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2026年2月 7日 (土)

選挙戦は始まったが~嘆いて、嘆いて、嘆いて・・・(5)スパイ防止法はどうなる。

 2025年10月20日のことになるが、自民党と維新の会との合意文書全文を一読することをお勧めしたい。あらためて読んでみると、実に、おそろしく、こわいことが書いてある。

自由民主党と日本維新の会の合意文書
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/information/211626.pdf

 あす、2月8日の選挙では、自民党単独で過半数、維新を合わせるとその議席は「3分の2をうかがう勢い」だという調査もある(『毎日新聞』2026年2月6日)。となると、合意文書の大方が、その気さえ出せば、国会の議論を短縮して、各種の法律が成立してしまう可能性が高い。以下は、8頁ある文書の「インテリジェンス政策」と「エネルギー政策」の部分である。

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 エネルギー政策では「原発推進」をうたうが、廃炉、使用済み核燃料の処理については何も語ることはない欺瞞性が露わである。
 インテリジェンス政策においては、「内閣情報調査室」を「国家情報局」に格上げし、国による「インテリジェンス(情報収集・分析などの情報活動)」を拡充する構えである。

 昨年11月には、参政党と国民民主党が「スパイ防止法案」を議会に提出している。いずれも具体性に乏しいだけに、どんな内容になるのか、国会での議論が尽くされるのか、不安が募る。昨年に提出された国民民主党と参政党の「スパイ防止法案」と今回発表された中道の政策は以下を見て欲しい。

国民民主党(2025年11月26日)
https://new-kokumin.jp/wp-content/uploads/2025/11/4969eb4a0762a37935114707329c942b.pdf

参政党「スパイ防止法案を提出(特定秘密保護法改正案も含む)」(2025年11月25日)
https://sanseito.jp/news/n6108/

中道改革連合「2026衆院選主要政策」
https://craj.jp/election2026/policies/

 これらを要領よくまとめた記事や図表などを探したが、見当たらなかった。自分で作成すべきだが今はとりあえず、東京新聞の以下の図表をお借りする。これは昨年の11月段階のものなので「中道改革連合」の政策が見当たらないが、中道改革連合「2026衆院選主要政策」の中の「インテリジェンス政策」には「横断的なインテリジェンス体制を強化します。」の一行しかない。人権・プライバシー侵害のリスクがある「スパイ防止法」制定を目指す勢力にどう向き合うのか、不安にもなる。

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「急浮上した<スパイ防止法>制定 自民・維新は早期成立出合意 野党には賛否<監視社会>に拍車がかかる」(『東京新聞』2025年10月28日)より。

 ところで、必要があって、神奈川大学非文字資料研究センターの『国策紙芝居から見る日本の戦争』(「戦時下日本の大衆メディア」研究班編著 勉誠出版 2018年2月)を繰っていたら、つぎのような紙芝居「スパイ御用心」を見つけた。解説によれば、1941年12月20日公開、日本教育紙芝居協会によって東京市内の国民学校で巡回実演された作品という。日本が真珠湾攻撃をした12月8日直後の作品である。前年の40年11月10日には紀元2600年記念式典が国を挙げて行われ、12月6日には内閣情報部が「内閣情報局」に格上げされていた。この紙芝居には、以下のような背景があった。1941年に入ると3月7日には「国防保安法」が成立、太平洋戦争開戦の直前の10月15日はゾルゲ事件で尾崎秀実が逮捕され、10月18日には東条英機内閣が成立しているのである。

 紙芝居では、頁の左下の絵のように「宣伝に乗るな、謀略にかかるな、情報は漏らすな」と「少国民」に訴えているわけだ。現代の情報環境は大きく変化し、ネット社会での個人レベルの情報は、ほぼ全国民、全開にひとしいと思われるが、スパイ防止法では、さらに監視の対象となりかねない危惧がある。また、与党のみならず、一部野党からも声高に叫ばれている「外国人対策」とも相通ずるところがある。この紙芝居をわらって通り過ぎることができなくなったのである。

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2026年2月 5日 (木)

「歌壇時評」を書きました。

『ポトナム』2月号に歌壇時評を書きました。「歌壇」はますます遠くなり、今回も、嘆き節となってしまったようです。

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節分には、一日早めでしたが、我が家の太巻きです。崩れそうな切れ端から先に食すのは、例年の私の習いです。

 

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選挙戦は始まったが~嘆いて、嘆いて、嘆いて・・・(4)選挙公報が届いたが、選ぶ基準はどこに?

