2018年7月15日 (日)

ユーカリが丘駅北口、あたらしい街づくりというが 

 

6月の自治会の回覧資料のなかに、地元の開発業者山万発信の「平成30年度6月~開発計画について」(63日)があった。地域の複数の自治会で構成される自治会協議会で、報告されたようであった。営業所の移転、スタバの開店予定、シネマコンプレックスの運営会社の変更などの情報に混じって、「(仮称)佐倉市ユーカリが丘駅北再開発事業計画」という3頁の書類が入っていた。数年前から山万が業務代行となって「佐倉市ユーカリが丘北土地区画整理組合準備会」を立ち上げ、駅前の3000坪ほどの土地を順天堂大学に提供するので、一部のキャンパスを移転してはどうかの話が持ち上がっていて、大学生でにぎわう街、それに伴う経済効果をうたい、駅前の再開発計画を目論んでいた。佐倉市には、約25億円の補助金を要請していたが、市長は、大学から詳細な計画が提出されていないことと市財政の立場から、あくまでも消極的だった。 

三年前、大学誘致をめぐる市長選挙は何だったのか

ところが、三年前の市長選挙のとき、山万が、大学誘致を全面的に推進する候補者を突如立てて、悪辣とも言ってよい選挙戦を展開した。その実態は、年表にまとめてあり、このブログでも10数回にわたって、記事にしているので、関心のある方は、一読いただけれと思う。周辺住民への説明会も、おざなりのもので、道路計画などには大きな不安が募っていた。現職の市長も誘致推進派の対抗馬に引きずられて、本来の公約そっちのけで応戦してもいた。選挙民は怪文書や違法ポスター、ネット情報に翻弄された。山万が、あの醜悪な選挙戦をリードしたのを目の当たりにすると、どんなきれいごとを並べられても、私には信用しがたいものがある。

その上、私には、私の住む街区に隣接する「井野東土地区画整理組合」による約50ヘクタールの開発事業(200279日都市計画決定~2012217日組合解散)で、組合の業務代行だった山万が見せた開発の手法への疑問があった。その開発過程で、私たち周辺住民になされた、環境保全、周辺住民無視にも等しい数々の対応を忘れることができない。土地造成に伴う産廃・残土処理・盛り土の高さ、法面の処理、道路計画、建造物の高さ、工事に伴う騒音・振動・交通対策などについて、自治会を中心とする住民組織との数年にわたる会議や質疑・折衝に見せる不誠実で、強硬な姿勢に、気を緩めることができなかったからである。さらに加えて言えば、そのときの千葉県や佐倉市の開発優先の対応にも疑義が深まったのだった。この辺り経緯は、本ブログ開設当時2006年以降の記事や地域のミニコミ誌「すてきなあなたへ」の当時の各号に詳しい(本ブログのマイリストからも閲覧できます)。

“狂乱”の市長選挙の結果は、現職に落ち着いたが、一部市議会議員と山万は、引き続き大学誘致を進めようとしていた。佐倉市側からの経過説明は以下のサイトで読むことができる。


佐倉市HP:順天堂大学の誘致について(2015716)

http://www.city.sakura.lg.jp/0000011401.html

 

〇佐倉市における順天堂大学誘致問題の動向2015~市長選を中心に(告示日:2015419日、投票日:426日)20155月作成、同年6月、20187月補、内野光子作成)
 http://dmituko.cocolog-nifty.com/yukarinenpyou.pdf

大学側も、佐倉市からの補助金引き出しを困難と見て、キャンパスの都心回帰志向が高まる中、補助金がないままの進出は、どうでもよくなったのか、201610月、大学と山万は協議の上、「佐倉市ユーカリが丘北土地区画整理」事業による都市計画提案は取り下げるに至ったのである。 加計問題の二の舞になるところではなかったか。

取り下げから、一年半余り

そして、取り下げから一年半余り、佐倉市との事前協議を重ねていたのだろう、2018320日、今回の「都市計画」提案になったのである。大学に提供すると言っていた1ヘクタール弱の敷地を含めた4.3ヘクタールに、「内外の企業誘致をするためのビジネス街、子育て世代からシニアのための多機能住宅構想を柱に、就業人口、昼間人口、定住人口の増加を目指す」とした都市計画提案を、613日付で、佐倉市は採用・決定した。下のホームページでも明らかなように、計画書、審議結果の双方とも、大学誘致についての経緯や評価にはいっさい触れていない。その提案者は区画整理事業組合(準備会)ではなく、山万からのものであるが、実質的には、大きな変わりはない。

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2018年3月20日、山万から提出された「都市計画提案」

上記の決定内容の詳細は、以下を参照ください。

〇佐倉市HP:都市計画提案(仮称)佐倉市ユーカリが丘駅北再開発地区及び周辺地区2018613日)
http://www.city.sakura.lg.jp/0000019052.html



あらたに決定した計画書と開発実績とは

「職住近接下コンパクトな街づくり」「国際色豊かで多彩な都市的機能の享受機会に恵まれた駅前拠点」として再構築を目標とし、「賑わいと活力のある商業・業務機能と利便性に富んだ都市型住宅機能の整備をはかり回遊性と界隈性を備えた街づくり」を実現する、とある。また、佐倉市の審査結果には、都市計画法や千葉県、佐倉市の都市計画との整合性、地権者・周辺住民との調整、環境への配慮、地元での開発実績からの実現性を評価し決定したと記されている。

 <用途地域のの新旧対照図> 

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右が用途地域変更後の見取り図になる。現在、みずほ銀行の角裏の空色の台形部分の第1種低層住宅専用地域と黄色い296沿いの第1種住宅地域の一部がピンク色の近隣商業地域に取り込まれ、変更となる


  <予想建築物計画図>

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みかん色が三か所の高層住宅で、合わせて432戸。灰色の立体の専用駐車場639台とビルに併設が221台で、あわせて860台。ピンク色の2か所の1階部分が商業施設となる。中央の青色部分が1500人収容の多目的ホールになるという。各建造物の事務所スペースが多い

 

上記二つの図面の詳細は、以下を参照ください。

佐倉市HP:都市計画提案(仮称)佐倉市ユーカリが丘駅北再開発地区及び周辺地区2018613日)

http://www.city.sakura.lg.jp/0000019052.html

こうした、夢のような構想が語られても、その実現性は、これまでの、「井野東」「井野南」などの土地区画整理事業による開発経過と結果・実態をみれば明らかになるのではないか。それにしても、7月21日に予定されていた、公聴会は、公述人なしで、中止になったという。

これまでの開発で、多くの緑地と雑木林を失い、都市計画道路と宅地になり、高層集合住宅も建った。戸建て住宅の小規模化により子育て世代を呼び込んだり、集合住宅は、企業などの借り上げなどにも助けられたり、この地区の人口は確かに増加した。しかし、計画道路沿いの商業ゾーンは、当初、大型スーパーや葬祭場などができて、渋滞などが予想されたが、いまだ空き地が続いている。また、さらに、駅寄りに巨大なイオン・タウンが開業したが、どうだろう。それよりもユーカリが丘駅に近かった、二つの商業施設(ユーカリプラザ、旧サティ)のスーパーや専門店の撤退が相次ぎ、いまは、昨秋、開店のオーケーだけがにぎわっているのが現状である。駅の南側にあった電気店コジマや北側でもツタヤをはじめ、パン屋さん、いくつかの個人商店が閉業している。イオン・タウンへは、オープン以来、私は数回しか出かけていないが、連れ合いは、自転車で、ノジマや生鮮食品売り場、クリーニング店などにはよく通っている。私も出かければ、レストラン街など歩いてみるが、魅力的な店が見つからない。一流とか、有名とかにはこだわらないつもりだが、テナントとして入る店が、どうもこれという特色がない店が多く、リピーターがつかめないのではないか。同じようなことを、よく買い物に出かけるという友人も話していた。お客が多いのは生鮮食品売り場くらいで、閑散としている店が多いのだ。なかには、冷房も暖房も効いているので、もっぱらウォーキングのために出かけ、ところどころにベンチもあるので助かるという友人もいる。

