2017年3月 8日 (水)

3月4日、学習会「千葉の空にもオスプレイ!―なにが問題?どこが危険?―」に参加~軍拡競争の真っ只中で、どうすれば

日本、米・中・韓国・北朝鮮の軍拡競争の再来

 

 227日の衆議院本会議で2017年度の予算案が通過、参議院でどうなろうとも衆議院優先で成立したことになる。974547億円の過去最大規模で、防衛費51251億円、前年度より1.4%増で、5年連続の増額である。収入内訳で、新たな借金となる国債は34兆円を超す。

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『朝日デジタル』227日より

 

    227日、 韓国政府は、北朝鮮の核やミサイルの脅威に対抗するため、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」を年内に配備する計画で、配備場所として、ロッテグループが所有するゴルフ場の土地を正式に取得したと発表している。

228日、トランプ大統領は、2018年度の予算について、公共の安全と安全保障を重視するとして国防費を増やす方針を示した。国防費10%、日本円で約6兆円の増額が見込まれるという。

 34日には、中国で、全国人民代表大会が5日から始まる前の傅瑩報道官の記者会見で、2017年の国防費の「増加率は7%前後」と明らかにした。1兆人民元を超え、日本円で17兆円に迫る見通しとなるという報道があった。

 36日、北朝鮮は、弾道ミサイル4発を同時に発射、秋田沖300350キロの排他的経済水域内外に落下した。日本は、「北朝鮮の脅威は新たな段階に入った」と安倍首相は、米韓日が緊密に連携して対応するとしている。

 

中国の尖閣列島周辺の動向や北朝鮮の弾道ミサイルの発射は大きく報道され、その脅威を増幅させているのが常である。たとえば、北朝鮮は、日米の軍事同盟の<強化>パフォーマンスがなされたとき、米韓合同訓練や日米合同訓練に合わて、ミサイル発射がされることが多い。相互が挑発に乗りあって、軍拡がエスカレートして、日本でも、根拠のはっきりいしない防衛予算、駐留米軍への多額の経費が計上される。折しも、36日から17日まで、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の合同訓練が、群馬県相馬原演習場、新潟県関山演習場で展開されている現実。政府は、自衛隊員の命をないがしろにする駆けつけ警護、各所での福祉予算の切り捨て、東日本大震災被災地で仮設住宅や店舗の閉鎖、戻るに戻れない原発事故被災地、杜撰な補助金、役人の天下り利権、廃炉費用まで国民に押し付けておいて、守るものは何なのか。国民の命と財産を守るどころか、むしろ脅威にさらしているようなものではないか。

 

軍拡競争に歯止めをかけるのは、憲法9条を持つ日本でしかない。その9条の改悪を進める政府を延命させるわけにはいかない、国民は何を突破口として実現していくのか、が問われているのではないか。

 

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『防衛白書』2016年版より。『日本経済新聞』(2016/12/23 1:30 電子版)では、「防衛費「聖域」扱い 中国・北朝鮮の脅威反映 過去最大の5.1兆円、5年連続増」という記事中、「中国や北朝鮮の脅威を名目に防衛費は<聖域>扱いとなっている」との文言も

 

 

当ブログでも、先日もお知らせした表記の学習会(さくら・志津憲法9条をまもりたい会主催)で、吉沢弘志さんの話を聞くことになった。近年、自分の勉強不足を痛感して、沖縄へ出かけたり、『琉球新報』を購読したりして、何とか沖縄のことを知りたいと思っていた。

 危険だというオスプレイMV22 が、昨年末、沖縄の名護市海岸に墜落大破した。そのオスプレイの整備拠点となったのは、米軍の木更津基地で、すでに1月に飛来している。日本の米軍基地では、各所へのオスプレイ配備計画が進み、何十機ものオスプレイが整備のために木更津にやって来るのではないか。その危険性は現実のものとなるのではないか、というのが私たちの不安だった。

 

吉沢弘志さんの話 

 吉沢さんは、埼玉大学でドイツ語を教えている先生だが、幅広い知見と活動で、市民運動に参加されている。以下は、吉沢さんの話のレポートとしたい。

 

