2018年3月 9日 (金)

自浄能力を失った歌壇か~「腰が引ける」とは

最近の歌壇の事情には疎いが、歌人たちの書く文章を読んでいて、なんとも言い難い焦燥感に駆られてしまうことが多い。あまりにも周囲をおもんぱかった、近頃の言葉でいえば「忖度」に充ち溢れた言葉の応酬を目の当たりするからかもしれない。

 

そういえば、拙い時評や拙著について、いただく私信のなかで、自分などは「腰が引けて」しまうところを踏ん張っていますね、といった感想を寄せてくださる方が幾人かいらした。また、めったに参加することのない短歌関係の会だが、そんなとき、久しぶりに会った方や初対面の方から、脅迫されるようなことはないんですか、とささやかれることもあった。私は、思わず笑い飛ばしてしまうのだが、皆さん、何を恐れているのだろう。 

以下は、『ポトナム』に寄せた時評だが、同じテーマで、3月27日発売

(筑摩書房)の『早稲田文学』春号<金井美恵子>特集にやや長いものを執筆したので、くわしくはぜひそちらも合わせてお読みいただければありがたい。 

なお、きのうの報道で、金井美恵子が『カストロの尻』で2017年度芸術選奨大臣賞受賞を知った。私はいささか動揺したが、受賞にめげずに?従来通りの活動を続けて欲しい。

     ◇

 もう数年前のことになり、歌壇では、忘れかけている人も多いかもしれない。作家の金井美恵子の「たとへば(君)、あるいは、告白、だから、というか、なので、『風流夢譚』で短歌を解毒する」(『KAWADE道の手帖 深沢七郎』二〇一二年五月)という長い題を持ったエッセイが、痛烈な短歌批判をしているとして、歌壇を騒がしていた。エッセイのタイトルは、歌壇にいささかの関心のある人ならば、「たとへば(君)」が、河野裕子・永田和宏歌人夫妻が、妻の没後刊行された永田の『たとへば君 四十年の恋歌』(文芸春秋 二〇一一年七月)と河野の一首「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか」に由来し、「告白」は、岡井隆の自伝『わが告白 コンフェシオン』(新潮社 二〇一二年一二月)を念頭に置いていることがわかる。 

「『風流夢譚』は短歌について書かれた小説である。では、短歌とは・・・」で始まる、金井のエッセイは天皇賛美を繰り返し、歌会始選者から御用掛となった岡井とともに、夫妻で歌会始選者を務め、在任中に病死した河野への挽歌が新聞歌壇に溢れた現象を斬ったのである。彼らを「超大衆的な定型詩歌系巨大言語空間」、「短歌という巨大な共同体的言語空間」をなす歌壇のなかに位置づけ、短歌批判を展開している。歌人による反響がかなり見られたのだが、その大方は、真っ向からの反論というわけではなかった。

 

私としては、かねてより、現代短歌が天皇や皇室から自立しないかぎり、文芸の一ジャンルとしては成り立たないと考えているので、金井からの問題提起は、刺激的でもあり、説得力があると思えた。

 

松村正直は、「短歌を作るものは、短歌の世界だけにとどまってはいけない。短歌の魅力や仕組みを多くの人に広めていく必要がある」(「短歌への嫌悪感」『短歌』二〇一二年九月)として、「金井の論考は、何よりもそのことに気づかせてくれた」という。島田修三は、「昨今の現代歌壇に対する洞察としては、かなり正確に中心を射ぬいている」としながら、「金井には短歌を同時代に文学として理解しようとする意思はほとんどなく、とりつく島のない高飛車な狭量に腹立たしさを覚えたりもしたのだった」と書く(「もの哀しさについて」 角川『短歌年鑑』平成25年版 二〇一二年一二月)。沢口芙美は「いつの間にか歌壇内だけの視野狭窄に私たちは陥っているのではないか」として、金井の論考に触発されて「うた全体に亘るきびしい自己批評の目をもたなければならないのではないか」と述べた(「今年の提言―きびしい自己批判の目を」『歌壇』二〇一三年一月)。 

そんな中で、激しい口調で反論したのは、大辻隆弘だった。「金井の文章に底流するのは、文壇のなかに今も根強く残る短歌への蔑視である。それは、現代短歌を<和歌>とみなし、それを天皇制と直結させる偏狭で硬直した戦後左翼的な短歌観に他ならない」とするものだった(「短歌月評:短歌否定論」『毎日新聞』二〇一二年一一月)。現代短歌と天皇制とを直結させる「偏狭で硬直した戦後左翼的な短歌観」など、いまどこを探しても見出せないほど、歌人たちは、ものわかりがよくなって、ウィングを広げに広げてエールを送り合っている。 

金井の他のエッセイや小説を少しでも読めば、発想の自由さと表現の自在さに圧倒されることはあっても、「偏狭」「硬直」などとの批判は、むしろ的外れの感がある。

  真っ向から反論しなかった論者たちも、金井の指摘する具体的な歌壇の現象についてのコメントは避けて、配慮に満ちた、未来志向の模範解答に逃げ込んではいなかったか。(『ポトナム』2018年3月)

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「自浄作用が働かない歌壇―金井美恵子の短歌批判に歌人はどう応えたか」(付関係文献目録)を書いています。

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2018年3月 5日 (月)

3月3日、モリ・カケ追及!緊急デモに参加しました

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  お雛さまを飾らくなって何年になるだろう。なんとか内裏様だけはと飾っていた時期もあったが・・・。今年の
33日の東京は、二日前からの風雨や風もおさまり、あたたかい、穏やかな一日となった。