それに、テナントの出入りもはげしく、定着しない。オープン当初、しっかりした眼鏡屋さんが入ったと思い、眼鏡を新調したら、なんと一年余で撤退してしまったという個人的な体験もある。

この街に、あんな大きな商業施設が必要だったのだろうか。呼び込んだ山万とイオンのコンセプトがわかりにくい。遠隔地からの集客は、近隣に同様の商業施設が乱立しているから、まず無理なのではないか、というのは素人でもわかる。私たち住民にとっては、地元の商店やコンパクトなスーパーが充実していれば十分にも思える。私は、コピーや公共料金納入・送金などで利用する程度のコンビニながら、この街にはコンビニが多く、内情はわからないが、共存しているらしいのだ。ということは、大型スーパーより、コンビニの利便性が評価されているのかもしれない。若者、シニア、単身者の利用が多いというのもうなづける。さらに、いくつかの生協の宅配、食材・弁当の宅配業者の車もよく見かける街となった。また、モノレールとて、運行距離が短く、限定的で、駅やホームへのアクセスが悪く、運賃が高い。結局は、小回りの利く、シャトルバスやコミュニティバスを運行する事態に到っている。

今回の開発で、さらに商業施設が増強され、事務所スペースが多く、ビジネス街を目指すという所以でもある。ほんとうに、ビジネスを誘致できるのか。この街はどうなるのだろう。近い将来、当地域の人口増加も、いずれ期待できなくなり、利用者激減の商業施設やモノレールはどうなっているのだろうか、を目の当たりにするのが恐ろしいのだが、そのころ、私などは・・・。 

それでも、企業や自治体、議員や研究者などの視察が盛んなのは

 そんな状況の街ながら、山万の街づくりが、モデルケースとして、国や自治体、地方議員、企業関係者、研究者らの来訪・視察の対象となっている。レポート類も数多く出されていて、業界紙やテレビでも紹介されることが多い。テレビの「カンブリア」にも登場していた。しかし、その大方は、山万が提供する資料や山万の社長や幹部のインタビュー取材にもとづくもので、いわば企業の広報べったりのレポートであることが多く、その裏付け取材や検証がなされないまま、独り歩きしているのだ。将来の人口構成まで見据えた年間200戸以上売り出さない「成長管理」、分譲したら、その地を撤退する開発ではなく、地域に密着した企業であり、社員を地域に住まわせ、関連会社による子育てから介護、環境整備まで支援し、環境に優しい新交通システム(モノレール)の導入、電気自動車のシェア、コミュニティバスなどの運行、住民へのアンケート実施などが高く評価されたことが、HPや広報誌「わがまち」、「夢百科」などで繰り返される。

 ともかく、地元の市役所や住民・自治会・地元のNPOなどに取材したり、関係資料を収集したりする努力、形跡が見えないものがほとんどである。

 実態を見ない机上の開発手法であることが多く、地域密着と称して自治会や管理組合在籍の社員による情報収集・情報操作がなされた場面にも遭遇している。

役人や議員、学者や実務家ら専門家・有識者と称する者やメディアの言は、まず疑ってみよ、が、私にとって、どんな問題にも共通する鉄則にも、思えてくるのだ。

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2018年6月29日 (金)

千葉の空がアブナイ!ますます危ない!~<安全保障環境>が変わったのに(4)

 

下総航空基地の哨戒機PCの飛行訓練は、いま

  梅雨アケかと思うほどの好天が続き、と思ったら、本日関東も梅雨が明けたそうだ。一気に真夏の暑さに、我が家の居間は、南の掃きだしと西の出窓を開け放つ。この季節までは、気にならない航空機騒音が、否応なしに、また、飛び込んでくるのだ。これまでの三つの記事では、羽田着陸便の騒音とその要因、木更津駐屯地への米軍オスプレイの整備拠点、自衛隊オスプレイの暫定配備に伴う危険について報告した。今回は、これまでも、当ブログでは、毎年のように、主に海上自衛隊下総航空基地(柏市)からの哨戒機PC3の低空飛行、騒音についてレポートをしてきた。昨日628日、居間でパソコンに向かっていても、この騒音に悩まされた。午前中の9時台か10時台にかけてと、この日は、午後2時台、そして日没後の夜間飛行による騒音であった。この時間帯は、午前中は訓練のため館山沖に向かい、午後は、基地に戻る時間であり、夜間は離着陸の訓練であるということを聞いていた。自衛隊機は、ほぼ、我が家の真上を通過する。その時は、人の話し声、テレビの音はかき消されるが、とくに、静かな夜間は、窓から見上げたときの音と両翼、尾翼の強烈な灯りの近さには恐怖さえ覚える。350m以下は飛べないことになっているというが、高度500mそこそこではないかと思われる。ここでは、繰返さないが、かつて、2011年~13年にわたって、基地広報担当には、そっけないながらも、教えてもらったこともあった。佐倉市の総務・広報担当の対応は、まさに、ミもフタもないものだったことを思い出す。一連の報告は、以下のブログ記事を見てほしい。

 

あらためて、きょう、629日、下総基地のHPを見てみた。そして驚いたことに、かつて公表していた飛行訓練計画カレンダーがない。消えている。探し方が悪いのか問い合わせてみると、なんとそんなことはしてません、1週間分の予定なら教えますよ、という広報の返答だった。数年前には訓練計画のカレンダーが月単位で公表されていたのである。信じがたいのだが、なぜ公表しなくなったのかを尋ねると、遠方から基地周辺までやってきた飛行機マニアが「カレンダー」と違うではないかと文句をつけてくるから?!ともいう。軍事情報でもなんでもない、こんな情報まで隠蔽するんだ、と少し怖くもなった。かたや、情報公開をうたいながら、特別秘密保護法や公文書管理法によって情報隠しを合法化しようとする行政、政府の在り方に恐怖さえ覚える。いつの間にか、こんなことになっているとは、知らなかった。知る権利を行使しないとこうもなるのだ。下総基地の担当者は、1週間分をお知らせすれば、皆さん納得されて、文句を言う人もいませんよ、との発言。それではファックスによる情報提供をお願いします、と言えば、それはできない、とのことだが、近隣の自治体にはファックスで知らせている由。いずれ情報公開請求によって、一年間分くらいの飛行実態を知りたいと思っている。

 

ちなみに、口頭で確かめた、来週の予定と今週分の実績は以下の通りだった。昨夜の低空飛行と騒音の原因を追認した形である。50年目から続いていると豪語するのだが、住民としては、これ以上の騒音被害や低空飛行の恐怖は、何としても阻止しなければと思う。71()は、木更津で「オスプレイ配備に反対する!県民集会」が開催される。佐倉からは、バスで出かけることになっている。ぜひとも県民の力を結集したいものである。

 

20186月~7月(2週間分)飛行訓練時間の実績と予定(広報からの聴取)

6

25/

26/

27/

28/

29/

30/

1/

 

10∼15:00

10∼15:15

10∼16:15

10∼19:30

10∼16:00

なし

なし

7

2/

3/

4/

5/

6/

7/

8/

 

なし

14001600

なし

なし

なし

航空機騒音等のお問い合わせ先:海上自衛隊 下総航空基地
04-7191-2321(代)

 

参考:当ブログの関連記事をどうぞ 

2012411
〇自衛隊機、500メートルの低空飛行~50年も続いている

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2012/04/50050-5a56.html

 

2012819
佐倉市の航空機騒音、その後

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2012/08/post-bd02-1.html

2013713
〇自衛隊機の夜間演習飛行、日没から夜8時までの2時間!