千葉県木更津には、米軍基地に陸上自衛隊駐屯地が併設されているが、米軍のオスプレイMV22CV22 の整備拠点になることが決まり、すでに130日に飛来している。オスプレイは「空飛ぶスクラップ」とも呼ばれ、昨年1213日名護市海岸に墜落し、19日には飛行再開、年明けの113日には空中給油を再開した、あのオスプレイ。日本は、墜落現場に近づけることもできず、原因究明も米軍まかせの安全宣言、すべて日米地位協定に拠るものである。オスプレイの開発は、1982年に始まり、1999年に量産体制に入ったが、開発中の死者も続出、死者を出した重大事故の事故率が、2011年からみても減ることはなく確実に増え、2015年末には、3.58%だという。

 

*参考

MV22の事故率について(防衛省2012 

http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/osprey/pdf/dep_5.pdf

 

MV22の死傷者を伴う重大事故(防衛省資料、新聞記事から作成)                                                                      

開発

試験

段階

 

19916 

試作機初飛行で制御不能で転覆、軽傷2 

19927

エンジンから出火し墜落、死亡7

 

20004

 

急降下で墜落、死亡19

 

200012

 

着陸進入ときに王戎不能不能となり墜落、死亡4  

 

実用

 

段階

 

20104

 

アフガニスタンで墜落、死亡4

 

20124

 

モロッコで演習中墜落、死亡2人、重傷2

 

20126

 

米フロリダ州で墜落、負傷5

 

20155

 

米ハワイ州で着陸失敗事故、死亡2

 
201612  

沖縄県名護市海岸で墜落大破、負傷2

 

 

 普天間基地には、24機が配備されている。1機は墜落、1機は爆破?2機減ったはずが、直ちに増強され24機。横田基地には空軍仕様のCV2210機、岩国にCV2212機、厚木、三沢基地はじめ各地の演習場での飛行訓練が計画されている。70機近いオスプレイが、日本の空、低空を飛ぶ。さらに、自衛隊が2018年度までの「中期防衛力整備計画」で17機購入を決めていて、それらを含めて整備拠点の木更津に離着陸する。

米軍や政府が日本の防衛上、オスプレイの必要性を強調するが、ことごとく、「オスプレイの“ウソ”」として論破する。(下表は、吉沢さんの資料から作成)

                   
 

垂直離着陸ができる 

 
 

重装備の24人搭乗は不可能に近く、重量から垂直離着陸は5%に過ぎず、1500m以上の滑走路を必要としている (木更津は1800mの滑走路がある)  

 

航続距離が長い 

 
 

危険な空中給油を不可欠としている

 

抑止力

 
 

兵力としての乗員数は24名×機数が増強されても、抑止力の増強にならない  

 

災害救助

 
 

300度の熱風を下方に噴出、離着陸の場所確保が困難、積載量が少なく、輸送ヘリCH-47Jの方が効率が機能的 

 

急患搬送

 
 

離着陸の場所確保困難、防寒の必要、酸素吸入の必要も必要で、ドクターヘリの方が機能的  

 

 政府は、熊本地震で、災害救助として役立たずのオスプレイ出動を米軍に要請したが、飛行距離も長い必要はなかったし、積載量は段ボール200個分程度、着地には、熱風除去の大量の散水を必要とし、水不足の災害地では顰蹙を買い、「政治利用」だとの批判を浴びていた。

 

オスプレイは危険性だけでなく、売却価格の不透明さがある。冷戦体制が崩れた以後の日米同盟と米軍再編との流れに沿って、日本の防衛の建前が、離島防衛から離島奪還へと転換する中で、アメリカでの軍事利権保護のためだけに、米軍のオスプレイ配備、日本へのオスプレイ売却が進められているのが現状である。しかも、住民の反対で、アメリカ国内での飛行訓練がままならない状況の中で、主たる訓練は日本で実施されているのが現実。さらに、現在、オスプレイの購入を決めているのは、世界中で日本だけで、その購入価格もアメリカ政府のいわば「言い値」であって、関連機材、訓練費用などを含めると1200億以上という。さらに、おかしなことに、防衛省は、オスプレイのメーカーのボーイング社と契約するのではなく、ボーイング社から買い取ったアメリカ政府から買う仕組みとなっている。しかも、日本に先払いをさせておいて、契約内容を履行しないというのがアメリカの日本へのやり口だそうだ。