 なぜ、いま、選挙だったのか

  記録的な大雪に見舞われている人たちを思うと胸が痛い。屋根の雪で崩れる家、背丈ほどの雪にすっぽり埋まってしまった街、交通手段が断たれ方々の食料や電気・ガス・水道が不安である。これ以上、雪による犠牲者を出さないために、私たちのような高齢者を取り残さないためには、地域の力だけだはどうしようもない状況なのだから、せめて、「自衛隊」の大量動員がなされるべきだと思う。能登の地震や水害のときもそうだったが、災害救助には、政府の早い決断と実行が問われるのではないか。
 ところがどうだろう。真冬の、積雪地帯への配慮もなく、短期による行政への負担を承知の上で、解散・選挙につき進んだ高市首相の思惑は、まさに“自分勝手解散”にあったとする見方は、否定しがたいのではないか。維新の「衆院定員削減」の早期実現を受け入れた形で、首相指名の票を取り込んだが、いまや「定員削減」なんてどこへやら。維新の方も、さまざまなスキャンダルが重なり、単独では党の存在が危ういとの判断での連立入りは、渡りに船だったかも。

 「日本列島を、強く豊かに。」とは、ミサイル基地と原発をふやすこと?!

 2月3日に投票所入場券が届き、4日には選挙公報が届いた。きょう5日は、施設での期日前投票の日である。各党の公約は、自民、中道については新聞全面広告で見ていたものの、「公報」において、自民党に「日本列島を、強く豊かに。」と高市首相に笑顔でよびかけられても、むなしさが先に立つ。「強く豊かに」とは、真逆のことをさらに強化しようとしているように思うからだ。その一つが、日本列島のいわば過疎地に原発を設置、原子炉は60基近くにも及び、30年はかかるという廃炉・廃炉措置中の原子炉を26基も抱えているのである(当ブログ、前二つの記事参照)。安定的な電力確保を口実に再稼働や新設を進めようとしている。

また、さらに、日本列島の北は北海道旭川市の近文台分屯地から沖縄本島まで、長射程ミサイル及び弾薬庫配備が決定している自衛隊基地は、以下の地図の通りである。
  この地図には出ていないが、自衛隊基地が2019年3月に開設された宮古島保良地区には弾薬庫が、2023年3月に開設した石垣島にはミサイルが導入され、2016年3月に開設した与那国島でもミサイル導入の計画が進んでいる。

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「長射程ミサイル 弾薬庫 全国62棟予算化」(赤端電子版2025年10月15日)より

   原発にしても、ミサイルにしても、地元に大きな負担を課した上、攻撃対象を列島各所に増設しているようなものである。そうした島民の不安や怒りをさらに高めるのは、攻撃を受けたときの不可能にも近い「避難計画」である。これでは、島民や牧場の牛たちに死ね、と言っているようなものだと怒る島民もいる。先の当ブログで紹介した、映画『戦雲』を見るまでもなく、日本の国土も国民も守れないではないか。

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 「公報」と街頭演説との落差

「選挙公報」にある「自民党5つの約束」はなんら具体的な政策は提示されないまま、「高市早苗の挑戦に、あなたの力を託してください」はないだろう。国民が選挙で託すというならば、議員であり、議会のはずである。さらに「選挙公報」を見ると、具体的な政策に乏しく、「あとはお任せください」という白紙委任の恐ろしさを感じる。

   他党に追随して、にわかに浮上させた「二年間食料品限定消費税減税」策などはどこにも表記されていない。高市首相の秋葉原の第一声の街頭演説でも触れることはなかった。だがその一方で、「スパイ防止法」の制定と刑法改正による「国旗損壊罪」創設を強調する。街頭演説の主な聞き手は自民党支持者であり、厚い警備に囲まれての演説である。

「公報」は、「言語明確、意味不明」に近い曖昧を旨とし、演説はなるべく過激に盛り上げようという意図があらわにも思える。
  高市自民党総裁がNHKの党首による日曜討論を指の治療で欠席した件については、いろいろ取り沙汰されているが、指の治療が必要であったとしても数時間後には地方への応援演説をしている事実から察するに、党首討論に欠席する理由にはなりにくい。週刊誌などによる高市首相の不都合な報道についての質疑が予想されるので、逃げたかったのではないかという推測を無下に否定できないだろう。 
 旧統一教会と高市氏との「不適切な」関係が、次々に明るみになる中で、旧統一教会の内部文書を「怪文書」と一蹴しただけで、説明がない。 

新党「中道改革連合」という失策

 公明党が自民党との連立から離れたのは、むしろ遅かった感もあるが、この党も党員の高齢化が進み、党存続の危機感から、斉藤代表は着地点を模索していたのだろう。一方、立憲民主党も、比較第一野党の存在感が示せず、このままだと議席を減らすかもしれないとの不安があった。トップ同士の協議で新党結成に進んでいったのだろうと思う。そして、こともあろうに、多くの政策が公明党にすり寄った上、小選挙区から公明が降り、比例の上位を譲るという決着をみた。多くの議員は、協議や説明もなく寝耳に水だったらしい。公明党は「いいところ取り」と言ってもいいかもしれない。

