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2021年2月14日 (日)

コロナ、オリンピック、地震で大揺れの中~防衛費膨張の裏で

ミサイル監視衛星調査研究費、22円で落札!の非常識

 やや旧聞に属するが、先月末の2020年度第3次補正予算案審議の国会中継を見ていたら、耳を疑うような質疑に出会ったのである。

 1月27日、参院の予算委員会で、立憲の白真勲議員が「3次補正予算に自衛隊の飛行機や潜水艦などの防衛装備品の安定購入経費として2816億円が含まれていることは、来年度の本予算に入れるべきものを前倒しすることで少なく見せていると批判し、北朝鮮や中国などの新型ミサイルを人工衛星での監視技術開発のための調査研究委託の競争入札をしたところ、三菱電機が22円で落札、防衛省と三菱との契約の事実を質したのだった。落札価格は20円で、2円が消費税というのだ。岸防衛大臣は、「たしかに安値ではあるが、弁護士にも相談して問題がないということで契約した」「積算の内訳は、従来から公表しないことになっている」という答弁だった。白議員は、20円では、書類の目次のコピー代金にもならない、安ければいいというものではない、入札制度の見直しを理事会に要求していたが、その後どうなったのだろう。

  防衛省は2020年度予算で、人工衛星でミサイルを探知・監視する新技術の調査研究に約8800万円を計上していた。 三菱電機が受注したのは、このうち、複数の人工衛星を同じ高度に配置し、新型ミサイルを横方向から監視することで探知を可能にする「リム観測」の実用化に関する調査研究で、同省は想定していた調査研究費を明らかにしていないが、少なくとも数百万円以上とみられているそうだ。いったいこれは何を意味するのか。
 1円入札にまつわる疑惑は、こればかりではなかった。
調べてみると、最近では、なんと、件のオリンピック組織委員会が、オリンピックで使用する空手競技用のマットを、埼玉県の業者が1円で入札、落札していた。延期が決まる前の2019年10月のこと。同額の1円入札の2業者の製品を試用の上、決めたというが、組織委ホームページでは、入札価格だけは非公表であったのが、取材で明らかになったとのことであった。他の200件以上の物品入札で契約価格の非公表は、マットの1件のみだったといい、相場では400~500万円に相当するというのだ。(産経新聞2019年11月20日、NHK政治マガジン2019年11月21日)
 東京へのオリンピック招致に絡んだ不正疑惑でフランス司法当局の捜査を受けていた竹田恒和JOC会長が19年6月で退任する羽目になっている。けた違いの額のお金が動いていたという疑惑は、まだ晴れてはいない。

 防衛費膨張の推移

 そもそも、防衛費自体の予算の7年間の伸びをjijicom(2020年12月21日)のグラフで見てみよう。

2021

 2020年度予算の5兆3133億円だったから、今回の第3次補正で、2816億円増額したことになる。これが21年度予算の前倒しとみられるのだ。

 20年12月に決めた追加経済対策の財源として19兆1761億円を計上した。当初予算、1次・2次補正と合わせた20年度の歳出は175兆円超となる。3次補正予算の中身は、以下の表の通りなのだが、細かく見ると、医療提供体制の確保などに計1兆6447億円、ワクチンの接種に向けた環境整備には5736億円、PCR検査などの実施には672億円、Go Toトラベルに1兆311億円、中小・小規模事業者の資金繰り支援には3兆2049億円を計上している。

 しかし、今年度補正予算に、Go Toトラベルに1兆311億円やマイナーカード普及、脱炭素基金が必要なのだろうか。そして、下の表に見るように、最下段の安全安心確保策として、国土強靭化推進と防衛費を潜り込ませているとしか見えないのだ。

 20
日本経済新聞(2021年1月28日)より

 

 菅内閣に期待するものはなかったが、半年もたたないのに、もうズタズタな状況。コロナ対策はもちろん、計画的な施策が立たず、目先の対策を小出しにしては、破綻があればあわてて弥縫策に走る。次から次へとなんとも常套的な不正や前世紀的な政治家の不祥事がまかり通り、野放し状態といっていい。そこに来て、オリンピック組織委員会の森会長の辞任劇、いやはや、オリンピックの中止を宣言しなければならない役回りの可能性も高い、後任は、なかなか成り手はいないだろう。よほどの政治力で押し付けられることになるにちがいない。
 そして、13日夜11時過ぎの大地震である。津波の可能性がないというのが不幸中の幸いだったが、それでも被害は、これからだんだん明らかになるに違いない。コロナ禍の中の避難所運営や復旧にも困難が待ち受けている。
 ファイザーのワクチンが成田に到着したというニュース、一日にして承認され、まず医療従事者に実施されるというが、その手順も後手、後手で、不安は募るばかりである。

 

 

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