2016年12月 5日 (月)

今晩のNHK「ニュース7」ご覧になりましたか~許してはいけない、あまりにも露骨な安倍広報!

 オバマ大統領が年末休暇でハワイに滞在するタイミングで、安倍首相が、オバマ会談を兼ねて、真珠湾の米軍犠牲者の慰霊に出かける由のニュースが流れた。実は、7時直前に天気予報を見ようとしてテレビをつけたところ、安倍首相のぶら下がり記者会見で上記ライブ映像が流されていたのである。7時からのトップニュースでは、長々と例の安倍御用女性記者とアナウンサーの質疑応答も流し、5分以上に及んだ。そして、その後、流された項目は、イタリアの国民投票・オーストリアの選挙結果、福岡の自動車事故、ネット上のまとめ記事サイト問題、超高層ビルの雷被害と続き、参議院TTP特別委員会のニュースになったと思ったら、公明党議員と安倍総理の一問一答のほんの一部分だけが流されたのだ。続いて、大谷選手の契約更改のニュースが続いて、そして、なんと、安倍首相の会見の模様が再度流されたのである。合わせると8分を超えた。

 NHKがここまでやるとは、驚いた。これでは、再任されないとの報道のある籾井会長の資質の問題というよりは、NHK自体がここまで腐敗しきったことの現れである。

来年1月には辞める大統領に、その直前に会って、何を話すのだろうか。就任前のトランプのもとにいそいそ出かけて行って、話した内容は明らかでないが、TPP脱退を覆させることなど到底できない力関係だったのだ。オバマ大統領は、安倍首相に真珠湾訪問が「あなたにとって強いられるものではないように」と伝えたそうだが、NHKは、「政府に強いられる前に」、安倍首相の「真珠湾訪問を日米和解の価値を知らしめる発信にしたい」という言葉に倣えば、NHKは、「(NHKと政府の)親密の価値を知らしめる発信」をしたことになる。オバマ大統領にとっては休暇中の一出来事に過ぎないというのに。日米同盟のさらなる強化のため、トランプへのご機嫌伺にもとれる。TPPのアメリカ脱退宣言、北方領土問題の行き詰まりや国内経済の悪循環、失政の続く安倍内閣は、国民に向けて目くらましを仕掛けたのではないか。

 

 参議院TPP特別委員会は、今日7会派による質疑がなされたのであるにもかかわらず、なぜ公明党だけなのか、なぜあれほど短い時間しか取れなかったのか。記事まとめサイト、雷被害のニュースは、まさに「ヒマネタ」といってもよく、ワイド番組で流せばいい程度の項目で、30分枠のニュース番組で流す必然性がない。

 

 

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2016年7月13日 (水)

選挙報道おかしくなかったか?NHKへ電話する

いつも当ブログをお訪ねくださり、ありがとうございます。やや急ぐことがあって更新ができず、自分でもかなり焦っていました。

参院選の選挙速報も、その後の新聞なども、朝刊を読まずじまいの日が続いた。それにしても、<ながら>で見るテレビも告示後の選挙報道は、報道量もめっきり減って、内容も自粛に自粛を重ねた、<戦況>報道まがいが多く、政策論議が実らなかった。NHKのように、政府広報に徹したところもあった。

NHKのニュース番組を見ていると、710日の投票日が近づくと、週の後半から、選挙報道は皆無に近い状態になった。この異変に気付いて、NHKのふれあいセンターに問い合わせると、オペレーターに代わって、電話口に出た“上司”は「投票日直前の選挙報道は、投票結果に影響するから控えています」(?!)というではないか。一瞬耳を疑ったのだが、どうも冗談ではないらしい。

「その代わりに、土曜日の夜は、特番で『党首の選挙戦に密着』をやりますよ」という。毎度おなじみの「党首密着」だ。「応援演説の途中でのランチの中身が何だったとか、移動中の車中の電話で情報収集している様子とか、はては、家庭内にカメラを入れて、奥さんとの会話を拾うとかいう定番なのでしょう。あれでは、党首が何を訴えていて、何が論点で争点なのかわかりませんね」というと「そうですね」という。党首が車上から声を張り上げて、聴衆や支援者と握手をしているところを映されても、テレビの視聴者としては、判断の材料を得ることはできない。しかも、その党首の映像は、国会の議員数によって、時間が割り振りされているのである。これって、公平? 当然ながら、弱小、泡沫政党は当然切り捨てられている。時間配分の公平など、報道にあってはナンセンスだし、日常のNHKニュースでは、安倍首相の映像や政府発表にやたらに時間をかけているという日常を思えば、“公平”などではなく、まさに偏向といわざるを得ないだろう。

 選挙結果が確定すると、急に、今後の政治課題は、経済政策と憲法改正問題ということで、子細に解説を始めたりする。これって、逆ではないのか。投票前にこそ、報道すべき内容ではなかったのか。

 政府に不都合な報道は避けて、殺人事件や災害、宇宙・ロボットネタ、南シナ海の島の実効支配、北朝鮮のミサイルなどが、こと細かく流され、あるいは、突然、緊急性のない海外ニュースに振られることもある。

 暑さに加え、当分、私のイライラは、おさまりそうにもない。

 

 

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2015年10月23日 (金)

「放送大学、政権批判の問題文削除」が問うもの

 「UP」という東京大学出版会の広報誌がある。出版会新刊書の著者によるエッセイであったり、植物や建築探索であったり、かなり幅が広い。 私が楽しみにしているのは、「すずしろ日記」という美術が専門の山口晃さんの連載マンガと、もう一つは、日本美術史専攻の佐藤康宏東大教授の「日本美術史不案内」という2頁ほどの連載である。マンガは、中年の共働き夫婦のペーソスあふれる日常が描かれていて面白い。「不案内」の方は、古今東西の美術作品・美術書・美術展や芸術家を対象に、最近のトピックスを交え、様々な切り口での「案内」は新鮮で、楽しい。ところが、10月のはじめに届いた10月号は違っていた。「日本美術史不案内78」は「政治的中立」と題され、津田清楓の「ブルジョア議会と民衆生活」(1931年)と題された議事堂の絵と山口逢春の「香港島最後の総攻撃図」(1942年)の写真が目を引いた。

 放送大学客員教授でもある佐藤教授の担当は放送大学「日本美術史」である。今回のエッセイでは、2015年度第1学期の自分の試験問題文(726日実施)の冒頭部分を、まず引用していた。

― 現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる。一九三一年の満州事変に始まる戦争もそうだった。それ以前から政府が言論や報道に対する統制を強めていた事実も想起して、昨今の風潮には警戒しなければならない。表現の自由を抑圧して情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった。

 

この問題文に対して、試験の終了後、受験者のひとりから、「現政権への批判は審議の事案への意見は、教育者による思想誘導と取られかねない」とのメールを受けた放送大学は、大学生用のサイトから、この部分を「不適切であったため削除」した。放送大学が一方的に不適切として判断し、一部を削除したのは不当な措置だと考え、撤回を求めたが、容れられず、客員教授を辞した、という経緯が書かれていたのである。

