2018年2月18日 (日)

2・16、納税者の怒り爆発!

                逃げるな!佐川、昭恵出て来い、麻生・安倍ヤメロ!

0218052
プラカード満開、レイバーネットから

8_2
日比谷西幸門、出発午後2時30分、鍛冶橋へ

 2月16日、午後130分、財務省を囲む人々の声が霞が関の官庁街に響いた。国税庁の通用門からびっしりと財務省前には千人以上の人々が、さまざまなプラカードやゼッケン、横断幕をもって、抗議の声を上げた。「逃げるな佐川」「ウソつき佐川」「昭恵出て来い」「麻生、安倍ヤメロ」など、もっと過激な言葉も飛び交う。主催の「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聰呼びかけ人のスピーチに始まり、要請に応えた各野党から1名のスピーチが続いた。飛び入りで街宣車の壇上に控えている議員もあらわれた。京都から駆け付けた、湯山さんの力強いコール、杉浦ひとみ弁護士からの、次回33日のデモに繫げようとの挨拶が終わると、日比谷公園西幸門からデモの出発である。隊列の前と後には、車が配され、コールが繰り返され、銀座を経て、鍛冶橋で流れ解散となった。 

 札幌、さいたま、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、福岡などでも、各地の国税局前で抗議行動が同時進行しているはずである。 

 西幸門では、地元の佐倉の知り合いの方々、知人のご夫妻での参加も多く、声を掛けていただいた。友人を誘って参加してくださった昔の同僚、甲府から参加された方、久しぶりにお目にかかれた方もいらしたのもうれしいことだった。 

 デモから帰宅して、夕方のテレビをみていると、オリンピックの話題で持ち切りだったが、6時台のTBS、NHKの7時のニュースで、抗議行動やデモの報道をみることができた。主催者発表参加者1100人ということであった。会場で配られたシュプレヒコール集のチラシの裏には、次回33日(土)ひなまつり抗議行動の予告があった。

 

Img370

  翌朝の朝刊の報道は様々であった。参加者1500人という報道もあるが、少なすぎるんじゃない?という、地元の方の声もあった。野鳥の会の人に来てもらって、正確なところを知りたいところでもある。以下はネット上で確認できた報道や動画である。すでにリンク切れがあるかもしれないけれど、一つ二つ、一度、訪ねてみて欲しい。 

2・16行動の報道(ネット閲覧に限る)

*「『納税者をバカにしている』国税庁・佐川長官に抗議デモ」
TBS, NEWS 232018216日)554
https://www.youtube.com/watch?v=WWViQSuSkFk
 (札幌、大阪の抗議行動も紹介されています)
*「確定申告デモ」(東京新聞チャンネル、2018216日公開動画、252秒)https://www.youtube.com/watch?v=toML3r7fZ3A

20180216 UPLAN モリ・カケ追及!緊急デモ 悪代官安倍・麻生・佐川を追放しよう!検察は財務省を強制捜査せよ!安倍昭恵さんは証人喚問に応じなさい 納税者一揆の爆発だ! - YouTube]  
https://www.youtube.com/watch?v=ECxGAC0yAWs
(1時間3321秒 包囲行動+デモ行進) 

*「佐川国税庁長官の罷免求め抗議 確定申告の人からも不満」
 
 (NHK 2018216日、ニュース7) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180216/k10011332011000.html

 *「『納税者の怒り知れ』国税庁長官に罷免デモ (東京都)」
 
 (日本テレビ、NEWS24216日、1942 ) http://www.news24.jp/nnn/news890167291.html

*「国税トップ・佐川長官を追及 国税庁前でデモ」 

  (FNNニュース、2018216日、1857
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00385066.html

*「怒る納税者 国税庁長官罷免求め、街頭行動」
 (毎日新聞、映像ニュース、2分、2018216日、最終更新1845) https://mainichi.jp/articles/20180217/k00/00m/040/039000c 

 

「確定申告開始も国税庁・佐川長官に抗議デモ」 (TBS http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3294295.html

 

*「確定申告開始で納税者が佐川長官に怒りのデモ 籠池家は競売『あまりに不公平だ』」(AERA dot、西岡千史 018.2.16 )
 https://dot.asahi.com/dot/2018021600106.html?page=1

「『納税者一揆』確定申告初日に佐川国税庁長官を批判」

(『日刊スポーツ』[201821619時15分)  https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201802160000699.html

*「納税者一揆、国税庁を包囲 佐川長官は税務署回りで不在」
 (田中龍作、20180216 2027) http://blogos.com/article/278276/

*「『佐川はやめろ!』?財務省・国税庁前で怒りの納税者一揆」
 (レイバーネットTV,2018216日、7分間動画)

 http://www.labornetjp.org/news/2018/0216kokuzei

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2018年2月 8日 (木)

最高裁は「受信料が義務」とは言ってはいない~あやまった広報とNHKニュースの偏向ぶりが見ていられない

 昨年の126日、最高裁は、テレビを持った時点でNHKとの受信契約を義務付けている放送法が合憲との判決を出した。しかし、それが即、受信料の支払い義務を生じる、ということにはならない点に、注意しなければならない。判決は、NHKが国民の知る権利応える放送をしていることが前提になっているのである。受信料制度は「国民の知る権利を実質的に充足する、合理的な仕組み」であるかどうかが問われたことになる。

衆参の本会議中継や予算委員会の中継を見た後で、7時のニュースを見ると、実に見事に安倍首相へのエールのストーリーが出来上がっているのである。都合の悪いテーマの質疑は最初からすべてスルー、どうしても伝えなければならないと思う質疑では、首相や閣僚の、どうでもいいような読み上げ答弁のみを“しっかりと”と取り上げて、“自由自在に”編集する。野党議員の質問部分はカットして、何を質問しているかがわからいときもあるし、アナウンサーのナレーションで質問の要旨のみが読み上げられる形をとるのが常套手段だ。

  さらに安倍首相の議会内外の行動に密着している記者もいて、要所、要所では必ず登場し、これまた、“ていねい”に解説がほどこされる。いま政府は、世論操作に必死で、NHKに限らず、メディア戦略に力を入れ、安倍首相は、しきりにメディアの幹部やタレントやアスリート、学者などを取り込むために「会食」などを続けている。

第一に、政治のニュースそのものが、努めて短縮されるのだ。国会中継も視聴者の関心の度合いなどと言いながら恣意的である。このところの雪の気象情報などは、末尾の「気象情報」以外にも別枠を取る。北朝鮮のミサイル情報ほか、日本の危機を煽るような動向も丁寧な報道がなされる。相撲協会のスキャンダル、オリンピック、スター選手の動向などに長い時間を割く。火山噴火災害など大きな災害事故はもちろんだが、地方の災害・事件・事故もこと細かく報道して、30分の大半を占めることもある。加えて、緊急とは言えない、先端医療、IT・ロボット、宇宙、自然の生態などのテーマを好んでニュース項目として取り上げ、それが自局の特集番組の番宣の役割を果たすこともある。

