2018年8月30日 (木)

73年の意味番外篇 敗戦直後のクスリ屋事情(7)

街のくすり屋の経営改革?② 

 小太郎漢方薬(エキス剤)の販売を始める

 1960年代に入っての頃、私には突如のように思われたのだが、父が、小太郎漢方製薬の漢方薬を店に置くようになった。当時、漢方薬と言えば、中将湯(津村順天堂⇒1988年ツムラ)、実母散(喜谷実母散本舗⇒1950ヒサゴ薬品⇒1995年キタニ)、命の母(笹岡薬品⇒2005年小林製薬独占販売)などの女性向けの薬や浅井万金膏(1997年製造中止)とお灸のための百草などを思い浮かべていた。大きな流れとして、「生薬」の時代から、ティーパック化した「煎じ薬」「振り出し薬」になって、エキスの錠剤化、糖衣錠化が進むのが1950年代半ばから1960年代だったか。

  小太郎漢方がエキス剤、いわゆる錠剤の製造販売を開始したのが19574月であり、父は、漢方の研修会に何度か出かけているようだった。いわゆる、慢性化した症状を訴えるお客さんや売薬ではなかなか効かないというお客さんに、父は熱心に勧めていたようだ。と言っても即効というわけではないので、リピーターは少なかったと思われた。というのも、「ビスラット(スラっと痩せて美しくなる? 石原薬品⇒2008年小林製薬)ってやせられますか」などとやってきた、漢方志向のお客さんに、「奥さん、薬飲むより、まず、余分なものは食べないようにしなきゃ。奥さん、おやつなんか結構つまんでいませんか」などと応ずるものだから、お客は、怒って帰ってしまうなんていうこともあった。母がこぼしていたように、父の「バカ正直」な一面であったかもしれない。

 

 漢方薬のメーカーでは、津村順天堂が有名であったが、1967年に漢方薬の一部が保険適用になり、徐々に適用も拡大し、1988年社名を「ツムラ」と変えた頃には、医療用漢方薬のシェアを伸ばしていた。2009年、民主党政権下、事業仕分けで、漢方薬の適用外しが目論まれたが、医療用漢方薬はすでに定着して、多くの利用者の反対にあって終息したという経緯もあったらしい。保険適用が拡大して、街のくすり屋の漢方薬はどうなっていったのだろうか。父が目論んだ”多角経営“も功を奏さないうちに、しぼんでしまったのかもしれない。

 製薬会社と卸と薬局と  

 どうしても、曖昧な記憶に頼らざるを得ないのだが、つぎに述べるような、メーカーから直接届けられる医薬品は別として当時の店の仕入れはどうなっていたのだろう。仕入れは、主に兄の仕事になっていったらしい。「ナカダ」という卸問屋の社員が注文を取りに来ていた。父や兄に向って、「センセー、センセー」を連発しながら、新製品の説明や売れ筋商品の説明をし、ときには、世間話を交え、注文を取っていた。「センセー」というのは、学校の「先生」しか知らなかったので、何とも奇妙な気分だったのを覚えている。三共、武田、塩野義、山之内などの大手の品は「ナカダ」から仕入れていたのではないか。1950年代の後半、たどれば戦前から創業していた大正製薬と佐藤製薬だが、新しい大衆薬を開発して、特約店方式で販路を開拓しているようだった。卸を通さず、街の薬局に直接、営業社員を回らせ、注文を取っていた。この辺のことを調べようとして、会社のHPの沿革を見るのだが、どうもはっきりしない。会社史などの資料を見なければと思うが、23の文献が見つかった。前述の化粧品の資生堂と同じ方式である。卸を通さない分だけ、若干、利益も多いので、販売にも熱が入る。同じ風邪薬でも、佐藤製薬の「ストナ」や大正製薬の「パブロン」「ナロン」などを勧めていたのも確かであった。

  60年代に入ると、テレビが普及し、薬品・化粧品のコマーシャルが登場し、華やかな宣伝合戦が始まるのが、この頃だろう。当時、栄養ドリンク剤で、少し大きめのアンプル入りが大流行していた。店さきで、アンプルの突起の根元にハート形のヤスリを入れてから、中指で弾いたり、てのひらで抑え込むようにすれば、すぐに折れた。お客さんは、短いストローで一気に服んでいくという光景がよく見られた。最初、私も、アンプルを切るのに緊張したが、次第に慣れていった。ところが、カラスの粉が液剤に混じることもあるということで、今のようなびん入りになったという。大正製薬からはリポビタンD1962年)や佐藤製薬からはユンケル黄帝液(1967年)などが疲労回復、栄養剤としてよく売れた。多くのサラリーマンはよほど疲れていたのだろう。さて、その効き目のほどなのだが、わが家の家族は、誰ひとり、口にする者はいなかった。

 なお、私は、1972年にくすり屋の生家を離れ、76年には名古屋に転居しているので、その後の店の様子には疎くなっていった。 しかし、この度、医薬品卸の「ナカダ」を調べていると、薬業界の流通は、激変しているのを知った。私の理解ではつぎのような流れがあったようなのだ。

1961年に国民皆保険制度が発足すると、それまで、薬はくすり屋で売るもの、くすり屋で買うものであったのが、薬は、医者からもらうものになっていったのである。 

しかし、薬事法の改正で、前述のように、販売規制が緩和されるなかで、医薬品の部外品化が進み、1999年には、ドリンク剤は「指定医薬部外品」になってコンビニにも並ぶようになったのだ。2006年、薬剤師養成は6年制となって、専門性が要請された。その一方で、2009年には、薬剤師でなくとも登録販売者が一部医薬品を販売できるようになった。同時に、独禁法により、再販制度が緩和される過程において、医薬品も化粧品もすべて指定からはずれることになり、現在は、書籍・新聞・雑誌・音楽ソフトに限られている。 

 こうした規制緩和の進むなかで、医薬品卸の「ナカダ(中田薬品)」は、1983年に丹平商事と合併、2008年には、200410月に発足したアルフレッサホールディングスと資本提携、2010年には、完全な子会社となっている、ことも分かった。そして、かつて1600もあった医薬品卸は100となり、いまは全国4つのグループに統合され、その4グループには大手製薬会社が大株主になっているのが現状らしい。  

 (参考)
・澤野孝一朗:日本の薬事法制と医薬品の販売規制―薬局・薬剤師・商業組合及び規制緩和 オイコノミカ(名古屋市立大学) 442号(2007年)file:///C:/Users/Owner/Desktop/B41-20071101-121沢野医薬品9規制緩和.pdf
・丹野忠晋・林 行成:日本の医療用医薬品の卸売企業の 
現状とその経済学的分析
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 第15号 (2013315
日)
file:///C:/Users/Owner/Desktop/contentscinii_20180827165910卸と製薬会社
.pdf
・角田博道:医薬品流通経済研究  流通再編
http://www.pharma-biz.org/Column_ryutu/ryutu01.html 

 

   週刊誌の販売  

  これも、うちの店で、いつ始まったのかが、明確ではない。ともかく、1960年代は週刊誌ブームといわれた時代であった。私が大学に入った直後くらいだろうか。安保闘争の最中で、創刊まもない「朝日ジャーナル」などを小脇に抱える学生も多かった。店先の端っこに、雑誌を差し込む台が置かれ、発売日ごとに週刊誌は届けられるのだが、それと交換するため、前週の雑誌、売れ残った雑誌は、束ねて何部返品かの伝票を添えて用意しておく、その作業はかなり厄介なものだったが、すべて兄の仕事のようだった。売り切れる雑誌もあるが、残る雑誌も多い。このコーナーでどのくらいの利益を上げていたのだろうか。通常は二割程度とのことではあったが、それに加えて、週刊誌の販売は、我が家への「カルチャーショック」が大きかった。新聞は、隣が読売の専売店だったこともあって、読売・朝日・毎日のうちの23紙はいつも購読していたが、それまで縁のなかった週刊誌がどっと押し寄せてきた感じだった。買ってくださるお客さんには申し訳なかったが、汚さぬように丁寧に読ませてもらうことになったのである。私などは、歴史ある?週刊朝日、サンデー毎日(共に1922年創刊)はじめ、週刊女性(1957)、女性自身(1958)、女性セブン(1963)はもちろん、週刊新潮(1956)、週刊文春(1959)などは、発売日の夜にでも読まないと、売り切れてしまうので、読み切るには、いささか過密スケジュールでもあった。週刊明星(195891)、週刊平凡(195987)、平凡パンチ(196488)などにも目を通していたから、自慢ではないが雑学?やスキャンダル・ゴシップ類は、結構、身に着けていたかもしれない。長兄は、店番をしながら、あるいは寝室にまで持ち込んで、アサヒ芸能(1956)、週刊実話(1957)、週刊大衆(1958)、週刊現代(1959)、週刊ポスト(1969)などにも手を広げていたかもしれない。隔週に刊行される、表紙もグラビアも過激な男性向けの雑誌もあった。

 

 こうしてみると1960年代前後に創刊された週刊誌が多いのが分かる。週刊誌販売も、くすり屋が、薬・雑貨・化粧品の他に、商売になる品は何でも置かねばという不安の表れだったのではないか。
 生家を離れて、一人暮らしをすることになった時は、しばらく「週刊誌ロス」に見舞われたが、購入することはまずなかった。新聞に出る広告の見出しを見て、楽しむことを覚えた。これは今でも変わっていないかもしれない。

 

 

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2017年6月22日 (木)

国会が終わり、世論調査も出そろった、忘れてはいけない!