  試験問題の冒頭部分は戦前戦中期の美術について、いまに生きる自身の問題として考えてほしいという受験生へのメッセージであったという。そして、放送大学が放送法に規制されるのはわかるが、として、最後に「政治的中立とは政権から距離を保つことであって、政権の意向を慮ることではない」と結ぶ。

私には、問題文の全容がわからない。どんな文脈の中での文章だったのかも覚束ないながら、1020日、『毎日新聞』が最初に報道した。手元の新聞とその後、調べた範囲でまとめてみる。

1020日『毎日新聞』「放送大 政権批判の問題文削除 単位認定〈試験に不適切〉」(日下部聡)

1020日 0955

― 放送大は単位認定試験の過去問題と解答を学生ら関係者だけがアクセスできるサイトに公開している。佐藤氏によると、7月28日に大学の事務担当者から「学生から疑義があった」として、学内サイト公開前に問題の削除や修正を求められた。

― 佐藤氏が大学側の求めを拒むと、該当部分の削除を通告する文書が8月上旬、宮本みち子副学長名で届いた。削除理由として「現政権への批判が書かれているが、設問とは関係なく、試験問題として不適切」「現在審議が続いているテーマに自説を述べることは、単位認定試験のあり方として認められない」と記されていた。

― これに対し佐藤氏は納得せず、昨年度から2019年度まで6年間の契約だった客員教授を今年度限りで辞めると大学側に伝えた。佐藤氏は「学生に美術史を自分のこととしてリアルに考えてほしかったので、この文を入れた」と説明した。その上で「大学は面倒を恐れて先回りした。そういう自主規制が一番怖い」と話す。

②『日本経済新聞電子版』(1020 13:00配信)(共同配信)「放送大、政権批判の試験問題文削除 「学問の自由侵害」の声も 

― 佐藤教授は「自分自身の問題としてとらえてほしいと思って書いた。試験問題まで制約を受ける

のは大変遺憾だ」と話している。

― 一方、来生新・副学長は「放送大学は放送法を順守する義務があり、放送法4条には『政治的に公平である』と定められている。意見が分かれている問題を、一方的に取り上げており不適切」としている

③『朝日新聞』(102113版)「政権批判の問題文削除 放送大〈中立性に配慮〉」(伊藤あずさ)

*デジタル「放送大学、政権批判の問題文削除 作問者〈過剰な規制〉」

10210723 

― 単位認定試験の問題に安倍政権を批判した文章が含まれたのは不適切だったとして、放送大学が学内サイトに掲載する際に該当部分を削除していた。大学側は「放送法により、政治的に公平でなければならない」と説明する。だが、総務省放送政策課の担当者は「今回のケースは法に触れず、試験まで規制対象としたのは無理がある」と指摘。

― 作問した放送大客員教授の佐藤康宏・東大教授(60)は「戦前・戦中期の美術史について、学生に自分たちの身近な問題に引きつけて考えてもらうために必要」と説明した。(中略)「学問の自由が認められず残念だ」と話した。

― 来生(きすぎ)新・副学長は「放送法の規制を受け、一般大学より政治的中立性を配慮しなければならない。試験問題も放送授業と一体。問題文は公平さを欠くと判断した」と削除理由を説明した。 

④『産経ニュース』(1021 15:30 「放送大学、単位認定試験で“偏向”問題を出題 〈現政権は再び戦争を始めるための体制…〉指摘受けサイトから削除 

― (放送大学側は)佐藤氏に対し、文書で「現政権への批判が書かれているが、設問とは関係なく、試験問題として不適切」「現在審議が続いているテーマに自説を述べることは、単位認定試験のあり方として認められない」として削除を通告した。佐藤氏は「試験問題は放送法の適用を受けないのではないか」「同意なく削除されたのは著作権の侵害」などと反論し、今年度限りで辞任する意向を大学側に伝えたという。 放送大は一般大学と異なり、放送法を順守する義務を負う。

― 放送大の来生(きすぎ)新(しん)副学長は削除理由について「政治的に公平で、意見が対立している問題は、できるだけ多くの角度から論点を明らかにしなければならない。 

⑤『NHKWebニュース』(10202211)客員教授の問題文「公平性欠く」 放送大学が一部削除

― 佐藤客員教授は、ことし7月に行われた日本美術史の単位認定試験で、戦前・戦時中に国に弾圧されたり軍に協力したりした画家に関する問題文の冒頭に、「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある」などと記しました。

― これについて放送大学は、放送法に照らして「公平性を欠き不適切だ」などとして、その後、学内のオンライン上に試験問題を公開する際に文章の一部を削除しました。

佐藤客員教授は「学生には戦前・戦中の美術について自分自身のことに引き付けて考えてほしくて文章を入れた。大学側の対応は、批判が来ることをおそれた過剰防衛ではないか」と話しています。

一方、放送大学は「意見が対立する問題について一方的な見解を伝えるのは、放送法上不適切だと判断しただけで、政権批判をしたから削除したわけではない」としています。

大学側の措置に対して佐藤客員教授は「みずからの著作物である試験問題の一部を同意を得ずに削除されたことは遺憾だ」として今年度限りで辞任すると申し出て、大学側も了承しました。その結果、平成31年度まで担当することになっていた日本美術史の講義も今年度かぎりで終了することになりました。 

これらの報道を、時系列でみると、NHKは、毎日や日経(共同配信)の報道を受ける形で、報道した形跡がある。他の報道と比べ、事実関係で気になるのは、670人のうちの1人の受験生からメールで抗議を受けたことから始まった件であったことが伝えられていないことだろうか。それに、もう一つ。1020日の夜10時過ぎにNHKオンライン上で配信されたウェブ・ニュースが上記⑤なのだが、この前後のテレビのニュース番組「ニュース7」「ニュースウォッチ9」「News Web」で放映されていないことはNHKにも確認した。明言できないが、おそらくテレビでは報じられていないだろうとのことだった(NHKには、チェックの手立てがないそうだ?!)。

ということは、ネット上の配信だけで、テレビには登場しないニュースであった。テレビやラジオには登場しない、ウェブ上だけの“お蔵入り”の「その他のニュース」が存在する。何を放送・放映するかは、編成次第なのである。

一方、「表現の自由」「学問の自由」「大学の自治」が、さまざまな形で、徐々に侵されてゆくなかで、研究者や大学人たちが、研究室に閉じこもるのではなく、社会に向かって発言したり、社会的活動をしたりする積極性は、大いに評価されるべきだろう。しかし、そこにはおのずから、専門性と倫理性が問われるべき時代にもかかわらず、いたずらに衒学的だったり、簡単に時流に乗ったりして、自己顕示や欲望に抑制を欠く研究者が目立つことも確かで、生活者たる市民の感覚を忘れないでほしい、と思う。

