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2024年6月 6日 (木)

赤い羽根と緑の羽根と~募金の向こう側で

 「赤いきつねと緑のたぬき」ならぬ「赤い羽根と緑の羽根」が、いまだに、地域の自治会を悩ませているという。班長が各世帯を回って、対面で定額の募金を徴収する場合も、班長の負担をなくすため、自治会費に上乗せしたり、自治会財政の中から全世帯分を募金として天引きしたりする場合は、本来自由であるべき「募金」や「寄付」を否応なしに徴収されることになり、各地で異議が噴出しているとも報じられている(「強制される善意 緑の募金 自治会費天引き」『毎日新聞』2024年5月16日)。

 前者の事例では、顔見知りのご近所さんとのトラブルは避けたい、断りにくいという悩みを持ち、後者の事例では、有無をいわさず強制的に自動的に募金させられていることは納得できない、募金の分を返還して欲しいなどの不満が鬱積している住民も多いのではないか。

 しかし、自治会の総会や意見を言う場所で、そうした悩みや疑問を表立って発言する人は稀で、たとえ、そうした意見が出たとしても、多くは役員会などでは、慣例重視、隣接自治会との横並びということで、無視される場合が多い。私も自治会活動をする中でいやというほど体験した。

 私は、地域の自治会にかかわっていた20年ほど前に、佐倉市の社会福祉協議会と日本赤十字社の一世帯一律500円を班長さんが集金していた慣例を、役員・班長さんの協力で、募金は自由であることを前提に、募金袋を手渡しで回し、募金をしたい人が自由な金額を入れてもらう方式にして、今は定着している。佐倉市共同募金会支会長名と佐倉市社会福祉協議会長名で「お願い」がくる「赤い羽根」の共同募金も同様だが、「緑の羽根」募金については、幸いにも自治会で実施されたことがない。

 そもそも、こうした募金が行政を通じて地域の自治会や町内会に丸投げするという、いわば「家庭募金」の実施に地方自治体が加担すること自体が、自由意思による募金の精神に反している。

 かつて、市の担当者に、なぜ、そうした募金活動を自治会に担わせるのか、少なくとも、強制するような形での募金はしないように、行政として明確に指示してほしいと、申し入れしたことがある。たしかに、自治会・町内会役員の手引きなるものに、「あくまでも会員の自由意思による」と付記されるようになった。社協や日赤の募金の「協力お願い」文書にも「自由意思」の文字が見受けられる。しかし、一世帯500円を目途に集金したり、自治会からまとめて世帯分を天引きしたりする自治会が多いのが実態である。

「緑の羽根」の募金主体は、公益社団法人「国土緑化推進機構」に設置された「緑と水の森林ファンド」である。「国土緑化推進機構」は農水省の外郭団体で、その役員の出身を調べてみると、みごとに、農水省、とくに林野庁官僚の天下りの受け皿になっていることがわかる。常勤の常務理事・専務理事は、1200万円以上の年俸と多額の退職金が用意されている。今の理事長は、前東大総長の浜田純一とか。植樹祭(1950年~)、育樹祭(1977年~)、開催と各地の緑化運動への助成、「緑の募金」関連活動なのである。

 さらに、2024年6月2日には岡山県での全国植樹祭に天皇夫妻が出むいたニュースは、まだ覚えている人も多いだろう。全国育樹祭は昨年10月11・12日,茨城県でおこなわれ秋篠宮夫妻が出かけていて、そういえばそんなニュースを思い出す。ことしは10月19日福井県で行われる。この二つの行事は、負担が大きいと問題になっている国民体育大会と同様、都道府県の持ち回りなのである。国体も含めて、天皇、皇族が出向くことで共通する。主催団体は、皇族を利用、あるいは宮内庁が皇族の出番を定例化しているのではないか。

 また、林野庁は各種団体と共催で、「みどりの感謝祭」というものを開催、ことしは、八王子市で秋篠宮佳子さんが出向いている。

 「国土緑化推進機構」では、「緑の羽根」募金が始まると、「みどりの大使」とかのミス東京が首相の胸に「緑の羽根」を着けるなどが恒例になっているらしく、こんなことを知ると、なぜか馬鹿らしくなってくる。

 かつては25億ほど寄付が集まっていたが、近年は、19億~20億円と減少している。だからと言って、間違いなく官僚の天下り先になっていて、皇族を利用している「国土緑化推進機構」に安易に寄付するものではないし、まして強制的な手段での募金に対しては声を上げなければならない。

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雑草がぼうぼうだった庭の一画を、連れ合いが突如、土を掘り起こし、1週間ほどかけて腐葉土や培養土を混ぜ、ピーマン、トマト、ナスを植えた。無事育ってくれればと。

