2022年12月18日 (日)

怒りの年末、次からつぎへと(2)国民に執拗に迫るマイナカード

 マイナンバーカードについては当ブログでも何度も書いてきた。政府がこれほどまでに執拗に、マイナンバーカードで迫ってくるのはなぜなのか。“丁寧に”説明すればするほど、政府への不信は募るばかりである。

 10月13日、河野太郎デジタル大臣が、健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードへ一体化した形に切り替えると表明したのを受けて、NHKは直ちに、その日の夜のニュースでつぎのように報道している。登場した、関係閣僚や官房長官の発言は、日頃の言動から直ちに信じられない思いで見ていた。

「政府 再来年秋 健康保険証を廃止 マイナカード一体化発表」(2022年10月13日 18時56分) 
岸田総理大臣は13日、河野デジタル大臣や加藤厚生労働大臣、寺田総務大臣と、マイナンバーカードについて協議しました。

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この人、コロナワクチン担当時は、「来週にもお示しします」を連発、デジタル化すればすべてが解決するような発言を覚えてますよ。

河野デジタル大臣が記者会見を開き「デジタル社会を新しく作っていくための、マイナンバーカードはいわばパスポートのような役割を果たすことになる」と述べ、2024年の秋に現在使われている健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへ一体化した形に切り替えると発表しました。

松野官房長官「よりよい医療 受けてもらうこと 可能に」

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この人、記者会見では、めったに顔をあげず、ひたすら朗読が続く。メディアは、記者との質疑を決して伝えないのはどうしたわけか。

 松野官房長官は、午後の記者会見で「マイナンバーカード1枚で医療機関を受診してもらうことで、健康・医療に関する多くのデータに基づいた、よりよい医療を受けてもらうことが可能となる。こうしたことから、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めるため、再来年秋に保険証の廃止を目指すことにした」と述べました。

加藤厚生労働相「理解得られるよう丁寧に取り組んでいく」

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この人、安倍政権時代の厚労大臣のとき、「働き方改革法案」の基礎データのデタラメを追及されていましたね。

加藤厚生労働大臣は、記者会見で「システム改修などの対応に必要な予算は経済対策に盛り込んでいく。岸田総理大臣からは国民や医療関係者から理解が得られるよう丁寧に取り組んでいく必要があると指示があった。医療関係者や関係省庁などと連携して取り組みを進めていきたい」と述べました。

寺田総務相「保険証と一体化 格段に普及が進む」

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この人、何で総務大臣を辞めさせられたのでしたっけ。

寺田総務大臣は、記者団に対し「日本は国民皆保険制度であり、保険証と一体化するということは、ほぼすべての国民にマイナンバーカードが行き渡るということで、格段に普及が進む。ただ、生まれてすぐの0歳児にどうやってカードを取得してもらうかや認知症の方への対応など、いろいろクリアすべき点がある。(中略)マイナンバーカードは非常に安全なものだ。ナンバーが仮に他人に知られたとしても個人情報が流出することは一切ない。」と述べました。

 さらに新聞各社は、つぎのような社説を掲載している。その主張は、見出しを見ても分かるように、毎日・朝日・東京の三紙と日経・読売ときれいに分かれた。

毎日「マイナ保険証に一本化 国民不在の強引な普及策」【10月14日】
朝日「マイナ保険証 あまりに拙速、乱暴だ 」【10月15日】
東京「マイナ保険証 強引な義務化許されぬ」【10月15日】
日経「もっと使えるマイナンバーカードに」【10月15日】
読売「マイナ保険証 丁寧な説明で普及を図りたい」【10月20日】

 三紙は、政府の強引な手法に疑問を呈してはいるものの、結論的には、「利用者の理解と納得があっての話である」(朝日)、「導入を急がず、制度への不信感と誠実に向き合うことが先決」(東京)、「国民に対し丁寧に説明し、理解を得る手続きを怠ってはならない」(毎日)と、要するに「丁寧な説明」と「国民の理解」を求めるにとどまり、マイナンバー制度そのものには、決して切り込まない。それはそうでしょう、マイナポイントの全面広告をあれだけ掲載しているのだから。NHKは、各党の反応、専門家・街の声・現場の声を取材するものの、メインのニュース番組では、中立・公正どころか、編集次第、「残る課題」「動向を注視」の指摘で終わる<政府広報>となるのが現状なのだ。

【こちらで詳しく】健康保険証がなくなる… “マイナ保険証”導入の現場では

 の後、従来から指摘されてきたさまざまな問題点や新しいトラブルが浮上してきた。私のような一般市民の素朴な疑問が投書欄に見かけない日がないくらい寄せられている。

情報管理への不安
 一つは、マイナンバー制度そのもの、情報一元管理への不安である。政府は、カード自体に情報が蓄積されているわけではない上に、暗証番号が必要だし、情報は国や自治体が分散管理しているから、芋づる式に情報い洩れが生じない、としている。すでに社会保障・税番号として機能しているわけだが、自治体の事務上の作業は、2021年度の個人情報保護委員会の報告によると、45%以上が外部の業者に委託し、再委託もあることが分かっている。この個人情報の拡散は、さまざまな重大な漏えい―データの誤送付、不正アクセス、職員による違法収集・・・も報告されている(朝日新聞22年10月30日)。さらに、民間での利用拡大の方針をすでに打ち出しているのである。

交付、普及を急ぐ拙速
 カードの交付は2016年から始まっているが、2017年3月には8.4%であって、20年9月から21年12月にわたって、カード申請すれば特定のキャッシュレス決済に限って2万円に5000円のポイントが付くというキャンペーンを実施した。第2弾として、22年1~12月までは、公金受取口座に紐づけなど含め、2万円のポイントを付けるというキャンペーンを実施の末、22年11月現在53.9%にたどり着いたようだ。この間のすさまじいほどのネットやテレビでのCM、度重なる新聞の全面広告は記憶に新しい。なぜここまで、政府は躍起になるのか、逆に不信を招いたのではないか。
 しかも、このマイナポイント事業には、第1弾に2979億円、第2弾に1兆8134億円を計上していることが、12月1日の参院予算委員会の質疑で判明した。いわゆる宣伝費はここに含まれていたわけである。さらに、カード交付の申請サポートを民間施設に委託拡大、その費用を加えると今年度だけで2兆円を超える。