そして、受信料を取って流す番組かと思うような番組もある。タレントやお笑い芸人を使った旅番組、まるでファッションを誇示するような女優を登場させる語学番組、民放で人気を得たタレントを起用する医学や科学番組だったりすると、もうそれだけで、見る気もしなくなる。もし、そんなことで、視聴率が取れると思っているのだったら、大きな間違いである。TV視聴者の大半は、いまや高齢者で、私の周辺にも、芸人が並んで、ガハハと笑いころげたり、安倍首相の顔がクローズアップされたりすると、見たくもないと、テレビを切る、という人が多い。また同時に、「いい番組もあるんだよね」という人もいるのだが、それだからと言って、帳消しにはならないのである。いわゆる、歴史の検証番組やドキュメンタリーで、丹念な“独自取材”を強調するものだとわかっても、現代の課題に直接切り込むスタンスが見られない。NHK幹部の高給取りの実態や番組の捏造、職員や記者、アナウンサーらの不祥事が後を絶たず、自局職員の過労死についての報道が遅れたことなどを知ると、まずもって受信料は払いたくないという思いに駆られるのである。

ふれあいセンターなどに集まる視聴者の声を自らは「録音を取ります」などとけん制しながら、その声を、どう反映させているのか、反映するつもりがないのか、知らせようとしないのが、≪皆さまのNHK≫の視聴者対応なのである。しかし、新聞の投書欄には、NHKの受信料についての意見と提案が多く寄せられている。たまたま、1月~2月にかけて東京新聞「発言」欄には、いくつかの投書が続いた。

123日「NHK映らぬ テレビ開発を」(男性無職 67歳)「勝手に送り付けられた商品に対して、受け取りを拒否する権利が私たちにはあるはずです。NHKが写らないテレビがあればいいと思います。特定の周波は受信できないテレビを作ることは可能なはず」

23日「督促より番組の充実を」(主婦 42歳):「放送内容の捏造や度重なる不祥事、私事的中立を欠く番組構成など、公共放送とは程遠いNHKの在り方に疑問」を抱き受信料支払い手続きをしていない。「NHKはストーカーまがいの執拗な督促をを続けるのではなく、視聴者に進んで契約をしたいと思わせる番組作りにまい進するか、(受信量未払いだと見られない)スクランブル(暗号)放送への切り替えを進めてほしい」

23日「NHK受信は選択希望制に」(パート女性 69歳):「ニュースやドラマは他局で十分、若者にこびているとしか思えない番組や出演者が楽しんでいるとしか思えないバラエティー番組が目につきます」「今の技術があれば、スクランブル(暗号)放送が可能なはずです。機器(テレビやスマホ)を購入したからと言って有料にするのではなく、NHKの受信は選択希望にすべきだと思います」

私も「公共放送の中立公正」、「公共性」を標榜するならば、他の水道・電気・ガス料金などと同様に、「見た分だけの料金を支払う」という受信料制度を取り入れるべきだと思っている。NHKは、これらの意見にどう応えるのか。

最高裁判決で「NHKの受信料が義務」となった、などという誤報に、惑わされてはならない。


Img363

毎週火曜日のNHKの短歌番組の第4週目の「短歌de胸キュン」。若者をターゲットにした番組で、お笑い芸人とタレントをゲストに競詠させる番組で、出演者同士は実に楽しそうではある。上記写真の左下が選者の佐伯裕子、今年の4月からは栗木京子だそうだ。栗木は再度の登場か。一年に数回見る程度だが、歌人のお二人の奮闘がどこか痛々しいような・・・。2012年4月から始まっているが、同じころ始まったTBS系でのプレバト「俳句コーナー」の方が、娯楽に徹した感がある。この違いって何だろう。
他の3週は3人の選者が登場、それぞれゲストを迎えるが、どうも、そのゲストが選者の交友や好みが反映されているようなのだ。

| | コメント (0)

2017年12月 2日 (土)

12月2日の新聞は、天皇の生前退位をどう報じたか

 

一つ前の記事では、退位の日、2019430日をどう表現したかについて触れた。ネット上での検索も含めてまとめると、読売、朝日、毎日、東京は、「2019年」であり、NHKは「再来年(2019年)」であったが、産経が「平成31年」であった。産経がスジ?を通していると言えば言えるか。 

沖縄における、琉球新報、沖縄タイムズでは、関連記事自体が極端に少ない。122日の社説は、二紙とも昨年、うるま市の女性が米軍属に殺害された事件の那覇地裁の判決についてであった。
 

琉球新報:社説・元米軍属に無期懲役 地位協定の改定が急務だ
 

沖縄タイムス:社説・[元米兵に無期懲役]なおも残るやるせなさ 

 

手元にある朝日、毎日、東京の三紙を読んでみると、まずは、今回の退位日程の政府と宮内庁の駆け引き、新元号や即位の儀式や日程についての記事が圧倒的に多い。同時に、社説とあわせ天皇30年間の足跡をつぎのような記事で報じている。

毎日:社説・天皇陛下の退位日決まる 国民本位を貫く姿勢こそ
               
苦楽国民に寄り添い おことば世論を動かす(付年表)


朝日:平成史 お二人の足跡「差別解消に力」「被災者に寄り添う」(付年表)

東京:社説・国民の理解とともに 天皇の退位と即位
      
慰霊の旅 平成築く 前侍従長川島さん象徴天皇制の意義語る

 

朝日の社説はまだ出ていないが、「耕論」欄において、「天皇と政治」のテーマで御厨貴「退位 官邸と宮内庁のバトル」、河西秀哉「能動的象徴 利用される危険」と語らせている。もっとも朝日は、かねてより「皇室と震災」のシリーズで、連載をしている。 

うねりのような、こうした流れの中で、少しでも異議をさしはさむことが困難な時代になった。1977年生まれの河西秀哉は、慎重な言い回しでつぎのように語った(上記「天皇と政治」『朝日新聞』2017122日)。

 

「天皇が進んで被災地を訪れていますが、政治がそれを利用しようとする気になれば、結果的に被災者の政治への不満を天皇が和らげ、政治の不作費を覆いかくしてしまうことにもなりかねません」 

「昨年8月の『おことば』にこめられた今上天皇の思いは、半分は政権に受け流された感じがします。国事行為の縮小や摂政の設置を否定するなど政治性を小保田『おことば』は結局、政権によって政治的に処理されたのかもしれません」

 