このブログでも予告の「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」による「モリ・カケ追及!緊急デモ」第2弾の日、事務局スタッフの手伝いでもあるので早めに、家を出た。集合場所は、日比谷公園の西幸門のかもめの広場で、スタッフの方々と会場に届いたばかりのチラシの配布準備や、プラカードづくり。自慢ではないが、私の手際の悪さは・・・。参加者が集まり始めると、プラカードを持っての案内係となった。野音でのイベントはないらしいが、週末の散策を楽しむ人らも増えてくる。地下鉄の虎ノ門や霞が関の出口からの参加者に、財務省前へ進むように案内、この間、知り合いの何人かにお目にかかることができた。地元の9条の会のメンバーや他の活動でご一緒した方々、かつての職場の友人、どなたもお仲間と連れ立っての参加は心強く、熱いものがこみ上げる。連れ合いのかつての職場の方々も、旗を持って参加されていたので、思わず声を掛けていた。

216日、確定申告開始日の第1弾のアピール活動では、野党六党そろっての国会議員の各スピーチも力強いものだったが、今回は、双葉町から避難して東京の仮設で生活されている方、障害のあるお子さんを抱えた母子家庭の方は、自らの苦しい体験から誰もが責任を取ろうとしない行政や税金の使い方の不合理を訴えた。文京区で子ども食堂を運営されている方は具体的な窮状と行政の在り方を、年金者組合で活動をされている方、生活保護世帯の支援活動をされている方は、苦しい生活を強いられている多くの人々の実態を、訴えるスピーチが続いた。なのに、なのに、ウソをつらぬき通した佐川元局長がこともあろうに国税庁長官、任命権者の麻生財務大臣、佐川人事を適材適所と言ってのける安倍首相のだれもが、保身一途に責任を取ろうとしない。なかったはずの文書や音声がボロボロと出てくるのだから、彼らを許すわけにはいかない。

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経産省側の車上からのアピール、車窓に映ってる参加者。「街宣車」を持っていない市民団体は、レンタル料金を払って使用していますョ、麻生さん!

主催者側からは、前日の国会でも論議された、朝日新聞のスクープで森友問題関係文書が改ざんされていた事実があきらかになり、もはや組織ぐるみの犯罪行為であること、佐川国税局長官が、いまだに、就任記者会見もしないまま逃げ隠れするような生活をしていることに触れて、佐川長官、麻生大臣、安倍首相の責任追及と辞任に追い込むのも国民一人一人の行動が問われることを強調していた。その一つの形が、今日の財務省・国税庁包囲行動であり、銀座を経て、鍛冶橋解散のデモ行進、頑張りましょうと、デモ出発点の日比谷公園に集結した。

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経済産業省側に集まる参加者たち、通行の人に道を開けて。若いお母さんの参加者も目立つ。

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経産省側から財務省を望む。

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日比谷公園西幸門、デモ隊第一梯団出発も近い、2時30分。

17キロのデモコースは、4梯団で進んだが、包囲行動参加者、デモの参加者、スタッフ、いずれかの参加者をもふくめて、主催者発表1500人とのことであった。主催者スタッフには、もっと多かった、もっといたはずだなど、参加者からのブーイングの声が届いていたという。さらに、私は、一応、腕章を巻いていたためか、佐川罷免の署名はどこでやっているのかと尋ねられた。署名は、昨年、8月と10月の第二次署名まで実施し、2万筆を超えたものをすでに届けている旨を伝えると、こういう人の集まるところでやらなきゃだめじゃないか、とお叱りを受ける場面もあった。もちろん、当時は種々の集会に出かけて行ってお願いしたこともあるし、支援者の多くが、身近な集会で署名集めをしてくださった結果でもあったのだ。署名は時間をかければかけるほど集まるというものでもない。タイミングと署名する者の意識と提出先へのインパクトが重要なカギとなる。署名を呼びかける者は、用紙署名のほか、インターネット署名の場合は、その利点を生かしつつ、プライバシーにも十全の配慮しなければならない。その広報と集約、署名の不備や二重署名のチェック、提出先・要請先へきちんと手渡す交渉、その逐次報告など、事務局の負担は大変なものになるからである。

今回のデモ終了後の事務局には、夕方6時のラジオで聞いた、NHKテレビで見た、次のデモは何時やるのか、などの電話が入ったそうだ。また、経理担当のスタッフからの報告によれば、前回に勝るカンパが集まったそうで、「市民の会」の責任はさらに重くなったのではないかと思った。

当日のテレビニュース、翌朝の購読新聞4紙の報道記事は好意的ではあるが、書きぶりは様々であった。知人からの情報やネット上の検索によれば、いまのところ以下の通りであった。

(テレビ・動画ほか)

2018.3.3NHK18時の全国ニュース

<「佐川長官喚問を」「徹底捜査を」森友学園 文書問題で抗議デモ>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180303/k10011350611000.html

(上記とほぼ同じ内容、3.3NHK18時ラジオニュース、3.4NHK4時ラジオニュース)

20183.3テレビ朝日スーパーJチャンネル(ANNニュース)

<デモ隊「佐川氏を罷免しろ」怒りの訴え> https://news.google.com/news/video/BSXLhU4Mdyk/dlwbJf-9bs7MCkM_qKT3ntBJ_YxyM?hl=ja&gl=JP&ned=jp

◆東京新聞チャンネル(34分)

<森友問題「納税者一機」デモ、第2弾>

https://www.youtube.com/watch?v=dTlKE8nlIOQ&feature=youtu.be

3.3 国税庁包囲行動&デモ フルバージョン(1時間3908秒)

https://www.youtube.com/watch?v=7RgSiuseAHQ&feature=youtu.be 

(新聞ほか)

◆2018.3.2 litera(リテラ)