医療現場の混乱、利用者の不安
 2021年11月からマイナ保険証の運用ははじまっているが、2022年11月現在、システム導入の医療機関・薬局は35.7%である。顔認証のカードリーダーの不具合、トラブルが続出して、その原因も未解明なのが現状であり、全国の開業医約11万人が加盟する全国保険医団体連合会の調査によれば、保険証廃止に反対が65%、システムを導入しない・できないと回答した1279件の内、その理由のトップはセキュリティ対策の不安で、多額の費用の発生、オンライン請求をしていないが続く。スタッフが少ない・いない、高齢で数年後に閉院予定などという切実な理由も挙げられている。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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『全国保険医新聞』2917号(2022年12月15日)、調査は10月14日から11月20日、回答数は8707件(医科診療所5186、歯科診療所2668、病院449、無回答ほか)

 マイナンバーカードやマイナ保険証について、国民の受け止めについてのある調査によれば、「健康保険証の廃止」について、全体では概ね、約25%が肯定的、約45%が否定的、約30%が「わからない・どちらともいえない」であった。以下のようにまとめている。
「現段階では反対の割合が高いと言えよう。ここでも、マイナンバーカードの取得有無によって、考えが異なる。既にマイナンバーカードを取得している層は、約30%が肯定的、約40%が否定的となるが、マイナンバーカードを取得するつもりがない層は、約7%が肯定的、約67%が否定的と、強い抵抗感が窺える」。SMPOインスティチュート・プラスhttps://www.sompo-ri.co.jp/2022/11/15/6126/

 かつて私は、自治体に、マイナンバーの付与を拒否する要望書を出したことがあるが、自治体判断のマターではないとの回答を得ている。残念ながら、番号は付与されている。そもそも、マイナンバーカードの交付は法律上任意のはず、強制、義務化されるいわれはない。利用者としての私は、マイナ保険証を登録しない最大の理由は、やはり、セキュリティへの不安である。現に、カードを持つことの必要性もメリットも感じない。身分証明は、保険証やパスポートで用が足りるし、薬情報はくすり手帳で用が足りている。公金の入金口座は登録している。現在、保険証の確認は月一であるが、マイナ保険証は毎回提示しなければならない。乳幼児や未成年のカードの交付、カードの保管、利用のこと、紛失や災害時、停電のことなど想定するとリスクは際限がない。

 私は、マイナンバーカードの交付も申請しないし、当然、マイナ保険証の登録も出来ない、しないことになる。

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2022年10月19日 (水)

「マイナ保険証」義務化?ここまでやるの、バカにしないでョ!

 10月13日、河野デジタル大臣は、首相との面談後の記者会見で、現在の健康保険証を24年秋には廃止し、マイナンバーカードと一体化すると公表した。ついこの間の6月7日閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2022  新しい資本主義へ ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(タイトルからしてなんとも欲張った?「骨太の方針」)では、マイナンバーカードについて、以下のようにまとめられていた。

2.持続可能な社会保障制度の構築
(社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進)
オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に、2023年4月から原則義務づけるとともに、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する支援等の措置を見直す。2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、オンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す

 要するに、保険証の原則全廃には期限が付されていなかったが、すでに、昨年21年10月からマイナンバーカードが保険証として利用可能になったところもある。一方、医療機関・薬局でのカード読み取り機の普及が進まないので、6月の段階では、そちらの方に期限が付けられていたのだ。それが、突然、24年秋という期限もって現行保険証の廃止が打ち出されたのである。
 これまでも、政府はマイナンバーカードの普及には躍起になって、コロナ対策の10万円一律給付にはカードがあった方が便利だとか、マイナポイント1弾では5000円分付与、第2弾では、カード取得自体で5000円分、保険証、銀行との紐づけで各7500円分と併せて20000円分のポイント付与というニンジンをぶら下げた。カードの普及率がようやく50%をこえたというので、今回の方針転換へと勢いづいたのかもしれない。第2弾のマイナポイント付与は9月末終了を12月末まで延長した。繰り返される、あの広告のいじましさ、一番喜んでいるのは、それこそ、広告代理店だろう。
 さらに、カードの普及率によって、政府は自治体への地方交付税の算定に反映させると明言しているのだ。自治体にも、交付税というニンジンをぶら下げて、「尻を叩く」という、暴力的にさえ思える手段に出たのである。
 ここまで来たのだから、意地でも、全国民にカードを持たせようというのか。この間は、近くのスーパーの前で、「ここで、カードが作れます」と呼び込みをやっていたし、これからは郵便局でも作れるようにするとか。ニンジンに目がくらんで?作ってはみたが、おそらく、大したメリットもないと思い知らされるのではないか。さまざまなリスクが潜んでいるというのに。
 保険証の利用者、患者側からすれば、まず、必要性がない。身分証明書代わりというけれど、これまでだって、健康保険証、運転免許証、パスポートで、用がたりる。
 健康保険証として使用できるというが、マイナカードと一体化したとしても大病院はともかく、現在、通院している近隣のクリニックなどでは使えない。読み取り機―オンライン資格確認システム―を導入している医療機関や薬局は少ない。

 マイナカードには住民の基本情報、氏名・住所・生年月日・性別が内蔵されている上に、医療情報が加わることになり、その情報漏れのリスクがある。マイナカードの管理は、昨年成立したデジタル改革関連法により、国と地方公共団体が共同して管理運営する法人に改められた。実際の管理作業は、ほぼ、民間への委託、再委託が実態であろう。情報の拡散、情報漏れのリスクは高まり、政府はさらに、民間のカードの利活用を目論んでいるから、カードに蓄積された個人情報のセキュリティの整備は一層困難になるにちがいない。

 上記「骨太の方針」では、このオンライン資格確認システムの義務化には、医療機関側から、さまざまな問題点が指摘されている。「全国保険医団体連合会」発行の『全国保険医新聞』のアンケート結果は以下のようであった。

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 設備設置の経済的な負担は、助成金の30万程度では間に合わない場合が多く、ランニングコストもかかる。導入済みの機関では、トラブルにも悩まされているらしい。医師の高齢化によって閉院を予定しているケースも一割程度あって、義務化の必要性や助成金の返済などが課題になっている。これを機に閉院を早めるケースもあるという。
 私自身の周辺でも、当地に転居以来30年以上かかっていた内科のクリニックが、コロナの出現の直前に閉院した。コロナのさなかには、眼科クリニックが閉院してしまって、戸惑いもした。地域で親しまれた街のお医者さんが消えてゆく。近くの大学病院は、紹介状なしでは相手にしてもらえない。医療費も2割負担になってしまい、医療難民になりかねない様相になって来た。どうも長生きはさせてくれない国らしい。

 そもそも、マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)17条1項では、個人番号カードは、住民の申請により交付するものとされており、カードの取得は任意なのに、保険証を原則廃止することは、カードの取得を事実上強制するものであり、法律に違反するのは明らかなのである。

 むかし、学校でならったことわざを思い出す。
You can take a horse to the water, but you can't make him drink.