 立憲は、2024年10月の衆院選挙では、148議席をとっていた。立憲の支持者というわけではないが、野党第一党である矜持はなかったのか、情けないことになったの思いが強い。
 国民と参政は、自民との連立を伺うような政策も多いし、れいわ・共産・社民も私にとっては、一長一短があり、他の新しい少数政党には、疑問も多い。ということで、いったいだれを、何党を選ぶのか、白紙かの迷いは続く。

 <参考>

防衛省(2025年8月29日)
国産スタンド・オフ・ミサイルの早期整備等について
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2025/08/29c.html

赤旗電子版(2025年10月15日)
長射程ミサイル 弾薬庫 全国62棟予算化  完成ゼロ 進ちょく不透明
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik25/2025-10-15/2025101501_04_0.html

関 耕平「「南西シフト」による軍事基地配備と与那国島のいま」『住民と自治』 2024年11月
https://www.jichiken.jp/article/0384/

 

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2026年2月 2日 (月)

選挙戦は始まったが~嘆いて、嘆いて、嘆いて・・・(3)原発は必要だったのか、原発再稼働への不安~各党のエネルギー政策比較

 2月8日の衆議院選挙の公約、エネルギー政策、とくに原発をどうするかの公約をあらためて調べてみた。原発への否定的な政党は少数であることはわかっていたが、その中でも微妙な違いがあり、主要政党が、福島の原発事故を忘れたかのように、堂々と原発回帰を主張するようになった。新聞等で、各党の公約の比較などが見受けられるが、少数政党の公約が切り捨てられてしまうこともあった。 そんな中で1980年から、地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGO 「FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)」が、つぎのような詳しい分析を行っている。

<#衆院選2026>各党マニフェストを比較!【原発・エネルギー編】~各党の特色は? 昨年との違いは?(2026.1.30 満田夏花)
https://foejapan.org/issue/staffblog/2026/01/30/staffblog-27809/

 中に、以下のようなわかりやすい表があったので、お借りしたい。急ごしらえの公約もあって、不明な点が多いのがわかる。立憲民主党が公明党と新党「中道改革連合」を結成するにあたって、これまでの「原発ゼロ」から「将来的に原発に依存しない社会を目指しつつ、安全性と実効性のある避難計画の確認と地元の合意を条件に原発再稼働を容認」することにしたのである。旧立憲議員は、どう釈明するのだろう。

Foe

 また、地球温暖化防止のために活動する全国の市民・環境NGO/NPO法人「気候ネットワーク」は、さらに丁寧な比較をしていた。中の「再生可能エネルギー」「原子力」についての各党比較表を紹介したい。これらを参考に、どうあるべきなのか。国を守る、国民の命を守るというのであれば、軍事予算を廃炉に向けて、再生可能エネルギーの拡充に充てるべきではないのか。

第51回衆議院議員選挙ー各党選挙公約の気候変動エネルギー政策に関する分析ー(2026年1月29日)
 https://kikonet.org/content/39140

・再生可能エネルギー
2035
年の電力部門の脱炭素化と再生可能エネルギー100%を目指すこと
  ・日本共産党は、2035年度の再エネ電力比率を8割とし、40年度までに100%とした。
    ・れいわ新選組は、2030年までにエネルギー供給の70%、2050年までに100%を目指すとした。

  • 中道改革連合は、再生可能エネルギーの最大限活用を掲げたが具体的な数値は示さなかった。
  • 国民民主党は、2030年代には電源構成比で再エネ比率が40%以上と、現行とほぼ同じ目標を示した。
  • 自由民主党は昨年の参院選では再エネの最大限導入を掲げていたが、今回はその記述が無くなった。
  • 日本維新の会は、再エネ導入拡大を掲げたが、具体的な数値目標は示さなかった。
  • 参政党日本保守党チームみらいは再エネの最大限導入も掲げず、具体的な数値目標も示していない。

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・原子力
脱原発を掲げ、小型原子炉など含めた原発新増設を認めないこと

7次エネルギー基本計画やGX2040ビジョンでは、「原子力依存の低減」の文言は削除され、原子力を「最大限活用」する方針が示された。しかし、原子力を推進することは結果的に原発のトラブル時などで火力に頼らざるをえない状況をつくる。原発の新増設にあたっては、時間がかかりすぎ、求められる気候変動対策にはならない。同時に、多額の資金が必要なことから経済的にも国民負担を増加させる。

  • 脱原発を掲げたのは、日本共産党(すみやかに原発ゼロ)、れいわ新選組(即時廃止)、社会民主党(再生可能エネルギーの普及で脱原発をすすめる)だった。
  • 中道改革連合は、将来的に原発に依存しない社会を目指すとしたが、原発再稼働は条件付きで認めた。
  • 自由民主党日本維新の会国民民主党参政党チームみらいは、原発の再稼働を条件付きで認めるだけでなく、次世代型原子炉の開発も推進するとした。

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