デジタル庁、発足だって?!いったい何をやってくれるのか~ 8000憶はどこへ行く
8月28日の「内閣府、総務省、厚生労働省」の「そろそろ、あなたもマイナンバーカード」という新聞全面広告には驚き、怒り心頭なのだが、きょう、9月1日のデジタル庁発足の“前祝”の感覚だったのか。
コロナ対策にしても、アフガニスタンのタリバン政権発足に伴う政府の対応にしても、何一つ国民が納得できるものではないなか、突如、菅総理は自民党人事、閣僚人事を打ち出して、起死回生を目論むという、国民不在の行動に出た。
こうした状況下でのデジタル庁の発足である。報道もほかのニュースに紛れがちながら着目したい。
しかし、ここで忘れてはいけないのは、ことしに入ってからだけでも、マイナンバーはじめ、広くIT関係の「不祥事」というよりは、事件や犯罪に近い「事案」が続出しているのである。私も、たしかに報道された記憶はあり、その中身に怒りを覚えた記憶もよみがえるが、何に怒っていたのか、その詳細を忘れかけていることが多い。大方の方も、そんな感じではないだろうか。デジタル庁発足を機会に、時系列で、振り返ってみたい。
○ 2021年2月、スマートフォン用の接触確認アプリの不具合が発覚した。登録者のデータを記録し、ウイルス感染が検知されると、相手方に対し「濃厚接触の可能性がある」と通知されるというシステム。2020年9月以来、登録していた陽性者の濃厚接触者に通知が届かないという不具合の発生を知りながら、4か月も放置していた。
○昨年2020年4月7日、安倍政権下、マイナンバー活用による、給付金申請を閣議決定、5月1日、高市総務相は、1人10万円を配る「特別定額給付金」のオンライン申請を勧めたが、各自治体の準備が整わないままのスタートとなり、誤入力や重複申請が相次ぎ、大幅な遅滞を招いた。
○2020年5月20日、企業が働き手に払う休業手当の費用を支援する「雇用調整助成金」でもシステムトラブルがあり、オンライン申請を即日停止した。厚労省と発注先の富士通双方に重大な問題があったことが判明した。
○2021年7月2日、1日発売の週刊文春の報道を受けて、IT室幹部が、アプリ開発の委託先の一つであるNTTコミュニケーションズの親会社のNTT幹部と20年10月から12月にかけて3回の会食した事実に関して、利害関係者であることは認めたが、費用や分担など不明なまま。
○2021年8月20日、東京五輪・パラリンピックで使用する健康管理アプリ(オリパラアプリ)事業の入札価格が73億円と高額であることとの批判を受けての調査の結果、入札にかかわり、内閣官職員房IT総合戦略室との職員に不適切な行為があったとされ、8月27日6人の幹部職員が、訓告、厳重注意などの処分を受けた。
東京新聞(2021年8月21日)
○平井卓也デジタル改革担当相のNTT幹部との会食が同社子会社などの受注につながったことはないと結論付けた。アプリの減額交渉をめぐり、平井氏が「(受注業者を)脅しておいた方がいい」とした発言が6月に発覚していたが、その是非については判断を示さなかった。
私の記憶から消え去っていることもあるかもしれない。
そして、これはまだ記憶に新しいところなのだが、デジタル庁「デジタル監」なる人事において、突然 伊藤穣一(55)の名前が挙がった。デジタル政策分野の内閣官房参与を務める村井純・慶応大教授の推薦とも言われたが、彼は、少女への性的虐待などの罪で起訴されたアメリカの資産家(2019年に自殺)から、かつて資金援助を受けていた問題が発覚し、資金援助を匿名で処理するよう同僚に依頼していたとの疑惑もあり、2019年にマサセッツ工科大学の研究所の所長を辞任していた。その経歴が明らかになって、彼の名は消えた。
つぎの浮上したのが、石倉洋子(72)一橋大学名誉教授で、グローバル人材などが専門という経営学者である。ちなみに、ネットで調べると、その学歴・職歴は実に華々しく、多くの大手企業の取締役・社外取締役など数えきれないほどならぶ。現場や実務経験の形跡がみられないが、事務方のトップが務まるのか疑問ではある。そもそも、「女性活用」を看板に、肩書がものものしければ、「お飾り」としては適任なのかもしれない。
そして、肝心の平井卓也(63)デジタル庁長官であるが、さまざまな噂はともかく、上記の事件にかかる監督責任者であって、減俸などで落着するわけがなく、次に見るような、厖大な予算を背景に、先に見た600人規模の要員で、何をやり出すのか、不安は高まるばかりである。
日経クロステック(8月31日)によれば、おおよそ次のようなことになる。これらの予算が、官僚と企業の間で、「不適切ではあるが、ただちには法令違反にあたらない」程度に回しに回され、国民の利便に寄与するのはどれほどなのか。8000億の一部でも、コロナの医療対策の拡充に使ってほしい、コロナで職を失った困窮者に回してほしい、壊滅的な被害を受けた災害の被害者を支援してほしい。
内閣官房の8月31日の発表によれば、デジタル庁の概算要求額は5426億3200万円で、このうち98%を中央官庁が使う情報システムの整備・運用費が占める。システム投資をまずデジタル庁に一括計上して、同庁が投資の中身や使い方を検証する仕組みが2022年度から本格始動するという。
2021年度予算では、デジタル庁の前身となる内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室などが3096億2400万円を確保した。2022年度の要求額は前年度比で約1.75倍となる。一般会計のほかに特別会計にもシステム投資が含まれ、政府のシステム投資の総額は年間8000億円程度とされている。デジタル庁に集約された5300億円強は8000億円の約3分の2に相当する。
2022年度は、このほかにデジタル庁の運営に79億5300万円、官民を挙げたデジタル人材の確保・育成に25億1900万円などを要求した。UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)を改善するなど行政システムを国民に使いやすくする経費に4億600万円も要求している。
JIJICOM( 2021年8月31日)9億近い家賃もすごい。
| 固定リンク
コメント