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2022年9月 4日 (日)

デジタル庁一年、進まぬマイナンバーカード

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   9月3日、またもや、マイナポイントの「つくらなくちゃ!もらわなくちゃ!」の新聞全面広告が出た。我が家で購読している朝日と東京の二紙にはあったのだが、他紙はどうだったのか。しつこい、と言われてみても、「書かなくちゃ!」

マイナポイントの昨年夏以来、洪水のような広告の異様さは、多くの読者の顰蹙を買っているのではないか。昨年も、同じことを書いていたのだが。

マイナンバーカード、このCMの洪水はなんだ?!(2021年10月15日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/10/post-8b9bd0.html

 先週8月31日の東京新聞は「社説」で「デジタル庁1年 暮らしの利便性第一に」の見出しのもと、デジタル庁の最優先課題のマイナンバーカードの普及が5割程度にとどまるのは、「国民が利便性を感じず、個人情報漏えいの懸念が拭い切れないからだ。カード普及を目指すなら、ポイント還元ではなく、制度の信頼性向上に努めるのが先決だ」と述べる。
 同じ紙面の投書欄にも「〈マイナ〉安全性を示せ」(山崎猛)と題して「国民がマイナカードに慎重な理由は個人情報の管理に不安があるからである」として「安全性を示さずにCMやお金で釣るとは国民をばかにした話である」と結んだ発言があった。
 さらに、「デジタル庁発足から1年 信頼性・透明性道半ば」(山口登史)の見出しで、マイナンバーカードの普及率が47%に留まる理由として、個人情報漏えいと国家による監視強化を懸念する記事もある。現在、デジタル庁職員750人の内250人が民間出身であり、庁内の有識者会議の議事録が非公開であるというのだから、その透明性が確保できないのは当然だろう。
 そして、9月3日の全面広告だったのであり、同日の「時事川柳」にはつぎのような一句もあるではないか。

・ひょっとして 支配の道具じゃ あるマイナ(川崎市 じゅんきち)

 朝日新聞は、9月3日の全面広告の前日9月2日、「1年〈何でもできるデジ庁〉の現実」の見出しで、デジタル庁の一年を振り返って、「マイナ保険証」めぐっての厚労省との壁、行政自体のデジタル化も人員不足ということで進まない作業などを伝えるのみで、7月13日の「社説」では、「政府が、自治体ごとのマイナンバーカードの交付率を、地方交付税の額に反映させる方針を打ち出した。住民がカードを取得した率が高い自治体には、交付税の配分を増やす。先月閣議決定した「デジタル田園都市国家構想」の基本方針に盛り込まれた」と報じ、「交付税は、すべての自治体が一定の行政サービスを行う財源を保障するために、国が自治体の代わりに徴収し、財源の不均衡を調整するものだ。この「地方固有の財源」を、国策の推進に用いるのは、明らかに交付税の精神に反する。 なぜここまで理の通らないことをしようとするのか」と疑問を呈している。

 8月31日の毎日新聞は「自治体間競争 あおる国 伸び悩むマイナンバーカード」に見出しで、「地方交付税の算定にカード交付率を反映し、交付率自治体には支給額を上乗せすることを検討している」と伝える。総務省は、22年度からホームページで全国すべての自治体の交付率が公開され、公布先進地域として、上位10位までが【特別区・市】【町村】【都道府県】別にトップに掲載されているのが下の表である。

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総務省/マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和47月末時点)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000828898.pdf

 ちなみに、佐倉市も以下のように表示されている。予備校の模擬試験成績発表の掲示板を思い出すし、かつて、ハンセン病者強制隔離政策の一環として「無らい県運動」と称して実施されたハンセン病者隔離を実施した歴史を想起する。丁目ごとに、マイナンバーカード未取得者リストができたりして・・・。佐倉市は41.5%であった。

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 そして、洪水のようなCMの財源といえば、なかなかずばりの数字は出てこないのがもどかしい。

「21年度補正デジタル予算は2.8兆円 マイナポイントだけでない増強点」「日経コンピュータ」(2021年12月23日)によれば、以下の数字になる。
 日経コンピュータが集計した主なデジタル関連項目の総額は2兆8616億7100万円と、過去最大の規模に達し、このうち6割強の約1兆8486億円は、1人当たり最大2万円分を付与するマイナポイント事業であり、マイナンバーカードの普及・普及・促進事業に346億円を計上している。デジタル庁にはマイナンバーカードのシステム整備に101億円が計上されているという。 2022年度の当初予算では、総務省のマイナンバーカードの交付・申請・促進には1064億円(前年度比0.8%増)、デジタル庁のマイナンバーカード制度の推進に4. 7億円(前年度比74%増)ということになっている。当初と補正の落差は理解に苦しむのだが、こんなデータもある。
 日経クロステックの集計ではデジタル関連は総額2兆8616億7100万円だった。補正予算と一体化した2021年12月~2023年3月までの「16カ月予算」で見ると、岸田政権は総額4.1兆円強をデジタル分野に投入する。1年前に一体で編成した「15カ月予算」(2020年度第3次補正予算と2021年度当初予算)で投じた1.7兆円の2.5倍近い規模に拡大する(2022年1月4日)。

 あの執拗なCMの財源はと、昨年も、総務省の担当(自治行政局住民制度課マイナンバー制度支援室)に質問したが、広告代理店に聞かねばわからない?!というのだった。新聞社もテレビ局も、マイナンバー制度についてあれこれは言うものの、政府は巨大広告の大事なスポンサーなので、正面から批判することはしない。メディアの権力監視機能は、すでに翼をもがれているようなものではないか。
 少し古いデータなのだが、2020年9月にマイナポイントがスタートしたころ、その広報費として政府が計上しているのは、なんと53億8000万円。しかも、すでに約1カ月でその約半分となる約27億円がかけられているというのだ(『リテラ』2020年9月24日)。

 一方で、共同通信によれば、取得者に最大2万円ぶんのポイントが付与される2022年6月にスタートした「マイナポイント第2弾」の事業には、総務省が約1兆4000億円の予算を確保しているが、カードの新規取得者が伸びないため、約6000億円余り、9月末の期限延長もあり得ると、報じている(「予算が6000億円残余「マイナカード」普及しない理由は「メリット感じない」…身分証明書にならない事態も」『Flash』 2022年8月28日)。ちなみに、8月25日現在、交付率が5割を超えたと総務省が発表したという。
 依然として、広告費の全貌は、わからないでいる。