 また、原武史は、「連休で<歓迎>演出か」の見出しで、日程についての政府の思惑、皇室会議の議事録非公開、「おことば」の政治性、上皇設置による二重権威化を指摘していた(『東京新聞』2017122日)。 

今回の衆議院選挙においても、若年層の保守化が著しい傾向が明らかになった中で、上記のような中堅世代の活発な発言を期待したいし、私たち高齢者も戦中戦後の体験と天皇の果たした役割を、きちんと整理して伝えていきたい。

 

 

|

生前退位とオリンピックと~2019年、2020年はどうなる

 きょう、121日のNHKは、テレビの「ニュース7」を一時間に延長して、その大半を、天皇の退位関連情報に費やしていた。安倍首相が議長の皇室会議で、採決を経ずに「2019430日退位に決まった」と、各紙の夕刊も伝えた。いずれも「退位19430日」(毎日)「194月末退位」(東京)「天皇陛下194月退位」(朝日)が見出しで、ここでは「平成」の元号は使用されてないことが共通している。「平成314月」とは、表現していないのはなぜか、不思議でもあった。ずばり19年の方が、明確でわかりやすかったからだと思う。NHKは、「再来年(2019年)」との表現をとっていた。

ことほど左様に、元号表示は、明確さを欠き、継続性を損なうことは明らかである。しかし、再来年の5月まで、「平成30年の歴史」は繰り返し、繰り返し語られるだろう。多くの国民は、自分の暮らしの先行きの方が不安で、「静かな環境」で「代替わり」を見守るしかないと思っているに違いないのに、政府やそれに追随するマス・メディアは、目くらましのように、大々的に平成回顧を展開するだろう。天皇の退位表明が政治的関与とならない配慮どころか、「代替わり」は、まさに「政治的利用」されていると言ってよい。今回の退位・改元日程も、政府の政治日程から割り出されたようだ。役所的な発想でも、41日が、順当のような気もするのだが。

いまの日本で、元号でくくられる歴史に、どれほどの意味があるのだろうか。グローバルな思考や「地球規模の歴史」が問われる中で、まさに真逆の方向としか言いようがない。

東京オリンピックまで1000日を切ったというから、あわせての二重の狂騒曲を聞かせられることになりそうだ。東京誘致が決まる過程も不透明であり、安倍首相の虚言のプレゼン「原発事故による放射能はコントロールされている」も今では問われないまま、国を挙げての盛り上げに懸命である。その一方、スポーツ界と競技者たちの事件が続く。オリンピックでメダルを何個という発想が、指導者とアスリートをむしばみ、暴力事件や往年の選手の不祥事が絶えない。

平成回顧、オリンピックの狂騒にうつつを抜かし、日馬富士引退などと騒いでいる間に、政治の私物化、森友・加計問題の幕引きも、原発再稼働も、北朝鮮脅威論による改憲問題も一気に進んでしまいそうな、憂鬱な日が続く。

(日付は変わってしまったが)

 

| | コメント (1)

2017年4月28日 (金)

ほんとに、何から言い出していいのかわからないほど(1)政治家の「失言」とメディア

政治家の本音の世界

 政治家の場合本音かウソのどちらかであって、「失言」ということはあり得ないのではないか。本音かウソを言い放ち、誤解と言いつくろい、それでおさまらなければ、撤回と謝罪を繰り返すという処理が当たり前になってしまった。役職更迭・辞任はあっても、議員を辞職することはめったにない。

「貧乏人は麦を食え」 (池田勇人大蔵大臣、1950127日参議院予算委員会)、「中小企業の五人や十人自殺してもやむを得ない」「(池田通産大臣19521127日の衆院本会議)「バカヤロー」 (吉田茂首相、1953228日衆議院予算委員会)など、子供心にうっすらと記憶に残る政治家たちの本音発言は、今日に至るまで、幾度、聞いてきたことだろう。今回の今村元復興相の「帰還困難者の自己責任論」(201744日復興庁記者会見)「東北でよかった」(2017425日自民党二階派講演会)発言は、モラルとか「弛み」「緩み」、「感情的になった」の次元ではなく、彼らは、ふだん思っていることを正直にストレートに述べたに過ぎなかったのである。そこには、つねに「弱者切り捨て」政策の系譜が脈打っている。

さらに、記者の質問に対して、「出ていけ、二度と来るな」(前掲44日記者会見)という今村発言、さらに「あますとところなく記録を取って、一行でも悪いところがあったら首を取れとは、なんちゅうことか」と取材陣を指さし、「そんな人は(会場に)に入れないようにしないといけない」(2017426日東京都内の講演会)という二階自民党幹事長のメディア批判は、トランプ大統領のメディア攻撃以上に重大発言だった。アメリカには、まだ、司法やメディアによるチェック機能が歯止めとなっている。

 折しも、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」は、426日、2017年の世界各国の報道自由度ランキングを発表した。日本は、180国中72位で、ランキングを始めた2010年の11位から年々順位を下げ、「先進国」では最下位、自由度最悪180位の北朝鮮を批判できる状況ではない。日本では、チェックすべきマス・メディアが、政府の意向をまさに「忖度」してテレビの報道番組のキャスターを降板、交代させてしまうのだ。森友問題でのキーワードともいえる、官僚たちの「忖度」をきびしく追及できるのだろうか。組織犯罪処罰法改正案に「共謀罪」新設の論議についても、個人のジャーナリストたちによる抗議は見受けられるけれども、マス・メディアとしては、社説や記事で法案の欠陥や審議についての言及、「一般人」に降りかかるリスクへの警鐘はあっても、メディア自体、わが身に降りかかる危険に対しては、あまりにも無防備ではないか。「一変」したとして、いつ「弾圧」されるかもしれないのである。「大逆事件」や「中央公論社解散」の時代に引き戻される「治安維持法」の世界にならないとも限らない。

 

近頃のNHKは何を伝えたのか

NHKは、会長が変わっても、その放送内容は、政府広報の色彩はますます濃厚になるばかりである。「視聴者の関心」という客観性のない、恣意的な選択による国会中継に始まり、ニュースは「編集権」と称して、その項目と時間配分における政治報道の偏向は目に余る。たとえば、国会質疑報道にしても、質問の方は、映像と読み上げで簡単に済ませ、整ったところの首相や閣僚、官僚の答弁を肉声で伝える。答弁につまったり、トラブったりしたところは省略する。これは国会中継や他局の報道を見ないことには分からずじまいである。