<公文書偽造の財務省に再び怒りのデモ! 麻生財務相の『デモ隊は普通じゃない』発言にも主催者が真っ向反論>

http://lite-ra.com/2018/03/post-3838.html
 

201833日朝日新聞デジタル

<土地の賃貸と売却契約の決裁文書、書き換えか 森友問題>

https://www.asahi.com/articles/ASL325G3ZL32UTIL049.html?iref=pc_extlink

2018/3/3 17:21 KYODO 

<森友問題、千人が抗議活動 国税庁前で長官罷免求める>

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018030301001716.html

 東京新聞、静岡、山形、信毎、岐阜、京都新聞、河北新報ほかに配信

201833 1804分毎日新聞

<森友問題 1000人が抗議活動 国税庁前で長官罷免を>

https://mainichi.jp/articles/20180304/k00/00m/040/026000c

201833 1838 産経新聞(web

<国税庁前に約700人 「安倍、佐川はやめろ」と気勢 麻生太郎財務相指摘の「街宣車」も2台登場し、デモ隊を先導>0人「安倍やめろ」

http://news.livedoor.com/article/detail/14381966/

201834 948 しんぶん赤旗  

<もり・かけ”封じ 許すな/市民1500人が集会・デモ 財務省前など>

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-04/2018030401_04_1.html

その他、さまざまなニュースのサイトで、上記のニュースを拡散しているのにも接することができた。ただ、無責任で、事実にもとづかない書き込みも氾濫しているのは、残念でもあった。

 

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2018年2月 8日 (木)

最高裁は「受信料が義務」とは言ってはいない~あやまった広報とNHKニュースの偏向ぶりが見ていられない

 昨年の126日、最高裁は、テレビを持った時点でNHKとの受信契約を義務付けている放送法が合憲との判決を出した。しかし、それが即、受信料の支払い義務を生じる、ということにはならない点に、注意しなければならない。判決は、NHKが国民の知る権利応える放送をしていることが前提になっているのである。受信料制度は「国民の知る権利を実質的に充足する、合理的な仕組み」であるかどうかが問われたことになる。

衆参の本会議中継や予算委員会の中継を見た後で、7時のニュースを見ると、実に見事に安倍首相へのエールのストーリーが出来上がっているのである。都合の悪いテーマの質疑は最初からすべてスルー、どうしても伝えなければならないと思う質疑では、首相や閣僚の、どうでもいいような読み上げ答弁のみを“しっかりと”と取り上げて、“自由自在に”編集する。野党議員の質問部分はカットして、何を質問しているかがわからいときもあるし、アナウンサーのナレーションで質問の要旨のみが読み上げられる形をとるのが常套手段だ。

  さらに安倍首相の議会内外の行動に密着している記者もいて、要所、要所では必ず登場し、これまた、“ていねい”に解説がほどこされる。いま政府は、世論操作に必死で、NHKに限らず、メディア戦略に力を入れ、安倍首相は、しきりにメディアの幹部やタレントやアスリート、学者などを取り込むために「会食」などを続けている。

第一に、政治のニュースそのものが、努めて短縮されるのだ。国会中継も視聴者の関心の度合いなどと言いながら恣意的である。このところの雪の気象情報などは、末尾の「気象情報」以外にも別枠を取る。北朝鮮のミサイル情報ほか、日本の危機を煽るような動向も丁寧な報道がなされる。相撲協会のスキャンダル、オリンピック、スター選手の動向などに長い時間を割く。火山噴火災害など大きな災害事故はもちろんだが、地方の災害・事件・事故もこと細かく報道して、30分の大半を占めることもある。加えて、緊急とは言えない、先端医療、IT・ロボット、宇宙、自然の生態などのテーマを好んでニュース項目として取り上げ、それが自局の特集番組の番宣の役割を果たすこともある。

そして、受信料を取って流す番組かと思うような番組もある。タレントやお笑い芸人を使った旅番組、まるでファッションを誇示するような女優を登場させる語学番組、民放で人気を得たタレントを起用する医学や科学番組だったりすると、もうそれだけで、見る気もしなくなる。もし、そんなことで、視聴率が取れると思っているのだったら、大きな間違いである。TV視聴者の大半は、いまや高齢者で、私の周辺にも、芸人が並んで、ガハハと笑いころげたり、安倍首相の顔がクローズアップされたりすると、見たくもないと、テレビを切る、という人が多い。また同時に、「いい番組もあるんだよね」という人もいるのだが、それだからと言って、帳消しにはならないのである。いわゆる、歴史の検証番組やドキュメンタリーで、丹念な“独自取材”を強調するものだとわかっても、現代の課題に直接切り込むスタンスが見られない。NHK幹部の高給取りの実態や番組の捏造、職員や記者、アナウンサーらの不祥事が後を絶たず、自局職員の過労死についての報道が遅れたことなどを知ると、まずもって受信料は払いたくないという思いに駆られるのである。

ふれあいセンターなどに集まる視聴者の声を自らは「録音を取ります」などとけん制しながら、その声を、どう反映させているのか、反映するつもりがないのか、知らせようとしないのが、≪皆さまのNHK≫の視聴者対応なのである。しかし、新聞の投書欄には、NHKの受信料についての意見と提案が多く寄せられている。たまたま、1月~2月にかけて東京新聞「発言」欄には、いくつかの投書が続いた。

123日「NHK映らぬ テレビ開発を」(男性無職 67歳)「勝手に送り付けられた商品に対して、受け取りを拒否する権利が私たちにはあるはずです。NHKが写らないテレビがあればいいと思います。特定の周波は受信できないテレビを作ることは可能なはず」

23日「督促より番組の充実を」(主婦 42歳):「放送内容の捏造や度重なる不祥事、私事的中立を欠く番組構成など、公共放送とは程遠いNHKの在り方に疑問」を抱き受信料支払い手続きをしていない。「NHKはストーカーまがいの執拗な督促をを続けるのではなく、視聴者に進んで契約をしたいと思わせる番組作りにまい進するか、(受信量未払いだと見られない)スクランブル(暗号)放送への切り替えを進めてほしい」