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たった一本のヤマボウシの実が庭一杯に。

 

 

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2022年8月19日 (金)

マイナポイントのCMに、いったい、いくらかけているのか

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 このところ、「マイナポイント第2弾」のCMが目に余る。5月の本ブログでも触れたが、館ひろしや新庄らの動員に、さらに松坂大輔が加わっての新聞やテレビ、ネット上CMがすごい勢いで流れている。政府は、2万円というポイントをぶら下げて、マイナンバー制度の普及を図りたい一心らしい。 さらに、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を義務づけ、2024年度には従来の保険証を廃止!とまで厚労省は目論んでいる。

マイナンバーカード、ここまでやるの?また始まったマイナポイント

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2022/05/post-fd7ddf.html

  一方、日本医師会の会長は、日程的には到底無理だとの認識を示し、実態としては、システムの導入・運用可能な医療機関や薬局は、7月末日時点で26.1%だというから、ようやく4分の一というところである。なぜそんなに急ぐのか。
   デジタル化で、医療体制は充実するのか。本来、患者の生命、安全が一番のはずだ。安心して子どもが産める病院は減り、高齢者の医療費負担を倍にして、診療抑制を図ろうとしているのが露骨である。少子化対策、健康寿命の延伸とは真逆の政策でしかない。
   マイナンバーカード促進の蔭で、デジタル化のための機器・システム導入業者、広告業界と政府、政治家たちの間で、よもやあやしい、黒いカネが動いてはいないか、そんな不安もよぎる。

   コロナ感染者数の激増、死亡者・重症者の増加、医療体制ひっ迫が、繰り返されているにもかかわらず、コロナ対策の緩和は無為無策に等しいのではないか。自宅療養者の死亡の増加、トリアージによって、見捨てられる命の危機にさらされている国民がいる。

マイナ保険証導入より、先になすべきことがあるはずである。

 

 

 

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2022年5月30日 (月)

マイナンバーカード、ここまでやるの?またもや、マイナポイントが始まるという

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 5月28日、週末の新聞の全面広告である。我が家で購読している三紙とも掲載されているので、全国紙のみならず地方紙にも掲載されたのだろう。「マイナポイント」第2弾のPRである。昨年の夏から秋にかけての、マイナンバーカード自体の普及のための広告の洪水にも随分と驚かされたが、今回もその一端ということか。またもや、”最高”20000円分のポイントで、人を釣ろうと大げさのことではある。役者も代わって、新庄剛志と館ひろし、あとの二人の名前は知らない。しかし、ことは大げさでは済まないのである。この広告費、いったいいくらかかっているのだろう。今回の広告のスポンサーは、デジタル庁・総務省・厚生労働省である。

 私は、当ブログで、2016年1月から始まったマイナンバー制度について、シツコイといえばシツコイのだが、後掲のように、何度も発信してきた。私には、マイナンバー制度のメリットが理解できない。メリットがあるというのならば、宣伝せずとも、普及するはずである。その広報、促進対策に、湯水のごとく税金が使われていることも許せない。今回は、まだ問い合わせていないが、たとえば、昨年、新聞全面広告、テレビコマーシャル、ネット上の広告・・・にどれほど使ったのかを総務省に問い合わせても、電話は回されるばかりで、行き着いた先の自治行政局住民制度課のマイナンバー制度担当室では、「広告代理店でないとわかりません?!」ということになる。

 6月から始まるというマイナポイント第2弾というのは、マイナンバーカード取得者で、第1弾のマイナポイント申込者、これからのカード取得者も 申請すると5000円相当のポイントが付き、カードを健康保険証としての利用申込みをすると7500円相当のポイントが付き、公金受取り口座を登録すると7500円のポイントが付き、合計2万円のポイントが付くというものである。マイナポイント申請は22年9月まで、上記利用申し込み、登録申し込みは23年2月までという。これで、カードの交付率を上げようというわけである。

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NHK
政治マガジ(2022年5月30日)より

 いずれにしても、マイナンバーカードに、個人情報が積み上げられることになるのだから、その保管・利用には、細心の注意が必要となる。保険証として使える医療機関が、まだ極端に少ない。キャッシュレス決済が可能になるのだが、18種のキャッシュレス決済サービスのどれか一つを選ばなければならない。銀行口座の登録は、いわゆる徴税との「紐つけ」の不安も大きい・・・。ご家族一緒の申請だと、ポイントはたくさんつきますよ、ということになる。子供の分までということになると、その管理・利用はどうなるのだろう。マイナンバーカードの交付に必要な赤ちゃんの写真の撮り方まで指南するサイトがあった。

 ところで、ここ数年の、カード交付率は、以下の通りである。21年に飛躍的に倍増したのは、コロナ対策として特別定額給付金として国民1人当たり一律10万円の給付が、その要因であった。20年4月20日の閣議決定により、(1400億円余の事務費を含め13兆円を計上)マイナンバーカードによるオンライン申請も可能となったからであった。しかし、郵送による方が、給付は早く、オンライン申請者の給付はかなり遅れるという結果になった。もう一つの要因として、マイナポイント制度の第1弾が20年9月1日から21年3月31日に実施ではあったが、はたして、その効果を一概にそれを示す数字はないのだが。

マイナポイント事業第2弾によってどれほどのカード普及が促進されるのか、私には疑問が多い。

 

2019年7

2020年5

2021年5

2022年5

全国

13.5%

16.4

30.0

44.0

町村

10.8

13.6

27.0

39.8

総務省のホームページ「交付状況」からから作成。19年は7月1日、20年以降は5月1日の数字で、%を示す。

 

<昨年、デジタル庁発足前後のマイナンバー関係の当ブログのレポート>

イナンバーカード、このCMの洪水はなんだ?!(2)(2021年11月13日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/11/post-dbc3cf.html

マイナンバーカード、このCMの洪水はなんだ?!(2021年1015日)http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/10/post-8b9bd0.html

◇デジタル庁、発足だって?!いったい何をやってくれるのか~ 8000憶はどこへ行く(202191日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/09/post-ecdd68.html

マイナンバーカード、全面広告、朝日の見識を問う2021828日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/08/post-820e5f.html

なんとも鬱陶しいマイナンバー、私は使わない202143日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/04/post-449614.html