<参考>

放送法

(放送番組編集の自由)

第三条  放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。

(国内放送等の放送番組の編集等)

第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

  公安及び善良な風俗を害しないこと。

  政治的に公平であること。

  報道は事実をまげないですること。

  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること

<追記>10月25日

上記記事執筆後、以下の記事を見出しました。弁護士の金原氏とお笑いの「おしどりマコとケン」さんの3人は、いずれも放送大学大学生の現役生で、私たちのアクセスできない情報にも接し、マコとケンさんは、渦中の佐藤教授に「突撃取材」をしています。関心のある方は是非お読みください。

 

①弁護士・金原徹雄のブログ

http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/45780419.html

20151024

放送大学長「単位認定試験問題に関する件について」を批判的に読む ※追記あり

20151022

放送大学「日本美術史('14)」単位認定試験にかかわる見ごせない大学の措置について ※追記あり

 

 

OSHIDORI Mako&Ken Portal / おしどりポータルサイト 

L.C.M.PRESS Oshidori Mako&Ken mako oshidori

2015-10-24 取材最新記事

 

放送大学:政権批判を自主規制① 「政治的中立とは、政権から距離を保つこと」

 

放送大学:政権批判を自主規制筆者が学長に出した速達

 

放送大学:政権批判を自主規制 学長の説明に疑問 岡部洋一放送大学学長さま 

 

 

 

 

 

 

 

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2015年7月14日 (火)

7月12日、シンポ「沖縄戦後70年:基地問題とジャーナリズム」に参加しました  

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山内ゼミの学生の応援がたのもしい受付

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夏らしい集会の受付、左端の山内先生も忙しそうです


「沖縄戦後70年:基地問題とジャーナリズム」

日時: 7月12日(日) 13時~16時30分

会場 明治大学(御茶ノ水)駿河台キャンパス
    グローバルフロント棟 グローバルホール(1階)

●研究報告 山内健治(明治大学政経学部教授)     “基地接収・返還に揺れた共同体――読谷村の事例から”

●パネル討論 “辺野古から考える日本のジャーナリズム”   

金平茂紀(TBSキャスター)
影山あさ子(映画「圧殺の海」監督)  
宮城栄作(沖縄タイムス東京支社報道部長)
司会 醍醐 聰(東京大学名誉教授)   

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右から、宮城、影山、金平、醍醐の各氏

 新しいグローバルホールは、階段状のホールで、折り畳みの机も備えられている、居心地の良い会場だった。ほぼ満席の約180人の参加、ユープラン、IWJなど4つのカメラが入ったという。  文化人類学、東アジアの民俗学に詳しい山内先生の報告は、あっという間の30分だった。数十年間にわたる沖縄でのフィールドワークのうちの読谷村の事例を話されたが、村の集落「シマ」が戦争で破壊され、再建のさなか、米軍の接収によりさらにズタズタに分断される様子が数字や映像で明確に語られていた。仮設住宅から基地内の公認耕作地に通う人々、「祈り」の場を次々失ってゆく人々が移設しても必死に守ろうとする姿が痛切であった。  パネル討論の詳しい内容については、下記のユープランの配信映像で見ていただきたい。ここでは私がとくに印象に残った発言を恣意的ながらとりあえず発言者ごとにまとめておきたいと思う。壇上では、期せずして宮城さんから若い順に並んだ格好だった。     

              *****
・20150712 UPLAN【研究報告】山内健治“基地接収・返還に揺れた共同体――読谷村の 事例から        https://www.youtube.com/watch?v=UKs5Ux6C7Vc

・20150712 UPLAN【パネル討論】金平茂紀 影山あさ子 宮城栄作 “辺野古から考える 日本のジャーナリズム” https://www.youtube.com/watch?v=ApXZzfPOfBA 

             ***** 

◇宮城さん:
・沖縄と本土との関係を「温度差」「溝」そして「対立」「平行線」とのことばで語られたくはない。今回の沖縄の二紙を「つぶせ」の発言は、毎度のことという印象があるほど繰り返されてきた。昨年の石垣市長選直前の石垣への自衛隊配備計画報道への露骨な規制から遡ると限りない。今回も発言者の品位や資質の問題ではない。メディアとしては直ちに反応してゆきたい。
・本土では、戦後、憲法やメディアが天から降ってきたものかもしれないが、沖縄では、憲法も自分たちのメディアも自らの力で獲得してきたという感覚があり、メディアは、住民にきたえられてきたので、住民サイドに立つ必然性がそこにある。全国紙は、基地問題が法的手続きの問題であり、負担軽減の問題としてとらえているところが問題なのだ。
・ことばとしても、本土では、辺野古への基地移設、移設反対派ととらえるが、沖縄では新基地建設、建設に抵抗する市民 としてとらえている違いは大きい。
・報道の公平・公正というが、軸足をどこの置くかにより変わってくる。弱者に寄り添う公正さに立った報道を実践してゆきたい。
◇影山さん:
・辺野古の基地建設については、2014年7月の着工から撮影を開始し、12月までを『圧殺の海』としてまとめた。影山さんのプロダクションでは、以降もカメラマンが常駐して撮影している。10年前の取材陣と比べると激減し、海上保安庁の、かつてのとにもかくにも“中立的”だった姿勢が一変したのは、第一次安倍内閣からだという。5分ほど流された、4月以降の最新の映像からも、海上保安庁による“警備”の暴力的なすさまじさに息をのむほどだ。人命救助のため、と屈強な海保の隊員が怒号を浴びせながらフロートの外にいるカヌーの市民を襲い、放り出した海で何度でも頭を沈めるという、まさに暴力団まがいのことを繰り返す。影山さん自身もカヌー上に乗り移ってきた隊員に羽交い絞めにされた経験を持つ。
・そのカヌー転覆事件のときは、NHKも撮影していて、沖縄の放送では流れたが、本土では流さなかった。NHKは、展望台から撮影しているが、NHKの撮影隊が来ると、工事の進展の節目で、必ず何かがあると言われているそうだ。何らかの情報を得ているのだろう。
・影山さん制作の海兵隊のブートインキャンプ(新兵訓練所)に密着したドキュメンタリ映画「One Shot One Kill (一撃一殺)」の一部が流され、その撮影経緯について話される。12週間の訓練で「人間が人間でなくなって、人を殺す道具になっていく」様子が克明に描かれている。上官の命令にすべて「yes sir!」と叫ばされ、個性と思考を放棄させられ、銃剣やライフル、素手でも人を殺す訓練が繰り返されるリアルな映像に打ちのめされた。たった5分ほどながら、その迫力は十分すぎた。アメリカから沖縄に送り込まれ、沖縄からイラクやアフガニスタン、ファルージャにも出撃した海兵隊とは何者と、国防省の許可を得てのノースカロライナ州での撮影であったという。
◇金平さん:
  当日の夜にはドイツへ発つという忙しいさなかでの参加だったという。
・摩文仁の丘の平和公園の一番奥の岬のてっぺんに「黎明の塔」というのがあり、私も昨年11月に行ってきたところだが、そこは最後の軍司令官牛島満中将が6月23日自決したと場所とされている。6月23日「慰霊の日」の早朝には、毎年、自衛隊員が参拝しているというので取材に出かけると、今年も、制服自衛官30人ほどの隊員が、右翼らしい人たちと県警に守られて、そそくさと参拝している光景を目にしたという。沖縄の人にとっての牛島中将は、沖縄戦を引き伸ばし、島民や兵士の犠牲を激増させたとして、その評価は高くない。
・今年の「慰霊の日」の式典は例年にない雰囲気の中で始まり、翁長知事の平和宣言への拍手は、何回も力強いものがあり、高校生の詩の朗読も素晴らしかった。安倍首相の挨拶の段になると、「帰れ」コールは、あちこちで起こり、例年いないことだった。さらに、席から「何しに来た」「戦争はイヤだ」「帰れ」・・・と叫び続けていた高齢男性は、警備陣に退去させられていた。TBSでは、さらにその男性(82才)を追い、その発言を捉えたニュース映像を会場でも流した。ところが、6月23日のNHK「ニュース7」では、安倍首相への野次があったことすら伝えなかった。私も、このニュースは見ていたが、金平さんも、ホテルに帰って見て、びっくりしたという。野次のあったことが「ニュース」であるはずなのに、なかったことのように報道していることが恐ろしいと。
・とくに、NHKの報道番組が、政府広報になるのは、「政治部」の記者たちが、実に「エラそうな」振る舞いになるのは、まさに「自発的隷属」に陥っていることに起因するのではないか。