23日「NHK受信は選択希望制に」(パート女性 69歳):「ニュースやドラマは他局で十分、若者にこびているとしか思えない番組や出演者が楽しんでいるとしか思えないバラエティー番組が目につきます」「今の技術があれば、スクランブル(暗号)放送が可能なはずです。機器(テレビやスマホ)を購入したからと言って有料にするのではなく、NHKの受信は選択希望にすべきだと思います」

私も「公共放送の中立公正」、「公共性」を標榜するならば、他の水道・電気・ガス料金などと同様に、「見た分だけの料金を支払う」という受信料制度を取り入れるべきだと思っている。NHKは、これらの意見にどう応えるのか。

最高裁判決で「NHKの受信料が義務」となった、などという誤報に、惑わされてはならない。


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毎週火曜日のNHKの短歌番組の第4週目の「短歌de胸キュン」。若者をターゲットにした番組で、お笑い芸人とタレントをゲストに競詠させる番組で、出演者同士は実に楽しそうではある。上記写真の左下が選者の佐伯裕子、今年の4月からは栗木京子だそうだ。栗木は再度の登場か。一年に数回見る程度だが、歌人のお二人の奮闘がどこか痛々しいような・・・。2012年4月から始まっているが、同じころ始まったTBS系でのプレバト「俳句コーナー」の方が、娯楽に徹した感がある。この違いって何だろう。
他の3週は3人の選者が登場、それぞれゲストを迎えるが、どうも、そのゲストが選者の交友や好みが反映されているようなのだ。

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2018年1月29日 (月)

ピアノコンサートのプログラムから「平和憲法」の文言が削除

あってはならない、杉並区の男女共同参画事業でのこと

 

126日の院内集会でお会いした小林緑さんから信じがたい「事件」を知らされた。小林さんは国立音大名誉教授で「小林緑&知られざる女性作曲家カンパニー」を中心に、クラシック音楽史上、埋もれた女性作曲家たちの作品を発掘、聴いて、広めようという活動に長い間、取り組んでこられた方だ。NHKの経営委員を一時期つとめられ、NHK問題についても深い関心を寄せられている関係で、お話を聞いたり、「カンパニー」のコンサートにも伺ったりしていた。毎回さまざまな工夫を凝らしたコンサートは、私などの素人にも、わかりやすく、いつも楽しませていただいている。 

昨秋、東京ウィメンズプラザフォーラムの「音を紡ぐ女たち」の講演会では、11月に開催の杉並区男女共同参画都市宣言20周年記念「トークとピアノコンサート」の案内も配られていた。私は出かけることはできなかったが、そのコンサートのプログラムをめぐってとんでもない問題が起きていたのだ。 

『週刊金曜日』では、すでに「杉並区<憲法>文言の削除要請 平和憲法を女性たちの音楽から見直すのは政治的?」として報じられていた(2018112日号)。プログラムの中で、演奏される女性作曲家たちの曲目の紹介の末尾に、小林さんによる数行の解説「なぜ彼女たち?なぜこのような音楽を?」がある。今回、選んだ作曲家と曲目の趣旨を語っているのだが、当初の原稿は、つぎのように記していたそうだ。

 

「(前略)(選んだ)5人はみなピアノの名手にして作曲家ですが、抽象的なソナタより表題付きのわかりやすい小品を、さらに一人だけで目立つのでなく、連弾やトリオなど、息を合わせバランスを保つ形の作品を多く残しました。平和憲法さえも危機にある世界の現状を、こうした女性たちの音楽から見直すためにも・・・」

 

ところが、区の担当者から下線の部分が「政治的だ。記録に残るから直せ」との要請があり、その場で抗議をしたが、印刷の前日でもあったので、つぎのように修正にしたということだった。

 

「こうした女性たちの肩肘張らぬ音楽に耳を傾け、世界が平和に、男女が等しく、自然体で命を紡ぎ続けられるよう・・・」

 

その後、再度抗議したところ、区の男女共同参画担当課長は「政治的だからでも検閲でもない。これは男女共同参画事業なのだとわかりやすく伝えたかっただけ」と答えたそうだ。 

まさに、杉並区職員の「忖度」による「自己規制」の結果でもある。共謀罪の成立、安倍首相はじめ政府の言動から、国の官僚から自治体職員までが、自らの意思で、政府の意向、上司の意向に沿う判断しかできない状況が出来上がりつつあるからだ。言論統制など、多くの場合、「刃物など要らぬ」ということで、役職や出世、嫌がらせをチラつかせ、「萎縮」させればよい。そして市民には、ときに、見せしめのように、ほんの一部の人たちに逃亡や証拠隠滅などを口実にして、不当な警察権力を行使する。沖縄の山城博治さんや森友学園元理事長籠池さん夫妻のように。 

小林さんの件を知って、すぐに想起したのは、さいたま市の「9条俳句訴訟」であった。 

さいたま市立三橋公民館が、憲法9条について詠んだ俳句「梅雨空に『九条』守れの女性デモ」を「公民館だより」に掲載することを拒否した件につき、憲法が保障する表現の自由の侵害に当たるとして、作者が市に句の掲載と200万円の損害賠償を求めた訴訟であった。さいたま市は、公民館は改憲の議論に絡み「世論を二分するテーマで、公民館だよりは公正中立の立場であるべきだ」などとして掲載を拒否。市は「公民館側に発行、編集の権限がある」などと棄却を求めていた。 

その後の新聞報道によれば、20171013日のさいたま地裁判決は「原告が掲載を期待するのは当然で、法的保護に値する人格的利益で、公民館職員らは思想や信条を理由に不公正な取り扱いをした」として、賠償2万円を認めたが、掲載は認めなかった。俳句の作者、市ともに、不服として控訴している。 