<マイナンバー制度導入前後の当ブログのレポート>

◇マイナンバーその後、保険会社からマイナンバー申告書類が届く2016814

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2016/08/post-23cd.html

◇マイナンバーに法的根拠はあるのか~内閣官房も自治体も、その説明に苦慮している! 16/01/15

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2016/01/post-7a6d.html

◇マイナンバー通知、到着、どうしますか、「ニューデンシャ」って、何?! 15/12/05

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/12/post-8d52.html

◇「マイナンバー制度」は、日本だけ!? 先進国の失敗からなぜ学ばないのか 15/11/25

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/11/post-afb2.html

 

 

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2021年11月13日 (土)

マイナンバーカード、このCMの洪水はなんだ?!(2)

 11月11日、またもや、マイナンバーカードの新聞全面広告が出た。テレビのCMもネット画面の広告も、一段と増えたような気がする。8月28日、10月15日の本ブログでも書いているが、今回の新聞全面広告は、一回目の黒柳徹子にかわって、佐ゝ木蔵之助である。「え?まだ?そろそろあなたもマイナンバーカード」のキャッチコピーとともに、蔵之介のセリフのような形で「知ってる?いまや3人に1人が、持ってるんだって。だから、作っちゃいました。世の流れに、流されたわけじゃなく、乗ったんです。」と。デジタル庁・総務省・厚生労働省の三者が広告主である。今回は、『東京新聞』にもあったから、全国の地方紙にも出たのではないか。この予算たるや、前回の記事でも、総務省自治行政局住民制度課マイナンバー制度支援室に問い合わせても、昨年度の補正予算の積み残しを使っていることしかわからず、詳細は不明である。

 今回の広告の前日の11月10日には、自公が18歳以下の給付金で合意し、11日の広告と同じ朝刊に、その概要が報道されたのである。それによれば、18歳以下の子どもに一律に10万円相当を給付するというのが、公明党の選挙公約だったので、実現を迫ったらしいが、自民党は、世帯の所得制限は必要として、960万円に落着となった。しかし、所得制限といっても、従来の児童手当給付のシステムに乗っかるだけのことで、制限される世帯は一割にも満たないという。公明党は、選挙の<お約束>だから?親の所得による<分断>を避けたい?というが、一党の<お約束>のために、税金を使ってしまっていいものか。所得の格差、正規・非正規、男・女などによる<分断>はどうするつもりなのか。余裕のある子だくさんの世帯は優遇され、困窮世帯や19歳以上の学生、高齢者、単身者の困窮者は対象以外となる。もっとも、10万円といっても5万円の現金は年内に、来春のクーポン5万円は使用目的が制限されるという。安倍政権下の、あの国民一律10万円給付の大部分は貯蓄に回ったというから、景気対策にもならなかったという実態を知らないわけではないだろうに、困窮者に確実に届く支援には程遠い。まさにバラマキの何物でもない。一方で、困窮者対策として住民税非課税世帯を対象に10万円を支給するという。家賃や公共料金をはらえずに住まいを失った人たち、携帯料金を滞納して就職活動もできない人たち、明日食べるものもなくてNPOなどによる食料配布に列をなす人たちに10万円を届けられるのか。


 同時に、発表されたのが、マイナポイント支給であった。マイナンバーカード普及対策とばかりに、新規取得者に5000円、健康保険証として使した人に7500円、預貯金口座を紐づけし人に7500円支給するという、これだけのことをして2万円分のポイントが付くという、複雑な上になんと半端な・・・。健康保険証として対応できる医療機関はまだ1割程度だというのである。
 そして国民が何よりも不安に思うのは、個人情報の漏洩である。行政機関のみならず、民間での利活用が普及したら、個人情報漏洩のリスクがさらに高くなるし、常時携帯となれば紛失のリスクも高い。すでに、あちこちで、保護されているはずの個人情報の漏洩や紛失の事故は続出しているではないか。
 マイナンバーカード取得のメリットと言われても、何一つ実感できないなかで、政府は躍起になって宣伝するけれど、新聞の全面広告、ネットやテレビのコマーシャルにどれだけの税金がつぎ込まれているのか。メディアも政府からの広告費
と引き換えに、腰がひけた報道しかできないでいる。


 そして今回の総選挙で露出した野党の情けない状況、どの野党も、大きな争点は後退させて、名づけや主旨に若干の違いはあっても、一律ないしは生活困窮者への給付金を声高に叫んでいた。その財源は、国債頼みではなかったか。若者のみならず、政治への無関心、そして不信は高まるばかりではないか。

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11月13日、これまで、見たことのない鳥がやってきた!?
  ミカンにはあまり関心がないような。エサ台の下には、見返り美人?も。
夫が、ネットで調べて、ヤマガラとわかったが、明日からも来てくれるだろうか。
ヒヨ、メジロも、ハクセキレイも見かけたのだが・・・。

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2021年10月15日 (金)

マイナンバーカード、このCMの洪水はなんだ?!

たんなる予算消化かも?!

 8月28日、朝日新聞のマイナンバーカードの全面広告に驚いて、当ブログに下記の記事を書いた。朝日だけではなく同日の毎日新聞にも全面広告があったので、他の全国紙にもあったのかもしれない。

2021年8月28日 (土)マイナンバーカード、全面広告、朝日の見識を問う
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/08/post-820e5f.html

  以降、自民党総裁選に続いて、総選挙の政局報道で姦しい中、新聞広告に驚いているまもなく、あれよ、あれよと、テレビのコマーシャルがしきりに流れ始めた。
 マイナンバーカードの発行が4500万を突破したそうで、佐々木蔵之介が、八百屋?の店先で「三人に一人はカードを持ってるんだって」と店員と掛け合うのは「そろそろあなたもマイナンバーカード「<3人に1人持ってる>」篇 15秒」というのらしい。また、喫茶店で、カードを持ってない田中みな美(後から彼女の名前を知ったのだが)が友人にそのメリットを聞くのが「そろそろあなたもマイナンバーカード<メリットを知る>篇 30秒」、黒柳徹子が中年の男性を相手に、一方的にしゃべる「そろそろあなたもマイナンバーカード<デジタル苦手>篇 15秒」であることがわかった。ヤフーで検索していると、右肩にしょっちゅうこの広告が現れる。8月28日から一斉に流し始めたことは、ネット上の総務省の「報道資料」(連絡先:自治行政局住民制度課マイナンバー制度支援室)で知った。
 そして、10月10日には、また、下記のような黒柳徹子の全面広告に接して、税金には違いないが、いったいこの広告費は、どこから出ているのかと、疑問が広がった。

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「society5.0時代の社会」ってなに?