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「報道特集」の一場面、後ろ向きの男性が退去を迫られている


・客観報道、中立性について思い起こすのは、昭和天皇死去直後、皇居前で一人の高齢女性がひれ伏して泣き崩れる様子が各局から流れたが、あるカメラマンは、その女性一人を取り囲んで、大勢のカメラマンがレンズを向けている光景を俯瞰したという。
・TBS報道特集のような調査報道番組は、日本にはほとんどなくなった。放映の時間帯に変遷はあるが、圧力をかけられたことはない。CBSの「60ミニッツ」を手本に頑張りたい。
・今回の安保法案については、当初のもくろみの憲法改正が難しくなって、解釈改憲をして集団的自衛権を容認した経緯と11本の法案をまとめて強行することが問題で、そこの説明が大事で、政局報道に堕していることが危険である。
・辺野古の漁業組合の漁船は、すべて防衛施設庁に1日5万+ガソリン代以上で借り上げられ、沖合に並ぶ。メデイア関係者が借りる手立てはほぼなくて、独自に調達しているという事実も看過できない。

   山内先生、3人のパネリストと、総合司会、討論の司会はじめ多くのスタッフの皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。 会場では、佐倉市から参加された5人ほどの方とはお会いすることができた。 宮城さん、影山さんは二次会にも参加されたので、身近にお話を聞くこともできた。いまの日本を変えるにはどうしたらいいだろうという話なると、影山さんは「少なくとも辺野古を守り通せば、安倍内閣は倒せる」、それには、ともかく一歩を踏み出さねばといい、「辺野古基金」に拠出したからと、そこにとどまってもらっては困るとも。 現場に密着している影山さんならではの発言に、思わすはっとさせられたのであった。

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2015年7月 2日 (木)

NHKの報道の劣化をとめるには!

欠陥商品を受け取るしかないの ? 視聴者は
   7月1日は、昨年のこの日に、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した日である。午前中には、衆議院の特別委員会で、安保法制法案の参考人質疑が行われたはずである。関連の報道を見ようと、NHKの12時、夜7時、9時のニュースを見た。そして驚いた。ああ、こんなことなら 放送項目と内容、時間をメモしておくのだったと思う。

お昼のNHKニュース
   12時のニュースでは、たしかに、国会の特別委の参考人の意見陳述の一部がコンパクトに流された。伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院教授、国連PKO活動の経験)鳥越俊太郎(ジャーナリスト) 柳澤協二(国際地政学研究室理事長、防衛省OB)の3人が野党推薦、 小川和久(静岡県立大学特任教授、軍事評論家) 折木良一(元第三代統合幕僚長)の2人が与党推薦。伊勢崎氏はPKO活動における現実なリスク、柳沢氏は集団的自衛権と個別的自衛権の切り分けが困難さ、鳥越氏は政府のマスコミへ圧力の強化を強調、折木・小川氏は、法案の意義を強調し、小川氏は米国との軍事同盟に頼らず、独自で防衛するには、いまの5兆円が23兆円にものぼる、などと述べた。

NHKニュース7では
  
しかし、もう少し詳しくは、7時のニュースでと思ったら、なんと関連法案報道は皆無であった。新幹線の事件や箱根の小噴火に続いて、路線価と日銀短観の発表報道では、いかに景気が上向いているかの声を、それも外国資本頼みの実態を伝えていた。 オープニングに使われた「なでしこジャパン」は、さすがに、後半に回されたが、イングランド戦を控えたなでしこジャパンの練習風景や監督や選手の決意、元選手の解説まで流す熱心さである。それに、なにやら大きな階段の模型?が登場し(何度目?)、アナウンサーは、語調を強め興奮気味に試合の行方を語るのだ。これって、実に聞き苦しいし、感情をあらわにせず、淡々と伝えるというアナウンサーの基本中の基本に反するのでは?北朝鮮の女性アナを笑えない状況に、NHKは立ち至っている。 安保法制関連のニュースは、完全に無視し、封じ込めたのである。

NHKニュースウォッチ9では  
   新聞のテレビ欄の予告では、トップに「安保法制関連をめぐる参考人質疑」とあったのに、まず「今入ったニュース」として、ウィンブルドンの錦織選手が足のけがで2回戦棄権が伝えられた後、待てど暮らせど、安保法制関連のニュースは現れず、9時35分過ぎた頃、ようやく、自衛隊の国旗掲揚の ”おごそか“な風の映像が流れたと思ったら、画面の右肩に「安保法案 衆院採決時期 与野党駆け引き活発化」というタイトルが現れた。「与野党駆け引き活発化」!これまた、いつもの法案成立最終段階でのNHKの常とう手段たる「与党内駆け引き」「与野党駆け引き」報道である。日常的にも、たださえ、法案の中身についての報道が希薄で、「駆け引き」視点で集約する意図が露骨で、報道の原点ともいえる「論点提示」がなく、政府の解説のリピートに過ぎないのである。  
   この日の安保法制関連報道 も、その典型的なもので、最初に、衆議院での安保法制特別委員会の参考人陳述では、折木氏と柳沢氏の陳述を紹介したのみであった。そして次が、安倍首相が公明党の山口代表との会談で、首相が自民党の議員が勉強会発言で迷惑をかけたことに陳謝、両党「心を合わせて」いまの国会での成立を確認・合意したというのである。陳謝するなら、国民やメディアに対してでしょ、相手が違うのでは。しかも、NHKは、自民党の勉強会での議員の発言内容に具体的に触れる報道はほとんどしてこなかったし、まして、NHK経営委員を3月まで務めていた百田発言については、触れずに避けていた。どんな発言だったのかは「民放で聴け」とでも言うのだろうか。与党同士の仲良しぶりだけが浮き彫りにされた内容であった。
  そして次が、党内の7月半ばの衆院採決を目指す動き、民主党の反論、特別委理事会のやり取り、維新の党の対案最終案協議・・・、「採決時期をめぐる駆け引き活発化」を強調するが、国会や国民の間で、いま何が問題になっているのかを伝えようとしない、いわば、NHKは、政局報道、政府広報に力を入れているとしか見えない。

視聴者ふれあいセンターは、担当者に伝えるだけ? 
  