政治への不信、安倍政権への憤りから、ともかく二つの一覧を作成してみた。政権は、国会が終わりさえすれば、共謀罪も、森友・加計問題も、国民は忘れてしまうだろうと、タカをくくっている。本当にそれでいいのか。

メデイア各社の6月の世論調査が出そろった。結果は以下の通りで、毎日新聞とテレビ朝日の結果で、安倍内閣支持率が逆転した。他の各社も軒並み内閣支持率は急落している。かつて安保関連法案を強行採決した時も、支持率は急落したが、徐々に戻っていたわけだ。だから、政府は、国民はすぐ忘れるもんだと、見守る構え。しかし、今回、私は内閣支持率と「テロ等準備罪」「加計問題」の結果も拾いあげてみた。

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「テロ等準備罪」について、新設自体の賛否で見れば、賛成が4割以上で反対を上回るのは、FNN産経、読売、日経東京テレビの三社の結果であり、他の五社は反対が上回る。質問の仕方・選択肢や調査方法・対象が若干異なるとは言うものの、いわゆる保守・政権よりのメディアが賛成多数となった。しかし、その「テロ等準備罪」の政府の説明や手続きが十分であったか否かについては、「不十分」とする回答が圧倒的に多くなり、64~80%を占める。また、「加計問題」も同様で、政府の説明に納得せず・不十分との回答が66~84.8%を占める、という状況であった。「テロ等準備罪」は成立しても、これから十分議論し、説明がなされるべきだし、それでも不十分ということになれば、廃案への手立ても考える必要がある。「加計問題」について納得できないという国民は、まずは国会を通じて、安倍首相がいう「丁寧な説明」を、臨時国会開催、証人喚問によって果たすべきだし、さらに内部文書の調査には第三者が入る必要も出てくるだろう。

つぎに、今日も、自民党の豊田真由子議員の秘書暴行・暴言事件が報じられ、明るみに出たが、除名とか、離党で処理する問題ではない。こうした事件が続く一方、今国会では、大臣や党要職の暴言放言事件が続いた。一覧表にしてみたが、まだまだ続くだろうし、私が失念しているものもあるかもしれない。教えていただければありがたい。ただただ、この表が膨れ上がらないことを願うばかりだ。「失言」とかミステークの問題ではなく、本音や隠蔽のなせる業で、政治家としての資質が問われる発言であって、その責任は重いはずで、大臣や要職に就いている場合ではないはずである。

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加計問題の行方、これでいいのかはぐらかしの安倍首相答弁、文科省に責任を振る、二転三転の菅官房長官答弁(5)

613日、シンポ「森友問題の幕引きは許さない!」終了、これからは

話はやや前後したが、このブログ記事(6月5日)でも案内した13日のシンポは、国会内外騒然とした中の第一衆議院議員会館で開催された。あいにくの雨模様であったが、参加者の出足は早く、受付の渋滞に、お叱りを受けるほどだった。定員300人の地下大会議室は、ほぼ満席の状態となった。他の会議での入館者が回って来られたり、議員の秘書さんやメディアの方々も錯綜したりしたが、佐倉から来られた友人たちも加わり、受付も無事終了。ただ、入館証を手渡すスタッフは、しばらく会場と入り口とを行ったり来たりであった。

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シンポは、直前まで、法務委員会での共謀罪の質問に立っていた小川敏夫参院議員が駆けつけてこられたが、森友問題の報告を終えてしばらく、やはり参議院審議の山場に備えて退席された。宮本岳志衆議院議員、弁護士の杉浦ひとみさん、ジャーナリストの青木理さん、醍醐聰進行役で、熱のこもった議論が展開された。その模様はユープランさんの動画をご覧いただければと思う。

https://www.youtube.com/watch?v=HGj6qkog6qw

2時間12分に及ぶ。各パネリストの発言が終わる45分すぎたころから討論となり、森本問題を巡る公文書の在り方、加計問題の文章調査、それを巡るメディア・記者の姿勢、加計問題における事実経過のチェックの必要性などへの発言が続き、会場からの質問は多岐にわたり、野党の追及が数の力で押し切られる現状を打破するには、

日米のトランプ・安倍に対するメディアの姿勢の違いは何か、公務員の守秘義務と国民の知る権利、日本の弾劾制度などなど、ジャーナリスト山口レイプ事件にまで及んだ。

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後ろの方の席からは、パネリストが見えないとの声も。


 

 最後に、第一次集約を控えた「安倍昭恵氏ほか国会証人喚問を求める要望署名」についての報告があった。その後の集計も含めて620日には、衆・参両院の議長あてに届けられた。その数は、以下の通りで遭ったとの報告を受けている。

やはり紙の署名が圧倒的に多く、ネット署名は、比べて少ないながら、そのコメントも収録、誰でも読めるので、お勧めしたい。このコメントは。両議長のみならず、首相夫妻に届けたいものだ。

合計署名数は8,621筆です。


 
 用紙署名数   7,710
 
 ネット署名数    927
 
  合 計    8,637
 
  うち、超複数   16
 
  差し引き純計 8,621筆 

 *ネット署名/メッセージの集約状況の閲覧サイト
              → http://bit.ly/2r68HhH

なお、この署名に遅れて、加計問題を含めた、新しい署名も始めている。日に日に細かな情勢が変わり、流動的でもあるが、私たちの基本的な要望の声を届けたいと思った。ぜひ、一度、以下もあわせてご覧いただけたらと思う。

森友・加計問題は、まだ解明できていない。これからが正念場だろう。

*この署名用紙のダウンロードは→ http://bit.ly/2rg198t  からできる。

*ネット署名は次のフォームで。
 
 http://bit.ly/2rOxgOd 

  メッセージも記入でき、名前やアドレスはもちろん公開はしない。

追記:作成中の関係年表は、いずれ発表したいと思っている。

 

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加計問題の行方、これでいいのか~はぐらかしの安倍首相答弁、文科省に責任を振る、二転三転の菅官房長官答弁(4)

「ワーキンググループのヒアリング」「分科会」っていうけれど

安倍首相は、加計問題に一切関与してないとの説明の中で、参院のどの委員会であったか、「分科会、分科会では、議員はご存じないかも知れないが、ご存じないでしょ」と得意げに前置きをして「分科会には、獣医学の専門の方二人からも意見を聞いて、十分議論をしてもらっているし、私が関与する余地などない」という趣旨の発言をしていた。国家戦略特別区域諮問会議のなかに、区域会議があることは知っていたが、今治市の「分科会」で、何が検討されたかは確認してなかった。早速調べてみると、2016921日、2017112日の2回開催されている。

今治市分科会http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari.html        

  

 

回数

 
 

開催日

 
 

会議関係資料

 

2 

平成29112

議事次第(PDF形式:50KB                                                     
配布資料
議事要旨(PDF形式:284KB  
 

 

1

 
 

平成28921

 
 議事次第(PDF形式:95KB     
 
配布資料
 
議事要旨(PDF形式:334KB     
 

 

 

 

上記の議事要旨をみればわかることなのだが、首相が、胸を張って民間有識者が参加して議論したというが、その内実は、すでに、事業者が加計学園に決定した後の第2回の分科会で、「民間有識者」2名が、意見というか質問を投げかけている場面があるだけなのである。その2名の有識者は、獣医師養成現場から、加計学園の新設獣医学部のカリキュラムについて、次のような疑問を呈していただけなのである。

 植田富貴子教授(日本獣医生命科学大学獣医学部)は「1点だけ教えていただきたいのですが」として、「56年でアドバンスト(選択)科目をやることになるということは、14年でコア・カリキュラムを全部終わらせることになる。コアからの出題が多い国家試験には、どう対応するのか」の主旨であった。加計側からは、臨床実習前の共用試験後も掛け持ちのスタッフもあるかもしれないが対応できる指導体制をとる、という心もとない答弁であった。

猪熊壽教授(帯広畜産大学畜産学部)は、「今日の御説明にはなかったけれども」との前置きで「1年生のときから獣医師のいろいろな職域について教える、体験させるという取り組みについて、必須科目ということになると、160人という学生を具体的にどういうところで参加型臨床実習をさせるのか具体的には述べられていない、就職先についても、ライフサイエンス、公務員獣医師産業動物獣医師などへの対応にも不安がある、との発言がなされていた。その答弁といえば

「カリキュラムを組みながらなら、なかなか難しいところ」「参加型実習は、難問で」とか、就職先は広域的に ということらしいが、回答にはほど遠い。 

 

  獣医学専門の民間有識者の発言は、それぞれこの1回きりである。安倍首相は、専門家からのお墨付きをもらったかのような口ぶりだったが、すでに、応募事業者が加計学園だけであることが確定した17111日の翌日に開催された今治市分科会でのやり取りだったわけである。


質問した野党は、首相の答弁に「おかしいじゃないですか」とクレームをつけるだけでなく、問題の核心に迫る「事実」を突き付けて、切り返さないといけない。例えば、諮問会議の議長たる首相が任命する民間有識者のたった一度の発言、それも、上記のような疑問を持っていたことを指摘するべきではなかったか。内閣府のHPを検索すればすぐ出てくる資料だ。首相に「知らないでしょ!」と言わせる手はなかった。

そもそも、分科会設置の根拠は?