NHKは政治報道を、すぐに“政局”報道に論点をずらす。政府の政治日程に焦点を合わせる。自国より、他国の軍事・政治事情に重点を置く。北朝鮮、韓国、中国そして中東の軍事・戦局報道に力点を置き、日本の軍事的危機をあおる。国内に事件や災害が発生すれば、必要以上に事細かく報じ、落着すると被害者・被災者に寄り添い、立ち直るすがたを追うが、事件や災害の核心に迫る調査報道はしない。「専門家」や街の声の予定調和的な編集が、かえって信頼度を損なうこともある。一昨年の安保法案強行採決報道、昨年からの沖縄のオスプレイ墜落や基地関連報道、今年になっての、南スーダン派遣部隊の日報問題、森友学園への国有地払い下げ報道、閣僚たちの「失言」報道、共謀罪審議報道にも、あてはまる。仕方なく、民放や新聞報道の後追いとなった事例も多かった。

視聴者の手の届かないところで、受信料は、会長以下理事たち、経営委員たちの高い報酬となり、記者たちの取材費に、大河ドラマのロケ費用やタレントの出演料になる。なかには犯罪に手を染める職員たちの給与にもなった。民放のパクリのようなバラエティやクイズ番組、これでもかとタレントを並べる。新番組「ごごナマ」がいい例だ。語学番組や高校講座、音楽・美術・旅行・自然などの教養番組にすら、タレントを起用し、押しつけがましいコメントやナレーションが流される。なんか、もう「うんざり」という感を免れない。若者ばかりでなく、高齢者のテレビ離れも進むだろう。

受信機器を持っただけで受信料が発生するという放送法は、契約の自由を侵す。受信料未払いの実態は定かではないが、NHKと総務省がNHK放送の同時ネット配信を進めると、視聴の有無にかかわらず、住民税化への道につながる。だとすると、それをNHKだけが独り占めするということは、もはや国営放送となり、その肥大化は免れない。現実には、放送と通信の融合を前提に、民放やその他のマス・メディアとの競合や競争によって報道の質を高めることにつなげるにはどうしたらいいのか、無関心であってはならない。

| | コメント (0)

2016年12月 5日 (月)

今晩のNHK「ニュース7」ご覧になりましたか~許してはいけない、あまりにも露骨な安倍広報!

 オバマ大統領が年末休暇でハワイに滞在するタイミングで、安倍首相が、オバマ会談を兼ねて、真珠湾の米軍犠牲者の慰霊に出かける由のニュースが流れた。実は、7時直前に天気予報を見ようとしてテレビをつけたところ、安倍首相のぶら下がり記者会見で上記ライブ映像が流されていたのである。7時からのトップニュースでは、長々と例の安倍御用女性記者とアナウンサーの質疑応答も流し、5分以上に及んだ。そして、その後、流された項目は、イタリアの国民投票・オーストリアの選挙結果、福岡の自動車事故、ネット上のまとめ記事サイト問題、超高層ビルの雷被害と続き、参議院TTP特別委員会のニュースになったと思ったら、公明党議員と安倍総理の一問一答のほんの一部分だけが流されたのだ。続いて、大谷選手の契約更改のニュースが続いて、そして、なんと、安倍首相の会見の模様が再度流されたのである。合わせると8分を超えた。

 NHKがここまでやるとは、驚いた。これでは、再任されないとの報道のある籾井会長の資質の問題というよりは、NHK自体がここまで腐敗しきったことの現れである。

来年1月には辞める大統領に、その直前に会って、何を話すのだろうか。就任前のトランプのもとにいそいそ出かけて行って、話した内容は明らかでないが、TPP脱退を覆させることなど到底できない力関係だったのだ。オバマ大統領は、安倍首相に真珠湾訪問が「あなたにとって強いられるものではないように」と伝えたそうだが、NHKは、「政府に強いられる前に」、安倍首相の「真珠湾訪問を日米和解の価値を知らしめる発信にしたい」という言葉に倣えば、NHKは、「(NHKと政府の)親密の価値を知らしめる発信」をしたことになる。オバマ大統領にとっては休暇中の一出来事に過ぎないというのに。日米同盟のさらなる強化のため、トランプへのご機嫌伺にもとれる。TPPのアメリカ脱退宣言、北方領土問題の行き詰まりや国内経済の悪循環、失政の続く安倍内閣は、国民に向けて目くらましを仕掛けたのではないか。

 

 参議院TPP特別委員会は、今日7会派による質疑がなされたのであるにもかかわらず、なぜ公明党だけなのか、なぜあれほど短い時間しか取れなかったのか。記事まとめサイト、雷被害のニュースは、まさに「ヒマネタ」といってもよく、ワイド番組で流せばいい程度の項目で、30分枠のニュース番組で流す必然性がない。

 

 

| | コメント (0)

2016年7月13日 (水)

選挙報道おかしくなかったか?NHKへ電話する

いつも当ブログをお訪ねくださり、ありがとうございます。やや急ぐことがあって更新ができず、自分でもかなり焦っていました。

参院選の選挙速報も、その後の新聞なども、朝刊を読まずじまいの日が続いた。それにしても、<ながら>で見るテレビも告示後の選挙報道は、報道量もめっきり減って、内容も自粛に自粛を重ねた、<戦況>報道まがいが多く、政策論議が実らなかった。NHKのように、政府広報に徹したところもあった。

NHKのニュース番組を見ていると、710日の投票日が近づくと、週の後半から、選挙報道は皆無に近い状態になった。この異変に気付いて、NHKのふれあいセンターに問い合わせると、オペレーターに代わって、電話口に出た“上司”は「投票日直前の選挙報道は、投票結果に影響するから控えています」(?!)というではないか。一瞬耳を疑ったのだが、どうも冗談ではないらしい。

「その代わりに、土曜日の夜は、特番で『党首の選挙戦に密着』をやりますよ」という。毎度おなじみの「党首密着」だ。「応援演説の途中でのランチの中身が何だったとか、移動中の車中の電話で情報収集している様子とか、はては、家庭内にカメラを入れて、奥さんとの会話を拾うとかいう定番なのでしょう。あれでは、党首が何を訴えていて、何が論点で争点なのかわかりませんね」というと「そうですね」という。党首が車上から声を張り上げて、聴衆や支援者と握手をしているところを映されても、テレビの視聴者としては、判断の材料を得ることはできない。しかも、その党首の映像は、国会の議員数によって、時間が割り振りされているのである。これって、公平? 当然ながら、弱小、泡沫政党は当然切り捨てられている。時間配分の公平など、報道にあってはナンセンスだし、日常のNHKニュースでは、安倍首相の映像や政府発表にやたらに時間をかけているという日常を思えば、“公平”などではなく、まさに偏向といわざるを得ないだろう。

 選挙結果が確定すると、急に、今後の政治課題は、経済政策と憲法改正問題ということで、子細に解説を始めたりする。これって、逆ではないのか。投票前にこそ、報道すべき内容ではなかったのか。

 政府に不都合な報道は避けて、殺人事件や災害、宇宙・ロボットネタ、南シナ海の島の実効支配、北朝鮮のミサイルなどが、こと細かく流され、あるいは、突然、緊急性のない海外ニュースに振られることもある。