7月1日の3回のニュースを見た感想を伝えようと、まだ、「ニュース9」放映中の9時40分過ぎに電話を掛けること数回、「ただいま込み合っています」のテープを聞かされること数分、電話代を取られていることにも腹を立てつつ・・・。ようやく繋がった電話で、7時のニュースでの安保法制関連ゼロ、9時での「駆け引き活発化」でまとめ、国会での議論の内容をほとんど伝えないことへの抗議をした。さらに、視聴者がいくら意見を言っても「担当者に伝える」というだけで、「担当者がどんな方針で、こうした編成になるのか、視聴者は知る機会はありませんよね、受信料を払っているのに、なぜその説明が聞けないのか」と問う。上司が出てきていうことには「放送を見ていただくしかない」という。その放送がますます劣化しているからこそ、何度も伝えているのだが、お客に欠陥商品を届けて受信料を取るという「商売」がそもそも成り立つのか、疑問は晴れない。
  「お客様の言っていることは、<感じ>じゃないですか、いろいろなご意見が来ています、もう視聴者センターの業務時間の10時ですから」と役人よろしく電話を切ろうとする。「感じ」ではなく「事実」でしょ!混んでいて待たされた時間は!ああ、今夜も寝つきが悪くなりそう!  
  この夜のテレ朝「報道ステーション」でも、TBS「ニュース23」でも、参考人質疑についてと一連の勉強会発言について、私としては、解説などを含め若干疑問は残るものの、報道機関としての姿勢をきちんと示す報道になっていたことを申し添えたいと思う。

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2015年6月16日 (火)

6・14国会包囲集会に参加しました(1)

ともかく、国会へ

 午前中、地元の9条の会のニュースの編集会議を終え、連れ合いとは駅で待ち合わせ、「とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ」集会へ向かった。

 下のようなチラシや67日『東京新聞』[朝日新聞』 の1頁全面の意見広告を見ていたので、できれば参加したいと思っていた。連れ合いは、元の職場の方たちと待ち合わせているというので、仲間に入れてもらうことに。議事堂からは少し離れた霞が関駅改札から10人ほどで歩きはじめ、歩道は赤いコーンで分けられるので細い列になる。外務省の横を経て議事堂の正門前までくると、身動きができないくらいの人でいっぱい。横断歩道では警官が信号規制をする。憲政資料館辺りから、すでに居場所を決めて座り込んでいる人たちが続く。国会図書館あたりがすいているというので、さらに移動、シュプレヒコールをしながら歩く。最近では、反TPPのデモに参加したり、議員会館での集会や国立国会図書館での調べものに通ったりすることはあっても、議事堂に向かってのシュプレヒコールは久しぶりだ。「戦争反対」「9条を守れ」「戦争法案今すぐ廃案」「戦争する国絶対反対」「安倍政権の暴走を止めよう」「一括法案絶対反対」・・・。

参加者の多くは、「戦争させない」「9条壊すな」のプラカードとは別の、お手製のさまざまなプラカードを持っているのが目立つ。私たちも何か作って持参すべきだったと悔まれる。壇上からのマイクの声は、議事堂周辺50か所以上にスピーカーが設置されているからどこにでも届く。車道には相変わらず装甲車の列が続く。それに、議事堂と接する歩道は、すべて通行規制されて、警官だけが立つ。

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白熱のリレートーク

結局私たちは、国立国会図書館横に陣取ると、各界の代表のリレートークが始まった。佐高信さん、各党からは長妻、吉田、志位さんに続いて、沖縄の女子大生玉城さん、鳥越俊太郎、山口二郎、石坂啓、古今亭菊千代さんに続き、弁護士の杉浦ひとみ、福山洋子さん、最後が鎌田慧さんだった。皆さん熱弁ではあったけど、講演会ではないのだから、もう少し、簡潔にしてほしかったなと思う。街頭では、集中力がないし、やはり聞きづらい。概して、女性の方がメリハリがあってわかりやすかった。玉城さんは、東京には、戦闘機の音がない、街に米兵が歩いていないと語り始めた。安倍さんは戦争にはいかないですよね。若者の命を奪うな、若者に命を奪わせるな、基地を作らせない、9条を守るという決意が明快だった。漫画家の石坂さんの作品を読んだことはないのだが、いま、放映中の「アイムホーム」の原作者と初めて知った次第。平和憲法が憎くて憎くて、「わが軍」と「壊憲」で頭がいっぱいの安倍首相、戦場で自衛隊員の死者が出たときをすでに想定、メディア対策まで考えている安倍首相、国民を愚弄する安倍政権を許さない戦争法案を許さない、と訴える。菊千代さんも初めて聞く名前、芸人9条の会を立ち上げた由、悪いのは安倍晋三ひとりではない、その取り巻き、そして日和見、国会での野党も情けないと手厳しい。620日には、女性によるヒューマン・チェーンで議事堂を包囲しようと訴える杉浦さん。鎌田さんのトークが終わったのは4時近かった。きょうの参加者は、25000人との報告があった。

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国立国会図書館横、国会見学者用バスプール前

帰りは、議事堂裏の議員会館をへて、国会議事堂前から地下鉄に乗ることにした。いちょう並木の新緑が美しい季節だ。思いがけずお遇いした方々もいて、思い切って参加してよかったと思う一方、持参したおにぎりを食すチャンスを失っての空腹に悩まされもした。

当日のNHKニュース7では、案の定、きょうの集会はスルー。安保法制関連では、申訳のように岡田民主党代表の講演会の模様を伝えただけだった。香港の学生デモ、MERSの流行で、中国と韓国への不安をあおるかのようなニュースは、毎日確実に届くのだが・・・。スポーツは、なでしこジャパンは、スポーツ番組へ移行して「届けよ、もっと大事なこと」と宇田川町に向かって叫びたい。

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2014年2月28日 (金)

「すてきなあなたへ」68号をマイリストに掲載しました

「すてきなあなたへ」68号がようやく発行されました。マイリストをご覧ください。久し振りの発行です。皆さんのご協力で、何とかここまで。しばらくは続けていきたいと話し合っています。
以下のURLクリックしてください。
http://dmituko.cocolog-nifty.com/sutekinaanatae68.pdf

(目次)
佐倉市議会って、どんな?
―あなたが選んだ市議は何をしていますか

近頃の〈NHK〉っておかしくないですか?

