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2023年12月 8日 (金)

鹿児島の五日間~西郷隆盛ばかりではない、近代絵画の名作を訪ねて(4)

仙厳園~島津家別邸

 つぎに向かったのは、薩摩藩主島津家の別邸という「仙厳園」だった。19代島津光久によって1658年、築かれた桜島と錦江湾を望む広い庭園と別邸という。
 美術館からのタクシーで、運転さんに、あれだけのコレクションを持つ長島美術館を建てた長島さんって、どんな人かと尋ねると、もともとはパチンコ屋ですよ、とのことであった。美術館のリーフレットには、長島グループの創業者長島公佑が1989年にオープンしたとは記してあったが、それ以上は知らなかった。調べてみると、1951年設立の長島商事は遊技場経営であり、その後、不動産業、遊園地経営などにも手を広げ、一族経営で財を成したらしい。出身の喜界島町には図書館も寄付しているという。メセナというのだろうか、きれいなお金の使い方には違いないなかった。

 仙厳園では、かなりの人出、外国人の多いことにも驚かされた。開催中の菊花展なども珍しいのかもしれない。私たちは、お目当ての桜華亭というレストランでランチをすませ、季節に似合わない強い日差しの中を、広い園内の散策をそそくさと・・・。

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鹿児島市立美術館

 ここのコレクションも楽しみであったが、ちょうど「ひろしま美術館コレクション 日本近代洋画の名作」という企画展が開催中であった。思いがけず、とても充実した展示に出会え、今回の旅の中での大きな収穫の一つとなった。ひろしま美術館からの80点と鹿児島市立美術館から10点からなる、つぎのような構成だった。

1.洋画の始まり
2.日本的油彩画を求めて
3.異国で描いた画家たち
4.戦後歌壇の復活
5.新しい表現を求めて

  たとえば、第2章では、鹿児島市立美術館の有島生馬の「スザンナ」(1909)を含め、大正、昭和の東郷青児や山口長男に至るまで展示され、第3章には、藤田嗣治の乳白色の「座る女性と猫」(1923)、エビハラ・ブルーの「樵夫と熊」(1929)が市立美術館から出品されていた。

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 鹿児島市立美術館収蔵作品の一部、リーフレットより。左頁、上段左:黒田清輝「アトリエ」(1980)、右:海老原喜之助「樵夫と熊」、モネやピカソ、マチスの作品も。

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  私が、いちばん気になったというか、親しみを覚えたのは、地元の佐倉藩で生まれ育った浅井忠の「農夫帰路」(1987)であった。一日の仕事を終えた満足感と安堵感が伺える一家の表情が穏やかに見える写実的な作品、農村で働く人々を描いた一連の作品のひとつで、「春畝」(1988)、「収穫」(1890)に先立つものであった。

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 左が 「農夫帰路」、右が第5章にあった香月康男「津和野」。 

 館内に、障がい者の方のグループが運営しているカフェ「あすもね家」があり、そこでいただいたアイスクリームが、疲れた身には格別であった。そこで、販売していた、あさひが丘のみかん園でのみかんを一袋求め、帰路についた。

 翌日11月4日の知覧行きはすでに書いた。
・知覧、唐突ながら、知覧へ行ってきました(20203年11月2日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2023/11/post-07fa28.html

 鹿児島を去るという11月5日、そうだ、毎日ホテルの窓から眺めていた観覧車はどうだろう。15分弱で500円とリーズナブルかなと、駅ビル5階の搭乗口に向かった。ビジネスマン風の4人が、4人で1200円とは割安と先に乗り込んだ。たしかに、全方向の眺望は格別で、桜島は相変わらず、うっすらと白い煙をたなびかせていた。

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 この絵は、長島美術館「展」で、気に入って求めたものだ。作者は、ちょうど受付に立っていた山下早紀さんという若い女性だった。鹿児島中央駅の雑踏というか活気がよく描かれていたし、観覧車に乗ってみたくなったのも、この絵のお陰かもしれない。 

 そうそう、11月3日の朝、鹿児島中央駅から繰り出してきた、JRのたすきをかけた一団にであった。仙厳園へ向かうとき、交差点に差し掛かると、運転手さんが「かなりの人が集まってますよ」と車を止めてくれたが、さっそくっ警官が近づいてきた。規制線を越えたか。翌日の新聞によると、27万の人出だったそうだ。

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鹿児島中央駅から出てきた一団。

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11月4日『南日本新聞』より。

 

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