 暑さに加え、当分、私のイライラは、おさまりそうにもない。

 

 

| | コメント (1)

2015年10月23日 (金)

「放送大学、政権批判の問題文削除」が問うもの

 「UP」という東京大学出版会の広報誌がある。出版会新刊書の著者によるエッセイであったり、植物や建築探索であったり、かなり幅が広い。 私が楽しみにしているのは、「すずしろ日記」という美術が専門の山口晃さんの連載マンガと、もう一つは、日本美術史専攻の佐藤康宏東大教授の「日本美術史不案内」という2頁ほどの連載である。マンガは、中年の共働き夫婦のペーソスあふれる日常が描かれていて面白い。「不案内」の方は、古今東西の美術作品・美術書・美術展や芸術家を対象に、最近のトピックスを交え、様々な切り口での「案内」は新鮮で、楽しい。ところが、10月のはじめに届いた10月号は違っていた。「日本美術史不案内78」は「政治的中立」と題され、津田清楓の「ブルジョア議会と民衆生活」(1931年)と題された議事堂の絵と山口逢春の「香港島最後の総攻撃図」(1942年)の写真が目を引いた。

 放送大学客員教授でもある佐藤教授の担当は放送大学「日本美術史」である。今回のエッセイでは、2015年度第1学期の自分の試験問題文(726日実施)の冒頭部分を、まず引用していた。

― 現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる。一九三一年の満州事変に始まる戦争もそうだった。それ以前から政府が言論や報道に対する統制を強めていた事実も想起して、昨今の風潮には警戒しなければならない。表現の自由を抑圧して情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった。

 

この問題文に対して、試験の終了後、受験者のひとりから、「現政権への批判は審議の事案への意見は、教育者による思想誘導と取られかねない」とのメールを受けた放送大学は、大学生用のサイトから、この部分を「不適切であったため削除」した。放送大学が一方的に不適切として判断し、一部を削除したのは不当な措置だと考え、撤回を求めたが、容れられず、客員教授を辞した、という経緯が書かれていたのである。

  試験問題の冒頭部分は戦前戦中期の美術について、いまに生きる自身の問題として考えてほしいという受験生へのメッセージであったという。そして、放送大学が放送法に規制されるのはわかるが、として、最後に「政治的中立とは政権から距離を保つことであって、政権の意向を慮ることではない」と結ぶ。

私には、問題文の全容がわからない。どんな文脈の中での文章だったのかも覚束ないながら、1020日、『毎日新聞』が最初に報道した。手元の新聞とその後、調べた範囲でまとめてみる。

1020日『毎日新聞』「放送大 政権批判の問題文削除 単位認定〈試験に不適切〉」(日下部聡)

1020日 0955

― 放送大は単位認定試験の過去問題と解答を学生ら関係者だけがアクセスできるサイトに公開している。佐藤氏によると、7月28日に大学の事務担当者から「学生から疑義があった」として、学内サイト公開前に問題の削除や修正を求められた。

― 佐藤氏が大学側の求めを拒むと、該当部分の削除を通告する文書が8月上旬、宮本みち子副学長名で届いた。削除理由として「現政権への批判が書かれているが、設問とは関係なく、試験問題として不適切」「現在審議が続いているテーマに自説を述べることは、単位認定試験のあり方として認められない」と記されていた。

― これに対し佐藤氏は納得せず、昨年度から2019年度まで6年間の契約だった客員教授を今年度限りで辞めると大学側に伝えた。佐藤氏は「学生に美術史を自分のこととしてリアルに考えてほしかったので、この文を入れた」と説明した。その上で「大学は面倒を恐れて先回りした。そういう自主規制が一番怖い」と話す。

②『日本経済新聞電子版』(1020 13:00配信)(共同配信)「放送大、政権批判の試験問題文削除 「学問の自由侵害」の声も 

― 佐藤教授は「自分自身の問題としてとらえてほしいと思って書いた。試験問題まで制約を受ける

のは大変遺憾だ」と話している。

― 一方、来生新・副学長は「放送大学は放送法を順守する義務があり、放送法4条には『政治的に公平である』と定められている。意見が分かれている問題を、一方的に取り上げており不適切」としている

③『朝日新聞』(102113版)「政権批判の問題文削除 放送大〈中立性に配慮〉」(伊藤あずさ)

*デジタル「放送大学、政権批判の問題文削除 作問者〈過剰な規制〉」

10210723 

― 単位認定試験の問題に安倍政権を批判した文章が含まれたのは不適切だったとして、放送大学が学内サイトに掲載する際に該当部分を削除していた。大学側は「放送法により、政治的に公平でなければならない」と説明する。だが、総務省放送政策課の担当者は「今回のケースは法に触れず、試験まで規制対象としたのは無理がある」と指摘。

― 作問した放送大客員教授の佐藤康宏・東大教授(60)は「戦前・戦中期の美術史について、学生に自分たちの身近な問題に引きつけて考えてもらうために必要」と説明した。(中略)「学問の自由が認められず残念だ」と話した。

― 来生(きすぎ)新・副学長は「放送法の規制を受け、一般大学より政治的中立性を配慮しなければならない。試験問題も放送授業と一体。問題文は公平さを欠くと判断した」と削除理由を説明した。 

④『産経ニュース』(1021 15:30 「放送大学、単位認定試験で“偏向”問題を出題 〈現政権は再び戦争を始めるための体制…〉指摘受けサイトから削除 

― (放送大学側は)佐藤氏に対し、文書で「現政権への批判が書かれているが、設問とは関係なく、試験問題として不適切」「現在審議が続いているテーマに自説を述べることは、単位認定試験のあり方として認められない」として削除を通告した。佐藤氏は「試験問題は放送法の適用を受けないのではないか」「同意なく削除されたのは著作権の侵害」などと反論し、今年度限りで辞任する意向を大学側に伝えたという。 放送大は一般大学と異なり、放送法を順守する義務を負う。

― 放送大の来生(きすぎ)新(しん)副学長は削除理由について「政治的に公平で、意見が対立している問題は、できるだけ多くの角度から論点を明らかにしなければならない。 

⑤『NHKWebニュース』(10202211)客員教授の問題文「公平性欠く」 放送大学が一部削除

― 佐藤客員教授は、ことし7月に行われた日本美術史の単位認定試験で、戦前・戦時中に国に弾圧されたり軍に協力したりした画家に関する問題文の冒頭に、「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある」などと記しました。

― これについて放送大学は、放送法に照らして「公平性を欠き不適切だ」などとして、その後、学内のオンライン上に試験問題を公開する際に文章の一部を削除しました。

佐藤客員教授は「学生には戦前・戦中の美術について自分自身のことに引き付けて考えてほしくて文章を入れた。大学側の対応は、批判が来ることをおそれた過剰防衛ではないか」と話しています。