 上記のマイナンバー制度支援室に聞いてみた。総務省のホームページの「予算・決算」のところでわかります」というので、それじゃあ、ということで、パソコンをひらき、誘導してもらい「令和二年度総務省所管第3次補正予算の概要」(2021年1月)からわかるという。なんと、これらの広告費は、2020年、昨年度第三次補正予算、つまり、その積み残しから出ているというのだ。その「概要」をたどってみた。「経済政策」として3,981.3億円が計上されている。 

【経済対策】
Ⅰ 新型コロナウィルス感染症の拡大防止策
 30.4億円

Ⅱ ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現
 .国・地方を通じたデジタル・ガバメントの推進
 1,799.3億円
 .マイナンバーカードの普及・利活用の促進

 1,336.4億円 
 1)マイナンバーカード普及に係る対応策強化

  1,032.1億円
 2)マイナンバーード機能のスマートフォン搭
  載等の実現に向けた実証等
    39.6億円
 3)マイナポイントによる消費活性化策の拡充
    250.0億円
 4)マイナポイントの基盤を活用した個人給付の検討
    14.7億円

 .テレワークや遠隔教育を支える情報通信基盤の整備
 .Beyond 5Gをはじめとした先端技術への戦略的投資
 5.デジタル化の進展に合わせたセイバーセキュリティの確保
 6.新しい働き方・暮らし方の定着・デジタル格差対策の推進
 7.総務省の政策資源を総動員した海外展開の推進

Ⅲ 防災減殺、国土強靭化の推進などの安心・安全の確保
  50.2億円

 各項目の解説を見るまでもないが、
Ⅱ-2-1)マイナンバーカード普及に係る対応策強化 1,032.1億円

 ということで、「キャンペーンやテレビCMなどの広報活動を強化する」ための予算が1000億円を超えていることがわかる。昨年度の積み残し、残してはならぬ、使いは果たさねば、来年度度予算獲得にも影響し、9月1日デジタル庁発足の機もあって、8月下旬からの一斉広報になったのも見て取れる。あんなに大きな新聞広告、しきりに流れるテレビコマーシャル、億単位のお金を湯水のごとく使っているようにしか見えない。

 マイナンバーカードを持つ、持たないが、今の私たちの暮らしに、どれほどのメリットがあるのだろうか。一番関係ありそうなのが、マイナポイント事業によるマイナンバーカード普及と消費の活性化をうたったのだが、笛吹けど踊らず、マイナポイント普及のために、表に見るように、別に260億円以上計上しているのである。
 ところが、以上は、あくまでも補正予算、令和二年度の本予算では、「総務省所管予算概要」の主要事項として「Ⅰ 東京一極集中の是正と地域の活性化」と並んで「Ⅱsociety5.0時代の社会」とある。その中で

・マイナンバーカードの普及とマイナンバー制度の利活用の促進:1,664.4憶
・マイナンバーカードを活用した消費活性化と官民共同利用型キャッシュレス結成基盤の構築:2,457.6憶

以上が、すでに計上されているのである。この予算で、何がどう使われて、どれほどの残っているのか、足りないのか。わけが分からないまま、また次年度の予算が組まれていくではないか。「society5.0時代の社会」ってなに?

「「society5.0」とは」「内閣府のホームページより
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/society5_0.pdf

マイナポイント事業の失敗

 ちなみに、新聞報道によれば、マイナポイント事業は当初4000万人にマイナポイントの付与(2万円の前払いに対して5千円のポイントを付ける)の実施を予定していたが、ことしの8月末現在でマイナポイントに登録したのは2250万人に過ぎなかった。財務省によれば、マイナポイント事業の予算は3000億円で、5000万人分が確保されているがこのままだと大半を使い残す可能性がある(「マイナポイント登録対象半数以下」『東京新聞』2021年10月12日)。

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 マイナポイントの2万円で2万5000円の買い物ができるからとマイナンバーカード取得の促進をはかった。目の前にニンジンをぶら下げれば何とかなるとでも思ったのか、消費者はそう簡単には動かなかった、というわけである。上記の総務省所管予算の数字と上記の報道の財務省の数字とは若干異なるが、本予算、補正とをあわせれば、それに近い数字となるのだが(2457.6憶プラス264.7憶)。

 ところで、マイナポイント事業の前提となるマイナンバーカードの取得率といえば、総務省から毎月1日現在のデータが発表になる。10月1日現在の詳細は以下のサイトで見られる。交付枚数として全国人口1億2665万4244分の4867万2550で、38.4%になったそうである。都市部は40%をわずかに超えるが、町村部が34.7%であった。都道府県別、市町村別の取得率、取得率のベスト10まで発表されている。ちなみに、ベスト1は石川県加賀市で70.0%、私の住む千葉県佐倉市は32.8%で、先月は31.6%であった。9月の全国の取得率は37.6%であったから、それぞれのアップ分が、今回の異様なほどの「広報活動」の成果とでもいうのだろうか。

マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和3年10月1日現在)https://www.soumu.go.jp/main_content/000773377.pdf

 マイナンバーカードは、行政手続きがラクになる、保険証にもなる、運転免許証にもなる、キャッシュレス決済にもなる、スマホにも搭載するというのだが、それだけ情報が集中しているカードがあるということは、個人情報の漏洩や悪用のリスクが高まることであり、システム整備などによるコスパは、低下するばかりであるのは、上述の通りである。億単位の税金が、どこでどう使われているのかを知ることは、まず、国民にとっては至難の業なのである。一度でも知りたいことを国や自治体に尋ねてみると、回される、待たされる、はっきりしない、あきらめさせる・・・。情報提供や情報公開を試みてみるとイヤというほどわかる。

 

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2021年9月 2日 (木)

デジタル庁、発足だって?!いったい何をやってくれるのか~ 8000憶はどこへ行く

 8月28日の「内閣府、総務省、厚生労働省」の「そろそろ、あなたもマイナンバーカード」という新聞全面広告には驚き、怒り心頭なのだが、きょう、9月1日のデジタル庁発足の“前祝”の感覚だったのか。
 コロナ対策にしても、アフガニスタンのタリバン政権発足に伴う政府の対応にしても、何一つ国民が納得できるものではないなか、突如、菅総理は自民党人事、閣僚人事を打ち出して、起死回生を目論むという、国民不在の行動に出た。
 こうした状況下でのデジタル庁の発足である。報道もほかのニュースに紛れがちながら着目したい。

  しかし、ここで忘れてはいけないのは、ことしに入ってからだけでも、マイナンバーはじめ、広くIT関係の「不祥事」というよりは、事件や犯罪に近い「事案」が続出しているのである。私も、たしかに報道された記憶はあり、その中身に怒りを覚えた記憶もよみがえるが、何に怒っていたのか、その詳細を忘れかけていることが多い。大方の方も、そんな感じではないだろうか。デジタル庁発足を機会に、時系列で、振り返ってみたい。