 そもそも、「分科会」設置の根拠はどこにあるのか。自分で調べたり、内閣府や今治市に問い合わせたりしているのだが、いっこうにラチがあかない。明文での根拠がないのだ。今治市分科会のみならず、各分科会の第1回で、運営規則の細則は提示されるが、分科会自体が何を根拠に立ち上げられるのかは不明のままである。

その後、今治市の担当者からは、回答があって「たしかに明文の根拠はないが、第1回の区域会議で了承されている」というのだ。もう一度検索してみる。

2016年3月30日の第1回の区域会議の議事要旨によれば、「資料3」を提示して「『今治市分科会』の設置について」として、「今治市固有の具体的な事業、今治市で御活用いただける可能性のある項目につきまして、新たな制度改革、規制改革について重点的、集中的に取り組む仕組みを、こういった分科会という形で議論いただくという趣旨で、その成果を区域会議に提案をしていただく」とあった(12頁)。

その「資料3」「今治市 分科会の設置について」では、趣旨として「広島県・今治市国家戦略特別区域の区域方針の早期実現に向け、今治市において、区域会議の下に「今治市分科会」を設置し、区域方針に記載している7つの項目に資する、新たな制度改革・規制改革について重点的・集中的に検討し、その成果を区域会議に提案する」とある。その7つの項目の一つが「国際教育拠点の整備(獣医師系(ライフサイエンスなどの新たに対応すべき分野)であったわけである。その構成員としては、基本的に、国(内閣府)、自治体(今治市)及び民間事業者の三者によるものとするが、必要に応じ、オブザーバーを参画させることができることとする、としている。

1回の今治市分科会について、上記の「議事要旨」を見ると、その出席者は、以下の通りで、国会審議の参考人としてしばしば登場した、会議の進行役の藤原豊内閣府地方創生推進事務局審議官や佐々木基内閣府地方創生推進事務局長の名もある。*

 

* 第1回今治市分科会出席者
<国> 山本 幸三 内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革)

佐々木  内閣府地方創生推進事務局長

<自治体>  良二 今治市長

<民間事業者> 加戸守行 今治商工会議所特別顧問

<民間有識者> 八田達夫 アジア成長研究所所長 大阪大学社会経済研究所招聘教授

<オブザーバー> 浅野敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長

 政彦 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課調査官

山下一行 愛媛県地域振興局長

渡部 浩忠 越智今治農業協同組合代表理事専務

西原孝太郎 公益社団法人今治青年会議所理事長

<事務局>藤原豊 内閣府地方創生推進事務局審議官

 

  上記、菅市長、加戸元愛媛県知事はじめ地元の人たちと八田(民間有識者)特区議員の「獣医学部新設の要望」の熱意は伝わってくるものの、それを裏付ける獣医学・医学・薬学的などの具体的な提案がなく、創薬、危機管理人材育成、獣医師の偏在、教育カリキュラムの特色などに言及するものの、それまでの1~2頁程度の提案書をなぞる程度のものであった。

アドバイザーとして参加している文科省の浅野専門教育課長は、当日配布資料の2015630日の閣議決定、いわゆる「石破4条件」の要件が満たされるかが重要だと述べた。

*獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討 ・現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサ イエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が 明らかになり、かつ、既存の大学・学部では対応が困難な場合には、近年 の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う。

農水省林調査官は、獣医学部の新設は、学校教育法に基づく文科省の告示により規制されている中、引き続き獣医師の需給に関する情報等を収集・整理して、必要に応じて文科省等に提供する、と述べた。

前回の「加計問題の行方、これでいいのか(3)」(619日)の末尾の「加計学園獣医学部構想資料の推移」でもわかる通り、今治市は、20156月の特区ワーキンググループのヒアリング以来、1~2頁の資料しか公表していない。少なくとも、京都府・京都産業大学は、20161017日におけるヒアリングで、詳細な提案書を公表している。繰り返しになるが、加計学園、京都産業大学両者の提案書は、以下をクリックして欲しい。

 

〇愛媛県・今治市提案資料(提案書1頁・添付資料2頁)
ワーキンググループのヒアリング(201565日)(16分)

(提案書)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h27/150605imabari_shiryou03.pdf
(添付資料)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h27/150605imabari_shiryou02.pdf

京都府提出資料「京都産業大学 獣医学部設置構想について」(21頁)

ワーキンググループのヒアリング(20161017日)(32分)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/teian/161017_shiryou_t_1.pdf

 

 それまでは、12頁の獣医学新設構想でしか進めてこなかった今治市・加計学園側、内閣府・官邸は、かなり慌てて、焦ったに違いない。今回、国会閉会後、新しく文科省から出た1021日「萩生田副長官ご発言概要」がそれを推測させるに十分ではないか。異様な“スピード感”をもって119日の諮問会議への「加計」絞り込み作戦が、強行されたことが伺える。

加計側の新獣医学部構想は、事業者が加計学園に決まった今年の112日に、初めて公表されたことは前述のとおりである。

ワーキンググループだ、分科会だと、あたかも厳密な議論や協議がなされているかのような口ぶりで、安倍首相や内閣府や首相官邸レベルの関係者は語り、議事録を公開しているからという。だが、その実態は、会議中に配布の、あらかじめ内閣府地方創生推進事務局が作成した添付資料や参考資料の説明すらなく「異議なし」で進行する場面があまりにも多すぎる会議であったのである。

役所内で交わされる文書やメール、ある時は口頭でなされたときのメモ、すべてが公文書である。内閣府や官邸の周辺は、記録がない、記憶にないと突っぱりながら、文科省から出てきた公文書は、承知してない、虚偽だ、不正確だと言い募るのは見苦しい。

文科省では、すでに内部からの義憤で、明らかになった文書があるが、内閣府の関係者も勇気をもって、明らかにしてほしい。

閉会中の国会審議も、あるいは第三者によるチェックもぜひ実現して欲しい。6月20日、松野文科相が追加発表した後に、義家副大臣ととも、不正確な情報も混じっている文書を発表したことを「詫び」ていたが、いったい何なのか。官邸からの圧力だったのか。謎は深まるばかりである。

 

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2017年6月19日 (月)

加計問題の行方、これでいいのか~はぐらかしの安倍首相答弁、文科省に責任を振る、二転三転の菅官房長官答弁(3)

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共同通信世論調査、2017年6月18日、先月5月より不支持10ポイント上がる

 私は、必要があって、加計問題の経過年表を作ってみた。その作業の中で、今回問題になっている内閣府や文科省の内部文書やメールの一部が確認されて、その全貌や経過がかなり明らかになった。本来の「情報公開法」の趣旨に反する「黒塗り」の情報公開を許してはならないし、さらに追及を強化しなければならないだろう。

 同時に、だれもが閲覧できる、公開されている以下のような会議の「議事要旨」と配布資料を見ても、かなりの部分が浮き彫りになる。次から次へと出てくる内部文書も大事だが、すでに公開されている確かな会議録や資料を精査し、詰めて行くことも大事なのではないか。追及する野党は、感情的な、情緒的な質問ではなく、周到な準備と緻密な論理をもって、臨んで欲しい。菅官房長官の「切り捨て」、安倍首相の「イライラ」答弁の繰り返しを、すでに多くの国民の知るところとなったのだから。

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「国家戦略特区諮問会議」~誰が誰に諮問するのか

安倍首相は、「規制緩和の抵抗勢力を打ち破るには、岩盤規制に穴をあけるのには、首相の指導力で突破する」と豪語し、201312月「国家戦力特別区域法」を制定、141月「国家戦力特別区域諮問会議」を立ち上げ、みずから「諮問会議」の議長になっている。「諮問」とは、誰が誰に諮問するのか。行政府の審議会や首相の私的な諮問会議や有識者会議にしても、その成り立ちから、首相みずからが参加することはないはずなのに、特区の諮問会議には議長として、にらみを利かせるのだから、もはや、本来の「諮問」会議ではないだろう。会議終了後には、プレスを入れてのコメントで、その日の会議の成果をお披露目するのが慣例だ。そして、諮問会議の構成は、政府・内閣府の担当者と安倍首相の任命による民間有識者議員からなり、議題により、特区関係者が臨時議員として参加する。運営規則によれば、議事録は4年後に公表するとあるのが、これも納得のいかない規制である。私たち国民は、当面、「議事要旨」しか閲覧することが出来ない。それに、構成メンバーだが、第一に、前述のように首相が議長をつとめる矛盾があり、さらに、民間有識者議員の選任が恣意的であることは他の審議会と同様であると同時に、例えば、竹中平蔵議員などは、特区による規制緩和の対象事業者の役員にもなっていることから、ずばり利害関係者であって、公平性に欠けていることである(外国人材の家事、農業への導入の事業者に指定されている人材派遣会社パソナの会長でもある)。

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たとえば、第25回、2016年11月9日の諮問会議の出席者。この日に、以下の「資料3」「資料4」が添付され、「広島県・今治市」が特区指定され、「国家戦略特特区のにおける追加の規制改革事項について」の一事項として、「獣医学部の新設」が決定するが、提案者の今治市の関係者は出席していない。この前日には、すでに、この資料が内閣府から今治市に伝達されていたことは、「不適切であった」と謝罪されている。