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コメント


内野 北海道の匿名さん、詳しいご報告をありがとうございます。町内会の連合会の「手引き」不要の判断によって、作成がとん挫したとのこと、残念です。中央の政治もおかしいですが、地域でも、理不尽なことがまかり通っていて、情けなくなります。私共の自治会も、法人化とコロナ禍をきっかけに、一気に弱体化した感があります。開発業者と離れた商店会による夏祭りのために自治会が組み込まれ、一世帯600円、自治会支出の4~5分の1を占めています。高齢化により参加者は年々減少しているのにと思い、別の使い方を要望しているのですが、役員や班長会の議題にもなってないようで、ナシのつぶてです。他の件も含めて、要望し続けようと思っています。

投稿: 内野 | 2024年7月17日 (水) 18時19分

内野:北海道の匿名さん、ご丁寧なコメントをありがとうございます。とくに自治会の神社への寄付について、長い間苦労されている様子がよくわかりました。行政は、各自治会・町内会の総意で、総会で決めたことだから、「どうぞご自由に」「立ち入ることはしない」と、いまだに逃げています。本来自由意思であるべき寄付を自治会・町内会が強制に近い形で集金していることを放置しているという「不作為」が違法なのに、思うことしきりです。
私も、地元の自治会や行政との顛末を、ブログ上などに繰り返し、書いているのですが、ご参考までに、以下がその一部です。
・2014年3月17日の「私の視点-自治会と寄付金」(朝日新聞)
・自治会と寄付金」問題がなかなか改善されないのはなぜか~自治会が共同募金や社協会費を集める根拠がないのに?2015-12-1
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/12/post-3df2.html
・今、「自治会と寄付金」はどうなっているのか~日赤、社協、消防団、地域の祭り・・・、佐倉市は?!2022-06-19
・自治会と寄付・募金について、やはりおかしくないですか(3)日赤と皇室の関係も改めて考えたい(続)2019-05-25
・自治会と寄付・募金について、やはりおかしくないですか(2)日赤と皇室との関係も改めて考えたい2019-05-23
・自治会と寄付・募金について、やはりおかしくないですか(1)社協会費の徴収、「自由」定着への歩み2019-05-23

投稿: 内野 | 2024年6月11日 (火) 17時49分

はじめまして。天皇制批判のまっとうなご意見を度々参考にさせていただいております。今投稿の、自治会(町内会)に各種外部団体から負担金が課せられ会員個々人に事実上寄付行為が強要されている問題ついても、大変興味深く読ませていただきました。

私もここ10数年来、居住地である北海道道東地方で、自分が所属する町内会が慣例的に地元神社へ「神社維持費」などの名目で寄付をし続けていることについて、当該町内会に対しては反対意見や代替法法案の提案を、また、各町内会へ自治活動報奨金などの公金を支払っている地元町行政に対しては政教分離原則違反の可能性の指摘ならびに信教の自由侵害について地域住民に情報提供と啓蒙取り組みをするよう要請をし続けています。

しかし、町内会においては「反対する理屈はわかるが、長く続く慣例だから変えるのは難しい」、町行政においては「町が実施している報奨金支払いの目的の中には“神社への寄付”は含まれていないので、町は政教分離原則に違反するようなことはしていない。一方、町内会がやることは会が総会など会員同士の話し合いで決めるべきことであるから、町は口出ししない」というスタンスを崩さず、長い間こう着状態が続きました。

ただ、コツコツと働きかけを進めてきた甲斐があったのか、今年に入り町の姿勢が若干軟化し、内野さんの今投稿中でも紹介されているような「町内会運営の手引き」を作成する検討をようやく始めました。

他方、所属町内会の方は、相変わらず「慣例を変えることはむずかしい」の一点張りです。どんなに代替案(たとえば班長が各戸から町内会費を集金する時に、別会計かつ完全任意制の「神社寄付集金袋」を持参して集金すればいい、など譲歩提案)を提示しても「これまで代々続いてきたやり方を自分たちの代で変えてよいとは思わない。他の町内会や町の考え方や動きを見て、今後どうするか考える」と、自ら事態を変化させることを徹底して拒みます。

赤/緑の羽根募金、社会福祉協議会、消防団などから要求される負担金の問題と合わせ、特にこの神社関連の問題については、ほんとうに一筋縄ではいかぬ根深い慣例踏襲体質、自発思考忌避体質、同調強要体質がニッポン地域社会の基盤にべったり張り付いてしまっていることを実感させられます。

正直、町内会や行政とのやり取りでは辟易とさせられることばかりなのですが、しかし、この「町のヤスクニ」とも称される悪弊依存状態をこつこつ切り崩していかないことには、真の「民主」も市民自立も反戦平和も確立できるはずがないーーとの思いで、今後も丁寧に取り組んでゆこうと思っています。

長々と失礼いたしました。今後もブログを楽しみに拝読させていただきます。

投稿: 匿名 | 2024年6月 7日 (金) 16時27分

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