 

吉沢さんの話は、まだまだ、あるのだが、とりあえずのレポートである。

 

家にかえって少し調べてみた。オスプレイのアメリカ政府からの買い付けには、間に三井物産が入る。日本の2015年度予算案では、オスプレイ5機の購入費用として516億円(1機約103億円)、2016年度は12機で1321億円(1機約110億)が計上されていた。米軍の購入費用は1機当たり50億~60億円との報道もある。* そういえば自衛隊にオスプレイが届いた話は聞こえてこない。

 

*参考

 

自衛隊内でも異論…安倍政権「オスプレイ」相場の2倍で購入

 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157524

 

・熊本地震 オスプレイ物資搬送 「政治利用」の声も

毎日新聞2016419

http://mainichi.jp/articles/20160419/k00/00m/040/083000c

 

・「米軍オスプレイの我が国への配備の経緯」

防衛白書2016年版より

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2015年12月 3日 (木)

沖縄辺野古基地建設にかかわり、同時進行している訴訟の行方(2) ~明確になった国側の「瑕疵」と振りかざす「ご都合主義」  

  これは、私だけのことだったのかもしれないが、けさ、きのうの沖縄辺野古新基地建設にかかる代執行訴訟の第1回口頭弁論の各紙報道を読んでみて、ようやく理解できたところもある。昨日の当ブログ記事の続きにもなる。  私の手元には、朝日・毎日・東京新聞などがあるが、たくさんの頁を割いて解説されているなかで、以下の東京新聞の図表がわかりやすかった。あわせて、昨日の当ブログ記事で、私の作成した年表と図表も参考にしてほしい。  

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  安倍政権の大きな流れの中で、しばしば登場する「法治主義」、「地方創生」は、裏を返せば法律で治めるのではなく「与党独裁」であり、「地方切り捨て」の施策に過ぎない。辺野古の新基地建設の問題にも当てはまる。「日本は法治主義の国ですから・・・」「地方の活力に期待して・・・」とのセリフには実態がない。「国際情勢や国際環境の変化」によって、憲法9条の解釈や判例の解釈を変更したり、地方の民意は、予算のばらまきで首長や住民に目くらましで捻じ曲げようとしたりする。そうした中でも、沖縄県民が示しつづけている「辺野古新基地建設」反対と抵抗の意思を、2013年12月の仲井真前沖縄知事の建設工事「承認」をタテに頑として受け入れない国の「法治主義」「地方創生」は、字面のパフォーマンスに過ぎないではないか。私たちも、アメリカ軍の日本の基地、沖縄の基地、自衛隊の役割が日本の防衛ためという建前は崩れ、アメリカ自らの軍事拠点に利用する目的にシフトしてきているにもかかわらず、日米の同盟関係を強化するなどとの安保法制で、日本国民の命はますます危うくなってきていることを自覚しなければならない。沖縄県を、沖縄県民を米軍基地から解放することは、私たちの命を守ることにもなるのだから、本気で、いまの政府にNOを突きつける手立てを考えなければならない。

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2015年12月 2日 (水)

沖縄辺野古基地建設にかかわり、同時進行している訴訟の行方

 あす122日は、沖縄での裁判で、第1回の口頭弁論が始まるという。沖縄新基地建設をめぐって、基地をつくらせないと闘っている人たちを支援したいと気持ちが焦り、沖縄の最近の動向を整理しようとして、例のごとく年表を作成していて、どうも分かりにくい点がいろいろ出てきた。とくに「法廷闘争」が入り組んでいて難しい。少したどっていって理解できたのが、以下のようなことだった。もちろん足りない部分や勘違いもあると思うが、とりあえずのレポートとしたい。ご教示いただけたらと思う。沖縄で進む三つの訴訟の進捗状況と何が争われているのかを整理しておきたい。