「資料3」では第一事項で、問題の「広域的に」が挿入された文書になっている。「資料4」の「2.追加の規制改革事項について」と題して、有識者議員の意見として提出されたものだ。

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通常の諮問会議の「議事要旨」と添付資料から見えて来るものがある。地方創生担当大臣が進行役を務め、議事に係る配布資料による説明がなされる場合と資料を示すだけで、意見を求め、大方は、「異議なし」の声で進行する。「獣医学部新設」が論議されたのは、第14回(2015629日)、第18回(20151215日)、第25回(2016119日)、第27回(2017120日)の諮問会議であったが、いずれも2030分前後で終わる短い会議である。119日の第25回では、例の「広域的に獣医師養成系大学等の存在しない地域に(おいて⇒)限り」のフレーズが含む添付資料の「資料3」「国家戦略特区における追加の規制改革事項について(案)」には、二つの項目の一つ「先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医学部の設置」という6行の文書が添付されていて、すでに、上記のように追加・修正されていた(ここでは赤字で示した)。そして、進行役の山本(幸三地方創生担当大臣)議員は、会議の最後の最後で、「それでは、「資料3」につきまして、本諮問会議のとりまとめとしたいと思いますが、よろしゅうございますか」「異議なし」の声で、決定されたのである。「資料3」の文章に即しての説明は一切なされいない。今国会の会期末の文科省側の文書再調査によって、上記の追加文言「広域的に」が萩生田光一官房副長官から藤原豊審議官にもたらされたという文書が出されると、山本幸三大臣は、参院予算委員会での質疑で、「広域的に」の文言の挿入は、自分が藤原審議官に指示したと言い出した。官邸側人物の身代わりとなって、官邸の防波堤となったことを推測させる。ならば、なぜ、先の諮問会議で、山本大臣は、「広域的に」を挿入した趣旨を説明しなかったのか。

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 もっとも、最後の「資料3」の採決に先立って、有識者会議が提出した資料4「国家戦略特区 追加の規制改革事項などについて」による「獣医学部の新設」について、代表して八田達夫議員がかなりきわどい賛成意見を述べている。前段では、「創薬プロセス等の先端ライフサイエンス研究では、実験動物として今まで大体ネズミが使われてきたのですけれども、本当は猿とか豚とかのほうが実際は有効なのです。これを扱うのはやはり獣医学部でなければできない。そういう必要性が非常に高まっています。そういう研究のために獣医学部が必要だ」と述べるが、新設であることの説明にはならないだろう。

さらに、「口蹄疫とか、そういったものの水際作戦が必要なのですが、獣医学部が全くない地方もあ」り、大学設置基準により、過去50年間、獣医学部は新設されなかったものを、文科省告示で改正できるようになることを評価した。後段では、麻生財務大臣の、法科大学院や柔道整復師の規制緩和による失敗を例に挙げ、規制緩和は大いにやるべきことだが「上手くいかなかった時の結果責任を誰がとるのかという問題」を指摘、学生や関係者に迷惑をかけることまで考えておく必要があると、クギをさしていた。ところが八田議員は、「麻生大臣のおっしゃったことも一番重要なことだと思うのですが、質の悪いものが出てきたらどうするか。これは、実は新規参入ではなくて、おそらく従来あるものにまずい獣医学部があるのだと思います。そこがきちんと退出していけるようなメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこが競争して、古い、あまり競争力がないところが出ていく。そういうシステムを、この特区とはまた別にシステムとして考えていくべきではないかと思っております」と、既成の獣医学部への攻勢が顕著である。特区とは別のシステムとして振り払っているが、既成の獣医学部は、これを聞いて怒るのではないか。

さらに、資料4の追加事項の説明で「かねてより準備を勧め具体的な提案を行ってきた自治体を中心に、具体的なプロジェクトとして、実際の獣医学部立ち上げを急ぐ」必要があると記載されているではないか。「今治市」「加計」の文字こそ出てこないが、「加計ありき」の傍証だろう。

加計学園の新獣医学部構想の詳細はいつ提出されたのか

加計問題の一連の流れを見ていて、私は、もう一つ気になることがあった。テレビの報道番組で、加計学園が提出した新獣医学部構想(今治市)と京都産業大学が提出した新獣医学構想(京都府)のボリュームと中味の違いが指摘され、前者の書類が2頁ほどなのに比べ、京産大は、20頁を超えるという、情報だった。私も調べてみると、つぎのような経過をたどることが分かった。

加計学園が、構造改革特区に名乗りを上げた時代は、以下①②のような十数頁の提案申請説明資料を提出していた。しかしどうだろう、国家戦略特区になってからは、番組指摘のように、今治市・加計学園からの新獣医学部構想が記された資料が出てこない。私たちが目にするのは、201565日の内閣府のワーキンググループのヒアリングを受けた時の資料③愛媛県・今治市の提案書と添付資料、合計3頁の資料が最初である。

国家戦略特区諮問会議に先立ち、あるいは、合間を縫って、「区域会議」が開催される。広島県・今治市特区区域会議は15330日に第1回目が開催された。以降、いくつかの特区から進捗状況の報告や提案がなされる合同区域会議として今日まであわせて3回(15930日、2017120日、516日)3回開催されているが、実施的な論議は困難な状況である。そこでの配布資料によれば、上記の③であり、その後の今治市の獣医学部新設の提案資料は⑥⑦で、いずれも12頁のペーパーに過ぎない。つぎの構想資料の推移で見るように、本格的な獣医学部構想が提案され、私たちが知り得るのは、京都産業大学は、20161017日「ワーキンググループのヒアリング」での⑧京都府提出資料「京都産業大学 獣医学部設置構想について」(21頁)であり、加計学園に至っては、2017112日に事業者が加計学園に決定した直後になって、はじめて、詳細な構想ともいえる2017112日「第2回今治市分科会」への提出の⑩「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議の構成員の応募について」(28頁)であり、同文の⑪が提出されるのは第27回諮問会議の120日であった。23頁の提案書と若干の説明で、内閣府や文科省、農水省、厚労省などの岩盤規制を突破してきたことになる。前述の八田議員による「かねてより準備を進め具体的提案を行ってきた自治体を中心に」の根拠にはなりにくい。構造特区時代の申請提案資料は、その提案書の体裁をととのえていたが、現在からみれば、掲載のデータは古いし、定員も現在の160人より少ない既存大学並みの120人となっていた。

諮問会議の議員たちは、詳しい提案書、提案資料を見ることもなく、120日の⑪提案資料をはじめて示され、今治市の区域指定、事業者は加計学園と決定したことになる。

一方、京都府・京都産業大学は、20161017日のワーキンググループのヒアリングで「京都産業大学 獣医学部設置構想について」(21頁)を提出している。これは一体どういうことなのだろうか。私には理解に苦しむ。私の見落としがあるかもしれない。ぜひご教示願いたいと思う。

つぎに、関係者の実質的な討議がなされとされるヒアリングや区域会議、分科会の実態について検証しておきたい(続く)

加計学園獣医学部構想資料の推移~付京都府(京都産業大学)資料~(赤字)

➀愛媛県・今治市提案説明資料(構造改革特区時代20086月)

http://www.city.imabari.ehime.jp/kikaku/kouzoukaikaku_tokku/siryo13_01.pdf#search=%27%E5%8A%A0%E8%A8%88%E5%AD%A6%E5%9C%92+%E7%8D%A3%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E9%83%A8%E6%A7%8B%E6%83%B3+%E6%8F%90%E6%A1%88%E6%9B%B8%27

②愛媛県・今治市(構造改革特区時代200911月)

 http://www.city.imabari.ehime.jp/kikaku/kouzoukaikaku_tokku/siryo16_01.pdf#search=%27%E6%A7%8B%E9%80%A0%E6%94%B9%E9%9D%A9%E7%89%B9%E5%8C%BA+%E6%84%9B%E5%AA%9B%E7%9C%8C%E3%83%BB%E4%BB%8A%E6%B2%BB%E5%B8%82+%E6%8F%90%E6%A1%88%E8%B3%87%E6%96%99+2009%E5%B9%B411%E6%9C%88%27

 ③ワーキンググループのヒアリング(201565日)(16分)

愛媛県・今治市提案資料(提案書1頁・添付資料2頁)

(提案書)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h27/150605imabari_shiryou03.pdf

(添付資料)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h27/150605imabari_shiryou02.pdf

 ④特区合同区域会議・第8回関西圏区域会議(2016324日)

「新たな獣医学部・大学院研究科の設置ため」(追加規制改革事項)1/2

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/160324goudoukuikikaigi/shiryou4.pdf

 ➄定例の関係省庁への要請(20166月)京都府

「創薬分野等における新たな獣医師の育成について」2p

http://www.pref.kyoto.jp/seisakuteian/documents/280608_32.pdf#search=%273%E6%9C%8824%E6%97%A5+%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%BA%9C%E3%83%BB%E4%BA%AC%E9%83%BD%E7%94%A3%E6%A5%AD%E5%A4%A7%E3%81%8C%E7%8D%A3%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E9%83%A8%E6%96%B0%E8%A8%AD%E3%82%92%E6%8F%90%E6%A1%88%27