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/07/82-f987.html

 

20139月29
〇下総航空基地へ~佐倉の航空機騒音の原因の一つ

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/09/post-d7df.html

 

2014425
〇340mの恐怖~習志野第一空挺団の軍機飛ぶ佐倉市上空 
 http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/04/340m-6c9c.html

2014531
〇佐倉市上空の自衛隊機航空機騒音、その後

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/05/post-7d69.html

2016610()
あの低空飛行の軍用機は何だ

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2016/01/koukakukakunnre.html

 

 

 

 

 

 

 

 

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千葉の空がアブナイ!ますます危ない!~<安全保障環境>が変わったのに(3)

陸自購入のオスプレイの配備が、急きょ木更津に決まったわけは

 アメリカから、1機100億以上もするオスプレイMV2217機もアメリカから買うなどということはいつ決まったのか。といえば、201312月、5年毎に策定される「中期防衛整備計画」(2014年~2018年度)が閣議決定されていた。そして、当初は、その17機は、佐賀空港に配備の予定であった。それが、201825日、佐賀県神埼市に、自衛隊の戦闘ヘリコプターAH64Dが点検後の試験飛行中に民家に墜落、乗員二人が死亡する事故が起きたことは記憶にも新しい。その事故により、オスプレイの配備が住民の反対により困難になったため、急きょ、暫定配備先として、木更津駐屯地が決まり、この秋にも5機が配備されることになったのである。木更津駐屯地は、すでに米軍のオスプレイ整備拠点であったことと無関係ではなかったはずである。木更津にとっては、二重の負担にいたった。

 なお、佐賀で墜落した自衛隊機AH64Dは、曰くつきの機種であったことを初めて知って驚いたのである。

陸上自衛隊は、2005年からAH-64D(アパッチ・ロングボウ,ボーイング社製)の導入を開始した。しかし、富士重工業のライセンス生産により、当初62機が調達・配備される予定だったが、2013年度まで9年をかけて、わずか13機で調達を中止した。富士重工は、初期投資が回収不能になったとして、国を相手取り351億円の支払いを求めた訴訟で、最高裁は富士重工側の訴えを全面的に認め、国に対し全額の支払いを命じる判決が確定した、という機種だったのである。国の選定の失敗の本当の理由は、新しい機種の開発を知りながら、価格には見合わない高い買いもの、コストパフォーマンスがあまりにも低い機種を調達してしまったということであった。下記の資料では、2015年度の実働機は、11機であったことも分かり、さらに今回1機を失ったことになる。乗員2名のみの対戦車用の高性能の「戦闘機」という触れ込みであったが、「調達」の失敗で、二人の自衛隊員を失い、民間人の命を奪いかけたのである。

ところが、今回の佐賀の自衛隊機墜落報道において、機種やその性能の高さや原因究明に言及する記事は散見したが、上記の調達ミスによる訴訟で国が全面的に敗訴したことを報道した記事を見いだせなかった。私が、たまたま機種名でネット検索したら、Wikiでもこの経緯は記されていたのである。報道関係者が知らないわけはないだろう。2002年からから予算計上され、2005年から導入していたのであるが、一機の平均購入額は68億と高額なものであった。その後の自衛隊からの原因究明の中間報告によれば、整備不良や操縦ミスは認められなかったという。こうした、不良兵器・装備の購入は莫大な無駄遣いと人命にかかわるということを、強調しておきたい。

<陸・海・空の各自衛隊別、機種別の機数>

https://flyteam.jp/news/article/53415

 もしかしたら、知らないのは国民だけで、氷山の一角だったのかもしれない。そんな失敗をも省みず、オスプレイの選定にも、同様の不安を覚える。だが、それにもまして、日本をとりまく安全保障環境は、大きく変わりつつあるなかで、防衛関係費の推移をあらためてたどっておこうと思う。

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上記の数字には、以下の経費を除いたものであり、平成2930年度に限り、(  )内の数字はそれを含めたものになる。
SACO関係経費として、平成29年度:28億円、平成30年度:51億円
米軍再編関係経費のうち地元負担軽減分として、平成29年度:2,011億円、平成30年度:2,161億円
新たな政府専用機導入に伴う経費として、平成29年度:216億円、平成30年度:312億円
<我が国の防衛と予算 平成30年度予算の概要>よりhttp://www.mod.go.jp/j/yosan/2018/yosan.pdf

 

 防衛関係費の「平成30年度予算の概要」で、今回のテーマと関連して、私が注目したのは、

・戦闘機(F-35A)の取得(6機:785億円)その他関連経費(整備用器材等)として、別途293億円【30予算までの整備数/中期防内の整備数:28機/28機】

・ティルト・ローター機(V-22)の取得(4機:393億円)

輸送ヘリコプター(CH-47JA)の輸送能力を補完・強化のため。その他、関連経費として323億円【30予算までの整備数/中期防内の整備数:17機/17機】

 
 ということは、5年間で戦闘機F35A28機、MV22ヘリコプターは17機が発注されたことを意味し、そして、毎年、関連経費として、かなりの額の予算に組まれていることが分かる。これまでは、「北」の脅威、南西諸島にかかる中国への抑止力を口実に、防衛関係費は、近年0.8%の上昇率をもって増額してきたのである。しかし、在日米軍の経費の4分の3は日本が負担している現状にもかかわらず、トランプ大統領は、自国の負担の軽減を主張する。さらに最近では、米韓の合同演習も中止、在韓米軍の撤退すら言い出したのである。日本としては、在日米軍縮小のチャンスではないのか。今後は、イージス・アショア2基の買い付けなどは、もはや必要性を失いつつあるのではないか。日本の軍拡によって、誰が得をするのかをたどってみると、アメリカの軍事産業であり、日本の軍事産業ではなかったか。少なくとも、2019年から5年の「中期防衛整備計画」では、当然見直されなければならない。災害救助に重点を置いた「自衛隊」で、良いではないか。国民は、自らの安全・安心のために何を優先すべきなのか自身の意識を変えていくべきではないか。

(つづく)

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2018年6月28日 (木)

千葉の空がアブナイ!ますます危ない!~<安全保障環境>が変わったのに(2)

 

2.木更津が米軍オスプレイの整備拠点となったわけは 

625普天間基地の米軍海兵隊のオスプレイMV22 2機目が、整備のために木更津駐屯地に到着し、26日は、要員輸送のためか、3機目が飛来したが、当日離陸したという。いま2機のオスプレイが、格納庫にあるということだ。普天間の海兵隊は24機のオスプレイを持つので、以下、下記の防衛装備庁の資料によれば、整備は5年に1度必要で、その工期は34か月を要し、試験飛行を経て終了することになる。こうした頻度でのローテーションでオスプレイの飛来することになる。整備を請け負った企業は、入札によって「技術力の高い」とされた富士重工と決められている。



オスプレイ整備が日米共同でなされることになったのは、 

①「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中」、20154月策定の新たな日米ガイドラインに基づき、日米協力の実効性向上のため 

②陸上自衛隊のオスプレイの導入の円滑化と日米オスプレイの整備の効率化のため 

③沖縄の負担軽減実現のため

 であるとその意義をうたうが、着目すべきは「日米協力」の証であること、さらに「沖縄の負担軽減」を標榜していることである。しかし、一方、日本政府は、沖縄の北部のヘリパッド新設を強行し、辺野古新基地建設工事は、土砂投入を目前に強行している現状は、軽減とはまさに裏腹のことを実施している。たとえ、縮小と称して、若干の用地返還があっても、使い放しの原状回復には程遠い状態なのである。各地の基地では「日米共同」「日米協力」の名のもとに、市民にさらなる負担を強いているのが実態である。 