 今年の1013日、翁長知事が辺野古埋め立て工事の承認を取り消したことに始まる。その「承認」というのは、20131227日、安倍首相との会談を終え、仲井真沖縄県知事が、従来の主張を覆して、3000億円の振興予算とオスプレイ分散配備などを条件に辺野古埋め立て工事を承認したことを指す。知事の「これで、いい正月が迎えられる」とのセリフが、いまでも思い出されるのである。一年後の昨年末、圧倒的な勝利を収めた翁長知事が就任して以来、「基地をつくらせない」闘いが始まっていたわけである。

 訴訟では以下の三つの方法で、争われることになる。

①国が「民間事業者」としての立場から、防衛局が、公有水面埋立法を所管する国交相に不服審査請求をした場合で、すでに石井国交相は、1028日、翁長知事の取り消しを違法として取り消し処分の執行停止という裁決を下し、翌日から本体工事着手を始めている。県は、1124日に国を提訴している。図表では、赤字で示した流れである。

②国が「行政体」としての立場で、石井国交相が翁長知事に取り消しの是正の指示・勧告を行ったが、それを拒んだ県に対して、取り消し処分の撤回を行う代執行を求めて、福岡高裁那覇支部に提訴したのが1117日である。122日第1回口頭弁論が開かれる。図表では黒字で示した流れになる。

112日、翁長県知事は、国土交通省の工事承認取り消しの効力一時停止の処分を不服として国地方紛争処理委員会に対して審査を求め、1125日に意見書を提出している。

①は、行政不服審査法1条は、行政庁の違法、不当な処分行為について「国民救済」の手立てとして不服申し立ての道を開くことを目的としているにもかかわらず、「国民ではない、国が申し立てる」ことは想定してない、との考え方から、県は「違法」として国を提訴している。

②は、地方自治法で定められた手続きではあり、裁判所による公正な判断が待たれるが、なんと10月末日の人事異動で訴訟指揮を執る福岡高裁那覇支部の支部長が交代し、政府より人事との報道もある。

③は、まだ始まったばかりのようで、今後の動向を注視しなければとも思う。

もう日付が変わって、122日となってしまったが、第1回の口頭弁論の行方を見守りたい。

以下の図表は、PDFでご覧ください。

・近年の沖縄辺野古新基地建設の動向、二つの裁判を中心に(2015121日現在、内野光子作成)

・辺野古新基地建設にかかる訴訟手続き(2015121日現在、内野光子作成)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/okinawanenpyou.pdf

(参考)

辺野古承認取り消し:前例なき法律闘争、国の対抗策3つのケース沖縄タイムス914日)

https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=132782 

 

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2015年11月25日 (水)

「マイナンバー制度」は、日本だけ!? 先進国の失敗からなぜ学ばないのか

日本のマイナンバー制度は、国民の利便性や行政の効率化を考えてのことなのか

「マイナンバーのお知らせ」、 皆さんのお手元に届いただろうか。私の家には11 22日に届いた。全国から簡易書留の配達ミスや自治体の窓口での交付ミスが連日続いていて、関係者があちこちで頭を下げている映像を目にする。とくに千葉県内の件数が多いとか。情報漏えいについては万全を期しているという法律ながら、スタートの時点でなんとも基本的なミスが続くではないか。他人のマイナンバーがいとも簡単に知られてしまうリスク、その無防備さが露呈した。

マイナンバー制度について、内閣官房は「マイナンバー 社会保障・税番号制度 国民生活を支える社会的基盤として、社会保障・税番号制度を導入します。」、総務省は「マイナンバー制度は行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のための社会基盤です。」と、そのホームページのトップで説明する。果たして、ほんとうなのだろうか。

マイナンバー法とは「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の略称で200頁以上にも及ぶ。関連法合わせて四法を指すこともあり、すでに2013531日に公布され、来年20161月から運用が開始される。さらに、今年、201593日には、マイナンバーの利用範囲を預金口座や特定健康診査(メタボ健診)、予防接種にも拡大する改正法が成立した。日本年金機構の個人情報流出問題を受け、マイナンバーと基礎年金番号の連結は延期した。預金口座へのマイナンバー登録は、いまは、預金者の任意としているが、義務化が検討されている。義務化により、税務当局や自治体は、脱税や生活保護の不正受給を減らせると見込んでいるがほんとうにそうなのか。それより先にやることがあるのではないか。