○ 2021年2月、スマートフォン用の接触確認アプリの不具合が発覚した。登録者のデータを記録し、ウイルス感染が検知されると、相手方に対し「濃厚接触の可能性がある」と通知されるというシステム。2020年9月以来、登録していた陽性者の濃厚接触者に通知が届かないという不具合の発生を知りながら、4か月も放置していた。

○昨年2020年4月7日、安倍政権下、マイナンバー活用による、給付金申請を閣議決定、5月1日、高市総務相は、1人10万円を配る「特別定額給付金」のオンライン申請を勧めたが、各自治体の準備が整わないままのスタートとなり、誤入力や重複申請が相次ぎ、大幅な遅滞を招いた。

○2020年5月20日、企業が働き手に払う休業手当の費用を支援する「雇用調整助成金」でもシステムトラブルがあり、オンライン申請を即日停止した。厚労省と発注先の富士通双方に重大な問題があったことが判明した。

○2021年7月2日、1日発売の週刊文春の報道を受けて、IT室幹部が、アプリ開発の委託先の一つであるNTTコミュニケーションズの親会社のNTT幹部と20年10月から12月にかけて3回の会食した事実に関して、利害関係者であることは認めたが、費用や分担など不明なまま。

○2021年8月20日、東京五輪・パラリンピックで使用する健康管理アプリ(オリパラアプリ)事業の入札価格が73億円と高額であることとの批判を受けての調査の結果、入札にかかわり、内閣官職員房IT総合戦略室との職員に不適切な行為があったとされ、8月27日6人の幹部職員が、訓告、厳重注意などの処分を受けた。

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東京新聞(2021年8月21日)

○平井卓也デジタル改革担当相のNTT幹部との会食が同社子会社などの受注につながったことはないと結論付けた。アプリの減額交渉をめぐり、平井氏が「(受注業者を)脅しておいた方がいい」とした発言が6月に発覚していたが、その是非については判断を示さなかった。

私の記憶から消え去っていることもあるかもしれない。

 そして、これはまだ記憶に新しいところなのだが、デジタル庁「デジタル監」なる人事において、突然 伊藤穣一(55)の名前が挙がった。デジタル政策分野の内閣官房参与を務める村井純・慶応大教授の推薦とも言われたが、彼は、少女への性的虐待などの罪で起訴されたアメリカの資産家(2019年に自殺)から、かつて資金援助を受けていた問題が発覚し、資金援助を匿名で処理するよう同僚に依頼していたとの疑惑もあり、2019年にマサセッツ工科大学の研究所の所長を辞任していた。その経歴が明らかになって、彼の名は消えた。
 つぎの浮上したのが、石倉洋子(72)一橋大学名誉教授で、グローバル人材などが専門という経営学者である。ちなみに、ネットで調べると、その学歴・職歴は実に華々しく、多くの大手企業の取締役・社外取締役など数えきれないほどならぶ。現場や実務経験の形跡がみられないが、事務方のトップが務まるのか疑問ではある。そもそも、「女性活用」を看板に、肩書がものものしければ、「お飾り」としては適任なのかもしれない。
 そして、肝心の平井卓也(63)デジタル庁長官であるが、さまざまな噂はともかく、上記の事件にかかる監督責任者であって、減俸などで落着するわけがなく、次に見るような、厖大な予算を背景に、先に見た600人規模の要員で、何をやり出すのか、不安は高まるばかりである。

  日経クロステック(8月31日)によれば、おおよそ次のようなことになる。これらの予算が、官僚と企業の間で、「不適切ではあるが、ただちには法令違反にあたらない」程度に回しに回され、国民の利便に寄与するのはどれほどなのか。8000億の一部でも、コロナの医療対策の拡充に使ってほしい、コロナで職を失った困窮者に回してほしい、壊滅的な被害を受けた災害の被害者を支援してほしい。
  内閣官房の8月31日の発表によれば、デジタル庁の概算要求額は5426億3200万円で、このうち98%を中央官庁が使う情報システムの整備・運用費が占める。システム投資をまずデジタル庁に一括計上して、同庁が投資の中身や使い方を検証する仕組みが2022年度から本格始動するという。
  2021年度予算では、デジタル庁の前身となる内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室などが3096億2400万円を確保した。2022年度の要求額は前年度比で約1.75倍となる。一般会計のほかに特別会計にもシステム投資が含まれ、政府のシステム投資の総額は年間8000億円程度とされている。デジタル庁に集約された5300億円強は8000億円の約3分の2に相当する。
  2022年度は、このほかにデジタル庁の運営に79億5300万円、官民を挙げたデジタル人材の確保・育成に25億1900万円などを要求した。UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)を改善するなど行政システムを国民に使いやすくする経費に4億600万円も要求している。

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JIJICOM( 2021年8月31日)9億近い家賃もすごい。

 

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2021年8月28日 (土)

マイナンバーカード、全面広告、朝日の見識を問う

 8月28日、朝日新聞の朝刊を開いて驚いた。朝寝坊の上、朝食後、パソコンを開く方が先なもので、かなり遅かったのだが、いつものようにスポーツ欄とテレビ欄を飛ばそうとして、「ウッ!」その途中に現れたのが、ハデハデしい、つぎのような全面広告である。

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 よく見ると、広告の中央の文字は「そろそろ、あなたもマイナンバーカード」とあり、三人のタレントが各世代の代表のように、大きな顔がイヤでも目に入る。一番上のタレントの名前は知らない。その三人には、つぎのようなセリフが付されている。

「最近、メリットが増えて気になってます。」
「いま、3人に1人が持ってるんだって。」
「デジタル苦手だから作っちゃった。」

 まあ、なんと無責任な勧めよう。マナンバーカード制度は、2016年1月、発足当時から、問題が多く、セキュリティ「安心・安全」の面から、その危険が指摘されていた。私も当ブログで何度か記事にしている。
 朝日新聞は、近年の社説だけから見ても、マナンバーカードには警鐘を鳴らし続けていたのである。

「マイナンバー カード普及策は再考を」2019年9月10日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14171125.html?iref=pc_ss_date_article
「マイナンバー カード普及を焦る不毛 2019年12月2日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14278328.html?iref=pc_ss_date_article
「マイナンバー 性急な議論は危うい」2020年6月4日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14500660.html?iref=pc_ss_date_article
「マイナポイント 国民の理解がなくては」2020年9月19日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14627555.html?iref=pc_ss_date_article
「マイナンバー カード強要は許されぬ」2020年11月30日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14713197.html?iref=pc_ss_date_article