こうした事態は、どこでも起こり得る環境が整い始めてしまったのだ。だからこそ、こうした事態に対応する場合には、市民一人一人が毅然とした態度で立ち向かわねばならない。個人にしろメディアにしろ、表現の自由は与えられるものではなく、一人一人が獲得していかねばならないとあらためて思うのだった。

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この部分の修正が要請された

なお、くわしくは、「NPJ通信」の小林緑さんの寄稿をご覧ください。

http://www.news-pj.net/news/60309

 

 

 

 

 

 

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2017年12月 2日 (土)

12月2日の新聞は、天皇の生前退位をどう報じたか

 

一つ前の記事では、退位の日、2019430日をどう表現したかについて触れた。ネット上での検索も含めてまとめると、読売、朝日、毎日、東京は、「2019年」であり、NHKは「再来年(2019年)」であったが、産経が「平成31年」であった。産経がスジ?を通していると言えば言えるか。 

沖縄における、琉球新報、沖縄タイムズでは、関連記事自体が極端に少ない。122日の社説は、二紙とも昨年、うるま市の女性が米軍属に殺害された事件の那覇地裁の判決についてであった。
 

琉球新報:社説・元米軍属に無期懲役 地位協定の改定が急務だ
 

沖縄タイムス:社説・[元米兵に無期懲役]なおも残るやるせなさ 

 

手元にある朝日、毎日、東京の三紙を読んでみると、まずは、今回の退位日程の政府と宮内庁の駆け引き、新元号や即位の儀式や日程についての記事が圧倒的に多い。同時に、社説とあわせ天皇30年間の足跡をつぎのような記事で報じている。

毎日:社説・天皇陛下の退位日決まる 国民本位を貫く姿勢こそ
               
苦楽国民に寄り添い おことば世論を動かす(付年表)


朝日:平成史 お二人の足跡「差別解消に力」「被災者に寄り添う」(付年表)

東京:社説・国民の理解とともに 天皇の退位と即位
      
慰霊の旅 平成築く 前侍従長川島さん象徴天皇制の意義語る

 

朝日の社説はまだ出ていないが、「耕論」欄において、「天皇と政治」のテーマで御厨貴「退位 官邸と宮内庁のバトル」、河西秀哉「能動的象徴 利用される危険」と語らせている。もっとも朝日は、かねてより「皇室と震災」のシリーズで、連載をしている。 

うねりのような、こうした流れの中で、少しでも異議をさしはさむことが困難な時代になった。1977年生まれの河西秀哉は、慎重な言い回しでつぎのように語った(上記「天皇と政治」『朝日新聞』2017122日)。

 

「天皇が進んで被災地を訪れていますが、政治がそれを利用しようとする気になれば、結果的に被災者の政治への不満を天皇が和らげ、政治の不作費を覆いかくしてしまうことにもなりかねません」 

「昨年8月の『おことば』にこめられた今上天皇の思いは、半分は政権に受け流された感じがします。国事行為の縮小や摂政の設置を否定するなど政治性を小保田『おことば』は結局、政権によって政治的に処理されたのかもしれません」

 

 また、原武史は、「連休で<歓迎>演出か」の見出しで、日程についての政府の思惑、皇室会議の議事録非公開、「おことば」の政治性、上皇設置による二重権威化を指摘していた(『東京新聞』2017122日)。 

今回の衆議院選挙においても、若年層の保守化が著しい傾向が明らかになった中で、上記のような中堅世代の活発な発言を期待したいし、私たち高齢者も戦中戦後の体験と天皇の果たした役割を、きちんと整理して伝えていきたい。

 

 

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2017年11月11日 (土)

11月9日NHK「ニュース7」、会計検査院院長インタビュー放映の意味(2)~NHK「ふれあいセンター」の対応~

 きのうの続きだが、NHKふれあいセンターとのやり取りでは、おかしなことがいっぱいあって、また怒りがこみあげてくる。録音をとっているはずなのに、オペレーターたちは、記録に余念がなく?こちらの話に全くの無言、無反応で、電話が切れたのではないかと「聞こえていまずか」と確認することも何度かあった。電話の受け手は、「ハイ」くらいの返事をしたらどうなのか。とくに、代わって出てくる「上司」というのが、態度が悪い。今回の場合もそうなのだが、視聴者の話をさえぎって、NHKの代弁者、防波堤の如くしゃべるのだ。正直言って、その「上司」の個人的な意見など聞きたくない。

 今回のやり取りで、こんなこともあった。私が、NHKが前川元文科省事務次官のインタビューを放映していないことと今回の会計検査院長のインタビュー報道には、共通する問題があると、言いかけると、「え?今度は前川さんの話?、別件ですね」というから、「最後まで聞いてください」と。両者に共通するのは、あまりにも恣意的で、政府への偏向が著しい報道姿勢ではないかと、つい力が入ると、「前川さんの件、報道局に伝えるのか」、気のない返事、「伝えるも伝えないも、あなたが選択することではなく、すべて伝えるのが仕事でしょ」といえば、「私は混乱してしまった」とのこと。なんとも情けない「上司」ではあった。

「ふれあいセンター」なのだから、できれば担当者とのやりとりが望ましい。もしそれが無理なら、担当者からの意見や声を、後刻でもいい、視聴者に伝えるシステムが必要なのではないか。さらに、すぐにでもできる提案をしたい。「ふれあいセンター」の仕事を、NHKの下請けのアルバイトに丸投げをするのでなく、担当でなくてもいい、NHKの現場担当者を含めた職員自らがローテーションで、視聴者のナマの声を聞くチャンスを設けるべきだと思う。「みなさまのNHK」をいうならば、何よりも「ふれあい」の一歩であり、職員の「研修」にもなるのではないか。「ふれあいセンター」が、むしろ、NHK職員や現場担当者(これもかなり下請けが多いらしいが)と視聴者とのバリアになっている現実を十分承知しながら、視聴者の意見を聞くふりをしているのが実態なのだろう。