どの先進国も、進めている「マイナンバー制度」というが、その実態は

10月の終わりに、テレビ朝日の玉川さんの「そもそも総研」で、一部外国での「マイナーバー」実施状況を知った。私も、ネット検索などで調べていくと、いろいろなことがわかってきた。いわゆる「先進国」で、日本のような、「マイナンバー制度」(国民共通番号制度)を採用している国は、見当たらないのだ。国民共通番号制を採用したが撤廃したイギリス、社会保障番号の民間利用を拡大したため「なりすまし被害対策」に必死のアメリカ、納税者IDカードとして税務以外の利用は一切禁止するドイツ、税と健康保険に留まるフランス・・・。いったいどうなっているのか。資料もいろいろ出てきたが、以下のようにまとめてみた。とくに、経過と課題の欄に注目してほしい。日本における、やがて連結される年金情報、健康保険情報などが民間にも開放されたとすると、保険会社や製薬会社などにとっては、格別の情報になってしまうのではないか。

 

諸外国の個人識別番号の現況           

 国名 

人口

 導入状況 

導入時期・対象 

 経緯と課題 
 アメリカ 

3億人

 

社会保障番号 

1936 

任意・民間へ拡大

 

大不況後の対策として社会保障番号制度(年金など)を導入、本人の申請による 

公的医療保険制度はなく、識別番号制度は保険提供者・保険者・雇用主に導入、患者にはない 

民間への利用を拡大したため、なりすまし被害が激増中 

ドイツ 

8000万人

 

納税者ID番号 

2009 

民間禁止

ナチスの体験から、番号を付することが人権侵害で憲法違反とし、情報管理の一元化・データ保護に非常に敏感 

2003~課税の公平性のため税識別番号導入へ(自治体ごと)

フランス 

6500万人

 

健康保険番号 

1998 

任意

1973~紙媒体から電子化、1978~税徴収のみに利用 

1998~健康保険IDカード、医療情報の制限 

日常生活カード、国家身分証明カードは未実施 

イタリア 

6000万人

 
 納税者番号 

民間一部利用

 
 2000~納税はすべて電子申告、現在は社会保障番号としても利用 

本人確認番号として利用拡大 

イギリス 

6300万人

 

国民保険番号 

1948~

 

2006~テロ対策として国民IDカード法成立 

2007 2500万人分のデータROMを紛失 

2010~に保守党に政権交代、国民IDカード法、すべてのカード情報を廃棄 

カナダ 

3000万人

 
 社会保険番号 

1964 

任意 

民間一部利用 

 社会保険料の徴収・受給者管理・給付。身分証明番号として利用 

データ保護意識高い 

オースト 

ラリア 

2150万人

 

納税者番号 

1989~ 

任意

 

1984~税方式による公的医療保障制度、1989~納税者番号取得は任意、カードの発行はない 

2010~保健医療識別番号導入、2012~患者・医療提供者の自主的参加、患者の情報選択が可 

デンマーク 

560万人

 

住民登録番号 

1964 

民間有料で可 

住所・氏名限定

 1968~住民登録制度による税・社会福祉など全行政サービスに利用される個人識別番号制度へ 

1990年代~家庭医登録制度、医療機関相互による効率化へ 

日常的な利用拡大 

日本 

12000万人

 

マイナンバー 

2016 

住民票への番号自動的付与 

民間へ随時拡大 

 基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポートの番号、納税者の整理番号(旧、法源番号)、運転免許証番号、住民票コード、雇用保険被保険者番号などの一元化へ 

住民票に、氏名・住所・生年月日・性別・個人番号付与。カード配布申請任意  

  (末尾資料により、内野光子作成。201511月現在、未完)

 上記の表は、以下のPDFでもご覧になれます。
http://dmituko.cocolog-nifty.com/syogaikokunokojinsikibetu.pdf