 ⑥第1回今治市分科会(2016921日)

「認定申請を行う特定事業」

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari/dai1_shiryou3.pdf1p

「獣医師養成系大学・学部の新設について」(特別顧問加戸守行提出資料)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari/dai1_shiryou4.pdf2p

 ⑦第2回広島県・今治市特区区域会議(2016930日)
「認定申請を行う特定事業」
「追加の規制改革事項」(加戸守行特別顧問921日分科会説明資料と同文)(合わせて2phttp://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/160930goudoukuikikaigi/shiryou3.pdf

 ⑧ワーキンググループのヒアリング(20161017日)(32分)

京都府提出資料「京都産業大学 獣医学部設置構想について」(21頁)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/teian/161017_shiryou_t_1.pdf

161017日付)

 ⑨定例の関係省庁への要請(201611月)京都府

「創薬分野等新たなニーズに対応する獣医学部の設置について」(3p

http://www.pref.kyoto.jp/seisakuteian/documents/281125_25.pdf

 2回今治市分科会 2017112日)

「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議の構成員の応募について」(28頁)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari/dai2_shiryou6.pdf17110日)(27回諮問会議資料と同文)

 ⑪第27回国家戦略特区諮問会議( 2017120日)
資料6「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議の構成員の応募について」(28頁)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari/dai2_shiryou6.pdf#search=%27%E5%8A%A0%E8%A8%88%E5%AD%A6%E5%9C%92+%E7%8D%A3%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E9%83%A8%E6%96%B0%E8%A8%AD+%E6%8F%90%E6%A1%88%E6%9B%B8%2717110日付)

⑫第3回広島県・今治市国家戦略特区区域会議(2017120日)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/170120goudoukuikikaigi/shiryou2.pdf

  

 

 

 

 

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2017年6月10日 (土)

加計問題の行方、これでいいのか(1)(2)

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 今年のアジサイの花の色は、鮮やかなような・・・

 

加計問題の行方、これでいいのか

~はぐらかしの安倍首相答弁、文科省に責任を振る、二転三転の菅官房長官

答弁(1)

 肝心な時に国会中継をスルーするNHK 

NHKが中継する国会質疑を見ていると、ニュース番組では、なかなかわからないことも分かって来る。たとえば、65日の参院決算委員会での加計問題の質疑を見ていて、当方もいらだつことが多かったが、近頃の安倍首相も、かなりいらだっていることは明らかだった。答弁に窮する場面では、質問には答えず、聞かれてないことを延々としゃべる。ヤジが飛べば、「静かにしてくださいよ、人が誠実に話しているのに」「落ち着いて、落ち着いてくださいよ」「○○さん、ヤジはやめましょうよ」と名指しまでする。そのくせ、人の質問中には、自分の席からは、平気でヤジったり、指をさしたり、隣の麻生大臣とニヤニヤと私語を交わしたりする。首相たるもの、ヤジぐらいでオタオタするな。これほど、マナーも、教養も備えていない首相をいただいた不幸、しかし、歎いているばかりはいられない。

 第一、NHKが、この国会中継をするかしないかの基準は、随分と曖昧で恣意的なのである。問い合わせると、返ってくる答えは、国民の関心とNHKによる総合的判断の結果であるという。番組表に、中継表示がない場合、国会中継をするのか否かは、前日の夕刻までに判断するのだという。さらに、議事が延長した場合、中継を継続するか否かは、直前までその判断が伝えられない。これは、一昨年の安保関連法案の審議の時に知った。ことほど左様に、NHKは、国会中継に消極的である。国民の関心事より政府への配慮が顕著なのは明らかである。

 さらに、中継しても、午前中の分は12時のニュースでしか報道せず、7時や9時のニュースでは省略してしまう。また、まったく中継をしなかった場合は、ニュース番組内で伝えることは、めったにない。

 もっとも、以下の衆・参議院のインターネット中継のサイトでは、会議名をクリックすれば、開会中であれば、中継が見られるし、検索により録画も閲覧できる。(続く)

参議院インターネット中継

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

衆議院インターネット中継

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

 

加計問題の行方、これでいいのか

~はぐらかしの安倍首相答弁、文科省に責任を振る、二転三転の菅官房長官答弁(2)

NHK報道の現実

68日のNHK「ニュース7」は、以下のように、国会のニュースは皆無であった。菅官房長官の記者会見も一切報道されなかった。

その「ニュース7」のニュース項目で振り返ってみよう。カッコ内の時間は、私が録画の時刻表示によって計った。合計28分となり、そのあとの気象情報に続く。

①福岡の母子3人殺人事件(610秒)+⑦続報(120秒)

FBIコミー前長官、議会に文書提出・トランプ大統領の捜査妨害(510秒)

③日本原子力開発機構大原研究所での被ばく事故(350秒)

④イギリスの総選挙(420秒)

⑤渋谷暴動事件、容疑者の45年の逃亡生活(210秒)

⑥ホンダの自動運転技術実用化へ(110秒)

⑧宮里藍 ⑨村田諒太 ⑩プロ野球速報(合わせて350秒)

 

このNHK報道の現実を見て、どう思われるだろうか。公共放送のニュース番組なのだろうか。もともと、NHKのニュースは、必要以上に、事件・事故、災害、スポーツに関する報道に時間を取り、この日は北朝鮮のミサイル打ち上げこそなかったが、北朝鮮脅威とともに、宇宙・医療・ITなどの科学トピックスや街の話題的なネタも好んでというより、重大な政治・経済ニュースを避けたり、薄めたりするために、大々的に報道して、限られたニュース番組を占拠することもある。8日の「ニュース7」も典型的なパターンで、28分の枠の中で、730秒を殺人事件にあてた。そして⑥の自動運転技術の実用化などは、速報性もなく、この日の項目にする必然性はない。②や④の海外情報も大事ではあるけれど、国内の国会での重要な論議をすべて無視したのは、政府に不都合な情報は流さないという、「政府広報」に徹した証だろう。

世論の動向が一番だと思うが、この日の、菅官房長官の記者会見の答弁で窮地に立たされたことが、翌日69日の文科省の内部文書再調査に繋がったともいわれる重要なやり取りであったわけである。それを報道しなかったという、NHKの報道姿勢の劣化はぬぐいようもない。 

私は、この日68日、NHKの参議院国会中継がなかったので、参議院のインターネット中継で、いくつかの委員会の審議を閲覧した。加計学園問題や共謀罪が取り上げられるはずだったからであった。

 

68日、参議院インターネット中継を見た

国会では、共謀罪、加計学園問題などが、いくつかの参議院委員会で議論されていたにもかかわらず、結論的に言えば、NHKの国会中継は一切なく、上記のようにその日の夜のニュースでは一切報道されなかったのである。私は、この8日は、時間の都合もあって、午後からインターネット中継と録画で、以下のいくつかの委員会をハシゴする形となった。 もちろん断片的ではあるが、関心ある方は、録画でぜひ確かめていただきたい。これらの一部は、当然のことながら、民放の報道番組では、取り上げられていたのである。

 

内閣委員会(2017年6月8日):

山本太郎議員 昼過ぎに、参議院内閣委員会の中継を見ると、山本太郎議員が質問に立っていた。行政文書の情報公開が、民主主義の根幹であり、憲法の国政調査権に基づいての文書公開を迫っていた。後半は、「国家戦略特別区域法」がうたう岩盤規制の改革突破の名のもとに、いかに不透明な、理不尽な特区事業が実施されたことについてあらためて知ることになる。例に挙げたのは、安倍首相と加計学園ではなく、「解雇特区」とも呼ばれる労働者派遣事業の規制緩和の一つ、神奈川県、東京都で展開される家事代行サービスに外国人材導入を例に、特区諮問会議の民間議員竹中平蔵が人材派遣会社パソナの会長であることを質していた。パソナは、神奈川県、東京都でも、特区の事業者として認定されている。特区の民間議員は、首相の任命であることから、「お友達」であっても不思議はない。岩盤規制にドリルで穴をあけるどころか、首相指導の「利権特区」ではないのか。

山本議員の質問の後は散会となったので、録画で、さかのぼって、田村智子議員と桜井充議員の質問を閲覧した。こうした質疑を通して、政府関係者の答弁の無内容~記憶にありません、承知していません、差し控えさせていただきます、今治市の責任での文書でございます、などが繰り返され、山本幸三地方再生担当大臣に至っては、下を向いてボソボソと自信のない言語不明瞭な答弁が続く光景をまのあたりにする。 

田村智子議員は、201629日 今治市の市議たちが、内閣府の地方創生推進室を訪ね、藤原豊次長、審議官他と面談し、藤原次長が、今治市に獣医学部を新設しても、人口減の時代、学生が集まるのか、今治市の財政負担などについて懸念を示したという出張報告書を入手、その内容を、藤原次長に質せば、会ってはいるが、その内容は定かではない、との答弁。田村議員は、その後、119日の第25回諮問会議で特区今治市の獣医学部の事業者として加計学園が急に固まるまでに何が起きたのかに焦点を絞る。