各地で開かれる「経営者と語る会」も、もっと回数を増やし、各地でトラブルになる参加者の人数制限など撤廃すべきである。受信料から、高額給料を払っている経営委員であり、大会議室くらい難なく用意できるだろうに。

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2017年11月10日 (金)

1月9日NHK「ニュース7」、会計検査院院長インタビュー放映の意味~NHKの政府追従報道はどこまで続く~

 1022日、総選挙前夜の党首追跡報道が、議会の議席数に比例する時間をもって編集するという悪弊とともに、その与党分が「よいしょ」一辺倒であったと複数の方からメールをいただいた。私は見ていなかった。

 トランプ来日報道も日米首脳親密強調の色濃いものであった。私が見たニュースで、少し驚いた場面があった。115日「ニュース7」で、トランプ大統領の移動の車列を沿道で迎えて「岐阜からこのためにだけに来たので、(見られて?)うれしい」という若い男性が大写しされていた。こんなレアケースがニュースとして流される内容なのだろうかと大きな疑問が残った。

 そして昨日119日の「ニュース7」で、森友問題の調査報告が迫ったとして、河戸会計検査院長との単独インタビューを放送した。調査が詰めの段階に入り、調査に必要な重要文書が欠けているのは問題であり、国有財産の値引きに関しては種々の要件により値引きはあり得る、という主旨であった。

 これって、調査報告書が公表される前の、院長みずからのNHKへのリーク?なのか。それにしても、公表前に、会計検査院組織内、議会、国民に予断を与えてしまう内容ではないか。いや、森友問題における文書不備が問題だといい、値引きもあり得るということは、すでに調査結果の方向性を明示したにも等しい。

 私は、今朝、NHKふれあいセンターに電話をした。河戸院長のインタビュー報道は、第三者機関であるはずの会計検査院が、報告書公表前に、報告内容を予断させるような発言を放送したのは、メディアとしてのルール違反があり、視聴者をミスリードする可能性があるのではないか。どうして、この時期に報道したのか、と質問すると、「そういうご意見があったことを担当に伝えます」という、いつもの応答である。さらに、こうした放送をしたことについてNHKの意図を確認したいといえば、「質問には答えないことになっています」とこれまた、いつもの返答なのである。「同じような質問が多く来ている場合、これまで、NHKとしての回答をしてもらったことは何度でもありますよ」といえば、上司のN.Jと名乗る男性に代わった。 

私: 先ほどの方から、質問の内容を聞いているか。

NHK:聞いている。いま、WEB上でその記事を読んでいるが、何が問題なのか。

私: 報告書公表前に、その内容をNHKにもらしたことにならないか。

NHK:内容は、一般論であって、文書が欠けているのが問題、値引きする場合もあり得るという、当たり前の発言であって、これまでも報道されていることで、まったく問題はない。

私: 一般論ではない。はっきりと森友問題の調査報告書についての質問に答えている。この時期に、院長のこのような発言を報道することは、メデイアとしてのルール違反であり、視聴者をミスリードしていることになる。

NHK :ルール違反とか、ミスリードというのはおかしい。反論したい。

私:私はあなたの反論を聞きたいのではなく、NHKの意図を確認したい。あなたたちは、NHKの責任者でもないし、意見を伝えるだけといつも言っている。あなたの意見ではなく、NHKの見解を知りたい。



 「ふれあいセンター」、「ふれあい」など言いながら、いつも一方通行で「担当者に伝えます」というばかりのシステムが問題なのだ。受信料はとことん集金するが、あとの意見対応がないに等しい。質問などが殺到した場合は、統一見解、回答があってしかるべきではないか。即答でなくともよい、NHKとしての見解が知りたい。

  ついでながら、NHKは、前川元文科省事務次官に、他局に先んじて、真っ先に、インタビュー取材しながら、とうとうそのインタビューを放映することはなかった。そして今回まるでスクープかのように、会計検査院長の独自インタビューを、この時期を選んで放映したのである。政府に都合の良い情報は率先して流すが、不都合な情報は流さない、という、これほど、露骨で、恣意的なNHKにつけるクスリはないのか。すぐに編集権を持ち出して、やることは政府広報ではやりきれない。


 
受信契約による受信料の支払いについて、126日には最高裁の判決が出る。司法の適切な判断を待ちたい。

 

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2017年10月28日 (土)

「報道リスク」って?「黙れ」ということ?~佐川国税庁長官の罷免要求署名、刑事告発人に名前を連ねて

  署名を受理する財務省も、告発状を受領する検察庁も、ともかく「1022日の選挙後」にこだわっていたそうだ。結局、告発状の方は、選挙前の1016日に提出し、署名の方は、1024日に提出することが出来た。

 

「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」は、すでに、821日、3週間で1万筆を超えた佐川国税庁長官罷免要求署名を財務省に提出していた。その時も、財務省は、入り口は正面玄関でなく、別の出入り口を指定し、メデイアのカメラは一切お断りというお達しだった。しかし、財務省の正面に集まった記者やカメラマンは、玄関前の道路での取材を始め、その一部は、その日の午後のテレビで放映された。一万余の署名のボリュームや呼びかけ人7人の姿やコメントを捉えた。

 