さらに、整備拠点として、なぜ、千葉の木更津駐屯地が選定されたのか。オスプレイ離着陸に適した滑走路があり、海に面しているので市街地を飛ぶことが少ないからだと言い、木更津駐屯地の陸自ヘリコプター整備隊が立ち会うことで知見を得ることができるから、というのが理由だった。とくに2番目の理由は、まさに、原発立地をも想起させ、リスクを前提に、周辺住民を不安に陥れるものである。

そもそも、オスプレイMV22のデメリットに関しては、当ブログでも何度か指摘してきた。メリットと称して、垂直の離着陸、高速、航続距離、ホバリングにおいて他のヘリコプターより優れているとされているが、部品落下も続き、名護市の海岸に、空中給油中のオスプレイが墜落したことも記憶に新しい。2016416日、熊本地震の災害救助に沖縄海兵隊のオスプレイが出動したが、25メートルプールにも入りきらない巨大すぎる機体、離着陸時の熱風、機内構造から大量物資輸送の不適が明らかになり、短距離移動には小回りの利く、異機種ヘイコプター、例えば、CH47Jの自衛隊機の方が効率がいいことも分かった。災害出動にどちらが優れているかは、その機動力の比較でも明らかであろう。オスプレイの出動は、自衛隊のオスプレイ導入のための政治利用のパフォーマンスであったとの見方も取りざたされた。 

                             

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後方に停まるのが米軍海兵隊のMV22オスプレイ、回転翼の角度が変えられ、巾17.5×長さ25.5×高さ6.7mの巨体ながら、乗員2+24名、搭載重量9070㎏、航続距離3590km(ボーイング社製)。米軍は普天間に24機所有。写真は 4月19日午後、熊本県南阿蘇村(宮沢宗士郎撮影)産経WEST2016.4.21より

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自衛隊のCH47Jチヌークは、巾4.7×長さ15.8×高さ5.6m、乗員5+53名 、搭載重量22680kg、航続距離1000㎞(ボーイング社開発、川崎重工製)。陸上自衛隊に60機、航空自衛隊に15機合計70機以上所有。写真は航空自衛隊のHPより

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この写真は2013年9月の下総航空基地航空祭に地元の9条の会のメンバーと出かけたときのもので、説明のパネルを見ると、なんと「CH- 47J」とあるではないか。何の気なしに説明を聞いていたと思う。詳しくは、
当ブログの「下総航空基地へ~佐倉の航空機騒音の原因の一つ(2013年9月29日)」を参照http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/09/post-d7df.html

 CH47の歴史は古く、米軍では、ベトナム戦争、フォークランド紛争、湾岸戦争で、活用された機種であったという。日本では、福島第一原発事故の際にの放水作業にあたっているし、これまでも災害出動の実績は大きい。それにしても、自衛隊が70機以上持っていたということに驚いてはいる。

参考:
<木更津駐屯地における日米オスプレイの共通整備基盤について>

防衛装備庁(201510月)

http://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/osprey/h28_seibikiban.pdf#search=%27%E6%99%AE%E5%A4%A9%E9%96%93%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E6%95%B4%E5%82%99%27

 

 

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2018年6月26日 (火)

千葉の空がアブナイ!ますます危ない!~<安全保障環境>は変わったのに(1)

 きょう626日の各紙朝刊・千葉県版には、見出しの違いや大小はあっても、6月25日に「木更津にオスプレイの2機目が飛来した」という記事が載った。

これまで、このブログにも、千葉の空に、佐倉の空に、なぜこれほどの頻度で民間機が飛行するのか、自衛隊の低空飛行の実態はどうなっているのかなどについては、できる限り調べてはレポートしてきた。さらに、2015年、沖縄、普天間基地のオスプレイの整備拠点に木更津の自衛隊駐屯地に決まったこと、そして、昨年の2月以来、1機がすでに整備を受けているはずが、そのまま、どうなっているのか、その上、今年2月になって、佐賀県神崎での陸上自衛隊ヘリコプター墜落事故に伴い、アメリカから購入のオスプレイ17機のうちの5機が配備先の佐賀空港から木更津駐屯地に「暫定的」に決まり、秋にも配備されることになったこと、が報道されても、千葉県民すら、どこか他人事であったような気がする。さきに、佐倉市地元の有志で、55日、「木更津にオスプレイ要らない!」のチラシを、最寄りの駅頭で配布したこともお知らせした。 

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2018/05/55-ec07.html201856日)

その時の反応が「え?そうなの?」「怖いね」といって、中には、飛び入りでチラシを撒いてくださった方もいた。

千葉の空が、佐倉の空が危ないのは、根っこは、日米安保条約、日米地位協定に由来すると考えられるのだが、様々な状況を、大きく分けて整理した方がよいのかもしれない。それほど、千葉の空は危ない。 

 

木更津市オスプレイ飛来情報等についてhttp://www.city.kisarazu.lg.jp/14,56737,50,447.html

 

羽田着陸便が千葉の空に集中するわけは

いま、佐倉市の上空を、ひっきりなしにかなりの頻度(35分に1機、午前11時台、夜8時台など)で飛んでいるのは、羽田空港への北からの着陸便で、今日は南風好天なので、北から南へ千葉市上空に向かいそこで西に向きを変え、東京湾を横断して羽田に着陸する。ちなみに千葉市内上空は、南からも飛来した着陸便も西に旋回し、羽田に向かい、離陸便の一部も旋回するので、佐倉市の上空の約2倍以上の、より低い飛行がなされているのが実態である。

夏は、家の窓を開けることが多いので、航空機騒音は、いっそう身にこたえることになる。佐倉市上空は、1000mから1200mというのが平均的な高度ではないか。

なぜ、民間機の羽田着陸便が千葉の空に集中するのか。これは、もっぱら、米軍横田基地空域という広い範囲の日本の空に日本の航空機の飛行ができないという、日米地位協定に基づく日本の航空法の特例に由来しているからだ。

最近、羽田空港の国際化、増便に伴い東京都心の新しい飛行ルート案が浮上し、住宅密集地の低空飛行による騒音や危険性が問題化している。千葉の空の危険性が東京都心にも及ぶことになるのだ。

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日本の空でありながら、上図の横田空域は、関東甲信越にわたり、実質的に日本の航空法は及ばない。

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横田空域を立体的に見ると、いくつかの区域に分かれ、飛行高度にも制限があって、民間機は、米軍の完成区域を避けて飛んでいる。離陸は、東京湾上空、千葉市上空を旋回し、着陸も図にはないが、千葉市上空で旋回して羽田に向かうことになり、複雑な航路は、CO2 排出も、危険度も高くなる。

日米地位協定第3 条[施設・区域に関する合衆国の権利]により、日本の航空法の重要部分は、ほとんど適用外とされ、米軍軍用機は以下の義務が免除されている。 夜間飛行の際の灯火義務、 飲酒・麻薬・心身障害の操縦禁止、 出発前の安全確認義務、 離着陸場所の特定、 飛行禁止区域の遵守、 最低安全高度の遵守、 巡航高度の遵守、 速度制限の遵守、 衝突予防の義務、 編隊飛行の禁止 粗暴操縦の禁止、 爆発物の輸送禁止、 物件の曳航・投下、落下傘降下の禁止、 曲技飛行の禁止、などに及ぶ。もはや無法地帯、空域ではないか。

沖縄県民の怒りの声と千葉県以上に危険にさらされている日常を思うといたたまれない気持ちである。日本周辺の安全保障環境が激変している中で、日米地位協定を変えずして、なんで国民の安全・安心を守れるのか、声を大にして言いたい。

 

参考:
<日米地位協定の改定を求めて>

-日弁連からの提言-201410

https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/nichibeichiikyoutei_201410.pdf#search=%27%E6%A8%AA%E7%94%B0%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E7%A9%BA%E5%9F%9F+%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%B3%95%E7%89%B9%E4%BE%8B%27

 

<当ブログの関連記事>

2011727

この夏、航空機騒音、気になりませんか~佐倉市上空は、5分に1機の低空着陸飛行!