一方、放送大学は「意見が対立する問題について一方的な見解を伝えるのは、放送法上不適切だと判断しただけで、政権批判をしたから削除したわけではない」としています。

大学側の措置に対して佐藤客員教授は「みずからの著作物である試験問題の一部を同意を得ずに削除されたことは遺憾だ」として今年度限りで辞任すると申し出て、大学側も了承しました。その結果、平成31年度まで担当することになっていた日本美術史の講義も今年度かぎりで終了することになりました。 

これらの報道を、時系列でみると、NHKは、毎日や日経(共同配信)の報道を受ける形で、報道した形跡がある。他の報道と比べ、事実関係で気になるのは、670人のうちの1人の受験生からメールで抗議を受けたことから始まった件であったことが伝えられていないことだろうか。それに、もう一つ。1020日の夜10時過ぎにNHKオンライン上で配信されたウェブ・ニュースが上記⑤なのだが、この前後のテレビのニュース番組「ニュース7」「ニュースウォッチ9」「News Web」で放映されていないことはNHKにも確認した。明言できないが、おそらくテレビでは報じられていないだろうとのことだった(NHKには、チェックの手立てがないそうだ?!)。

ということは、ネット上の配信だけで、テレビには登場しないニュースであった。テレビやラジオには登場しない、ウェブ上だけの“お蔵入り”の「その他のニュース」が存在する。何を放送・放映するかは、編成次第なのである。

一方、「表現の自由」「学問の自由」「大学の自治」が、さまざまな形で、徐々に侵されてゆくなかで、研究者や大学人たちが、研究室に閉じこもるのではなく、社会に向かって発言したり、社会的活動をしたりする積極性は、大いに評価されるべきだろう。しかし、そこにはおのずから、専門性と倫理性が問われるべき時代にもかかわらず、いたずらに衒学的だったり、簡単に時流に乗ったりして、自己顕示や欲望に抑制を欠く研究者が目立つことも確かで、生活者たる市民の感覚を忘れないでほしい、と思う。

<参考>

放送法

(放送番組編集の自由)

第三条  放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。

(国内放送等の放送番組の編集等)

第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

  公安及び善良な風俗を害しないこと。

  政治的に公平であること。

  報道は事実をまげないですること。

  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること

<追記>10月25日

上記記事執筆後、以下の記事を見出しました。弁護士の金原氏とお笑いの「おしどりマコとケン」さんの3人は、いずれも放送大学大学生の現役生で、私たちのアクセスできない情報にも接し、マコとケンさんは、渦中の佐藤教授に「突撃取材」をしています。関心のある方は是非お読みください。

 

①弁護士・金原徹雄のブログ

http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/45780419.html

20151024

放送大学長「単位認定試験問題に関する件について」を批判的に読む ※追記あり

20151022

放送大学「日本美術史('14)」単位認定試験にかかわる見ごせない大学の措置について ※追記あり

 

 

OSHIDORI Mako&Ken Portal / おしどりポータルサイト 

L.C.M.PRESS Oshidori Mako&Ken mako oshidori

2015-10-24 取材最新記事

 

放送大学:政権批判を自主規制① 「政治的中立とは、政権から距離を保つこと」

 

放送大学:政権批判を自主規制筆者が学長に出した速達

 

放送大学:政権批判を自主規制 学長の説明に疑問 岡部洋一放送大学学長さま 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2015年7月14日 (火)

7月12日、シンポ「沖縄戦後70年:基地問題とジャーナリズム」に参加しました  

Gedc4466okinawasinpouketuke_2
山内ゼミの学生の応援がたのもしい受付

Gedc4466okinawasinpouketuke_1
夏らしい集会の受付、左端の山内先生も忙しそうです


「沖縄戦後70年:基地問題とジャーナリズム」

日時: 7月12日(日) 13時~16時30分

会場 明治大学(御茶ノ水)駿河台キャンパス
    グローバルフロント棟 グローバルホール(1階)

●研究報告 山内健治(明治大学政経学部教授)     “基地接収・返還に揺れた共同体――読谷村の事例から”

●パネル討論 “辺野古から考える日本のジャーナリズム”   

金平茂紀(TBSキャスター)
影山あさ子(映画「圧殺の海」監督)  
宮城栄作(沖縄タイムス東京支社報道部長)
司会 醍醐 聰(東京大学名誉教授)   

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Gedc4477okinawasinpokaisi_1
右から、宮城、影山、金平、醍醐の各氏

 新しいグローバルホールは、階段状のホールで、折り畳みの机も備えられている、居心地の良い会場だった。ほぼ満席の約180人の参加、ユープラン、IWJなど4つのカメラが入ったという。  文化人類学、東アジアの民俗学に詳しい山内先生の報告は、あっという間の30分だった。数十年間にわたる沖縄でのフィールドワークのうちの読谷村の事例を話されたが、村の集落「シマ」が戦争で破壊され、再建のさなか、米軍の接収によりさらにズタズタに分断される様子が数字や映像で明確に語られていた。仮設住宅から基地内の公認耕作地に通う人々、「祈り」の場を次々失ってゆく人々が移設しても必死に守ろうとする姿が痛切であった。  パネル討論の詳しい内容については、下記のユープランの配信映像で見ていただきたい。ここでは私がとくに印象に残った発言を恣意的ながらとりあえず発言者ごとにまとめておきたいと思う。壇上では、期せずして宮城さんから若い順に並んだ格好だった。     

              *****
・20150712 UPLAN【研究報告】山内健治“基地接収・返還に揺れた共同体――読谷村の 事例から        https://www.youtube.com/watch?v=UKs5Ux6C7Vc

・20150712 UPLAN【パネル討論】金平茂紀 影山あさ子 宮城栄作 “辺野古から考える 日本のジャーナリズム” https://www.youtube.com/watch?v=ApXZzfPOfBA 