菅沼正子の映画招待席40『ウォルト・ディズニーの約束」
~名作「メリーポピンズ」誕生秘話

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2014年2月 1日 (土)

NHKの番組編集権とはなにか~31日衆院予算委員会の質疑中継と「ニュース7」

 NHK会長の品位とは
 
NHKの籾井新会長の125日の記者会見での発言は、報道機関のトップとして決して許されるものではなく、辞任に値しよう。個人の発言として取り消して済む問題ではない。安倍首相が仲の良い経営委員を送り込んで選任した会長人事だった。いまだに、「従軍慰安婦はどこにもあったでしょう、フランスはありませんでしたかァ?ドイツはありませんでしたかァ?」とそのへんの一杯飲み屋の酔っぱらいの風情だった。あの品位のなさはどこからくるのだろう。安倍首相が口にする「女性の力の活用」の本気度が知れる。

衆院予算委での質疑

この件に関して、131日の衆議院予算委員会では原口議員(民主党)が質問した。NHKの国会中継を見ていたのだが、議員は、放送法の第1条と4条を前提に、番組制作の最終責任は会長にあることを確認した上で、会長①「特定秘密保護法が通っちゃったんだからしょうがない・・・」発言、②国際放送における政府が右と言っているものを左とはいえない・・」発言に絞って、放送法4条第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に反するとの質問であった。NHK会長は、どの質問にも、参考人席の真後ろの事務方が脇の下に差し出す紙片を受け取ってからの答弁となった。しかも、慣れない席での記者会見で私的な意見を述べたことを陳謝したが、答弁は、放送法の条文を読み上げることを繰り返すばかりで、質問とはかみ合わない内容のないものだった。

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         「毎日新聞」(2014年2月1日)朝刊 

                  三本の手?背後から伸びる手は?

二つの疑問          

このやりとりで、私はつぎの2点に疑問があった。番組制作・編集権は、ほんとうに会長にあるのか。放送法のどこにもその記載はない。NHKの総括的な責任は会長にあることは確かだが、制作・編集は実質的には番組担当者だと思うし、番組にかかわる件は番組担当者に伝えるというのが、NHKの視聴者センターの姿勢でもある。もっとも会長に最終責任があるということが大昔からの「内規」にあるらしいとは、放送関係者から聞いたことがある。今回のNHK会長の暴言は番組編集の責任者である会長として「ケシカラン」というよりは、報道機関、公共放送のトップとしての資質の問題ではないだろうか。 選任した経営委員会にも大きな責任があるはずだ。

つぎに、質問者の原口議員は、委員会質問の事前に行われたNHKのレクで、「従軍慰安婦関連の記者会見のやりとりのみが私的な意見として取り消されたので、この問題には今日は触れない」と、質問の冒頭で明言したことである。ということは、記者会見における他の質疑における会長答弁は、公人としての発言だったことを認めたことになる。だとしたら、あの会見の暴言は、経営委員長の国会での答弁のような「今回のことを踏まえても、会長として適任だ」として「お咎めなし」で済まされる問題ではないはずであろう。この2重の意味での経営委員会の責任がある。にもかかわらず、安倍首相は、経営委員の選任についての質問に「経営委員会の決定に介入するつもりはない」と、意図的にすり替えた答弁をするのである。

その日の「ニュース7」 

そんな疑問が去らないまま、当日の「ニュース7」を見た。

「消費者物価指数上昇」「有効求人倍率、職種で違い」「ソチオリンピック、あと1週間」に続いての「国会質疑」であった。エネルギー政策、核密約問題、特定秘密の廃棄問題についての質問は、要約のアナウンスだけで、安倍首相の答弁のみを画像と肉声で放映するとう方式である。さらに、NHK会長の質疑に移るが、原口議員の質問は一か所だけ取り上げられ、あとは、会長の答弁が続くのだが、いくつかの質問の回答を適宜、つなげての編集であった。しどろもどろの繰り返し答弁が、整った形で答弁したように映るしかけである。さらに経営委員長には、会長の記者会見発言に経営委員会ではどういう議論がなされたのかの質問については、一切アナウンスがないまま、会長答弁に続けて、答弁の一部のみが放映されたのである。何に応えているのか、ニュースだけを見ている人はおそらくわからないだろう。伝わるのは、ただ最後に、軽々しい発言を遺憾に思い、注意したことがわかる程度で、この件は、一件落着という筋書きのニュースであった。そして、このニュースのつぎに流れたのが、「外国観光客にもわかりやすい、地名・施設標識」で、これまでのローマ字表記がわかりにくいので、たとえば「roppongi dori」の「dori」を「street」にするとか、「sensoji」の後ろに「tenple」を付記するとか、大きなパネルまでつくって、それは丁寧にいくつもいくつも紹介していた。前記「国会中継」のニュースより長いくらいの時間を割いてであった。しかも、このニュースは6時台の首都圏ニュースでも放送されたのを、私は見ていた。「ニュース7」の全国ニュースで、こんな扱いを受けるニュースではなかったのではないか。

この実に恣意的な編集がまかり通る恐ろしさを、改めて感じた。発言の切り取り方、画像の切り取り方、自由自在なのだから。放送法第4条には、「1.公安及び善良な風俗を害しないこと。2.政治的に公平であること。3.報道は事実をまげないですること」の3項もあるのだ。とくに報道番組の編集は、先の第4項も踏まえて、どのニュースを取り上げるか、どれほどの時間をかけるのか、繰り返し報道するのか、などさまざまなバランスが問われる仕事で、不断の努力が要求されるはずである。

NHK会長の記者会見発言のNHKの報道の絶対量が極端に少なかったのは歴然としていた。1月25日の会見当日の「ニュース7」では、放送法を順守するという所だけを伝えるのみで、他局が報じた従軍慰安婦発言領土問題についての発言は全く報じなかった。28日「ニュース7」になってようやく、衆院本会議の民主党海江田代表の質問で言及したことで会長の従軍慰安婦発言が伝えられただけだった。そして、31日の「ニュース7」での報道となったのである。

「なに様」のNHK?