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2011/07/51-563f.html

 

2011114

羽田空港の国際化から1年、佐倉上空の騒音は

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2011/11/1-9441.html

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2017年4月22日 (土)

地域での「ボランティア」って

小学生の「交通見守り」を卒業して

 私は、小学校の通学路にあたる信号のない横断歩道で、交通見守りのボランテアをはじめて、八年になった。地元の開発業者の土地区画整理事業によって、ニュータウンを回るモノレールをまたぐ陸橋が建設され、その先にあたらしく、マンションや公園ができた。その陸橋が、道路構造令ぎりぎりの勾配があり、下った先の歩道を小学生たちは横断しなければならず、しかも、信号機が設置されなかった。そこで、地元の自治会の役員や班長、会員十数人のボランテイアによって、登下校の時間帯に毎日、二人が張り付いて見守り、<横断中>という黄色の旗を持って整理を始めたのである。

当時、その区画整理内の道路整備や宅地造成をめぐって、地元の自治会は、業者や行政と様々な協議を重ねた。周辺住宅地への環境が心配され、造成地の廃棄物の処理、盛り土の高さを制限、マンションの高度制限、建設中の振動や騒音、車両の出入りなどについてもいくつかの協定書を交わしていた。そんなこともあって、地域の新旧住民の小学生たちの通学路の安全に、少しでも力を貸すことが出来たらとの思いで、横断報道の見守りを続けて来た。後半は、ボランティアの参加者は減って、寂しかったが、曜日を決めて見守ってきた。

ほかの場所で、個人の立場で、黙々と見守りをする方もいらしたし、お孫さん二人が小学校を卒業するまで、校門前まで付き添っての送迎をし、他の児童を見守る方もいらした。朝の登校時は、PTAの保護者たちの当番制で、広範囲の幾個所かで見守りが実施されている。下校時は、青色パトロールの人たちが信号機のある横断歩道で整理をされていた。登校時、ご一緒した、若いお父さんやお母さんたちは、7時過ぎから30分ほどの時間帯なので、時計を気にしながらの人たちが多かった。思わず、「あとは私たちでやりますから」と声を掛けることもあった。下校時には、移動交番の女性警官たちと一緒になることもあった。私たちには、月末になると、小学校の教頭先生から、つぎの月の下校時一覧と行事日程が届けられた。

千葉県松戸市の小学生殺人事件で逮捕された容疑者が、保護者会の会長で小学生の登校見守りをしていたということで、保護者の見守りやボランティアによる見守りが脚光を浴びることになってしまった。少女やその家族、地域や児童たちにとっても、不幸な事件となってしまった。

私たちの地域では、この8年で、マンションから通学する小学生は、1人から始まり、今は60人以上の集団となった。今どきの小学生は、ランドセル以外の荷物が多い。さまざまな図工の作品だったり、ピアニカだったり、書道具だったりする。「きょうはプールだったんだよ」と、濡れた水着袋を提げてくる男の子、収穫物の大きなサツマイモを見せてくれる女の子、虫かごのバッタを大事そうに見せてくれる男の子、そうしたふれあいは、季節の移り変わりや遠い昔を思い起こさせてくれた。登校時も下校時も、おしゃべりに夢中な女の子たち、走ったり、ふざけあったりしながら横断する男の子には、注意する。旗を持たない手でのハイタッチ? が続くこともある。「いつもありがとうございます」なんて上級生の女の子に言われたりすると、ホロっとしたりもする。

見守りを始めたころ、1年生だった児童が、制服を着た中学生になり、ランドセルが重そうなリュックサックに代わり、挨拶をして通り過ぎてゆく。いつも図書館の本を抱えていた小学生が、わき目もふらず慎重な自転車通学をする中学生になっていた。

長いようで、短い年月だった。私は、時間の都合や体調のこともあって、この3月で辞することを決めた。協力してくれたドライバーたちに感謝しながら、ここでの事故がなかったことにほっとしている。こうした見守り活動は、その時の自治会(長)、その時のPTA(会長)、その時の校長・教頭先生により、かかわり方が随分と違うことも分かって来た。校区内の見守り個所を見まわる校長先生もいたし、ボランティアとの懇談会開いたり、行事に誘ってくれる教頭先生もいた。

こうした活動は、地域住民と小学校・行政、何よりも子供たちと大人たちとの信頼関係を大切しなければならない活動には違いない。 

これからのボランティア

高齢社会、退職者大量時代にあって、元気な退職者たちが「地域デビュー」と称して、自分探しや居場所探しのために、ボランティア活動に参加する人も多い。この頃、新聞やテレビでも、この「地域デビュー」を扱うことも多くなった。働く女性が増加する中で、濃淡はあるものの、それでも、女性の方が、子育てやサークル、日常生活を通じても、時間をかけて、地域とはなじんできていることが多い。男性たちはというと、「デビュー」するや否や、これまでの職業生活での経験や知識を「活かし」、早急に「実績」を残そうとする人たちを、私は、多く見て来たような気がする。自治会活動やサークル活動、市民運動にあっても、その行動様式に共通点が見出されるのである。たとえば、これまで、慣例や緩いルールの下で定着してきた活動に飛び込んできて、まず、組織の在り方に着目するらしく、役職固め、会則・規約づくりや改正に乗り出す。これまでは運用と知恵で何とかやってきたことが許せないらしく、細かいことをも決めたがったり、自治体との連携を強めて権威づけをしたりする。こうした傾向は、現役時代、役職者だった人に多い。現実は、そんな規則に、すぐ反応するわけもないが、「私が改革してやった」みたいなことを言う。思うようにいかないと、さらに、新しい組織や会、NPO法人を立ち上げたいとする人たちもいる。そのリーダーになれば、居場所づくり完成である。割れ窓理論とか、報・連・相(報告・連絡・相談)が要とか、シニアには、きょういく・きょうよう(今日行く・今日用)が必要だとか、そんな古めかしい話を何度聞かされたことだろう。

そうした活動が、自分の「趣味」の世界に徹していれば、比較的影響も少ないのだが、ことによったら、周辺の住民や仲間にとって迷惑極まりないことになる可能性もある。もちろん地道に、黙々とボランテイア活動にいそしむ人たちも多い。私もそんな人たちの背中を見て、自分の生き方に向き合いたい。

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2015年3月16日 (月)

「順天堂大学誘致」はどうなったか、佐倉市議会の質疑から見えるもの

  2月9日、3月8日の当ブログでは佐倉市の「順天堂大学誘致」に関する、地元の不動産業者「山万」と順天堂大学のおかしな動きについて調べてみた。その後、佐倉市2月議会の中継録画が下記にアップされた。新聞記事は市長の答弁の要約であったが、中継録画を見て、誘致推進派議員たちの、市民そっちのけの、税金を市長のポケットマネーのように24億円を「持ち出せ」、「金を出せ」と迫る言い分にはあらためて驚いた。

  以下のサイト「録画配信」の用語検索で「大学誘致」のキーワードを入力すると、過去の議会にさかのぼって質問をした議員と市との質疑の全容が分かるので、進行の見当を付けて、その部分の画像と音声が視聴できる。 http://www.sakura-city.stream.jfit.co.jp/

  録画によれば、2月議会で、質問の大部分をこの「順天堂大学誘致」問題にあてた、さくら会古参のK議員は、後半は、まったく中身のない執拗さで市長に質問していた。私は、現市長の市政に対する考え方について、さまざまな疑問や注文を持つ一市民ではあるが、いまのところ、この順天堂大学誘致の件については、フラフラしながらも、まあ、まっとうな答弁だったと思っている。  