             ***** 

◇宮城さん:
・沖縄と本土との関係を「温度差」「溝」そして「対立」「平行線」とのことばで語られたくはない。今回の沖縄の二紙を「つぶせ」の発言は、毎度のことという印象があるほど繰り返されてきた。昨年の石垣市長選直前の石垣への自衛隊配備計画報道への露骨な規制から遡ると限りない。今回も発言者の品位や資質の問題ではない。メディアとしては直ちに反応してゆきたい。
・本土では、戦後、憲法やメディアが天から降ってきたものかもしれないが、沖縄では、憲法も自分たちのメディアも自らの力で獲得してきたという感覚があり、メディアは、住民にきたえられてきたので、住民サイドに立つ必然性がそこにある。全国紙は、基地問題が法的手続きの問題であり、負担軽減の問題としてとらえているところが問題なのだ。
・ことばとしても、本土では、辺野古への基地移設、移設反対派ととらえるが、沖縄では新基地建設、建設に抵抗する市民 としてとらえている違いは大きい。
・報道の公平・公正というが、軸足をどこの置くかにより変わってくる。弱者に寄り添う公正さに立った報道を実践してゆきたい。
◇影山さん:
・辺野古の基地建設については、2014年7月の着工から撮影を開始し、12月までを『圧殺の海』としてまとめた。影山さんのプロダクションでは、以降もカメラマンが常駐して撮影している。10年前の取材陣と比べると激減し、海上保安庁の、かつてのとにもかくにも“中立的”だった姿勢が一変したのは、第一次安倍内閣からだという。5分ほど流された、4月以降の最新の映像からも、海上保安庁による“警備”の暴力的なすさまじさに息をのむほどだ。人命救助のため、と屈強な海保の隊員が怒号を浴びせながらフロートの外にいるカヌーの市民を襲い、放り出した海で何度でも頭を沈めるという、まさに暴力団まがいのことを繰り返す。影山さん自身もカヌー上に乗り移ってきた隊員に羽交い絞めにされた経験を持つ。
・そのカヌー転覆事件のときは、NHKも撮影していて、沖縄の放送では流れたが、本土では流さなかった。NHKは、展望台から撮影しているが、NHKの撮影隊が来ると、工事の進展の節目で、必ず何かがあると言われているそうだ。何らかの情報を得ているのだろう。
・影山さん制作の海兵隊のブートインキャンプ(新兵訓練所)に密着したドキュメンタリ映画「One Shot One Kill (一撃一殺)」の一部が流され、その撮影経緯について話される。12週間の訓練で「人間が人間でなくなって、人を殺す道具になっていく」様子が克明に描かれている。上官の命令にすべて「yes sir!」と叫ばされ、個性と思考を放棄させられ、銃剣やライフル、素手でも人を殺す訓練が繰り返されるリアルな映像に打ちのめされた。たった5分ほどながら、その迫力は十分すぎた。アメリカから沖縄に送り込まれ、沖縄からイラクやアフガニスタン、ファルージャにも出撃した海兵隊とは何者と、国防省の許可を得てのノースカロライナ州での撮影であったという。
◇金平さん:
  当日の夜にはドイツへ発つという忙しいさなかでの参加だったという。
・摩文仁の丘の平和公園の一番奥の岬のてっぺんに「黎明の塔」というのがあり、私も昨年11月に行ってきたところだが、そこは最後の軍司令官牛島満中将が6月23日自決したと場所とされている。6月23日「慰霊の日」の早朝には、毎年、自衛隊員が参拝しているというので取材に出かけると、今年も、制服自衛官30人ほどの隊員が、右翼らしい人たちと県警に守られて、そそくさと参拝している光景を目にしたという。沖縄の人にとっての牛島中将は、沖縄戦を引き伸ばし、島民や兵士の犠牲を激増させたとして、その評価は高くない。
・今年の「慰霊の日」の式典は例年にない雰囲気の中で始まり、翁長知事の平和宣言への拍手は、何回も力強いものがあり、高校生の詩の朗読も素晴らしかった。安倍首相の挨拶の段になると、「帰れ」コールは、あちこちで起こり、例年いないことだった。さらに、席から「何しに来た」「戦争はイヤだ」「帰れ」・・・と叫び続けていた高齢男性は、警備陣に退去させられていた。TBSでは、さらにその男性(82才)を追い、その発言を捉えたニュース映像を会場でも流した。ところが、6月23日のNHK「ニュース7」では、安倍首相への野次があったことすら伝えなかった。私も、このニュースは見ていたが、金平さんも、ホテルに帰って見て、びっくりしたという。野次のあったことが「ニュース」であるはずなのに、なかったことのように報道していることが恐ろしいと。
・とくに、NHKの報道番組が、政府広報になるのは、「政治部」の記者たちが、実に「エラそうな」振る舞いになるのは、まさに「自発的隷属」に陥っていることに起因するのではないか。

Gedc4484houdodokusyukaere
「報道特集」の一場面、後ろ向きの男性が退去を迫られている


・客観報道、中立性について思い起こすのは、昭和天皇死去直後、皇居前で一人の高齢女性がひれ伏して泣き崩れる様子が各局から流れたが、あるカメラマンは、その女性一人を取り囲んで、大勢のカメラマンがレンズを向けている光景を俯瞰したという。
・TBS報道特集のような調査報道番組は、日本にはほとんどなくなった。放映の時間帯に変遷はあるが、圧力をかけられたことはない。CBSの「60ミニッツ」を手本に頑張りたい。
・今回の安保法案については、当初のもくろみの憲法改正が難しくなって、解釈改憲をして集団的自衛権を容認した経緯と11本の法案をまとめて強行することが問題で、そこの説明が大事で、政局報道に堕していることが危険である。
・辺野古の漁業組合の漁船は、すべて防衛施設庁に1日5万+ガソリン代以上で借り上げられ、沖合に並ぶ。メデイア関係者が借りる手立てはほぼなくて、独自に調達しているという事実も看過できない。

   山内先生、3人のパネリストと、総合司会、討論の司会はじめ多くのスタッフの皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。 会場では、佐倉市から参加された5人ほどの方とはお会いすることができた。 宮城さん、影山さんは二次会にも参加されたので、身近にお話を聞くこともできた。いまの日本を変えるにはどうしたらいいだろうという話なると、影山さんは「少なくとも辺野古を守り通せば、安倍内閣は倒せる」、それには、ともかく一歩を踏み出さねばといい、「辺野古基金」に拠出したからと、そこにとどまってもらっては困るとも。 現場に密着している影山さんならではの発言に、思わすはっとさせられたのであった。

| | コメント (0)

2015年7月 2日 (木)

NHKの報道の劣化をとめるには!