少なくとも私が、ほぼ毎日見ている「ニュース7」は、とくに最近、このバランスは大きく崩れ、政権へのすり寄り、政権の広報が顕著になり、「安倍首相」を主語とするコメントと「経済の好循環?」の一端をどこからか拾ってきて流し続け、ソチオリンピックや6年後の東京オリンピック関連、サッカーや野球選手の移籍のニュースを長々伝え、災害や事件・事故があれば、大々的に報じ、政治ニュースを押しやる傾向が続いている。ニュースの軽重のバランスが取れていないことが続く。と感じるのは、私の偏見でもなさそうなのは、テレビ欄への番組に対する投稿でもよく見かけるようになった。

ニュースに限らず、他の番組、たとえば、大河ドラマさえ、「黒田官兵衛」のあとは、安倍首相の地元を舞台にしたいと、ドラマになりそうな話を探って、ようやく吉田松陰の妹をヒロインにすることになったという話さえ聞こえて来るではないか。

受信料で成り立っている公共放送「みなさまのNHK」への監視を怠ってはならない。

 

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2014年1月14日 (火)

年末年始のマス・メディア雑感

「雑感」とせざるを得ないのが残念なのだが、やはりどうしても記事として残しておきたいと思った。

  年末年始、テレビや新聞をそれほど熱心に見たわけでもなく、大みそかなどは、急きょ東京に出かける用事ができて、結局一日中、テレビを見ずに終わった。元旦号の新聞はたださえ嵩高いが、5紙購読していると、ずしりと重く、もう別刷りの付録?特集?などはほとんど読まなかった。昔はもったいないような気がして頁だけは繰ったものだがいまはその気力もない。

  年末年始の新聞を少しまとめて読み、テレビのニュース番組はチラチラと見ていた。そんな状況での感想なのだが、思いついたまま・・・。しかし、同じような感想を持つ人たちもいて、少し心強くなった。

  『東京新聞』「反響」欄などに注目

私がいつも目を通すのが「東京新聞」の放送&芸能欄のなかの一段にも満たない「反響」という欄である。読者からの放送番組への感想投稿欄である。14日・5日の「反響」は、「新春特集・報道番組に一言」上下で、あわせても2段弱のスペースに9人の感想が載せられていた。その中6人は、直接「特定秘密保護法」に触れて、報道の自由への懸念や不安を指摘し、今後ともメデイアが結束して頑張ってほしいとエールを送るものだった。他の一つは、ニュースは量より中身の濃さが問題であるとする意見、もう一つは、テレビよりラジオの魅力、その自由さを伝えるものだった。私には、日常的にラジオを聴く習慣はないが、なるほどと思った。ただ、投稿者の7人が6070代で、57歳、43歳と、かなり高い年齢構成であったのが、気になるところであった。
 
また、『東京新聞』で、見開きのスペースをとった「こちら特報部」では、読み応えのある調査報道に出会える(最近では「原発・武器輸出 これが成長戦略?」110日)。『毎日新聞』の「オピニオン―メディア」欄の特集や「記者の目」、「メディア時評」には、切り抜きたくなる記事も多い。テレビでは、「モーニングバード」の「そもそも総研たまペディア」が面白い。

NHKがおかしい、視聴者は知っている

当ブログでも、昨年、「特定秘密保護法」の法案の閣議決定直後と、参議院の強行採決で成立した前後の新聞などのマス・メディアの対応について、3回にわたって書いて来た。その折も、他のマス・メディアとの比較で、NHKの対応の異様さを指摘してきた。つまり、①報道機関としての「特定秘密保護法」への危機感が感じられず、その報道量が極端に少なかったこと。②その報道のスタンスも、法律の内容や争点を明らかにすることを意図的に避けて、政権与党と野党との修正協議・駆け引きなどに焦点を当てるものだったこと。その2点に集約された。以下をご参照ください。

「特定秘密保護法」強行採決、嵐は去ったのか(2013129日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/12/post-2479.html

「特定秘密保護法案閣議決定、そのとき、新聞は」(2013111日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/11/post-6bc1.html

「特定秘密保護法案閣議決定、そのとき、NHKは」(2013111日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/11/post-9c02.html

   年末年始におけるNHKの報道姿勢や内容については、上記の傾向をさらに増幅するものとなっていた。こうした思いは、私だけでなく、多くの視聴者が感じているようなのだ。私はニュース7だけは、NHK報道番組のバロメーターとして、視聴するようにしているが、見逃すこともママあった。

  その1.(天皇誕生日)天皇記者会見「ニュース7」(20131223日)

  誕生日を前に行った記者会見の模様を放映したのだが、代表質問の最初が「80年を振り返って印象に残っている出来事や傘寿を迎えた感想、そしてこれからの人生について」であり、それに応えた部分で「特に印象に残っている出来事という質問ですが、やはり最も印象に残っているのは先の戦争のことです。」で始まる。宮内庁のホームページに拠れば、つぎのように述べたはずなのだが、ニュースでは、赤字太字部分がカットされていたことが後でわかった。  

「この戦争による日本人の犠牲者は約310万人と言われています。前途に様々な夢を持って生きていた多くの人々が、若くして命を失ったことを思うと、本当に痛ましい限りです。

 戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います。戦後60年を超す歳月を経、今日、日本には東日本大震災のような大きな災害に対しても、人と人とのきずな絆を大切にし、冷静に事に対処し、復興に向かって尽力する人々が育っていることを、本当に心強く思っています。」   

 なお、以下の皇后について述べている部分はカットされずに放映されていたと思う。

 「天皇という立場にあることは、孤独とも思えるものですが、私は結婚により、私が大切にしたいと思うものを共に大切に思ってくれる伴侶を得ました。皇后が常に私の立場を尊重しつつ寄り添ってくれたことに安らぎを覚え、これまで天皇の役割を果たそうと努力できたことを幸せだったと思っています。」 

  記者会見全文は、文字にすると2900字近いものだが、もちろん、限られたニュースの時間帯ですべてを放映するわけにはいかないだろう。もちろん編集は必要であるが、上記のカットの仕方は、いかにも不自然である。一部の新聞、NHKのwebニュースでも全文は読めたが、ニュースで、あえて、日本国憲法の由来部分を省略した意図は、改憲や解釈改憲を急ぐ現在の安倍政権への配慮ではなかったか。「編集」という「情報操作」が露骨に表れた例と言えるだろう。

この件につき、上記『東京新聞』の「反響」欄(20131229日)には、どこの局とは特定していなかったが、つぎのような投稿が寄せられていた。 

 

「戦後の復興に関するお言葉で、『平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り・・・』という部分は放送されていなかった。陛下ご自身が一番印象に残っていることとして、戦争の惨禍を挙げられてことから考えると、負に落ちない編集である」(川越市・男性・62歳)

 

その2.仲井真沖縄県知事「普天間移設、辺野古埋め立て申請承認」についての県議会質疑及び辞任を求める決議に関する「ニュース7」(201419日、10日)

 

 昨年12月半ば、仲井真知事が都内の病院に入院とのニュースが流れ、安倍首相との会談日程が取りざたされる頃から、ほぼ会談の結論は予想できた。しかし、1225日の会談を経て、27日の知事の記者会見で、安倍首相の対応にあれほどの賛辞を送り、「いい正月が迎えられる」?との発言にはいささか戸惑った。その内容は、普天間県外移設の選挙公約に大きく外れるものだったからである。