  K議員は、2012年11月、市議会の多数で大学誘致に関する意見書を可決し、以後、2013年11月に山万からの用地無償提供、大学からのスポーツ科学部キャンパスの移転に伴う建設費の半額24億円支援要請があった以上、大学とも早く話し合って決断すべきだったとする。

  市長は、大学の当初の佐倉市進出計画は、他の学部新設だったり運動部用の寮建設だったりで方針が定まらなかったが、上記の計画が提示されたのが2013年11月、昨年の「懇話会」設置で、第三者の意見提出を得た。さらに大学側の建設計画と費用の積算根拠の提示を求めてきたが、いまだにその提示がない以上、この計画は進められないとする。

   先の当ブログでも報告しているように、市議会の大学誘致意見書可決は、あくまでも一般論で、具体的な計画があってのことではなかったこと、公的支援要請の積算根拠が不明な以上、市民への説明責任が果たせていないことは確かである。さらに、都市計画変更の手続きは、いまだスタートしていない。山万が業務代行となって進められる土地区画整理事業組合を立ち上げるための準備会がようやく申請されたばかりで、地権者、周辺住民の合意形成はこれからだろう。どんなビルが建ち、周辺の環境に与える影響が分からず、学生の移動や活動内容、職員の動向も知らずして、財政支出を決断せよというのは無理な話ではないか。

  ユーカリが丘一帯を区画整理事業という形で開発を進めてきた山万は、つねに土地区画整理組合の業務代行として、都市計画の変更や宅地造成工事を仕切ってきた。千葉県や佐倉市を巻き込んで、ときには公的資金を引き出し、周辺住民に意向を無視して進めてきたのが実態である。私は周辺住民の一人としてそうした状況を目の当たりにしてきた。その一部は、ブログ記事として報告してきた。土地区画整理による開発が住民に、佐倉市にどれだけの成果をもたらしているか、いないかも実感しているだけに、この問題は、重大な関心事であり、その成り行きを注視したい。      

   なお、先のK議員は、質問に事欠いて、この間、当ブログでも紹介した新聞報道について「新聞を利用して世論誘導をしたのは誰だ」というのだ。それでは、31日の朝日新聞の妙な記事をどう読むのか。それを言うのなら、いまのテレビや新聞、はてはネット情報に至るまで、みな世論誘導、世論操作の具になりかかっている部分がある。だからこそ、情報の海におぼれないためにも、私たち市民は、市議会、審議会、市は何をしているのかを、できれば直に、根気よくウォッチしなければならない。

  当ブログの、「土地区画整理事業」に関する記事は、以下の他、カテゴリー「土地区画整理事業」「都市計画」の記事を合わせてご覧いただきたい。

 

・ユーカリが丘駅前の大学誘致をめぐるおかしな動き、やっぱり、山万が ~第3回「大学等の誘致に関する懇話会」(20141010日)傍聴から振り返る」(1)(2)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/post-7e2b.html
 
20141010日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/320141010-ebd5.html 

20141014日)

・ユーカリが丘、順天堂大学キャンパス誘致、見送り?201529日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/02/post-fea7.html

・佐倉市の大学誘致はどうなるのか~順天堂大学おかしな動き、その蔭に

201538日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/03/post-5d0f.html

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「ユーカリが丘地域まちづくり協議会」はなぜ不認証になったのか(2) 2012.02.08

「ユーカリが丘地域まちづくり協議会」はなぜ不認証になったのか(1) 2011.12.06

佐倉市の縦覧制度と情報公開制度の実態~土地区画整理事業について、先ごろ、こんなことがありました・・・ 2011.03.02

「奇跡の街、ユーカリが丘」、開発の基本に立ち戻ってほしい~「カンブリア宮殿」を見て 2010.09.15

佐倉市都市マスタープランの見直しへ、市民の意見を反映するというけれど 2010.07.13

マイリスト「すてきなあなたへ」に5657号を登載しました 2009.08.14

町の名前、こんな風に決まるんだ~「ユーカリが丘」って、どこまで?! 2009.07.06

ディベロッパーの責任~宣伝がすぎると 2009.05.07

無計画な都市計画~千葉県佐倉市の場合も 2009.04.27

住宅街の真ん中に、24時間営業のスーパーができる、大店法は何を守るのか 2008.09.06

「考える街。ユーカリが丘」って、ディベロッパーは何を考えているの(2) 2008.06.04

「考える街。ユーカリが丘」って、ディベロッパーは何を考えているの? 2008.03.31

道路は誰のために佐倉市はなぜ車輌通行止めを拒むのか 2007.11.24

マイリスト「すてきなあなたへ」に49号を登載しました 2006.12.23

佐倉市都市計画審議会、やっぱりおかしい~~行政・議長の露骨な賛成誘導と議長の条例違反明らか 2006.11.19

マイリスト「すてきなあなたへ」に48号を掲載しました 2006.09.30

堂本知事、千葉県都市計画公聴会って何ですか 2006.09.25

佐倉市井野東・井野南開発はどうなるのか 2006.08.24

区画整理組合への助成金は、やはり業者への後押しだった! 2006.06.17

区画整理組合による開発の企業主導と行政の後押し「佐倉市都市計画見直し」説明会に参加して 2006.04.25

すてきなあなたへ No44,45号をアップしました。 2006.03.23

助成金は土地区画整理事業の延命装置か佐倉市、井野東土地区画整理組合の場合 2006.03.15

道路用地費11億円はどのように決まったのか(3)異議あり!井野東土地区画整理事業への公管金 2006.03.13

道路用地費11億円はどのように決まったのか(2)井野東土地区画整理事業における不動産鑑定の怪2006.3.10 

道路用地費11億円はどのように決まったのか(1)井野東土地区画整理事業公管金の謎 2006.03.07

土地区画整理事業における住民参加(2)行政と業務代行のはさまで 2006.02.28

土地区画整理事業における住民参加(1)行政と業務代行のはざまで 2006.02.26

 

 

 

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2015年3月 8日 (日)

佐倉市の大学誘致はどうなるのか~順天堂大学のおかしな動き、その蔭に

 佐倉市議会2月議会では、推進派の何人かの議員が「順天堂大学誘致」について市長に迫ったらしい。録画はまだアップされてないので、新聞記事の限りだが、蕨市長の答弁では、必ずしも明確でなはないが「計画実現のために、解決すべき問題を一つ一つ解消していく必要がある」「市民の納得できる内容になればすみやかに計画を立て議会に諮りたい」と述べた、と報じている(朝日新聞 201532日)。

かねてより、大学は、事業費の半分の約24億の公的負担を佐倉市に要請してきた。佐倉市は、大学に詳細な事業計画を求めていたが、期限の2月末日までに回答がないままだった。24億円と言えば半端ではない支出で、詳細な積算根拠があってこその要請でなければならないはずだ。順天堂大学の姿勢も「佐倉市に進出してやる」と言わんばかりの態度ではないのか。市長に誘致の決断と負担を迫る議員は、市の財源の税金を誰のものと思っているのだろう。大学と推進派の議員の後ろには、これまた、ユーカリが丘駅前の土地3000坪を無償貸与すると言っている不動産会社山万がいるのだ。

そんなキナ臭い、利権が絡むような背後の様子が垣間見えるような事態を知った。上記の市議会の質疑が始まる直前、31日の「順大誘致『市長に意思ない』佐倉のシンポで同大学部長」という新聞記事だった(朝日新聞)。228日、順天堂大学主催のシンポジウムでスポーツ健康科学部の部長の挨拶の中での発言というのだ。どんなシンポジウムだったのか、どこで開催されたのか、記事からは分からないので、支局に問い合わせると、ユーカリが丘のウィシュトンホテルで開催された「第11回順天堂大学スポーツ科学部国際シンポジウム」でのことだった。ネットで調べると「アダプテッド・スポーツ(障害者スポーツ)とつながる力~多様性に応じた実践と今後への期待」と題され、障害者スポーツイベントの事務局長やパラリンピックの元アスリートの講演と知的、身体、精神障害者スポーツの各団体の役職者たちによるシンポというプログラムだった。シンポのテーマとは全く関係がないところでの発言であることが分かると同時に、記事では、4月の市長選の立候補予定者も登壇して「歴史ある順天堂にぜひ佐倉に戻ってきてほしい」と挨拶したとある。会場の障害者スポーツ関係者は、さぞかし驚いたことだろう。関係のないシンポで、市長選立候補者が登壇してきたのだから。

