝賀パレードを11月10日に延期した理由は何だったのだろう。台風被害に配慮してとのことだったが。天皇夫妻が即位礼参列者への返礼として開催される「饗宴の儀」は、下記の資料に見るように4回開かれる。すでに2回は終了し、あと2回を残している。平成改元の折は7回、3400人を招待したが、今回は4回とし、2600人に絞ったということだが、予算は、増額されているのだ。しかも、その招待客の差別化が、あまりにも露骨なので驚きもする。

 この時期に、こうした一連の行事が開催されていることについて、野党も、新聞やテレビの報道(番組)でも決して異議を唱えない。テレビの「即位の礼」報道では、参列したコメンテイターを複数まじえ、10月22日、朝からの雨も即位礼が終わる頃には、日が射してきて、虹までかかり、新しい時代の到来を告げたかのようだとか、その感動を語らせるのだった。外国の参列者を迎える天皇夫妻が晴れやかだったとか、首相夫人のドレスがおかしくないかとか、どうでもいいことではないか。新しい皇后の病気が快復したのはいいけれど、これまではいったい何だったのだろうか。高御座の幕が開けられて天皇が現れるという光景は、仕掛けばかりが大きい手品を見せられているようだった。天皇の「おことば」に「平和」が何回出てきたとか、「国民に寄り添う」姿勢は平成と変わりはないとか、丁寧に解説されても、政治的権能のない天皇の発信に感動したり、ことさら評価したりすることは何を意味するのだろう、というのが私の率直な疑問と感想だった。

 即位礼に続く「饗宴の儀」は、2018年11月20日の閣議決定で概要は決まったが、詳細、経過は、以下の首相官邸HPの「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典委員会」、さらに実務的な資料は、宮内庁HPの「大礼委員会」を見てほしい。二つの委員会はともに、2018年10月12日発足している。

宮内庁/大礼委員会
https://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/shiryo/tairei/

 首相官邸(内閣官房・内閣府 皇位継承式典事務局)/天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典委員会https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gishikitou_iinkai/

 平成改元の折の饗宴の儀と比較している資料(第6回2019年6月20日天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典委員会配布資料3-1)があるが、以下のように簡単にまとめた記事があった。

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 JIJICOM(10月27日)より

 台風15号、19号、そして今回の大雨での千葉県の被害は、尋常ではなかった。いずれも、私の住む地域では、大きな被害はなかったのだが、テレビや新聞の上空からの佐倉市の映像を見て心が痛む。ふだん目にしていた光景が一変したのだ。

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氾濫した鹿島川『毎日新聞』(10月26日)より

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10月26日9時5分撮影『毎日新聞』(10月27日)より
 

今回の大雨で高崎川は氾濫し、JR佐倉駅と周辺の冠水をもたらした。駅の線路も水没したという。鹿島川の氾濫は、当地に引っ越してきて30年余、これまで聞いたことがなかったが、広範囲の冠水と土砂崩れを引き起こした。国立歴史民俗博物館の駐車場も土砂崩れがあったらしい。

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歴博周辺の浸水地域  東京新聞(10月28日)より


 
印旛沼のサイクリングロードは、かつて、家族で、自転車で何度か出かけ、阿宗橋から船戸大橋、竜神橋、鹿島橋まで走らせたこともある。雨が上がった後も、印旛沼の水位が上がっているとの報道もあり、27日も取材のヘリコプターが飛んでいた。千葉県内では犠牲者が9人にもなり、農業被害や家屋の倒壊・浸水など、再建や復旧が危ぶまれる事態が続いている。
 房総半島の南部では、屋根のブルーシートが破れたり、停電が復旧した矢先の大雨で再び冠水したりして、泥だらけの家電や畳を運びだす人々、倒壊したビニールハウスを前に途方に暮れる人々を目の当たりにすると、やりきれない。がれきの処理も一自治体では処理できない状況が続いている。一度訪ねたことのある館山の「かにた村」もどうなったことか、心配でもある。
 さらに、福島や宮城県では、台風被害・大雨被害での犠牲者に加え、放射能汚染土のフレコンパックの仮置き場からの流出、風評被害から立ち直りかけた農家の方たちへの打撃は、言葉では表せないほどの口惜しさと将来への不安を募らせたことだろう。

 こんな状況の中で、なぜ「饗宴」は続けられるのか。招く側も、招かれる側も、一度立ち止まって、いま何をすべきなのかを考えてほしい。

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