 なぜ「マイナンバー制度」の導入を急いだのか
20161月から運用開始といい、当初は、法律をところどころ、また解説などを読んでいくと、マイナンバーが「行政の効率化、国民の利便性、公平公正な社会」のためにというけれど、今までの役所の縦割り、役所の杓子定規による市民の不便さ、生活保護費の不正受給、富裕層や法人への税優遇が、一挙に解決するとも思われない。相変わらずの役所仕事は続くだろう。ともかく番号一つで国民の個人情報をたばねて、何にでも運用し、国民のひとりひとりの人権に踏み入ろうという狙いは明らかだ。情報漏れに関しては、だれが責任をとることもなく、第三者機関による調査と再発防止をうたって、管理職が頭を下げれば、一件落着である。さらにいえば、役所や法人からのマイナンバー事業の委託や管理事業という、巨大な利権が動く。いわば「コンクリート」公共事業の頭打ちのあおりをIT産業に振り向けるための政策であったのである。 

生活保護費の不正受給や医療費の不正請求を取り締まることは、今のシステムだってできるはずで、やらなかっただけではないのか?軽減税率をどの範囲に決めるか?などはいわば、財政上から見ればむしろ些末的な案件であって、それよりも、法人税率を1%でも下げないこと、所得の分離課税から総合課税へ、 逆進性の税制を改めること、内部留保税の新設・・・など、「決める政治」ですぐにでもできる財源確保ではないか。それらを財源に、福祉予算の大幅増額によって、貧困、病苦、非正規雇用、少子などの悪循環を止めることができるのではないか。政府雇いの有識者からは、そんな意見がさっぱり聞こえてこない。

安保法制によって得をするのは誰なのか、危険にさらされるのは誰なのか。防衛予算や基地の増強は誰のためなのか。原発再稼働によって得をするのは誰なのか。安心安全な暮らしを奪われるのは誰なのか。同じような構図が見えてくる。

この1週間、一日2・3回、マイナンバーの問い合わせ番号0120950178に電話しているが、通じない。もうそれだけでも、私などは、先行きの不安を覚える。たださえ、高齢者をターゲットにさまざまなサギが横行する昨今、民間への利用を推進しようとする「マイナンバー」が、まるで、怪獣のように私たちに襲いかかってくるような恐怖を感じてしまうのだ。

<参考文献>
・「マイナンバー制度」が利権の温床に「IT公共事業」に群がる白アリども『選択』20133
・巨額血税「浪費」のマイナンバー大手IT企業が「談合」でぼろ儲け『選択』20155
・近藤倫子「医療情報の利活用をめぐる現状と課題」『情報通信をめぐる諸課題』国立国会図書館 2014

・黒田充(自治体情報政策研究所のブログ)
「先進国は全てマイナンバーのような制度を入れている」のウソ (1)http://blog.jjseisakuken.jp/blog/2015/04/post-d673.html
「先進国は全てマイナンバーのような制度を入れている」のウソ (2)
http://blog.jjseisakuken.jp/blog/2015/04/post-5cda.html
・玉川徹ほか「そもそもマイナンバー制度は海外ではうまくいっているの?」(約
17分)『そもそも総研』(テレビ朝日、20151029日)
http://www.at-douga.com/?p=14841
・猪狩典子(
GLOCOM国際大学グローバルコミュニケーションセンターのHM)「ICT利用先進国デンマーク」
http://www.glocom.ac.jp/column/denmark/igari_1_1.html
・高山憲之「フランスの社会保障番号制度について」(
200711月)http://cis.ier.hit-u.ac.jp/Common/pdf/dp/2007/dp344.pdf#search='%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9+%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E7%95%AA%E5%8F%B7'
・「国家情報システム(国民ID)に関する調査研究報告書―英国、フランス、イタリアなどにおける番号制度の現状」(国際社会経済研究所 20113月)http://www.i-ise.com/jp/report/pdf/rep_it_201010.pdf#search='%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2+%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E7%95%AA%E5%8F%B7'
・「諸外国における国民ID制度の現状等に関する調査研究報告書」(国際大学グローバルコミュニケーションセンター 20124月)http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h24_04_houkoku.pdf#search='%E3%83%BB%E3%80%8C%E8%AB%B8%E5%A4%96%E5%9B%BD%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%9B%BD%E6%B0%91%EF%BC%A9%EF%BC%A4%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AE%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E7%AD%89%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%E3%80%8D%EF%BC%88%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC+2012%E5%B9%B44%E6%9C%88%EF%BC%89'

 

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