この立候補予定者というのが、このシンポの前日227日に、立候補を公表したN元衆議院議員だった。維新の会から次世代の党に移った議員で、昨12月の総選挙で落選した。維新の会時代に、原発事故で飛散したセシウムは人体に影響がないから避難住民は即時帰還させるべきだと政府を質し、物議をかもした人物だった(衆議院予算委員会2013313日)。こんな候補者を立てて、順天堂大学のキャンパスの一部を佐倉市へ誘致しようとする市議会保守会派も地元の不動産業者も、何を考えているのだろう。現市長が設置した「大学等誘致に関する懇談会」の報告書も、その内容は、前にも当ブログで指摘したように、ハッキリしない。800人規模の学生が往来する「誘致による経済効果」の議論を傍聴したかぎり、明確な根拠も見当たらず机上の空論のようなものだったし、結論としては、市がかつて東邦大学病院(20億)や聖霊病院(15)を誘致したときの負担額より、市民への便益から考えて、それより低く抑えるべきだ、とするものだった。誘致を推進して、地元の不動産の付加価値を目論んでいるのかもしれないが、それによって住民へ還元されるものがあるのか。この不動産業者は、担いだ市議や政治家との関係が長続きしないことでも知られている。市長選も、巨額の公的補助をめぐる論議も注視していかねばならない。

これまでの当ブログの関連記事は、以下の通りです。併せてご覧いただければと思います。

・内野光子のブログ「ユーカリが丘駅前の大学誘致をめぐるおかしな動き、やっぱり、山万が ~第3回「大学等の誘致に関する懇話会」(20141010日)傍聴から振り返る」(1)(2)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/post-7e2b.html
(2014年10月10日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/320141010-ebd5.html 

20141014日)

・ユーカリが丘、順天堂大学キャンパス誘致、見送り?201529日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/02/post-fea7.html

(参考)
・佐倉市ホームページ「大学誘致に伴う公的支援のあり方について」

(佐倉市大学等の誘致に関する懇話会 201519日、122日佐倉市HP公表)

http://www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000011/11401/daigakuyuuti_all.pdf

 

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2014年10月14日 (火)

ユーカリが丘駅前の大学誘致をめぐるおかしな動き、やっぱり、山万が ~第3回「大学等の誘致に関する懇話会」(2014年10月10日)傍聴から振り返る(2)

そして、今年の市議会では~市長、はっきりして!

  今年に入って、誘致賛成派の議員たちの順天堂への働きかけ、山万との話し合いなどを重ねていたようだし、市議会での市長への質問も活発であった。直近の9月議会を録画で見てみると、賛成の議員は勢いづいての質問であったが、9月8日の大野博美議員と9月9日の萩原陽子議員の質問によって、実態が少しわかるようになった。

  大野議員の質問によって明らかになった事実、7月10日の順天堂からの文書での佐倉市進出構想案では「サテライトキャンパス」となっていたのを、誤解を招くとして「削除」させた件、2006年には、順天堂大学印西キャンパスを都内葛飾区のUR工場跡地に移転すべく交渉を進めていたが、3年後になって、本郷キャンパス拡充が優先するとして辞退にいたり、葛飾区の責任が問われることになった件(その後、理科大誘致が実現)などを例に、大学誘致は、大学の事情、資金やタイミングにおいて、多大のリスクを伴うことを指摘した。大学誘致には、当然、立地可能な用途地域変更、容積率緩和などが必要になって来るが、市は、建設計画の詳細が不明な以上、都市計画変更上必要な手続きは進められない、と答弁していた。なお、先の7月10日文書で、建設予定地は無償の使用貸借ではなく、地上権設定によって第三者対抗要件を備えたより安定的な権利関係を望んでいるが、当事者間で確定したわけでもない。また、市民の意識調査の実施、懇話会の設置に関しても、順天堂誘致の具体的提示がないままでは、有効な結果は得られないだろうとの指摘は、もっともなことであった。

  9月9日、萩原議員の質問では、先の記事にあったように、周辺住民にしてみれば、土地区画整理事業との関係が一大関心事である。2013年4月のユーカリが丘駅北土地区画整理組合準備会提出の事業計画では、対象面積4ヘクタール、想定人口1000人、300戸であったが、その後大学誘致を含めての事業計画変更の申請はいまだにないという。山万からの周辺住民への説明では、20階建てで、1階は店舗、上階を教室・研究室・図書館の10000㎡、600人収容講堂の1200㎡、バスケットコート2面他の2500㎡とのことであったが、その後、佐倉市にも詳細な計画は一切伝えられていない、との答弁であった。また、懇話会には、土地区画整理事業の件は、一切伝えないままで、議論を進めているのは、大学誘致とは別々の申請であって、それを受けてから進めたいとしていた点は、納得しがたいところであった。 なお、両議員がともに、市に質したのは、順天堂大学が示した、総工費48.5億円の根拠であった。市は、詳細が一切不明なこと、したがって公的支出の判断のしようがない、というのが一貫したスタンスではあった。なお、順天堂側は、公的支援の規模がわからない以上、詳細は示せないという、どうもそんな綱引きが続いている様相である。しかし、公的支援を受けようとする側が、その額の根拠を示せないというのは、合理的根拠に欠けるのは明らかだろう。

  市長よ、ふらふらするな、ハッキリしてほしい。財政的な余力は、佐倉市にはない。 第一、少子化により大学の存続自体が危ぶまれる昨今、さらに学生募集の目玉として、どこの都市圏でも、都心回帰が進む現状をどうとらえるのか。870人程度の昼間人口が増えて街が活性化するのか、経済効果があるのか。コンビニやファストフードの店が増えるかもしれない、関連の非正規雇用が若干増えるかもしれない程度の経済効果ではないのか、素人ながら考える。 山万の考える「まちづくり」は掛け声や宣伝が先走る。年取らないまちを目指すといいながら空き家はふえる一方だし、高齢者の買い物が大変そう、中途半端な実証実験バスが街を走るけれど、ユーカリが丘に図書館というものがない、本格的な書店がない、見たい映画がかからない・・・。佐倉市からもかなりの公的支出を引き出した井野東、井野南の区画整理事業の功罪を見極めたい。今度の公的支出は、さらに半端でない25億である。  

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ユーカリが丘駅前の大学誘致をめぐるおかしな動き、やっぱり、山万が~第3回「大学等の誘致に関する懇話会」(2014年10月10日)傍聴から振り返る(1)

この日の懇話会では~順天堂、山万にとって、なんともムシのいい話では?