桜井充議員も、情報公開法について質していた。審議過程に係る文書は公開できないが、審議終了後には公開しなければならないのに、なぜ公開しないのか、の質問には、佐々木基地方創生事務局長は、審議終了後であっても、検討・協議過程以外の文書であっても、それを公開することによって、国民に混乱を招き、将来同種の案件について悪影響を及ぼし、支障をきたす場合は、公開できないと、見当はずれの答弁をしていた。今や、国民の混乱を招くのは、むしろ公開しないからでであって、国民の大半は公開を望んでいる公文書ではないのか、とも思えるのだ。

今治市側から入手した複数の行政文書に「内閣主導にて不透明に進行する」「内閣府が考えているスケジュール感に対応するために」という文言がでてきたり、20184月の加計学園獣医学部開学のスケジュールが先行したりする文書の存在を示せば、それは、あくまでも今治市の責任で書いた文書で、自分たちは承知していない、その内容は不正確だと藤原次長は答える。また、201542日には、内閣府を訪ねた今治市の職員が、予定を変更して、首相官邸にいたことが伺われ、その時間帯の「首相動静」によれば、下村文科大臣と山中伸一事務次官が面談していることになっていることは何を意味するのか。特区の担当は内閣府なのに、なぜ、提案者側の今治市職員が官邸を訪ねるのか、の疑問に迫った。また、事業者が決まる前に、201610月には、今治市は、加計学園による予定地でのボーリング調査を承諾していることも不可解だとする。

さらに、中村時広愛媛県知事はこの4月の記者会見で、長年の大学誘致をあきらめていた頃「内閣府から助言があって、国家戦略特区で出したらどうかということだったので、出したら許可が下りたということですので、その国サイドのことについては、私は何があるのか、どういう議論があったのかは分かりません」の発言があり、後で、内閣府からは「誤解がある」とのクレームが付く一件も質された。答える藤原次長の痛々しい、苦しそうな姿は、財務省の佐川理財局長にも通じ、情けない。つい、それぞれのご家族の気持ちはいかばかりかと、思いを馳せてしまうのだ。どんなに出世したとしても。

 

法務委員会(2017年6月8日):

また、次に閲覧したのが、参議院法務委員会で、福山哲郎議員の「共謀罪」新設法案、「テロ等準備罪」新設法案についての質問がなされていた。政府が、盛んにいうのは、この法案が通らない以上、国際的組織犯罪防止国際連合条約=TOC条約が締結できない、締結国と組織犯罪についての情報が共有できない、従って、オリンピック開催時のテロが防止ができないという論法なのである。

福山哲郎議員は、そもそも、TOC条約は、趣旨・内容から、アメリカの911事件以前に成立し、その「立法ガイド」(解説)では、人身取引、密入国、銃器取引などを防止し、マネーロングを防止するのが目的の一つで、テロ等準備罪には触れていない、さらに、政治的な意味合いのあるテロ防止をこの条約の対象から除外するとまで記されている、というのだ。また、外務省条約局の職員が、その解説においても、「テロ防止」には一切触れていない、とも。この条約の批准のために「テロ等準備罪」を新設するのは論外だとし、法案の第62項、2項の2に見るように、集団に属していなくとも、捜査の対象になるということではないか、の質問には、金田法務大臣は答えらえず、刑事局長からは、集団に属していなくとも、周辺の者、密接な者、関わり合いのある者ものは対象になるという、驚くべき答弁であった。さらに、報道でも取り上げられていた、国連の特別報告者による今回の法案はプライバシーの見地から非常に問題があるとの安倍首相への書簡を個人的な意見だとして拒み、抗議し、安倍首相国連事務総長との懇談で、あの書簡は、国連の総意ではない、という言質を取り付けたという点に対して、その事実を問い質せば、岸信夫外務副大臣は外交上の発言なので回答は控えるとの対応であった。

 

農水委員会(2017年6月8日):

つぎに、見たのが参院農水委員会で、ここでは森裕子議員が奮闘していた。

森裕子議員は、内閣委員会の桜井議員との連携で、201542日の今治市幹部職員の内閣府・首相官邸への訪問、面談について質していた。ここでも、記録もないし、記憶もないというのが、藤原次長の答弁であった。森議員は、今治市サイドの行政文書の徹底的な情報公開をしていて、まだたくさんの文書が出てくるのではないか。また、文科省内部文書について職員の複数が命をかけて文書の存在について、上司に報告しているのに、なぜ、握りつぶすのか、部下を見捨てる気なのか、と迫っていた。相手は、常盤豊高等教育局長であり、義家副大臣である。

 

菅官房長官の記者会見

 68日の記者会見は、かなりひどいものだった。テレビ朝日の報道ステーションで、食い下がる記者たちとの質疑が長い間放映されていた。その答弁は、これまた、テープレコーダーのごとく「出所不明の文書であることには変わりなく、文科省が適切に調査して、報告した」と繰り返す。記者が、公益通報者保護法で、内部通報者はどう保護されるかを問えば、仮定の問題には答えない、というありさまだ。この質疑は、いつになく、30分にも及んだという。(続く)

 

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2017年6月 5日 (月)

5月31日、共謀罪法案の廃案を求める集会に参加しました

 「共謀罪」、こんな怪しげな、危険な法律を通すわけにはいかない、という怒りと悲壮感が漂う表情の人たち、まだ参議院で廃案にすることができるぞ、という意気ごみをみなぎらせた人たちが、続々と日比谷野外音楽堂にやって来る・・・。正直、私もいろいろな思いが交錯するのだが、この日の集会「531共謀罪法案の廃案を求める市民の集い」への参加には、もう一つの目的があった。613日「森友問題の幕引きを許さない市民の会」主催の「森友・加計問題を考えるシンポジウム」のチラシを配布することだった。

会の有志が、4人ほどで配布しているはずである。会場でのチラシ配布はできないことになっているので、その周辺で、集会が始まる前には配り終えなければならない。「加計・森友問題のシンポを開きます」「森友・加計問題を糾明しましょう」とチラシを渡すのだが、受け取りの感触は良かったと思う。手を差し出して受け取ってくれる人、通り過ぎてから戻って受け取ってくれる人、「まったくおかしいわよ」「許すわけにはいかない」「とんでもないやつらだ」「あら、青木さんが来るのね」「がんばろう」と反応はさまざまだが、みな怒っていた。あとで合わせてみると4人で1100枚近く配ったことになる。そんな中、一人で参加の佐倉の知人にもお会いした。

 613日は、ウィークデイだし、国会は会期末で、どうなっているかの不安定要素もあった。また、一方、前川証言が出現して、加計問題は予想外の展開もし始めている。「市民の会」のシンポジウムにどのくらいの方が参加されるだろうか。会場が衆議院第一議員会館で、定員300人限りなので、先着順ということになった。参加の方は、お早めにご参集くださるよう、お勧めしたい。

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よいよ、集会もスタートという直前に、私も入場、入り口では「プログラムがなくなってしまいました」というほど、会場びっしりの参加者である。そして間もなく、入場制限が始まって、門は閉じられてしまった。野音での集会には、何度か通っているが、これだけの混み具合いだと、どうだろう3500は超えていると思った(翌日の報道によれば4700人とのことだった。立ち見や場外の人たちを入れると、そんなものかなと)。開会のあいさつ、海渡雄一弁護士のアピール、山尾志保理議員の報告と続いていたが、所用のため抜け出すことに。一度出たら入れませんよと、係の人から念を押されてのことだった。

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 前日の5月30日、参院法務委員会の「共謀罪」質疑において、有田芳生議員の質問「組織的犯罪集団に一変するのを誰が監視して判断するのか」に、手を挙げた金田法務大臣は、安倍首相から腕を抑えられ、答弁を阻止された。その後の挙手も、盛山副大臣からスゴイ勢いで振り払われていた。答弁するのは、”実務に通じた”林刑事局長。

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5月30日の「報道ステーション」より

 

 

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2015年12月25日 (金)

ことしのクリスマス・イブは~DHCスラップ訴訟控訴審(東京高裁)第1回口頭弁論傍聴と報告集会へ

日比谷公園のクリスマス市
知人ご夫妻からのお招きで、日比谷・松本楼でのランチを楽しんだあと、私たちは、東京高裁へと向かう。日比谷公園の噴水広場は、金色のツリーを前に、たくさんのテントがひしめいていた。日本ではあまり見かけないトンガリ帽子のような屋根のテントも多い。にぎわい始めた昼下りのクリスマスマーケット、聞くところによれば、すでに12月11日から始まっていたらしい。実行委員会形式で、ドイツ観光局とJR東日本も協賛していて、東京では、はじめてのイベントとも言う。ヨーロッパの街歩きで、朝市や金曜市も楽しいが、もう10年以上も前の11月下旬のウィーンで出会ったクリスマス市の独特の雰囲気は、忘れがたい。シェーンブルン宮殿前のクリスマス市は、すでに暮れていて、強烈なグリューワインに打ちのめされたこともあった。市庁舎前のクリスマス市は、家族連れでにぎわっていて、一回りすると暮らしの必需品が何でも揃ってしまいそうな店が並ぶ。ああ、もう一度出かけてみたい、そんなことを考えながら、東京高裁の822法廷へ。 

DHCスラップ訴訟控訴審第1回口頭弁論  
  すでに、9月のブログでも報告しているが、化粧品やサプリのDHC社長が「澤口統一郎の憲法日記」の記事が社長の名誉を棄損したとして、執筆の澤藤弁護士に6000万円の損害賠償を請求したという案件ある。9月2日の東京地裁判決は、もちろんそんな請求は棄却し、全面敗訴だった。にもかかわらず、社長側が控訴したので、この日の東京高裁での第1回口頭弁論となったわけである。