一度は締め切った佐川長官罷免署名だったが、テレビや新聞報道で知って、いまからでも署名したいという人たちの声が事務局に殺到して、第2次署名として再開、1012日に締め切り、合わせて2万筆を超えた。ネット署名のコメント欄の多種多様な政府や佐川長官批判、その署名の数もさることながら、用紙署名には、集会で署名を集めた、駅頭で署名を呼び掛けた、近所の知り合いや遠い親戚にも声を掛けた、カンパの切手を同封した・・・というメッセージがどれも熱い。第2次署名の締め切り直後の提出に関して、財務省は、10月下旬でないと受理できない、その理由は受領する担当者の調整がつかない、という理由にならない理由を繰り返すばかりだった。麻生大臣に手渡したいと言っているわけでもないのに。交渉の末、1022日以降ならということになったが、何のことはない、「総選挙」の前はマズイ、ということではないか。そして、マス・コミはどこが来るのかと、しきりに聞いてくるというのだから、マスマス、財務省の意図は「見え見え」ではないか。森友・加計問題での財務省の担当者の国会答弁では、つねに、だれに対しても、丁寧に対応するという仕事ぶりをアピールし、問題の関係者にはその通常の対応をしたまで、とも答弁していたのを思い起こす。

 森友問題の国有財産値引きに関して、佐川局長は、国会において、国から価格を提示したこともないし、森友側から提示されたこともない、との発言を繰り返していたが、国会の閉会後、あらたな音声証言や文書が出て来たうえ、パソコンの文書は自動消去されたという珍妙な発言も、その後の麻生財務大臣の消去延期発言で、佐川局長の虚偽発言が明らかになり、証拠隠滅疑惑も浮上した。そこで、市民有志による佐川長官の刑事告発が進められた。100人を超える告発人とその代理人6人の弁護士による告発状の受領も、代理人の方々の努力で、ともかく1016日受領にこぎつけたわけだ。告発状提出後の司法記者クラブでの記者会見の模様は、テレビや新聞での報道の通りである。テレビカメラが6台、30人近くの記者が集まった。

財務省も検察庁も「選挙後」「選挙後」という、政府与党への「配慮」は、露骨だ。そして、取材をしても報道しなかったメディア側の「萎縮」も根深い。

「報道リスクを避ける」とは

 そんな折、今日の朝日新聞は、「林文科相『報道リスクを避ける』 加計の獣医学部来月前半に結論」の見出しで、林文科相が記者会見で、大学設置・学校法人審議会の審査結果が遅れているのは「審査内容が報道されるリスクを避けるため、日程を調整した」「52年ぶりの獣医学部新設の案件があり、より慎重な審議を行うのに必要な日程を確保した」と述べた、と報じた。この記事だけからは、「審査内容が報道されるリスク」、「報道リスク」とは、何を意味しているのかが不明だし、肝心の記者は、「報道リスク」と何なのかを質問しなかったのだろうか。文字通りに読めば、「審査内容が取材によって報道されることによるリスク、悪影響」とでもいうのだろうか。何への「リスク」「悪影響」なのか。「加計学園獣医学部新設認可」への大きな流れの中での「悪影響」ということになりはしまいか。「審査内容の取材による報道」を否定することにならないか。これは、メデイアへのけん制と、審議会メンバーや関係者への口封じを示唆することでもある。

 

いまのところ、他のメデイアでは、「報道リスク」発言を報道していないのも、また気がかりである。要するに、文科省としては、結論が出るまで「黙れ!」ということなのだろうか。まさに、報道の自由の侵害の何ものでもない。メディアは、こんな発言をこのまま黙ってきいているのだろうか。

「静かな環境の中で」とは

 こうした状況は、表現こそ違ったが、天皇の生前退位法成立過程の前段、衆参両議院正・副議長の各政党の意見聴取による論点整理・調整がなされることになり、大島理森衆議院議長の「静かな環境の中で議論を深めるべきだ」という趣旨の発言をしたことと共通する。「静かな環境」とは、「対立激化を避け、政争の具にしないために、非公開で」進めよという政府の意向を背に、大島議長は各党間でのフィクサー的役割を果たし、まとめた。最後は、議会軽視、民意とは異なる方向を指摘されながらも、特別法として「挙国一致」的な決着を見たことは、記憶に新しい。

 

そのうちに、憲法改正の議論や審議も「静かな環境」のもとに審議、国民投票がなされるべきだという論理で、「国民的な議論」や「国民の深い理解」は「排除」され、いつの間にか、じわじわと世論操作や表現の自由、言論の自由、報道の自由が統制される日が来てしまうのではないか、そんな不安が去らない。いや、すでに来ているかもしれない。

安倍首相はじめ、政府与党は、総選挙後、「政権運営は謙虚に、丁寧に」と言っていた矢先、野党の質疑時間を短縮するという見直し案を検討しているというのである。野党も、メデイアも国民も、いま、踏ん張りどころのはずである。

 ふだん、めったに、政治的な話にはならないご近所の方との立ち話や久しぶりにバスで乗り合わせた知り合いとの話でも、佐川国税庁長官の話になると盛り上がる。あの国会答弁とその後の国税庁長官へのご出世と会見もしない振る舞いが許せないのである。同じ思いを形にして、苦しくても、声をあげなければならない。

 

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なお、刑事告発についての報道は以下をご参照ください。いずれも、10月16日の報道、放映でした。

①ユープラン動画:「佐川国税庁長官(当時財務省理財局長)他、背任罪・証拠隠滅罪で  刑事告発」38分

https://www.youtube.com/watch?v=vaHb5DZAgck&feature=youtu.be

https://www.youtube.com/watch?v=vaHb5DZAgck

②「佐川国税庁長官らを告発」(朝日新聞、2017.10.16夕刊)

③「佐川前子区長らを告発」(毎日新聞、2017.10.16夕刊)
④「佐川宣寿国税庁長官を告発 市民団体が証拠隠滅容疑」(産経ニュース)   http://www.sankei.com/affairs/news/171016/afr1710160015-n1.html

⑤「『嘘の答弁』森友問題で佐川国税庁長官ら刑事告発」(テレビ朝日)   https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20171016-00000025-ann-soci

https://www.youtube.com/watch?v=vaHb5DZAgck

⑥「『森友』問題めぐり、市民団体が佐川国税庁長官らを告発」(TBS)   https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20171016-00000069-jnn-soci