傍聴した懇話会は、つぎのようなメンバーで、すでに、第1523日、第2725日と開催されている。懇話会設置の目的について、市長は、順天堂から大学のスポーツ健康科学部の新キャンパス構想案の提案を受け、同時に大学施設建設への財政支援を要請されたので、その公的支出の在り方について有識者の意見をいただきたい旨、述べている。年内に5回ほど開催して、報告書作成の段取りらしい。この間、市が行った市民の誘致に関する意識調査と他の自治体における誘致事例調査、シンクタンクによる大学誘致の経済効果などの結果を踏まえての議論が進んでいる。第3回は、主に経済効果調査の報告を中心に意見交換がなされた。私は初めての傍聴だったが、傍聴者は11人、これまでで一番多いとか、山万関係者1名、市民8名、議員2名であった。

この日の懇話会でも、委員から疑問が出ていたが、その性格がスタート当初から不明確なのだ。12回の議事録を読んでみると、懇話会の事前に、事務局から、一般的に大学誘致に伴う公的支出の在り方を論じてもらうのであって、特定の大学名、すなわち順天堂大学という個別の話はしないようにというの指示があったらしい。委員たちは、それでは検討が難しいと言えば、「個別の話にのみに特化するのではなく、大学誘致をそもそもどう考えるのかについてご議論いただきたいとの趣旨であった。その中で、個別の話を出していただくのは構わない」(?!)と事務局は応えている(第1回議事録より)。分かったよう分からないような答弁。市民のアンケート調査にしても回収率が悪く、どう見ても質問や選択肢が悪いし、誘導的であった。期待できる効果を問うたものにしても、人口増加、雇用拡大、昼間人口増による賑わい、社会貢献、消費による経済効果など、その回答には突出したものはなく、ばらけていていずれもパーセントは低く、20%前後だ。他の自治体の大学誘致の事例、佐倉市と同規模自治体の同程度規模の大学誘致の事例も報告されているが、それは様々で、誘致の経過、公的支出の割合、誘致によるメリット、デメリット・・・、誘致効果など簡単に計れるものではないだろう。街は賑やかになったか、若者の人口が増えたか・・・、担当者に面談か電話かをする調査もしていたらしいが、これとて参考のデータになるのだろうか。経済効果にいたっては、具体的な条件が定まらずして、調査ができたのだろうか。この調査業務は200万で千葉銀行の研究所が落札したという。委員には、詳細な資料が配られているのか否か、傍聴人に配られた簡単な資料も退室時には回収されてしまった。その資料によれば、順天堂大学側の提案の一部が表になっていて、山万からの3000坪無償貸与を前提に、学生が4学年870名、教職員60名の規模、教室・研究室・図書館と600人収容の講堂、バスケットコート2面を含む施設の総費用485000万円、その半分を佐倉市が負担せよ、容積率も変更せよ、というものだった。ひとことで言えば、大学にとっても、ユーカリが丘駅北口再開発を進める山万にとっても、なんと“虫のいい”話ではないか。市民の税金25億近くを出させようとは。

 委員同士、担当の企画政策課とのやり取りを聞いていても、環境経済学、行政法専攻の教授たち、弁護士、葛飾区で理科大誘致にかかわった元担当者、シンクタンクの研究員たちの質問や意見は専門的とは言い難く、感想や思い付きの座談めいて、それはゆるいものだった。なかには、委員同士のエール交換だったり、委員が市担当者の調査をねぎらうものであったりと、実がない。いったいどんな報告書を出そうというのだろうか。 あと2回の懇話会に何が期待できようか。

  たしかに市のスタンスは曖昧なのだが、委員は市が何をしたいのかを明確にしない以上はとお茶を濁さず、山万や市議たちの外圧に惑わされることなく、「御用」ではない第三者の専門家としての知見を発揮してほしい。

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 任期:平成265月~平成273月 

 

佐倉市大学等の誘致に関する懇話会委員名簿

 
 

氏名

 
 

経歴等

 
 

備考

 
 

有村 俊秀

 
 

早稲田大学政治経済学術院教授

 
 

 

 
 

淡路 睦

 
 

株式会社ちばぎん総合研究所主任研究員
 
佐倉市補助金検討委員会委員

 
 

 

 
 

下井 康史

 
 

千葉大学大学院専門法務研究科教授

 
 

副会長

 
 

山崎 喜久雄

 
 

元葛飾区教育委員会教育長
 
佐倉市行政改革懇話会委員
 
佐倉市補助金検討委員会委員

 
 

 

 
 

湯川 芳朗

 
 

弁護士

 
 

会長

 

 そもそも、どこから出た話なのか

佐倉市の大学誘致の話は、わが家が転居してきたころだから、平成に入って、菊間、渡貫市長時代から、ちらほら聞かないではなかった。企業誘致と合わせての市の振興策の一環として、市議会でやりとりされている。渡貫市長は、市の側から積極的に大学誘致をするということは、財政負担が生ずることになるので慎重にならざるを得ないという姿勢であった。

蕨市長(20074月~)時代に入って、2011年末の市議会から、順天堂という大学名を伴って、一部会派の議員たちが、盛んに市長に質問し始めている。市長は、佐倉市への大学進出は街の活性化に寄与するが具体的な話は一切届いていない、大学が誘致されても免税されるので税増収にはつながらないので企業誘致の方を優先したい旨の答弁をしていた。2012年になると、さらに質問は執拗になり、市長は具体的な話があれば、手伝いはさせてもらうが、佐倉市には多額の財政支援を行う余力はない、としていた。20121217日「大学誘致に関する意見書」がさくら会、公明党などにより市議会に発議され、28人中22名の賛成で議決されている。それは、佐倉市の生産年齢人口の急減が憂慮され「佐倉市の人口減少と少子高齢化への対応と高等教育環境の整備、経済振興の活性化と品格ある佐倉市に期するため」順天堂大学を佐倉市に誘致するよう要請するものであった。

2013年の11月議会において、1119日、順天堂の理事長から佐倉市長に、山万からユーカリが丘駅北口に3000坪の土地の無償提供を受けること、容積率の緩和をすることなどを条件に、スポーツ健康科学部の新キャンパスを開設したい旨の正式な表明がなされたこと。市長は、多額の支援は困難であること、市民の理解が得られること、早く具体案を示してほしいことの3点を伝えたことが、議会の質疑で明らかになった(123日。なお、11月28日に理事長からの正式文書が届いている)。山万の広報誌「わがまち」12月号は待ってましたとばかりに「順天堂大学の誘致がいよいよ始動します!」と伝えた。

ところが、ここに至るまでには、山万の相変わらずの強引な、地元無視の手法が展開されていたのだ。毎年、秋に開催されるユーカリが丘自治会協議会と市長との懇談会に向けて、各自治会から提出された要望事項というのがある。2013119日に、地元のユーカリが丘3丁目自治会は、当該の3000坪を含む「ユーカリが丘駅北土地区画整理事業について」、とにかく、怒って、つぎのような経緯と要望を提出している。その主旨は、201376日、「ユーカリが丘駅北土地区画整理事業組合準備会」(山万ほか地権者)*による地元周辺住民への説明会が開催されたが、そこでは事業計画の内容ではなく、事業計画に記載されていない「大学の立地について」の説明に終始した。そこで、佐倉市に問い合わせたところ「20134月、市は、準備会から「基本計画協議書」が提出された以降、協議を進め、周辺住民への影響を考慮して基本計画の内容を十分説明した上で合意形成を計るよう助言を繰り返していた。市として順天堂大学に確認したところ、当区画整理事業区域内に進出する意思はないとのことである」との回答(82日)を貰ったが、さらに、準備会、実質的な事業計画者、山万への指導を強化するよう要望していたのだ。さらに、地元では、大学誘致による用途地域変更についてはもちろん、ユーカリが丘3丁目の地区計画制定者の一員でもあることから、周辺住民との協議をするよう、市の強力な指導を要望していたのである。なお、これらの要望については、同年1227日付で、ほぼ同上82日付回答と同旨で、加えて市と準備会との協議が中断しているとのことも明らかになった。

*<参考>千葉県における土地区画整理事業の手引き:

http://www.pref.chiba.lg.jp/tosei/shigaichiseibi/kumiai/tejun.html

この経過を見ると、地元自治会の山万への不信感は募るばかりだろう。しかし、市からの回答も、1227日付にしては、もっぱら準備会と地元自治会との問題に限定したもので、上記、市議会での質疑や市長の答弁がまるっきり反映されていないわけだから、市への不信感もいかばかりかと思う。そのさなかでの、「わがまち」のトップ記事だったわけである。(つづく)

 

 

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