・DHCスラップ訴訟、澤藤弁護士勝利、東京地裁判決傍聴と報告集会に参加しました http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/09/dhc-30de.html(2015年9月4日)

  スラップ訴訟とは、言いがかりをつけて、相手の口封じや恫喝・弾圧のために、法外な損害賠償や刑罰を求めて提訴される訴訟をいう。DHC社長は、同様の提訴を10件も行っているとのこと、まさに言いがかり訴訟の際たるものではないか。  
  そもそも、上記「憲法日記」は、DHC社長が渡辺喜美への8億円の政治献金を明らかにしたことに端を発し、「政治とカネ」をテーマに糾弾したものである。東京地裁の判決は、「(本件ブログ記事は)いずれも意見ないし論評の表明であり、公共の利害に関する事実に係り、その目的がもっぱら公益を図ることにあって、その前提に事実の重要な部分について真実であることの証明がなされており、前提事実と意見ないし論評との間に論理的関連性も認められ、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものということはできない」から違法性を欠くものとして不法行為の成立を否定した。社長側は、控訴理由書は提出しているが、きょうの法廷には、若い弁護士が二人ぽつんと座っているだけで、澤藤弁護士側には、全国の大勢の支援の弁護士がいるが、きょうの被告席側には10人以上の弁護士が並んでいた。もちろん傍聴席にもたくさんの弁護士がいらしたようだ。澤藤弁護士は「今日は、弁護士ではなくて、被告としてこの席に立ちます」と弁論が始まる。「自席でどうぞ」と裁判長の言葉で弁論が始まって、約15分。詳しくは、以下のブログの12月24日までの一連の記事を参照してほしい。

・「澤藤統一郎の憲法日記」http://article9.jp/wordpress/

   口頭弁論の最後に、澤藤弁護士は、本件のようなスラップ訴訟が乱発されると、社会的な強者が自分に対する批判を嫌って濫訴が横行し、市民の言論は萎縮し、権力者や経済的強者への断固たる批判の言論は、後退を余儀なくされ、言論自体が委縮し、政治批判の言論は成立しなくなる、と言う趣旨のことを述べた。また、「表現の自由、とりわけ、公共的事項に関する表現の自由は、特に重要な憲法上の権利として尊重されなければならないものであり、憲法21条1項の規定は、その核心においてかかる趣旨を含むものと解される」とした、北方ジャーナル事件の最高裁判決(1986年6月11日)を引用して締めくくられた。 社長がからの控訴理由書の口頭弁論はなく、裁判長は、来年1月28日の判決を伝え、閉廷した。

報告集会のあとで
  弁護士会館の会議室での報告集会は、イブということもあって、澤藤弁護士ご一家の心づくしのケーキと飲みものが供され、和やかな雰囲気のなかで進んだ。 幾つかの発言の中で、印象に残ったのは、中川弁護士による「健康食品の規制緩和と機能性表示食品の危険性」についてだった。これまでも、新聞や生活クラブ生協の機関誌などで、「機能性表示食品」が今年の4月から解禁となったこととその信頼ならぬことは認識し、もちろんその類の商品とは縁がないものと思っている。それにしても、新聞やテレビでの広告が半端でなく激増し、なかでも新聞折り込み、新聞全紙裏表の折り込みも、よく目にするようになり、驚いている。安倍内閣が、推進してきた、この分野での規制緩和ながら、内閣府食品安全委員会委員長といわゆる「健康食品」を検討するワーキンググループ座長の名で2015年12月8日には、「国民の皆様へ」として19のメッセージと21に及ぶQ&Aを発表した(注)。中川弁護士は、以下のようなメッセージを国民への警鐘ととらえ、片やアベノミクスの一環としての規制緩和、その結果としての機能性表示食品を含む「健康商品」の種々の危険性を消費者に訴えている矛盾を指摘した。食品安全委員会は、これだけのリスクを抱えた「健康食品」の拡大を止めることができなかったか、国民へのメッセージは、国民への責任転嫁とも捉えられても仕方ないようにも思えたのである。
  健康食品広告では「気をつけよう、体験談、学会発表、争点はずし!」という発言も澤藤弁護士からあった。体験談はでっち上げも可能、自前のわけのわからない学会だったり、動物実験結果だったりすることもある。「毎日にハリ、潤い!」「みなぎる活力を実感!」「栄養バランス抜群!」といわれても・・・、ということらしい。
  神原弁護士は、国会前の集会やデモ隊の最前線で、過剰警備から人々を守る若手で、政府に都合のいい人たちの人権は守られるけど、弱者側の人権は守られないことを嘆く。あの人権侵害も甚だしいヘイトスピーチへの対応を見てもわかり、ようやく法務省の「勧告」が出た程度なのである。