欠陥商品を受け取るしかないの ? 視聴者は
   7月1日は、昨年のこの日に、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した日である。午前中には、衆議院の特別委員会で、安保法制法案の参考人質疑が行われたはずである。関連の報道を見ようと、NHKの12時、夜7時、9時のニュースを見た。そして驚いた。ああ、こんなことなら 放送項目と内容、時間をメモしておくのだったと思う。

お昼のNHKニュース
   12時のニュースでは、たしかに、国会の特別委の参考人の意見陳述の一部がコンパクトに流された。伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院教授、国連PKO活動の経験)鳥越俊太郎(ジャーナリスト) 柳澤協二(国際地政学研究室理事長、防衛省OB)の3人が野党推薦、 小川和久(静岡県立大学特任教授、軍事評論家) 折木良一(元第三代統合幕僚長)の2人が与党推薦。伊勢崎氏はPKO活動における現実なリスク、柳沢氏は集団的自衛権と個別的自衛権の切り分けが困難さ、鳥越氏は政府のマスコミへ圧力の強化を強調、折木・小川氏は、法案の意義を強調し、小川氏は米国との軍事同盟に頼らず、独自で防衛するには、いまの5兆円が23兆円にものぼる、などと述べた。

NHKニュース7では
  
しかし、もう少し詳しくは、7時のニュースでと思ったら、なんと関連法案報道は皆無であった。新幹線の事件や箱根の小噴火に続いて、路線価と日銀短観の発表報道では、いかに景気が上向いているかの声を、それも外国資本頼みの実態を伝えていた。 オープニングに使われた「なでしこジャパン」は、さすがに、後半に回されたが、イングランド戦を控えたなでしこジャパンの練習風景や監督や選手の決意、元選手の解説まで流す熱心さである。それに、なにやら大きな階段の模型?が登場し(何度目?)、アナウンサーは、語調を強め興奮気味に試合の行方を語るのだ。これって、実に聞き苦しいし、感情をあらわにせず、淡々と伝えるというアナウンサーの基本中の基本に反するのでは?北朝鮮の女性アナを笑えない状況に、NHKは立ち至っている。 安保法制関連のニュースは、完全に無視し、封じ込めたのである。

NHKニュースウォッチ9では  
   新聞のテレビ欄の予告では、トップに「安保法制関連をめぐる参考人質疑」とあったのに、まず「今入ったニュース」として、ウィンブルドンの錦織選手が足のけがで2回戦棄権が伝えられた後、待てど暮らせど、安保法制関連のニュースは現れず、9時35分過ぎた頃、ようやく、自衛隊の国旗掲揚の ”おごそか“な風の映像が流れたと思ったら、画面の右肩に「安保法案 衆院採決時期 与野党駆け引き活発化」というタイトルが現れた。「与野党駆け引き活発化」!これまた、いつもの法案成立最終段階でのNHKの常とう手段たる「与党内駆け引き」「与野党駆け引き」報道である。日常的にも、たださえ、法案の中身についての報道が希薄で、「駆け引き」視点で集約する意図が露骨で、報道の原点ともいえる「論点提示」がなく、政府の解説のリピートに過ぎないのである。  
   この日の安保法制関連報道 も、その典型的なもので、最初に、衆議院での安保法制特別委員会の参考人陳述では、折木氏と柳沢氏の陳述を紹介したのみであった。そして次が、安倍首相が公明党の山口代表との会談で、首相が自民党の議員が勉強会発言で迷惑をかけたことに陳謝、両党「心を合わせて」いまの国会での成立を確認・合意したというのである。陳謝するなら、国民やメディアに対してでしょ、相手が違うのでは。しかも、NHKは、自民党の勉強会での議員の発言内容に具体的に触れる報道はほとんどしてこなかったし、まして、NHK経営委員を3月まで務めていた百田発言については、触れずに避けていた。どんな発言だったのかは「民放で聴け」とでも言うのだろうか。与党同士の仲良しぶりだけが浮き彫りにされた内容であった。
  そして次が、党内の7月半ばの衆院採決を目指す動き、民主党の反論、特別委理事会のやり取り、維新の党の対案最終案協議・・・、「採決時期をめぐる駆け引き活発化」を強調するが、国会や国民の間で、いま何が問題になっているのかを伝えようとしない、いわば、NHKは、政局報道、政府広報に力を入れているとしか見えない。

視聴者ふれあいセンターは、担当者に伝えるだけ? 
  
7月1日の3回のニュースを見た感想を伝えようと、まだ、「ニュース9」放映中の9時40分過ぎに電話を掛けること数回、「ただいま込み合っています」のテープを聞かされること数分、電話代を取られていることにも腹を立てつつ・・・。ようやく繋がった電話で、7時のニュースでの安保法制関連ゼロ、9時での「駆け引き活発化」でまとめ、国会での議論の内容をほとんど伝えないことへの抗議をした。さらに、視聴者がいくら意見を言っても「担当者に伝える」というだけで、「担当者がどんな方針で、こうした編成になるのか、視聴者は知る機会はありませんよね、受信料を払っているのに、なぜその説明が聞けないのか」と問う。上司が出てきていうことには「放送を見ていただくしかない」という。その放送がますます劣化しているからこそ、何度も伝えているのだが、お客に欠陥商品を届けて受信料を取るという「商売」がそもそも成り立つのか、疑問は晴れない。
  「お客様の言っていることは、<感じ>じゃないですか、いろいろなご意見が来ています、もう視聴者センターの業務時間の10時ですから」と役人よろしく電話を切ろうとする。「感じ」ではなく「事実」でしょ!混んでいて待たされた時間は!ああ、今夜も寝つきが悪くなりそう!  
  この夜のテレ朝「報道ステーション」でも、TBS「ニュース23」でも、参考人質疑についてと一連の勉強会発言について、私としては、解説などを含め若干疑問は残るものの、報道機関としての姿勢をきちんと示す報道になっていたことを申し添えたいと思う。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

CIA | NHK | TPP | すてきなあなたへ | アメリカ | イギリス | インターネット | ウェブログ・ココログ関連 | オリンピック | オーストリア | ジェンダー | ソ連邦・ロシア | チェコ | デンマーク | ドイツ | ニュース | ノルウェー | パソコン・インターネット | フェルメール | フランス | ベルギー | ボランティア | ポーランド | マイナンバー制度 | マス・メディア | マンション紛争 | ミニコミ誌 | ラジオ・テレビ放送 | 世論調査 | 住民自治会 | 佐倉市 | 千葉市 | 千葉県 | 原発事故 | 台湾 | 台湾万葉集 | 吉野作造 | 喫茶店 | 図書館 | 国民投票法案 | 土地区画整理事業 | 地方自治 | 地震_ | 大店法 | 天皇制 | 女性史 | 寄付・募金 | 年金制度 | 憲法 | 憲法9条 | 成田市 | 戦争 | 戦後短歌 | 教科書 | 教育 | 文化・芸術 | 旅行・地域 | 旅行・文化 | 日本の近現代史 | 日記・コラム・つぶやき | 映画 | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 朗読 | 東京大空襲 | 横浜 | 歌会始 | 池袋 | 沖縄 | 消費税 | 災害 | 特定秘密保護法 | 環境問題_ | 生協活動 | 短歌 | 社会福祉協議会 | 社会詠 | 福祉 | 租税 | 紙芝居 | 経済・政治・国際 | 美術 | 美術展 | 航空機騒音 | 表現の自由 | 規制緩和 | 趣味 | 近代文学 | 道路行政 | 都市計画 | 集団的自衛権 | 韓国・朝鮮 | 音楽