 その朝日新聞が、の思いも強い。朝日新聞は、自社の広告としての審査は、どのように進められたのか。全面広告料に目がくらんだのか。
 全面広告では、三人のタレントを囲むように、さまざまな生活の場面で、便利さ?メリット?を掲げるのであるが、これも実に、おおざっぱな話で、何の根拠もなく一概に信頼できないコピーなのである。

「子育てがラクになりました」
「持ち歩くカードの数が減ったのよ」
「健康保険証としても使えるんだって」
「友達が作ったから気になってます」

 どれもこれもまぜっかえしたくなる。昨年の一律給付金の折は、マイカード申請の方が手間取って遅れたというし、保険証としても使えるのは、ことしの10月からの予定だったけど・・・。持ち歩くカードが減るということは、マイナンバーカードに個人情報が集中しているというリスクがあり、第一、持ち歩いてなくしたらどうするのだろう・・・。若い人は、そんなにも自主性がないんだろうかと。ちなみに、マイナンバーカードの政府によるスケジュールは以下のようなのだ。

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東京新聞 (2021年5月11日)から

 この広告のスポンサーは、内閣府・総務省・厚生労働省である。こんな全面広告に、どのくらいの税金が使われているのか。この広告に登場したタレントが、お金に困っているとも思えない。今後どんな発言や行動をしたとしても、私は信用しないだろう。
 朝日新聞! 政府! タレント!・・・・。私の怒りは募るばかりの暑い一日だった。

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当ブログの関連過去の記事

・なんとも鬱陶しい、マイナンバー 私は使わない(2021年4月3日)

・マイナンバーその後、保険会社からマイナンバー申告書書類が届く(2016年8月14日)

・マイナンバーに法的根拠はあるのか~内閣官房も自治体もその説明に苦慮している(2016年1月15日)

・マイナンバー通知到着、どうしますか。「ニューデンシャ」って何?(2015年12月5日)

・「マイナンバー制度」は日本だけ!?先進国の失敗からなぜ学ばないのか(2015年11月25日)

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2021年4月 3日 (土)

なんとも鬱陶しいマイナンバー、私は使わない

 銀行や保険会社から、マイナンバーの提供依頼の文書が何度でも届く。そのたびに無視しているが、カードも持たないし、提供する気もないので、なんと、鬱陶しいことかと、閉口している。

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総務省のHPより、ここまでやるの?
 

  そもそも、政府は、マイナンバー制度は何のために、進めようとしているのか、私にはわからない。マイナンバー制度は何のためにと、このブログでも何度か触れているが、現在、大きな曲がり角に来ていると、書き始めたのだが、なかなかまとまらないうちに、きのう4月2日、マイナンバー改正法案を含むデジタル関連法案63本が一括で衆議院内閣委員会において可決されてしまった。その審議時間は27時間に過ぎなかったという(『東京新聞』4月3日)。
 
一括とは、「束ね法案」ともいい、政府提案の法案の審議時間をなるべく短縮し、反対意見を極力スルーするための審議・議決方式であって、安保関連法案、働き方改革関連法案に続く手法である。その上、これまでもあったかもしれないのだが、今国会で、法案の条文のミス、たんなる字句に限らない、内容的にも整合性を欠く条文がさまざまな法案で発見されているというのだから、お粗末きわまりない。「束ね法案」は、政府にとっては、質疑応答の過程で、その本質や不備が質されるのが避けられるという「手口」であって、国民にとっては、国会軽視の何物でもないだろう。

 マイナンバー制度は、個人情報の一元管理により行政の効率化を図るというのが主旨であったが、笛吹けど踊らず、国民は、個人情報が束ねられることへの不安、暮らしの上でのメリットがないまま、なかなか普及していないのが現状である。

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NHK「政治マガジン」より

 なお、今日4月3日のjijicom(時事通信社)の記事によれば、3月年度末時点での普及率は、急激に増加して、28.2%にまで上昇したという。さらに、今日の7時のNHKニュースでは、急増して36%に達したとの報道もあった。政府としては、2022年度末(2023年3月)までに、国民すべてにマイナンバーカードを普及させたいと、武田良太総務相が語っていたが、あの武田大臣が胸を張ったところで、説得力はない。さらに、最高額5000円のマイナポイントで、マイナンバーカードの普及を図ろうとするも、意外に伸びず、この3月で申請を打ち切るはずだったが、1か月延長、その付与も9月まで延長するなど、躍起になっている。

 マイナンバーカードには、メリットがないばかりか、さまざまな分野でのマイナンバーの「活用」は、システム上の不具合と称してとん挫しているではないか。昨年、国民一人当たり10万円の「特別定額給付金」は、マイナンバーを利用したばかりに、かえって支給が遅れるという事態が生じたし、この3月には、一部の医療機関で保険証代わりにマイナンバーカードを使用できるとしていたが、これも不具合があって、10月までにはと延長となっている。10月からといっても、使えるのは、全国で24都道府県、54医療機関に過ぎないというから、文字通り、試験運用にすぎないだろう。運転免許証代わりという計画は、当初2026年度中にはと言っていたのが、2024年度末に前倒しをするとの意向が昨年末に示されたが、どうなることか。

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厚生労働省のHPでは、「2021年3月(予定)から、マイナンバーカードが健康保険証 として利用できるようになります!」となっていて、訂正されていない

 一時、マイナンバーと銀行口座との紐付けを義務化するという話も、マイナンバーカードが普及せず、断念したのだったが、今回の「束ね法案」の中の「預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案」では、金融機関が預貯金者に紐づけの意思を確認することが義務付けられるが、紐づけ自体は預貯金者の任意となっている。紐づけの布石にならなければよいが。さらに、これまでは、各自治体の個人情報保護条例に拠っていた部分が一元化・標準化されて、自治体の自主性や独自性が損なわれる危険性も伴うことになる。
 また、個人情報の目的外使用は「相当の理由」により拡大するおそれやマイナンバー事業の民間委託、再委託など業者との不明確な契約による漏洩の危険をはらんでいる。

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「東京新聞」4月3日より

 私たちはどうしたらいいのか。残る国会審議に時間をかけて、法案の不備を質し、廃案にしてほしい。 ナンバー自体は、すでに、いま、否応なくつけられてしまっているのだから、極力このナンバーを他に伝えない、カードはつくらないことに尽きるのではないか。

 

 

 

 

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