歳晩の覚悟
  日に日に、政治的な表現の自由、公共的な事項の表現の自由が狭まってきた現在、集会中、TBSニュース23のキャスター岸井成格糾弾の意見広告についての発言が出たとき、報道ステーションのキャスター古館伊知郎の降板もというニュースが会場の一人からもたらされた。古館については、噂でしょうとその場で聞き流された形だったが、なんと、帰宅後分かったのだが、やはり、午前中には、テレビ朝日から来年の3月をもって降板と発表され、本にの記者会見まで開かれていた。そして、これを書いている25日には、岸井の来年3月をもってニュース23からの降板も正式に発表された。なんというクリスマスであったのだろう。寒さがいささか緩んだクリスマスではあったが、「表現の自由」は、「報道の自由」は、確実に侵害され、後退した2015年、歳晩にして、凍りつくような風が体の中を吹き抜ける思いだった。 現在の安倍政権、そして取り巻くサイドのやりたい放題に、立ち向かえない私たち国民の力に絶望することは簡単だが、ともかく自らの抗う力を声にしたい、形にしたいと覚悟するのだった。

~~~~~~~健康食品を愛用の方、ぜひご参照ください ~~~~~~~~

       食するなら、自己責任ですよ、死ぬこともありますので・・・

(注)内閣府省区品安全委員会HP<健康食品」に関する情報> https://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html 平成27年12月8日作成

委員長、座長から国民の皆様へ[PDF:142KB]
  「若さと健康を願うあなたに」、「△△の健康のための○○」といったキャッチフレーズを、毎日たくさん見聞きします。そして、医薬品のようにカプセルや錠剤の形をしたサプリメント、「健康によい」成分を添加した飲料や食品など、さまざまな「健康食品」*が売られています。今や国民のおよそ半分の方々が、こうした「健康食品」を利用されているという調査もあり、「健康食品」市場が拡大しています。これは、健康で長生きしたいという古来変わらない人々の願望の表れでしょう。 (中略) 残念ながら、現代でも「これさえ摂れば、元気で長生きできる」という薬や食品はありません。それどころか逆に、「健康食品」で健康を害することもあります。しかも、そのような情報は皆様の目に触れにくいのが現状です。消費者は、「健康食品」のリスクについての情報を十分に得られないまま、効果への期待だけを大きくしやすい状態に置かれているといえます。 食品安全委員会ではこういった状況を憂い、幅広い専門家からなるワーキンググループを作り、「健康食品」の安全性について検討しました。まず「健康食品」から健康被害が起こる要因を挙げ、次にその要因ごとに、健康被害事例などを含めた文献などからの科学的事実を調べ、皆様に知っていただきたい要点として取りまとめました。そうして作成した報告書からさらに抜粋して、皆様に向けて19項目のメッセージをまとめました。これらには「健康食品」で健康被害が出ることをなくしたいという本委員会の願いを込めました。
いわゆる「健康食品」に関す検討ワーキンググループ座長  脇 昌子
食品安全委員会長                          佐藤 洋  
健康食品」とは、「健康への効果やダイエット効果をうたって販売されている食品」を言います。これには、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品も含まれます。また、ここでは「サプリメント」とは、 カプセル・錠剤・粉末・顆粒形態の「健康食品」を言います。

関連情報
・「健康食品」に関するメッセージ[PDF:1,312KB]
・「健康食品」に関する報告書[PDF:817KB]
・「健康食品」に関する情報(Q&A)[PDF:292KB]                                                                                                             

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2009年6月 4日 (木)

ラベンダーとバラの向こう側で

ラベンダーと市政と

 ご近所の友人が車を出してくれて、4人での「お花見」となった。

 そろそろ見ごろらしいとの情報が入った、先崎(まっさき)のラベンダーランド。ここは、現在の蕨佐倉市長が就任前から自分の畑にラベンダーを植え始め、いまは結構な広さになって、去年からラベンダーまつりが開かれるようになったところだ。蕨氏は早くより自宅に隣接してゴルフ練習場や霊園を経営する元銀行員で、先々代は志津村の村長さんだったという旧家らしい。民間の手法を市政にもという触れ込みで当選した市長だが、現実にはあまり変わり映えのしない役所の姿勢にがっかりしている。開発・環境問題で何度か交渉した体験からしても、こんな課長がと思う人ほど出世しているような気がする昨今の市役所人事ではある。それにしても、ラベンダーの陰に市長の顔がちらつくのは困ったものだ。

 ラベンダー畑の管理者の話によると、「濃紫早咲」が見ごろだそうで、花穂の下方部分の濃い紫が出そろい、先端に薄紫の花が開き始めた今がよいという。6月半ばのラベンダーまつりには屋台も出るし、ラベンダーグッズや鉢も売るからと勧められる。他に「グロッソ」という名札を付けた畑もあり、花期は6月下旬~7月下旬、やや丈のある青々とした葉が茂っていた。うっすらと花穂の気配を見せる「おかむらさき」というのもある。

以下は、帰宅後、ネットから仕入れた情報である。「濃紫早咲」は、香りが淡いので、切り花やドライフラワー、リース材に適しているそうだ。「おかむらさき」は富良野のラベンダーの主力らしい。「グロッソ」は、交配種のラバンジンの一種で1972年、フランスのグロッソ氏が作出したとのことだ。数年前、南仏のアビニヨンで土産に買ったポプリを、改めて確かめてみると、”LAVANDIN DE PROVANCE” というシールが貼ってあるではないか。オイルの収穫量も多い品種とのことで、ポプリは玄関の靴箱の上で、いまだにかなりの香りを放っている。

 

バラ園とその管理者

 少しばかり道に迷いながら、「草ぶえの丘」に到着。今朝(61日号)の「さくら広報」の1面を飾ったばかりのバラ園である。さまざまな品種のバラが、国別、品種別、色別に植栽され、アーチやパーゴラ、随所に格子が組まれているのがわかる。日本の「バラの父」鈴木省一コーナーもある。しかし、バラ愛好家でもない素人の私には、バラ園全体が散漫で、いまひとつインパクトがないのはどうしたわけだろう。「草ぶえの丘」全体の管理運営は、指定管理者制度により、佐倉市から地元の開発業者山万グループに移行した。さかのぼれば、すでに3年前から山万グループに移行、今年度、更新してさらに5年間の指定管理者となった。このバラ園は開園4年目という。バラ園の運営がNPOバラ文化研究所らしいのだが、山万グループとの関係はどういうことになるのだろう。「草ぶえの丘」は、バラ園はじめ、農園、ミニ鉄道、アスレチック、キャンプ・研修施設などアウトドア関係施設を擁するが、どんな風に盛りたてて行くのか、見守りたいところではある。行政改革の一環として始まった指定管理者制度であるが、効率的で安定した管理運営をすることによって市民へのサービスを向上させるのが、その目的だ。指定管理者の選定過程、モニタリング、財政・人事の透明性、情報公開などがきっちり確保されているのだろうか。ともすれば、行政からの丸投げ、責任転嫁、サービス切り捨てへの不安がつきまとう。入園料400円とアクセスの不便さが当面のネックになってはいないか。入園者はどのくらい増えたのだろうか。そんなことを考えさせられた「草ぶえの丘」であった。

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2008年9月 6日 (土)

住宅街の真ん中に、24時間営業のスーパーができる、大店法は何を守るのか

 

窓を開ければ、屋上駐車場が 

 1か月以上、更新ができなかったのは、世の中、夏休みというのに、妙に忙しかったからだ。隣接の井野東土地区画整理事業の中の一つの街区に、スーパー出店の商業施設建築計画が、今年20083月に当地の地元ディベロッパー山万から発表された。向かいの街区に建築中の14階建てのマンションの来年3月の入居にあわせて、購入者に約束したスーパーの開業をなんとか間に合わせようというのだ。その商業施設は、2階建てながら、屋上に駐車場ができるというのだ。300戸越えるマンションの足元に、屋上駐車場付きのスーパーが建つというわけだ。私たち、20数年来、まがりなりにも閑静な戸建て住宅街に住み続けてきた近接の住民は、驚いた。自治会と専門部会たる開発対策協議会は、早速ディベロッパーと協議を始めることになった。道路やモノレールの軌道を挟み、第一種低層住居専用地域とマンションに隣接し、さらに将来は、高齢者施設も計画されている、その真ん中に、屋上駐車場はないだろう、というのが正直な感想であった。まだ、周辺には空地がある、平置きの駐車場にならないか、少なくとも地下駐車場にできないか、と要望したのだが、業者は土地の有効活用と経済性の観点から一歩も引かない。屋上駐車場への導入路を若干低くして、駐車台数を数台減らしたのが相手の譲歩だった。駐車場への主たる導入路は、大店法の「指針」では原則禁止している右折だった。ディベロッパーや市役所・県庁に、その危険回避対策を迫っても、「指針」に強制力はないと涼しい顔なのである。 

それでも、予想できる照明、騒音、排気ガスなどの被害や交通被害を極力抑えた建築物にするよう協議は重ねられ、ともかく協議の確認書を取り交わせたのが8月上旬だった。続いては、着工に先立って、建築主のディベロッパーと施工業者を相手に「工事協定書」を結ばなければならない。その協議も始まった。

 

大店法手続きの虚実 

そして、予定より早く、抜き打ち的になされたのが、出店届の申請・受理と約10日後の住民説明会開催だった。同日の午前・午後の2回開催、その壇上に行政も含め関係者は居並び、物々しいが、要は、大店法にかかる手続きの代行業者コンサルタント会社が説明の主役なのである。この大店法手続き上の住民説明会は、半径1kmの住民に対する、いわば、建築主(家主)とスーパーの事業計画のお披露目でもある。このときの住民の意見は、県へは数行で報告されるのではないか。いわば大店法手続きの最初のセレモニーである。説明会後、事業計画書が縦覧に付され、4か月間、住民の意見提出を受け付けるという。しかし、一方では、建物の建築工事の着工は、建築確認が下りさえすれば、大店法の手続きとは関係なく可能なのである。本来、スーパー出店の建物の「建築計画」と建築主(家主)であるディベロッパーによるスーパー入居と併設施設にかかる「事業計画」は一体的なものと思われるが、手続き上は、大店法と建築基準法の二流れで進行するのだ。もし、住民の強い意見等で事業計画に変更をきたし、建築計画自体の変更を迫られたらどうするのだろうと、素人は心配するが、役所は、事業者や建築主がそのリスクを背負うといい、ハード面での変更など最初から変更する気がないのが実態らしい。

 

縦覧中に提出された、市町村の意見や住民の意見は「県報」の公告・縦覧を経て「審議会」に掛けられ、出店届から8か月以内に審議会での審議・答申により県として「意見を有しない」のか「意見を有する」のかに分かれ、有すれば公告・縦覧に付する。意見がなければ、手続き終了ということになる。 

さらに、県の意見がある場合、建築主の設置者は、その対応策として届出事項の変更をするのかしないのかを判断し、その変更は、再び4か月間縦覧に付されることになり、その変更が適正か否かにしたがって「審議会」は設置者に「勧告」するか否かを決定する。「勧告」に強制力はなく、勧告に従わなかった場合は「公表」するというぺナルティがあるのみである。 

この「大規模小売店舗立地法」の手続きの流れを、資料をもとに県庁の役人からレクチャーされたが、気の遠くなるような話で、住民の意見が反映されるか否かの観点から、どのくらいの機能を果たしているのだろうか。いや、むしろその「無能力化」にいかに寄与しているのか、「形骸化」に貢献しているのか、その「むなしさ」が先に立つのだった。 

住宅街の真ん中で24時間営業って、「あり」? 

ディベロッパーとの協議の中で、6月にようやく、出店業者が発表された。イオン系のスーパーで、全国に600近く店舗を有し、24時間営業が「売り」という。まず、スーパーの本部に自治会は面談を申し入れ、事業計画を尋ねようとすると、商業施設の建築主たるディベロッパーがバリアになって、なかなか実現しない。スーパー本部の担当者は、説明会に先立って、近隣自治会長への挨拶まわりには怠りないが、店長も決まってない段階で、自治会という住民組織と面談するつもりがないと突っぱねる。

 

私たち地元住民が、いちばん心配しているのが、24時間営業の近隣の住環境への影響だ。まず、幹線道路から引っ込んだ、住宅街の真ん中での終夜営業は不要ではないか。たとえ、わずかな利用者がいても、その利便性のために、近隣住民が受忍しなければならない騒音、光害、防犯・風紀上の悪影響などが大きすぎる。 

最近、自治体でもコンビニの24時間営業に規制を打ち出すところが出てきた。上述のような理由に加えて、エコロジーの観点からも規制を強めたい、夜型の生活スタイルを変えていこうとする考え方によるものである。規制反対派は、おもに業界からは、利用者がいる限り営業面で不利になる、たとえ自粛してもエコへの寄与はわずかなものだし、なぜコンビニから始めるのか、防犯面からはむしろ交番の代替としての役割を果たしているではないか、などが主なところらしい(朝日新聞2008630日、200896日参照)。繁華街や駅ビルならいざ知らず、住宅街の真ん中での終夜営業は、私にとっては理解に苦しむところだ。

 

3回目の住民説明会が近づいてきた。住民の関心は高まりつつある。

 

 

補記: 

①2009年4月に24時間営業で開店したスーパー「マックスバリュユーカリが丘店」は、2009   年11月21日より、開店7か月で営業時間が短縮され、午前9時~午後12時営業となった。 

②開店当時より医薬品コーナーの営業は短縮されて限定的だったが、2010年2月半ばで、医薬品コーナーは撤収した。

 

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