  年明けの19日には、沖縄県臨時県議会で、6時間にも及ぶ質疑で、知事の追及がなされ、翌10日には、野党4会派と公明党が知事の辞任要求決議が可決した。県議会の質疑はいっさい報じられなかったし、辞任決議については、「フラッシュニュース」で短く報じただけであった。9日は、午後に横浜地検の川崎支部から逃走した男が横浜で逮捕され、四日市の化学工場の爆発事故で5人の死者を出した事故が発生していた。たしかに、災害・事故・事件の報道も重要であるが、沖縄の基地の問題は、地方ニュースではないはずである。その扱いがあまりにも軽く、黙殺にも近いものだったのである。その一方で、スポーツや緊急性を要しない話題、いわば<ヒマネタ>で、時間を占めてしまうことが多々ある。たとえば、「インフルエンザ、全国的流行」(9日)「ビール各社、冬に“高級路線”強化」「XP打ち切りで、偽ソフト急増」(10)などであり、日常的には、執拗なほどの「領海接近・侵入船舶」の頻出には、そのバランス感覚に疑問を持たざるを得ない。というより非常に意図的なものを感じてしまうのは私だけだろうか。

  以上のようなNHKの報道番組の「偏向」の一方、エンターテイメント番組について、最近目に余るのは、自局の番組宣伝である。スポット的な予告ならいざ知らず、新年5日から始まった大河ドラマ「軍師官兵衛」の関連番組というのが目白押しである。たしか、初回1月5日の午後には、「官兵衛が始まるまであと何時間何分」などと、はしゃいでカウントダウンまで始める番組に出くわし、あきれてしまった。また、「あさイチ」のオープニングは、司会のふたりが直前の番組「ごちそうさん」の感想をなにやら言いあうのがどうも慣例になっているらしい?それほどまでにして「視聴率」をあげて受信料制度を守りたいのか、と思うほどである。

 

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2013年12月 9日 (月)

特定秘密保護法、強行採決~嵐は去ったのか

 126日の深夜、特定秘密保護法は、参院本会議で強行採決され、成立した。その時も、その前後も、私自身、国会周辺で、抗議をしていたわけではないけれど、無力感にさいなまれた。この法案ンお論議が始まったころから大げさでなく「これから、日本はどうなるのだろう」と思った。いま、私は何をすべきなのだろう。ともかく、特定秘密保護法案へのマス・メディアの対応を記録しようと思った。すでに、111日の当ブログでも、レポートしている。

「特定秘密保護法案閣議決定、そのとき、新聞は」

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/11/post-6bc1.html

「特定秘密保護法案閣議決定、そのとき、NHKは」

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2013/11/post-9c02.html

 その後も、中間報告するつもりでいたところ、参議院強行採決に至ったのである。やや大部なものになってしまったが、以下のPDFでご覧いただきたい。社説など個別の新聞社のホームページやその他で読めるし、わが家で購読している新聞(全国紙、業界紙合わせて5紙)は、その時目を通しても、たまる一方で、時系列にしても、同日の新聞で、どう報じたか横断的に読むにも難儀した。一層のこと、難儀ながら、比較一覧作成を試みたわけである。今回は、衆議院、参議院強行採決の翌朝の新聞を中心にして、できるかぎり、前後を追った。NHKのニュースは、少なくとも「ニュース7」は努力して視聴しているので、比較一覧に加えた。なお、日本弁護士連合会は、法律の問題なので、専門家集団の動向として、その会長声明も、論点整理のため参考にしたいと思った。また、前回は、地方紙の代表として、『琉球新報』を追跡したが、今回は成らず、省略したのが心残りである。

さらに、いまだ閲覧できない新聞もあり、未調査部分は、今後補足していきたい。

http://dmituko.cocolog-nifty.com/tokuteihimituhogohosyasetuitiran.pdf

こうして見るとはっきりしたことがいくつか浮上するのだが、いまは、3点だけにとどめ、速報としたい。

一つは、特定秘密保護法については、「知る権利」を奪うおそれがあるとして、全国紙、地方紙が、一部の新聞を除いて、明確に廃案、慎重審議のキャンペーンを展開したことだった。社説のみならず、かなりの紙面を割いて、さまざまな視点から、さまざまな連載物を組んで、また、広く市民や識者の意見を紙面に反映した。とくに東京新聞が顕著であった。日常的には、かなり経済界、政府寄りの報道が顕著な「読売」「日経」においても、他紙に比べると社説の回数や紙面の取り方は少ないが、「論議を尽くせ」の姿勢を示した。

一つは、成立直後の127日の紙面はご覧の通りだが、私はさらに128日の紙面に着目した。成立前からの課題を検証し、今後の問題提起をしていることで、その姿勢は、さらに持続する構えを見せていることだった。通常、法律成立後は、さらりと振り返っただけで、一件落着の風がある。たとえば、消費税増税、オリンピック東京開催、TPP交渉参加などの問題点などの検証は鳴りをひそめてしまう。「甘い」と思われるかもしれないが、ともかく、今後のメディア監視を続けたいと思う。

 もう一つは、どう考えても異常だったのが、NHKの報道姿勢だった。ご覧のように、まず、新聞に較べて、取り上げる回数が少ない、報道時間が短い、その報道内容に偏向があることだった。自らも報道機関でありながら、「知る権利」への関心が薄く、避けているかのような姿勢である。内容の偏向というのは、つぎの三点からも明らかである。一つは、中立公正と言いながら、同法案の問題点を、論点を明確に示さず、政府提案の後追い、つまり政府広報に徹していることだった。つぎにその論点についても、国会の質疑、与野党の攻防という限りで言及するにすぎない。国会の質疑に関しても、政府答弁のみを放映するという手法をとり、国会内の政党の動向とか、首相や閣僚、幹事長記者会見に時間を費やしている。成立直前の「ニュース7」のニュース項目を見れば明らかであろう。きちんとした論点整理や解説は、解説委員室やゲストによる「時論公論」や「視点論点」で展開しているとも見えるのだが、その放映の時間帯は、いずれも深夜なのだから、明らかに意図的な編成と言わなければならない。「時論公論」とて、その解説は、解説委員が特定されていて、あまりにも客観的な、他人ごとの解説ぶりで、自らの報道人としての見解はどうなのかが問われるのではないだろうか。この法律の審議過程では、NHKの経営委員人事における、安倍首相の「お友達」選定が露骨に浮上した。

 受信料を徴集されながら、政府広報しか視聴できないという時代に来てしまったのか。日本の近代史の検証番組は盛んに放送するけれど、今はどうするのか、の視点が抜け落ちている。中国・韓国・北朝鮮のマイナス情報は丁寧に時間をかけ、危機感をあおり、 ときには災害・事件・スポーツを妙に詳細に全国に流し、科学・生活・文化の調査ネタ、いわばひまネタをさりげなく「ニュース7」に挿入する手法には、うんざりしているのだ。あとは、民間放送での人気のお笑い芸人の後追いするような番組に、公共放送としての自負はどこに?と思われることもしばしばなのである。

 

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