⑦「森友問題 佐川国税庁長官らを証拠隠滅の疑いなどで刑事告発」(関西テレビ)   https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171016-00000004-kantelev-l27
 自局のこれまでの関連ニュースを織り込みながら、今回の告発のポイントを分かりやすく紹介しています(動画付きでないのが残念です)。

⑧「森友問題で、市民ら背任容疑で東京地検に告発」(Economic News)   http://economic.jp/?p=77274

 *なお、友人からは、翌日10月17日のNHK「おはよう日本」の6時40分台に報道があったと、後日、連絡をいただいた。

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2017年10月15日 (日)

雨の駅頭で、「9条をまもりたい」のニュースを配る

きのうも冷たい雨の土曜日でしたが、地元の九条の会「さくら・志津憲法9条をまもりたい会」は、最寄りの駅頭の通路で、会のニュース35号を配りました。今月の世話人会で、衆議院選挙を前に、何かしなくてはと、最新号のニュースを増刷りして配ることになりました。ニュースの内容は、次の通りですが、会のブログをご覧いただければ、読むことができます。「とっつきにくいよな」「ちょっと難しすぎる」「読む気もしない」などの、きびしいご意見もいただきますが、一度ご覧の上、ご意見いただければうれしいです。

1頁:自衛隊の憲法明記は9条破壊宣言
2~3頁:共謀罪は施行されたが・・・反対の運動は続き、メディアも危険視
4頁:膨張し続ける防衛費~あなたは、どこの国の総理ですか

詳しくは、「さくら・志津憲法9条をまもりたい会」ブログ

http://sakurasizu9jo.cocolog-nifty.com/

 この日は、急きょ、「佐倉・九条の会」と合流での活動となりました。総勢9人、横断幕を掲げ、ささやくように9条は宝と訴える人、マイクを手に自衛隊の海外派遣の理不尽を熱く訴える人、私は、この地域で、9条をまもりたいの思いで、市民が相寄って活動を始めて11年目になること、今回の選挙では、憲法、とりわけ9条が問われている大事な選挙であることだけを訴えました。通行の方々、受けとってくださる方もさまざま、「頑張りましょう」の声には励まされました。一方で、「あんたたちは、どこの党?」との質問は、この日もありました。選挙運動期間中でもあり、当たり前なのかもしれません。「私たちは、政党ではないんです。市民の有志の会です。憲法9条をまもりたいと、10年間活動を続けています。これが一番新しいニュースです。ぜひ読んでみてください」と大急ぎで話すと、手を伸ばして受け取ってくれる場面もありました。

手渡そうと近づくとよけて過ぎる人、邪険に振り払う高齢男性、スマホから目を離さない若い人、おしゃべりをしながらの中高年の女性たちはまず受け取ってくれない、おしゃべりに夢中な高校生たちでも男女を問わず、軽く受け取ってくれる、カップルや家族連れは、みきわめが難しい・・・。

相変わらずの光景ですが、学ぶことも多い一時間でした。

 

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2017年9月23日 (土)

「ある少国民の告発~文化人と戦争」(1994年放送)を見て

 大先輩の知人、櫻本富雄さんから、ご自身が出演の、24年前に関西で放映された番組が、突然you tube に出現したので、とのお知らせをいただいた。早速拝見、やはり映像で、櫻本さんのインタビューに答える、横山隆一、山本和夫、丸木俊、住井すゑさんたち、ご本人の証言を聞いて衝撃を受けました。私が紹介するよりは、ぜひフィルムを見ていただきたいと思いました。you tubeでは、いくつかのカット場面があり、当時の放映のままではないとのことですが、ぜひ一度、ご覧ください。個人的に何人かの友人にBCCで、お知らせしたところ、24年前のTVはこんなこともできたのか、など、いくつかの感想が返ってきました。

 

「ある少国民の告発~文化人と戦争」(毎日放送 1994年制作) 

https://www.youtube.com/watch?v=8-dC55hmhbc

 

 戦時下の文化人の表現活動には、今では想像がつかない障害があったこと知ることも大事なのですが、そこで、意に添わない活動をしたことに、その後、本人がどう向き合ったかが、重要なのかと思います。さらに、その後、どのような活動をしていたのか、行動をしてきたのか、暮らしをしていたのか、その生涯をトータルで、見極めたいと思っています。そのためには、発言・著作・制作物などを、記録にとどめ、保存し、継承するという基礎作業が問われるのではないかと、思います。その上で、その後の時代、時代に、何を残し、どう行動したのかが問われるのだと思いました。 

 

 今回の番組では、愛国少年だった櫻本さん自身が、戦時下に「あったことをなかったことにしよう」とする敗戦後の時代の流れに抗して、個人で10万冊もの雑誌や図書を収集し、戦時下の文化人たちの言動を浮き彫りにした著作を発表し続けていること、家永三郎さんも、戦時下の反省から、敗戦後の教科書裁判に踏み切ったこと、などを語っています。

 

 翻って、現在の知識人、文化人と称される人々の発言や行動において、少なくとも、敗戦後の占領期が終わった段階では、「表現の自由」があったにもかかわらず、「陽のあたる場所」を求めてでしょうか、意外と、微妙な変転、変節をしていたり、繰り返したりする人たちも多くなっています。人間、心身の成長や加齢によって、考え方も、行動様式も、変ることはあるでしょう。その人をどこまで信用していいのか、その発言にどこまで責任を持つことが出来るのか、自身で説明責任が果たせるかが問われるのではないかと。これは自らにも返ってくる問いでもあります。さらに、目前の課題に翻弄されながらの発言や行動は、とかく、より根本的な課題を置き去りにする傾向が、とくに最近目立ってはいないか、とても不安です。

 

 

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